1.ハクビシンとは
1-1.特徴
1-2.寿命
3.ハクビシンの飼育が難しい理由
3-1.理由①そもそも入手困難である
3-2.理由②飼育に関する情報が少ない
3-3.理由③受診できる病院がほとんどない
4.ハクビシンの被害例と対処法
4-1.被害例①食害とゴミ荒らしの問題
4-2.被害例②家屋への侵入
4-3.対処法①侵入経路をふさぐ
4-4.対処法②電気柵を設置する
4-5.対処法③光と音で撃退する
4-6.対処法④忌避剤を利用する
4-7.対処法⑤専門業者に相談する
ハクビシンとは
まずはハクビシンとはどんな動物なのか、しっかり押さえましょう。
◆特徴
その見た目からタヌキやアライグマと混同されることが多いものの、ハクビシンはジャコウネコ科の動物です。
漢字では「白鼻芯」と書く通り額から鼻にかけて白い線が入っているので、顔を見ればタヌキやアライグマと簡単に区別することができるでしょう。
ハクビシンの体長は約90〜120cm程度で、メスよりもオスの方が大きい傾向にあります。
また、しっぽが体長の半分を占める程の長さをしているのが特徴的です。
ハクビシンは夜行性の雑食性なので、1年を通して夜になると野菜や穀物といった農作物のほか、昆虫やネズミなどの小動物を探して動き回ります。
色んなものを食べますが、フンの調査によると1番の好物は果物のようです。
ハクビシンは運動神経が良く、垂直に高いジャンプができたり、電線のような不安定なところでもスイスイ渡ったりすることができます。
そのため、ハクビシンが大好物の果物をゲットするのも楽勝と言えるでしょう。
ただし、横にジャンプするのは苦手なので木から木へ飛び移るようなことはできません。
ハクビシンは1年に1度の出産で1〜4匹の赤ちゃんを産みます。
赤ちゃんは全長15cmととても小さいですが、生まれた時から鼻に白い線があり非常に可愛らしいです。
初めは目が開かないほど未熟な赤ちゃんですが、3か月もすれば大人と変わらないサイズにまで成長し、10ヶ月にもなれば子どもが産める成体となります。
◆寿命
ハクビシンは野生の場合10年程度、人間の飼育下では15〜20年程度生きると言われており、とても長生きの小動物です。
実は、ハクビシンはもともと東南アジアに生息していたものが毛皮用として日本に輸入された際に繁殖してしまったという外来種説もあれば、もともと日本にいたという在来種説もあり、その起源が明確にはわかっていません。
しかし、現在では沖縄以外の日本各地に生息しており、本来は山を好むものの住宅街やビル街でも目撃されるようになりました。
10年以上の長い寿命で確実に行動範囲を広げていったことが分かりますね。
ハクビシンの飼育は基本的に禁止!
ハクビシンを家庭で飼うことは、基本的に鳥獣保護法で禁止されています。
鳥獣保護法は、野生動物の捕獲や駆除にまつわる法律です。
ハクビシンを捕獲するだけでも鳥獣保護法で定められた狩猟免許が必要となり、無許可で捕獲した場合には1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられてしまいます。
また、捕獲自体ができても、自治体から「生涯飼養許可」がおりなければ飼育することはできません。
ただし、ハクビシンは農作物や人間に被害を加えるかもしれないため、ほとんどの自治体で害獣と見なされ
ており、基本的に「生涯飼養許可」はおりないと言われています。
さらに、ハクビシンは犬や猫と違ってトイレのしつけが難しい動物です。
飼育するとあちらこちらに糞尿を撒き散らされてしまい、清潔な環境が保てなくなってしまう恐れがあります。
そのため、もし法律的に許可されたからといって、そもそもハクビシンを飼育することはおすすめできないのが正直なところです。
飼育までに狩猟免許取得などいくつものハードルがあるものの、どうしてもハクビシンを飼育してみたいという方は、お住まいの都道府県の環境局や保健所に問い合わせてみるといいでしょう。
ハクビシンの飼育が難しい理由
繰り返しになりますが、ハクビシンは法律的な制約と実際の飼育の難しさから、一般家庭のペットにはおすすめできません。
ここではより具体的に、ハクビシンの飼育が難しい理由をご説明します。
◆理由①そもそも入手困難である
ハクビシンはペットショップで取り扱われておらず、飼育するためには野生のものを捕獲するしかありません。
しかし、ハクビシンを合法的に捕獲するには狩猟免許が必要です。
