1.まりもとは?
3.まりもの飼育に必要なもの
3-1.水槽
3-2.砂
3-3.水
5.まりもの育て方 |長生きさせる4つのポイント
5-1.日当たりの良い場所で育てよう
5-2.適温は15~20℃程度
5-3.水換えは定期的に行う
5-4.まりもにエサは基本的に不要
まりもとは?
まりもは、水中で生きる緑藻の仲間で、糸状体という細長い形をしています。
水底で波によって転がることで、丸い集合体になります。日本では、北海道の阿寒湖で初めて発見され、鞠のような形をしていることから「毬藻」と名付けられました。
現在、「まりも」は日本の特別天然記念物に指定されており、厳重に保護されています。
まりもは、光合成によって生長する植物の仲間で、エサをとったり自分で移動したりといった動物的な行動をとることはありません。
大きな緑の球体に見えるのは、じつは太さ0.05~0.1mm、長さ0.5~3.5cmほどの小さな藻の集まりとなっています。
1つ1つの個体は濃緑色の糸状体で、もともと小石や岩にくっついていたものが何かのきっかけにちぎれ、互いに絡み合ってひとまとまりになったものです。
まりもの寿命はとても長い!
まりもの寿命は、その球体を構成するひとつ一つのマリモ(藻)の寿命とは異なります。
球状のまりもは崩壊と再生を繰り返すため、その寿命を正確に測定することは難しいです。
しかし、まりもが直径10cmになるには15年以上かかると考えられており、大きなものはもっと長生きであると予測されます。
北海道の阿寒湖には、300年近い寿命があるとも言われる大きなまりもが存在しており、人間よりはるかに長い寿命をもつことがわかりますね。
まりもの飼育に必要なもの
まりもを自宅で飼育してみたい場合、事前に準備しておくものにはどんなものがあるでしょうか。
◆水槽
15〜30cm程度の、熱帯魚や金魚用のものが利用できます。
水槽には、ろ過装置をつけると水質が保たれますが、無くても飼育は可能です。
水槽とろ過装置がセットになったものも販売されていますので、設置後すぐに飼育をはじめることができます。
◆砂
まりもは光合成をして生長する植物であり、エサをとったり自分で移動したりといった動物的な行動をとることはありません。
そのため、栄養分が含まれている砂は避ける必要があります。
まりも飼育に最適な砂は、淡水魚用の砂や、サンゴや石などの砂です。
サンゴや石などの砂は、水質を安定させる効果があり、まりもの成長に良いとされています。
また、白系の砂や石ならまりもの緑がより映えるので、インテリアとしても楽しめます。
◆水
水道水で大丈夫です。カルキ抜きした水は不向きです。
水温は15〜20℃が適温です。
まりもの販売場所
まりもは、インターネット通販やホームセンター、雑貨店などで購入することができます。
インターネット通販では、さまざまなサイズや種類のまりもを見つけることができるでしょう。
ホームセンターや雑貨店、100円均一などでも、まりもを売っている場合があります。
ただし、店舗によっては取り扱っていない場合もあるので、事前に確認することをおすすめします。
北海道のお土産店でビンに入ったまりもが販売されていますが、そのほとんどは養殖のまりもです。
阿寒湖の天然のまりもは特別天然記念物のため、許可なしに販売することはできません。
まりもの育て方 |長生きさせる4つのポイント
まりもを自宅に迎えたら、いよいよ育てていきましょう。
動物ではないものの、丁寧に育ててあげることで長く大きく育つ可能性が上がります。
ここでは、まりもを長生きさせる4つのポイントをご紹介します。
◆1,日当たりの良い場所で育てよう
光合成をするために、日当たりのいい場所に置いてあげましょう。
ただし、直射日光は避けて、レースカーテン越しの柔らかい日光か、明るい日陰ほどの日当たりが適しています。
夏場は水温が上がりやすくなってしまうため、日を当てるのも午前中などの短時間にとどめ、あとは室内の涼しい場所に置くようにしましょう。
◆2,適温は15~20℃程度
適温は15℃から20℃程度です。暑さに弱いので、夏場は冷房の効いた室内に置いてあげましょう。
