1.ハムスターの妊娠期間について
1-1.ロボロフスキーハムスターの妊娠期間
1-2.ジャンガリアンハムスターの妊娠期間
1-3.ゴールデンハムスターの妊娠期間
2.妊娠中・産後のハムスターについて
2-1.妊娠初期
2-2.妊娠中期
2-3.妊娠後期
2-4.産後
4.ハムスターの繁殖に関する注意点
4-1.繫殖させる場合は計画的に
4-2.必要な知識を揃えたうえで行う
4-3.十分な環境を用意してあげる
ハムスターの妊娠期間について
野生のハムスターは秋から冬は生殖活動が低下するので一年中繁殖可能ではないのですが、ペットのハムスターは、環境が整っているため1年を通して生殖活動は活発です。そのため、繁殖もいつでも可能なのです。
また、ハムスターの品種によって妊娠期間に多少の違いがあるのでペットとして代表的なハムスター別に紹介します。
◆ロボロフスキーハムスターの妊娠期間
ロボロフスキーハムスターは、最も小さいハムスターで、大人になっても4.5~5cmほどにしかなりません。
ロボロフスキーハムスターの繁殖は、やや難しいといわれています。
実際に、ロボロフスキーハムスターのオスとメスをペアで飼育していたが1年以上も繁殖しなかった、というケースがあります。
ロボロフスキーハムスターは、警戒心がとても強く、繁殖の相手を慎重に選ぶ傾向があるため、繁殖が他のハムスターより難しいといわれる理由です。
そんなロボロフスキーハムスターの妊娠期間は、だいたい20~22日です。1度の出産で2~9匹産みます。
産まれた赤ちゃんは、生後1ヶ月ほどで大人のロボロフスキーハムスターになります。
産まれてから乳離れまでの期間は3週間です。
ロボロフスキーハムスターは生後2年で、人間でいうと60歳くらいになるのです。
やはりハムスターの成長は早いですね。
◆ジャンガリアンハムスターの妊娠期間
ジャンガリアンハムスターは、人にも懐きやすく、温和な性格のハムスターですのでペットに迎える人は多く、人気の品種です。
大人になると、オスは約7~12cm、メスは約6~11cmになります。
そんなジャンガリアンハムスターの妊娠期間は約18~19日です。1度の出産で、1~9匹産みます。多くの場合、4~5匹程度が1度の出産で産まれてきます。
ジャンガリアンハムスターの赤ちゃんは誕生から10日くらい経つと、目が開きます。
授乳期間は16~18日程度で、その後離乳します。
赤ちゃんメスは早くて生後90日、オスは生後150日で大人のジャンガリアンハムスターになり繁殖が可能になるのです。
オスよりメスのほうが性成熟が早いのが特徴です。
ジャンガリアンハムスターの繁殖で気をつけたいのが、ジャンガリアンハムスターのプディング同士、パイド同士の交配です。これらの特徴をもつ個体同士の繁殖は避けましょう。
これらの遺伝子は、致死遺伝子といわれ、その影響でお腹の中の赤ちゃんが産まれる前に死んでしまう確率がとても高いのです。
また、産まれることが出来ても奇形である可能性が非常に高くなるからです。
◆ゴールデンハムスターの妊娠期間
ハムスターの中でいちばん古くから飼育されてきたのがこのゴールデンハムスターです。
からだも大きく、性格もおっとりしていて飼い主に懐きやすい品種のため大変人気を集めています。
ゴールデンハムスターは、大人になると体長約16~18.5cm、重さは120~210gになります。数字で見ても他のハムスターよりも大きいことがわかります。
そんなゴールデンハムスターの妊娠期間は約16日。長くても19日です。1度の出産で、数十匹産むといわれていますが、だいたい6~7匹産むことが多いです。
ゴールデンハムスターの赤ちゃんのメスは生後約6週間、オスは生後8週間で大人になります。繁殖させる場合には、大人になったもう2週間後以降が望ましいといわれています。
また、ハムスターの交配を望むときは、オスのケージにメスを入れるのが一般的ですが、ゴールデンハムスターの場合は、同じケースに複数の個体を入れるとケンカすることが多いので、オスとメスがケンカをしないかよく観察しましょう。
もしもケンカしてしまうようなら、1度別のケージに移動させてから再度繁殖に挑戦してみてください。何度もケンカをするようなら残念ながらその個体同士は相性が良くないのかもしれません。無理に繁殖させないようにしましょう。
