ハムスターにも美味しいメロンをあげたい!量、与える時の注意点は?

2024.02.29

ハムスターにも美味しいメロンをあげたい!量、与える時の注意点は?

甘くてみんなが大好きなメロン。ハムスターともこの美味しさを共有したい気持ちになりますが、ハムスターはメロンを食べても良いのか気になりますよね。この記事では、ハムスターにメロンを与えても大丈夫なのか、メロンの栄養価はどうなっているのか、与える際はどのような点に注意すればよいのかについて説明していきます。


ハムスターにメロンを与えても大丈夫!

メロン

メロンは、ハムスターが食べても大丈夫な果物のひとつです。芳醇な香りと甘み、みずみずしい果汁で人気の高いメロンは、私たち人間だけではなくハムスターの心もとりこにすることでしょう。

メロンの旬は初夏で5~8月に出荷のピークを迎えます。ハウス栽培で季節に関係なく栽培できること、産地や品種によっても栽培時期が少しずつずれていることから、一年を通して入手が可能な果物となっています。スーパーや青果店でも買い求めやすくなっていますが果物の中でも高価です。ハムスターにとっても、バナナやニンジンなどに比べると贅沢なおやつになるでしょう。


メロンの栄養素と水分量

メロンは甘くてみずみずしく、ハムスターの嗜好性が高い果物です。飼い主さんとしては、ハムスターが食べることで健康にどのような影響を及ぼすのか気になりますよね。メロンにはどのような栄養素や成分が含まれているのでしょう。

◆メロンの栄養素

メロンに含まれる主な栄養素は、糖質、カリウム、β-カロテン、ビタミンCです。中でも、特にカリウムが多く含まれているという特徴があります。

・糖質

メロンが甘いのは、糖質の一種として「ショ糖」が多く含まれているからです。ショ糖は砂糖の主成分でもあり、ハムスターの体内でエネルギー源として使われていきます。そのため食欲が低下している時のエネルギー補給に役立つでしょう。一方、とり過ぎれば肥満や糖尿病の原因につながってしまいます。

ちなみに、メロンはリンゴやバナナに比べると糖質やエネルギー(カロリー)は控えめなので、食べ過ぎなければハムスターには良いおやつになるでしょう。

・カリウム

カリウムは体内のミネラルバランスを調整し、筋肉や神経を正常に保つ役割があります。野菜、いも、果物に幅広く含まれており、果物の中ではバナナに並んでメロンもトップクラスの含有量をほこります。

・β-カロテン

β-カロテンは植物に含まれる橙色の色素で、体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を丈夫にするために使われます。また、抗酸化作用や免疫を高める作用を持ち病気を予防するために役立ちます。

β-カロテンが豊富な食品では、にんじんやかぼちゃがおなじみです。そして、メロンの中でも果肉がオレンジ色をした赤肉種は、かぼちゃに近いくらいのβ-カロテンが含まれています。赤肉メロンが手に入った時には、ハムスターにも食べさせてあげたいですね。

・ビタミンC

ビタミンCは血管や粘膜を丈夫に保ったり、ストレスへの抵抗力を高めたりする作用があります。ハムスターは体内でビタミンCが生成できるので、あえてビタミンCを補給する必要はありませんが、ハムスターがメロンを食べることで体調を整える効果が期待できます。

◆メロンの水分量

メロンは果汁たっぷりで食べると清涼感が得られるように、果物全体の中でも水分が多い部類にあたります。メロンはその約88%が水分で締められており、みかん、梨、桃と同じくらいの水分を含んでいることになります。

このように大半は水分なので、メロンを食べることは水分補給にもつながります。ですから、ハムスターが給水器から水を飲めない状況では、水分を効率良く補給させるためにメロンを利用するのもおすすめです。

◆その他の成分

メロンには、ハムスターの健康を害するような刺激の強い成分、毒性の強い成分は含まれていません。基本的にはハムスターに与えて問題ない果物といえますが、メロンに含まれる「ククルビタシン」「ククミシン」という成分には少し気を付けたほうが良さそうです。

ククルビタシンは、ウリ科の果実に含まれる苦み成分で、未熟なメロンに多く含まれます。メロンが熟すとククルビタシンの量は減るので、食べ頃ならばハムスターが食べても問題ありません。

ククミシンは、メロンの果汁に含まれる酵素です。ククミシンそのものはハムスターの健康を害するものではありませんが、熟し過ぎたメロンは口の中や喉にピリピリ、イガイガした刺激を感じさせることがあります。

食べ頃のメロンならばククルビタシンやククミシンの影響を受けることは少ないので、食べ頃を見きわめてハムスターに与えれば問題はありません。


ハムスターにメロンを与える際に注意すること

ハムスター

ハムスターは体が小さくて内臓もデリケートなので、ハムスターに与える食べ物に気を遣う必要があります。では、メロンを与える際にはどのような点に注意すればよいのでしょう。

◆適切な量を与える

ハムスターにメロンを与える際は、ハムスターが食べ過ぎないよう注意する必要があります。

あくまでもハムスターの主食はペレットなので、メロンは副食(おやつ)として少量を食事に取り入れるようにしましょう。

ハムスターに与えるメロンはすぐに食べ切れるくらいが適量です。

ゴールデンハムスターなら1cm角くらい、ドワーフハムスター(ジャンガリアンハムスター、ロボロフスキーハムスターなど)なら5mm角くらいの大きさが目安です。

若しもハムスターがメロンを食べ過ぎると、水分のとり過ぎで下痢をしたり、それだけでおなかがいっぱいになって主食のペレットが食べられなくなったりしてしまいます。ハムスターがメロンをもっと食べたそうにしていても、メロンをたくさんあげることは避けましょう。