暑い地域の方は、なんと冷蔵庫に入れて育てる方もいるそうです。冷蔵室は平均2~6℃、野菜室が3~7℃なので入れる場合は状態の変化に注意することが大切です。
冬場は凍らないように注意してください。
◆3,水換えは定期的に行う
水質を清潔に保つために、定期的に水の交換をしてあげましょう。
夏場は1週間に1回、冬場は1ヶ月に1回が目安です。
水は水道水のままで、カルキ抜きなどは必要ありません。
水槽の大きさが小さいほど、水が汚れやすくなるため水替えの頻度を増やすことをおすすめします。
水換えの際に、まりもを優しく手に取って状態をチェックすることをおすすめします。
表面が汚れている場合は、手のひらを窪ませた状態でまりもを乗せ、洗面器の中などでゆっくり振って洗ってあげましょう。
◆4,まりもにエサは基本的に不要
まりもは水中で生きる緑藻の仲間で、光合成をして生長します。
そのため、清潔な水と適度な日光があれば、餌や肥料は必要ありません。
ただし、サイズを大きくしたい場合は、「マリモのごはん」などの専用の肥料を規定量与えることもできます。
「マリモのごはん」は塩化マグネシウム・硫酸マグネシウムなどが配合された、まりも専用の育成剤です。
水換えの際に100mlに対し数滴入れることで、まりもの成長に必要なミネラルが補給できるといわれています。
まりもがしぼんでしまったら?
まりもを育てている時に、真ん丸だった形がいびつになり、しぼんだようになってしまうことがあるかもしれません。
まりもがしぼんでしまう原因は、主に以下の3つです。
•水が汚れている
•日光が不足している
•水温が高すぎる
これらの原因を解消することで、まりもは元気になります。
具体的には、水の交換や日当たりの調整、水温の管理が必要です。
日光が不足している場合は、日当たりのいい場所に移動してあげましょう。
水温が高すぎる場合は、涼しい場所に移動してあげましょう。暖地なら、夏場は冷房の効いた室内が最適です。
まりもは他の生物と一緒に飼育できる?
一般的に、まりもは汽水(淡水と海水が混ざった塩分の少ない水)で育てることができます。
そのため、汽水に適応した生き物と一緒に飼育することが可能です。
例えば、ホロホロシュリンプ(ピクシーシュリンプ)やカノコ貝の仲間などが相性が良いとされています。
これらの生き物は、まりもを食べたりしないし、水中のバクテリアを食べたりするので、水質の管理にも役立ちます。
しかし、淡水で育てる場合は、まりもと一緒に飼育できる生き物は限られてきます。
魚やエビなどは、まりもを食べてしまったり、水質を悪化させたりする可能性があります。
そのため、まりもと一緒に飼育する場合は、ミナミヌマエビやアカヒレなどの小型でおとなしい生き物がおすすめです。
ただし、水槽のサイズや水の交換頻度にも注意が必要です。
まりもがしゅわしゅわしている理由
まりもを育てていると、まるで炭酸をまとったように「しゅわしゅわ」することがあります。
何か病気なのかと心配になるかもしれませんが、大丈夫です。
まりもがしゅわしゅわする理由は、光合成をしている証拠なのです。
光合成とは、植物が光エネルギーを使って水と二酸化炭素から酸素と糖を作ることです。
まりもは水中で光合成をするとき、酸素と窒素の気泡を発生させます。
この気泡がまりもの表面に付着して、しゅわしゅわとした見た目になります。気泡がたくさんつくと、まりもは水面に浮き上がることもあります。
まとめ
今回はまりもを長生きさせる育て方についてご紹介しました。
特別天然記念物にも指定されており、その真ん丸でコロコロとした姿は見ているだけで癒されます。
まりもは最初から丸いわけではなく、糸状体という細長い形の藻が集まって丸くなったものです。
生育環境が良いと寿命は長く、300年近く枯れないまりもも確認されています。
キレイな水で生きている生き物なので、家庭で育てる際にも定期的な水換えやメンテナンスは欠かせません。
他の生き物と混泳させる場合は、まりも自体を食べない種類を選ぶようにし、水槽のサイズなどにも注意が必要です。
眺めても育てても楽しめるまりも飼育、ぜひこの機会にはじめてみてください。
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