妊娠中・産後のハムスターについて
◆妊娠初期
交尾に成功した場合、交尾から約24時間で妊娠が成立します。
妊娠の確認は、メスの生殖器に「膣栓」という乳白色をした樹脂の塊のようなものの有無でわかります。ハムスターを飼い慣れていれば確認しやすいですが、はじめて繁殖させた人には難易度が高いです。
そこで、だれでも簡単に妊娠の判断ができるのは、ハムスターのメスの発情の確認です。
メスは約4日周期で発情するので交尾から4日経ってメスの発情姿が見られなければ妊娠している可能性が高いということです。反対に、4日経ったころにオスを求めるような仕草があればまだ妊娠はしていないということになります。
妊娠したハムスターは、いつもよりそわそわしたり、いつもより丁寧に寝床を作るなどの変化が出てきます。
慣れているはずの飼い主の手を警戒する、食欲旺盛になった、などの変化も同時に見られれば妊娠がほぼ確定します。
◆妊娠中期
妊娠していてお腹が膨らんでくるのは、交尾から約10日ほどたった妊娠中期ころです。
ハムスターを真上から見ると下半身がやや丸みを帯び始めます。体重も増えてきます。
妊娠初期のころよりさらに落ち着くがなくなりますが、ひとつひとつの動作もゆっくりになるのが特徴です。
中期よりさらに食欲旺盛になり、本能的に食べ物をため込むようになるのもこの頃によくみられる姿です。
◆妊娠後期
いよいよ出産間近の妊娠後期。ハムスターがいつもより神経質になってきます。
中期よりさらに体重が増え、ぼてっとした動作になります。
出産2~3日前になると、床材を巣箱の中や巣箱の周りにぎっしり敷き詰め、赤ちゃんを迎える準備に入るのです。
下半身の膨らみも増し、真上から見るとまん丸くらいになります。お腹をみるとお乳が目立つのもこのころです。
家に食べ物をため込んだり、水もよく飲むような様子がみられ、落ち着かない様子もあれば、じっと巣に籠もる時間も長くなってきます。
ハムスターの出産は深夜から早朝にかけて始まります。一匹目を産んでも次々に生まれるのではなくゆっくり1匹ずつ産んでいきます。
◆産後
出産を終えたママになったハムスターはここから子育てが始まります。
おおよそ出産から20日もすれば離乳になるので子育ても終了間近です。
基本的にハムスターの子育てに人間の手はいらないので、そっと見守りましょう。
ハムスターの赤ちゃん見たさにケージの中をぐいぐい覗くのはNGです。ケージの周辺で物音を立てるのも控えましょう。お世話のつもりでママハムスターのことを触らないようにこの時期は慎重に対応してください。
この時期のママハムスターは、外敵から赤ちゃんを守ることに必死です。飼い主の手が近づいただけでも外敵が来たと思って大きなストレスを感じ、最悪の場合、赤ちゃんを守るために赤ちゃんを食べてしまうこともあります。
赤ちゃんハムスターたちは離乳期を過ぎたら、オスとメスを分けてください。うっかりしていると大人になり、兄妹での交配になってしまいます。
出産育児を終えたママハムスターを休ませてあげるため、単体で過ごせるケージに移してあげてください。
妊娠中のハムスターの飼育方法について
妊娠中のハムスターには、体になるべく負担をかけないような快適な環境を用意してあげましょう。
快適な環境作りに重要なことは、「温度」「ケージの場所」「ケージ内のレイアウト」の3点です。
妊娠中のハムスターにとって適切な温度は、20~26℃程度です。
ケージの中の特に巣箱の中は、熱がこもりやすいので、一カ所だけが暖かくならないように気をつけましょう。
ケージが置いてある部屋全体を暖め、ケージの中全体がほんわか暖かくなるようなイメージです。
妊娠中のハムスターの場合、普段よりより落ち着ける環境が必要です。
直射日光が当たらない風通しの良い場所で、ほかのペットがいない場所がベストです。
妊娠中のハムスターは落ち着いて生活できないので、
また、床材等が不足していたり、他のハムスターや動物、人の気配があると、妊娠中のハムスターはストレスを感じやすくなります。
ケージには段ボールやタオルといった目隠しをかけてあげて、ハムスターから外の様子が見えづらいようにしてあげましょう。
