1.オオアオジタトカゲとは
1-1.生息地
1-2.特徴・性格
1-3.大きさ
1-4.寿命
オオアオジタトカゲとは
オオアオジタトカゲはトカゲ科アオジタトカゲ属に分類されています。
現在、次の3つの亜種が確認されています。
亜種 | 種類 | 分布 |
Tiliqua gigas gigas (Indonesian blue-tongued skink /) |
オオアオジタトカゲ アンボンアオジタトカゲ |
インドネシアに分布 |
T. g. keyensis (Key Island blue-tongued skink) |
カイアオジタトカゲ | カイ諸島やアルー諸島など |
T. g. evanescens (Merauke blue-tongued skink ) |
パプアニューギニアアオジタトカゲ | ニューギニア島に分布 |
以下で、オオアオジタトカゲの生息地や特徴を解説します。
◆生息地
オオアオジタトカゲは、インドネシアからニューギニアに多く生息しています。
高湿度の環境を好むので熱帯雨林に生息しますが、森林の他にも草原や岩場や農地などでも生活しています。また、インドネシアでは公園や庭先にいることもあるようです。
◆特徴・性格
オオアオジタトカゲはその名前の通り、青い舌を持つのが一番の特徴です。
体型は太めかつ長めの胴体をしていて、体に対して四肢は短いです。体の表面はツルツルとしています。
四肢は黒色である場合が多く、目の後ろに細くはっきりしない黒色のラインがみられます。
背中や尾にはリングのように見える褐色の帯状の模様が見られることが多いです。
ただ、体色はオオアオジタトカゲの個体によって変異があり、慣れないと見分けることが難しいです。
性格は比較的温厚で、慣れれば触れるようになる生体が多いですが、慣れるまでは威嚇されることもあります。
オオアオジタトカゲは身の危険を感じると、口を大きく開いて特徴的な青い舌を出し、大きな音を出して相手を威嚇します。
丁寧に世話をして優しく触れ合ううちに、次第に懐いてきます。尾は自分で切断することができ、外敵から逃げる時に切れますが、時間が経つと再生してきます。
以前からニューギニアなどでは、有毒であると考えられており、「Snake with four legs (四肢をもつヘビ)」と呼ばれていましたが、実際には毒性はほとんどないことがわかっています。ただし、噛まれた際は細菌の感染を起こすことがあります。
オオアオジタトカゲの雄と雌の鑑別は非常に難しく、正確に判定できないケースも多いです。
繁殖は卵胎生で行われ、一度に4、5匹から多いと20匹ほどの子どもを産みます。
慣れると触れ合うことができるようになることと、基本的に何でも食べる雑食なことから、飼育がしやすく、ペットとして人気があります。
◆大きさ
オオアオジタトカゲの大きさは全長50~60cm程度で、最大のものは70cmになります。飼育下では飼育下では50~60cm程ほどの生体が多いです。
ちなみに生まれたばかりのオオアオジタトカゲの子どもは全長が13cm程度となっています。
◆寿命
オオアオジタトカゲの平均寿命は10年~15年程度とされていますが、中には20年ほど生きるものもいます。
オオアオジタトカゲの値段
オオアオジタトカゲの値段は、取り扱っているペットショップによりますが、大体2~4万円ほどであることが多いです。珍しい島の生体や色が他と異なる生体は、さらに値段が上がることがあります。
オオアオジタトカゲはツチノコと似てる?