狩猟免許を取得するには特定の手続きが必要なうえ、厳しい試験に合格しなければなりません。
さらに、もしも狩猟免許を取ったとしても、ハクビシンを捕獲できる期間や場所、捕獲に使ってよい道具など複雑なルールがあるため、実際に捕まえるのは非常に困難なのです。
◆理由②飼育に関する情報が少ない
ハクビシンと快適に暮らすためには、飼育方法に関する情報を集めることが不可欠です。
しかし、本来野生動物であるハクビシンの飼育法はほとんど出回っていないのが現状です。
いろんなエサを与えてみたり、数種類のケージを与えてみたりと実験的に一緒に暮らすことはできますが、いざ実際にそうなってみると正解がわからないままいつしかハクビシンのお世話が疎かになってしまう未来も予想されます。
◆理由③受診できる病院がほとんどない
飼育しているうちにハクビシンが体調不良になったり、原因不明なものの様子がおかしいと気付いたりすることがあるでしょう。
犬や猫といった一般的なペットであればすぐに診てもらえる動物病院が近くにあるはずです。
しかし、野生動物であるハクビシンの治療経験が豊富な獣医師は非常に少なく、病気やケガの早期治療も簡単ではありません。
そもそも受診を拒否されてしまう可能性もあるでしょう。
健康管理という飼い主さんの務めを果たせない時点で、ハクビシンの飼育は難しいと断言できそうです。
これらの理由から、ハクビシンの飼育は法的、実践的、そして動物福祉の観点から推奨できません。
ハクビシンは野生で最も適した生活を送る動物であり、家庭環境での飼育は彼らにとっても人間にとっても多くの課題が伴うのです。
ハクビシンの被害例と対処法
ハクビシンを害獣に指定している自治体が多いとお伝えしましたが、実際にハクビシンの行動は人間の生活にさまざまな悪影響を及ぼしています。
ハクビシンがもたらす被害の具体例は次のとおりです
◆被害例①食害とゴミ荒らしの問題
ハクビシンは農作物や果物を食べ、ゴミを荒らすことで知られています。
農家さんたちも様々な対策を取っているものの、ハクビシンは木登りが上手なため、彼らからの被害をゼロにすることはとても困難なのが現状です。
◆被害例②家屋への侵入
近年は人間の住居に侵入するハクビシンも増えており、特に屋根裏を好む傾向があります。
彼らは巣のなかに糞尿をためる習性があるため、悪臭や害虫の発生源となり2次被害を生むでしょう。
これらの問題に対処するための具体的な対策は以下の通りです。
◆対処法①侵入経路をふさぐ
ハクビシンが侵入しやすい経路を特定して封鎖します。
家の周囲に隙間や穴がないか確認して、あれば金網などで塞ぎましょう。
◆対処法②電気柵を設置する
ハクビシンは賢いため、一度電気柵に当たるとその存在を学習して、次回からその場所を避けるようになります。
電気柵を設置する場合は、ハクビシンが木に登って逃げないように、周りの木々はあらかじめ剪定しておきましょう。
また、漏電を防止するためにも、周囲の雑草を刈っておくことも大切です。
◆対処法③光と音で撃退する
ハクビシンは夜行性のため、明るい光や大きな音に敏感で、そうしたものを嫌う傾向にあります。
家の周囲に光や音を利用した撃退グッズを設置するのが非常に効果的といえます。
◆対処法④忌避剤を利用する
ハクビシンが嫌う強烈なニオイを利用した商品も市販されています。
唐辛子やにんにく、石油など、ハクビシンが苦手なニオイを発する忌避剤を設置することで、彼らを寄せ付けないようにできるでしょう。
◆対処法⑤専門業者に相談する
すでに家屋にハクビシンが侵入している形跡がある場合、プロの害虫駆除業者に相談するのがおすすめです。
素人の自己対策には限界があるため、専門家に侵入経路を特定・封鎖してもらい、適切な消毒をおこなうのが一番確実で手っ取り早いでしょう。
これらの対策を実践すれば、ハクビシンの被害を大幅に防止できます。
まとめ
いかがでしたか。この記事ではハクビシンについて徹底解説しました。
ハクビシンは可愛らしい見た目をしているものの、その正体は害獣でペットとして飼育することはできません。
もしお家の周りで見かけたら、棲みつかれる可能性があるので早めに対策を行いましょう。
すでに棲みつかれていた場合には早急に専門業者へ駆除をお願いすることをお勧めします。
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