なお、ハムスターによってはメロンを食べない子もいます。ハムスターにも食べ物の好みはありますし、メロンはあえてハムスターに与える必要がない食べ物なので、食べない場合は無理に食べさせなくてもかまいません。

◆皮や種などは与えない

ハムスターには果肉だけを与えましょう。メロンは、私たち人間が食べる時と同様に皮をむいて種を取り除き、ハムスターが食べやすい大きさにカットします。

皮と種は硬いので消化しにくく、ハムスターの胃腸に負担をかける可能性があります。皮や種はハムスターにあえて与える必要もない部位なので、可食部の美味しい果肉だけ食べさせてあげましょう。

◆新鮮なメロンをあげる

メロンは、必ず新鮮なものを与えるようにします。古くなると味も品質も落ち、それを食べたハムスターがお腹をこわすおそれも出てきます。入手したら食べ頃のうちに早めに消費しましょう。

メロンは底の部分を指で押して柔らかくなっていたら食べ頃です。熟し過ぎてしまうと、ククミシンの影響で食べた時にピリピリした刺激を感じたり、メロンが発酵して不快なにおいを感じたりするようになってしまいます。追熟させ過ぎないよう気を付けましょう。

なお、カットした状態で販売されている商品はすでに食べ頃なので、すぐ消費することをおすすめします。カットしてから時間が経過して果肉がじゅくじゅくしているものも品質が落ちているので、体が小さく消化器官がデリケートなハムスターに与えることは控えましょう。

◆食べ残しはすぐ処分する

ハムスターの食べ残しは早めに処分しましょう。生の果物は傷みやすく、ハムスターが傷んだメロンを食べてお腹をこわしたり、ケージ内にカビやにおいが生じたりする心配があるためです。

お皿が空っぽでメロンが見当たらなくても、ハムスターが巣箱や床材の中に隠していることもあります。特にメロンは水分が多くて傷みやすいので、メロンを与えた日は、ハムスターが食べ残していないかケージ内を確認しましょう。

また、メロンを与える際に大きめなものを渡すと、ハムスターがその場で食べ切ることなく頬袋に入れて持ち帰る可能性が出てきます。ハムスターには、その場ですぐ食べ切れる量のメロンを与えるようにしましょう。

◆たまに与える程度にしておく

メロンは1週間に1回程度与えるくらいが適切です。ご家庭にメロンが十分に残っているとしても、ハムスターのおやつに毎日出すことは避けましょう。少量ずつでも毎日続けて食べると、メロンに含まれる水分や糖分のとり過ぎ、食事全体の栄養のバランスが乱れたりする可能性が出てきてしまいます。

栄養のバランスが偏らないよう、ハムスターの副食にはメロン以外に野菜、ナッツ類、チーズや昆虫などの動物性たんぱく質をローテーションで与えるようにしましょう。

また、メロンを与えた日の後にスイカ、レタス、きゅうりのように水っぽい果物や野菜を続けて与えるのではなく、水分の少ないリンゴやバナナ、にんじんなどを選び、副食のバリエーションに変化をつけることをおすすめします。


ハムスターにはドライタイプもおすすめ

ハムスターにはドライタイプのメロンもおすすめです。ハムスターに水分の多いフルーツを食べさせるのが心配な場合も、ドライタイプなら安心して与えることができます。

乾燥させてあるメロンは水分が少ないので、ハムスターが水分をとり過ぎて下痢をしてしまう心配がありません。また、ハムスターの手やケージが果汁で濡れることもなく、傷みにくいというメリットもあります。

ただ、ドライタイプならどれでも良いわけではありません。ハムスターに与える際は、安全性が高いもの、砂糖、油脂、添加物を使用していないものを選びましょう。

◆ペット用のおやつなら安心

ハムスターには、ペット用のおやつとして販売されているドライタイプのメロンを与えることをおすすめします。ペット用に製造されているおやつは安全性が高く、安心してハムスターに与えることができます。

フリーズドライによって加工されているメロンは、フレッシュなメロンの風味や栄養がそのまま閉じ込めてあるので、ハムスターにとっても良いおやつになりますよ。

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◆人間用のドライフルーツは与えないこと

メロンのドライフルーツも販売されていますが、私たち人間用に作られているドライフルーツは砂糖や添加物を使ったものが多くなっています。ハムスターに人間用のドライフルーツを与えないようにしましょう。

同様にメロンを使った加工食品、ジュースなど、甘味料や香料が添加されているものはあくまでも人間用の嗜好品として作られているので、ハムスターに与えることは避けましょう。


まとめ

メロンは適量をたまに与える程度ならハムスターに与えても良い果物であることを説明しました。少量なら良いおやつになりますが、水分と糖分が多いのでくれぐれも与え過ぎには注意しましょう。

高級フルーツの代表格でもあるメロンをハムスターのためにわざわざ入手する必要はありません。贈答品でいただいた時、旬に新鮮なメロンを買った時などにちょこっとおすそ分けしてあげるといいですね。



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うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


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