オオアオジタトカゲの体型は、長く太めの胴体に短い四肢がついたもので、足をしまって休んでいる姿は「ツチノコ」に似ていると言われています。
オオアオジタトカゲの飼育方法
ここからは、オオアオジタトカゲの飼育方法について餌や住みかとなるケージの環境などを解説します。
◆餌
オオアオジタトカゲの餌は基本的に雑食性のトカゲ用の人口飼料で良いです。
生体に栄養面での偏りが生じにくいですし、オオアオジタトカゲ自体も最初から食べてくれることが多いです。
人口飼料を中心に、その他の食べ物やサプリメントを補助的に与えていくと良いでしょう。
オオアオジタトカゲは雑食性であり、基本的には何でも食べます。野菜、果物、生きた昆虫、冷凍のコオロギやマウス、人口飼料などなど実に様々なものを口にします。
また、オオアオジタトカゲは顎の力が強いため、カタツムリや陸生の貝類なども食べることができます。
ただし、特定のものばかり与え続けると偏りが生じてしまい、病気になりやすくなるのでバランス良く食べさせることが重要です。
特に果実の与えすぎは糖分の摂りすぎ、昆虫やマウスの与えすぎは栄養過多となり内臓系の病気になりやすくなります。また、野外で採集してきた昆虫を与えると、寄生虫感染などを起こす危険もあるので注意しましょう。
基本的にはトカゲ用の人工飼料を中心に与え、それに加える形で果実や昆虫類をたまに与えるようにすると良いです。人口飼料は一般のトカゲ用のもので大丈夫です。
オオアオジタトカゲに果実は与える際は、与えすぎに気をつけて、たまのおやつとして、リンゴやバナナを与えるようにしましょう。
昆虫などの生きた餌を与える場合はコオロギやミルワームなどを購入して与えてください。生きた餌を与える場合には少量ずつ与え、残ったものは一日の終わりに回収しておきましょう。そのままにしておくと、ストレスの原因となります。
冷凍の餌に関しては冷凍コオロギや冷凍マウス・冷凍ヒナウズラなどがおすすめされています。冷凍の餌を与える際は、冷たいまま与えないようにしましょう。冷たいまま食べてしまうと、オオアオジタトカゲが消化不良や下痢を起こして弱ってしまう場合があります。事前に解凍して常温に戻してから与えてください。
冷凍の餌も食べ残しは腐ってしまい、衛生的によくないので少量ずつ与えて残ったものは処分しましょう。
冷凍の餌を中心に与えていると、内臓系の病気になりやすくなるので、あくまで補助的に使うようにしてください。
その他に、栄養面が気になる方は爬虫類用のサプリメントを与えるのも良いでしょう。食事中のカルシウムが不足してしまうと「くる病」という骨の病気を起こしてしまいます。これを防ぐためにも、食事に加えてサプリメントを与えるようにしましょう。ただし、サプリメントも与えすぎは良くないので決められた量を守って使用してください。
オオアオジタトカゲに与える水は水道水で構いません。カルキ抜きをする必要はありませんが、毎日交換してきれいな状態を保ってあげてください。
餌や水の容器はオオアオジタ本人にひっくり返されないように、倒れにくいものを使うと良いです。
◆ケージ
オオアオジタトカゲは全長50~60cmであることが多く、最大のものは70cmにもなります。
ケージは最低でも横幅60cm奥行45cm以上のものを用意してください。理想は横幅90cmあると良いです。
オオアオジタトカゲは高いところに登ったりする立体的な動きはあまりしないので、高さはそれほど必要ありませんが、底面積は十分確保してあげましょう。
床材はヤシガラがおすすめです。オオアオジタトカゲは目や呼吸器系の疾患を起こしやすいので、砂や土などの砂塵が舞うようなものは使わないように気をつけてください。
◆温度
ケージ内の温度は25~28℃程度が望ましいです。特に子どもの時期は低温に弱いため、夜間に冷え込んだ際も25℃を下回らないように保温器具を使用しましょう。
ホットスポット下は32℃程度になるようにし、容器の下にはフィルヒーターを敷くなどして保温を行います。
◆湿度
オオアオジタトカゲは脱皮不全が起こりやすいため湿度も十分に保てるようにしてください。
湿度は50~80%を目標に維持しましょう。
湿度の維持は朝晩に霧吹きを行ったり、ウェットシェルターを準備してあげたりすると良いです。
ただし、湿度が高い状態では、餌の残りにカビが生えたり、ダニが発生しやすくなったりするので、週1くらいで床材を交換するなどのお手入れも必要です。
乾燥しやすい冬場は温度だけでなく、湿度にも注意しましょう
◆紫外線
オオアオジタトカゲは紫外線の必要量は少ないですが、健康な状態を保つためにも紫外線灯の使用はおすすめされています。オオアオジタトカゲは骨の病気である「くる病」を起こしやすいですが、紫外線を浴びることでビタミンD3が生成されて、カルシウムが吸収されるのを促します。夜間は必要ないので日中だけ紫外線灯を使用するか、明るいところに出してあげましょう。
ただし、暑い時期は直射日光の当たる場所だと熱中症を起こす危険があるので十分に気をつけてください。
まとめ
今回はオオアオジタトカゲについて、特徴や生息地、飼育方法などを解説しました。
オオアオジタトカゲは青い舌が特徴的で、餌の与えやすさと人に扱いやすさからペットとして人気のあるトカゲです。
丁寧に優しく世話をすると人間にも懐いてくれるので、食事や生活環境などを整えてあげてストレスなく健康に暮らせるようにお世話をしてあげましょう。
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