どこからでも覗けるケージ、床材不足、他ハムスターの気配を感じながら過ごした妊娠中のハムスターは産後、赤ちゃんを食殺しやすくなるといわれていますので十分注意しましょう。
ハムスターといえば回し車ですが、回し車は妊娠中でも使うことができるので、そのまま設置しておいて大丈夫です。
回し車があることでストレス発散にもなります。
ただ、回し車のサイズは、妊娠中のハムスターにぴったりサイズのものを選んでください。
大きすぎる回し車だと、身体を反ってしまうので、お腹に負担がかかる恐れがあるからです。
妊娠中のハムスターには、通常のご飯に加えてタンパク質とカルシウムが必要になります。
ペレットや野菜を普段から与えていると思いますが、ここにハムスター用チーズなどをおやつに追加してあげましょう。
食事量は普段の1.5~2倍の餌を与えて問題ありません。鮮度の観点から、餌を残していても毎日とりかえてあげましょう。主食のフードを多めに、おやつで不足している栄養分を補ってみてください。
ハムスターの繁殖に関する注意点
◆繫殖させる場合は計画的に
簡単な気持ちでハムスターを繁殖させるのはやめましょう。
一般の家庭でハムスターを繁殖させること自体に問題はありません。
ですが、無償でも人への譲渡を何度も行うと、動物取扱業としての届け出が必要になるので、気をつけましょう。
手続きの問題だけではなく、頻繁な繁殖はママになるハムスターの身体に大きな負担がかかります。ハムスターの繁殖は計画的に行いましょう。
繁殖ささえることが決まったら、次は繁殖までの手順が重要です。
まず、健康に問題のない個体同士をお見合いさせましょう。
繁殖させたいときはオスとメスを一緒に飼育すればいいのでは?と思うかもしれませんが、個体の相性によっては攻撃しあう可能性があり大変危険です。
特に縄張り意識の強いゴールデンハムスターの場合は注意しましょう。
お見合いは、オスとメスのケージを隣合わせにして、お互いのニオイを感じられるようにします。数日後、オスがお尻を上げるような素振りをみせたら、メスをオスのケージに入れてください。
この時点でオスとメスがケンカをするようなら、もう一度それぞれのケージに戻し、ニオイを覚えさせてから再度繁殖に挑戦しましょう。交尾が確認できたら、オスとメスは別々のケージに戻して、メスの妊娠の兆候を待ちます。
◆必要な知識を揃えたうえで行う
ハムスターの繁殖は簡単なようで飼い主の細かな知識が必要です。
繁殖前には飼っているハムスターの品種の特徴を確認しましょう。
妊娠中のハムスターについての説明で少し触れましたが、ハムスターの習性で、出産した後にママハムスターが赤ちゃんを食べてしまうことがあります。これを食殺といい、初産のハムスターに多い行為です。残念ながら食殺に対しての完全な予防方法はありません。
しかし、ハムスターには食殺があるという知識があるだけでも十分な対策になります。
ハムスターの繁殖は、命のリレーになりますのでできるだけ飼い主が得られる知識を蓄えた上で行うことが望ましいです。なおかつ計画的に慎重に丁寧に検討しましょう。
◆十分な環境を用意してあげる
妊娠したハムスターが快適に過ごせるように飼い主は全力で環境作りに努めてください。
また、食殺を飼い主が完全に阻止することはできませんが、減らす予防はできます。
予防方法として、「妊娠したメスを単体でケージに入れてあげる」「分娩の2週間ほど前からケージの掃除をやめる」「妊娠から出産、子育て期間はママハムスターにストレスを与えない」ことです。
これらを試しても元々のハムスターの習性なので、食殺が起こるときはあります。
ママハムスターのせいでも、飼い主のせいでもありません。
そっと見守り、残された命を大事に育てていきましょう。
まとめ
ハムスターの妊娠について説明しました。どの品種のハムスターも妊娠期間は20日前後と短く、基本ハムスターの出産は安産のため飼い主の手を必要としません。飼い主が出来ることは、ハムスターが妊娠したときです。妊娠中のハムスターがストレスなく快適に過ごせるようフード、室温、ケージ、ケージ内のアイテム、ケージの置き場所に配慮してあげましょう。
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