日本にいるトカゲを知りたい!野生の個体を捕まえて飼うことはできる?

2022.09.15

日本にいるトカゲを知りたい!野生の個体を捕まえて飼うことはできる?

爬虫類のなかでも、近年、飼いやすいペットとして人気のあるトカゲ。 ペットショップなどでは、海外から輸入された品種のトカゲを多く見かけますが、日本固有のトカゲには、どのようなものがいるのでしょうか。 また、庭先や公園で見かけるようなトカゲたちを飼育することは可能なのでしょうか。 ここでは、日本に生息するトカゲの仲間たちとその現状、捕まえて飼えるか?などについて解説していきます。


日本で見られるトカゲ4選

日本で見られる爬虫類のなかでも、特になじみのあるトカゲ。
ペットショップなどの販売店には、さまざまな国から輸入されたトカゲの仲間を見かけることがありますが、日本固有のトカゲには、どのようなものがいるのでしょうか。
ここでは、日本でみられるトカゲのうち、主流とされる4種類について、ご紹介します。

◆ニホントカゲ

ニホントカゲ

ニホントカゲは、トカゲ属に分類されるトカゲです。
ニホントカゲの鱗には光沢があり、尻尾は短く、ややがっしりとした体形をしています。
ニホントカゲは日本全国でみることができますが、実際は西日本にのみ分布し、東日本には近縁種のヒガシニホントカゲ、伊豆地方にはオカダトカゲが分布しています。
ニホントカゲは、主に草原など当たりの良い場所に生息し、人間を見ると素早く逃げていってしまいます。
しかし、日本国内でも、特に東京都(23区内)では、生息数の減少がみられることから、ニホントカゲは、東京都のレッドリストにおいて「絶滅の危機に瀕している種」とされる絶滅危惧I類に指定されています。

※レッドリストとは、絶滅のおそれのある野生生物の種をリスト化したものです。国際的な基準は、国際自然保護連合 (IUCN)が、日本国内では、環境省、地方公共団体、NGOなどが作成しています。

◆ニホンカナヘビ

ニホンカナヘビ

ニホンカナヘビは、カナヘビ属に分類されるトカゲの仲間です。
ニホンカナヘビの鱗はザラザラとしており、光沢はありません。尻尾は長く、腹皮が黄白色をしています。
ニホンカナヘビの生息地は、人間の生活圏内。庭先や公園、草むらなどで見かけることが多いことから、子供のときに捕まえたことがある!という方もいらっしゃるでしょう。
ニホンカナヘビは、トカゲの仲間のなかでも、日本国内、どこででも見かけられるとてもなじみのある種類といえます。
しかし、日本国内でも、特に東京都(23区内)では、生息数の減少がみられることから、ニホンカナヘビは、東京都のレッドリストにおいて「絶滅の危機に瀕している種」とされる絶滅危惧I類に指定されています。

◆ミヤコカナヘビ

ミヤコカナヘビは、カナヘビ科カナヘビ属に分類されるトカゲの仲間です。
日本のなかでも宮古島の固有種で、沖縄県の天然記念物に指定されています。
ミヤコカナヘビの特徴は、美しい緑の体色、体長の75%程度を占める長い尾、細身の体型。ミヤコカナヘビは、その美しさからペットとして乱獲されたことなどにより生息数が減り、現在では、「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」とされる絶滅危惧IA類に指定されています。
そのため、ミヤコカナヘビの捕獲、飼育、譲渡、売買は禁止されています。

◆オキナワキノボリトカゲ

オキナワキノボリトカゲ

オキナワキノボリトカゲは、日本のなかでも奄美大島や沖縄諸島に生息しているトカゲの仲間です。
オキナワキノボリトカゲの特徴は、隆起した鱗と「クレスト」と呼ばれるヒレ状の突起。さらに、オスは、グリーンイグアナのような鮮やかな緑色の体色をしています。
現在、オキナワキノボリトカゲの生息数は減少しており、環境省のレッドリストでは「絶滅の危険が増大している種」とされる絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
そのため、非常に流通量の少ない品種です。


野生にいるトカゲを捕まえて飼育してもいい?

子供の頃、自分で捕まえたトカゲをペットとして飼ったことがある、という方もいらっしゃるでしょう。
実際のところ、近くの公園や家の庭などで捕まえたトカゲを捕まえたら、どうするのが正解なのでしょうか。
ここでは、野生のトカゲを捕まえて飼育することについて、考えてみましょう。

◆基本的には可能

庭先や公園などで捕まえたトカゲを飼育することは、基本的には可能です。
しかし、トカゲのなかには絶滅危惧種に指定され、日本国内での捕獲や採集を禁止されているものもあります。
そのため、飼育を検討する際は、そのトカゲが法律や条例等で捕獲等が規制されていないか、環境庁のWebサイト(レッドリスト)を確認したり、都道府県等に問い合わせたりしてみてください。
また、野生のトカゲは、細菌や寄生虫に感染している可能性もあります。
安心して飼育するためには、敢えて捕まえたり、採取したりはしない方がよいでしょう。

◆むやみな捕獲は絶対NG

ニホントカゲやニホンカナヘビのような日本で馴染み深いトカゲたちも、年々、生息できる環境の減少、気候の変化などにより、生息数が減っています。
さらに、むやみな捕獲が増えると、今後、地域によってはこれらのトカゲたちが絶滅危惧種に指定されることが無いとはいえません。
トカゲを守るためにも、むやみに捕まえたり、採集したりすることはやめましょう。

◆販売店で購入するのが無難

ニホントカゲやニホンカナヘビのような近所で見かけるトカゲであっても、販売店で購入するのが無難です。
お迎えに必要なグッズやエサなどをお迎えのタイミングで揃えられたり、飼育の仕方、病気や動物病院の情報など、飼育するうえで必要な情報を得られたりするというメリットがあります。
また、野生のトカゲを捕まえて飼育するより、細菌や寄生虫への感染リスクが低いことからも、ペットショップや爬虫類専門店などの販売店で購入することをおすすめします。

◆ミヤコカナヘビは現在捕獲・飼育・販売・譲渡禁止!

野生生物の絶滅を防ぐために、世界的、日本国内、都道府県など、一定の範囲のなかで種ごとの絶滅の危険性を評価し、「レッドリスト」として提示しています。
ミヤコカナヘビは、環境省の提示する日本国内のレッドリストにおいて、「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの」にあたる絶滅危惧IA類に指定されています。
さらに、このような絶滅危惧種のなかでも、ミヤコカナヘビは特に保護が必要な生きものである「国内希少野生動植物種」に指定されているため、ミヤコカナヘビを捕獲したり、飼育したり、譲渡・売買したりすることは禁止されています。
これは、生きているミヤコカナヘビに対してだけでなく、剥製や標本、器官(羽・毛・皮・牙など)や加工品(毛皮の敷物、皮革製品、漢方薬など)等も取引規制の対象となります。
なお、万が一、これらに違反すると

・違法な譲渡・捕獲・輸出入:5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金(個人)
・違法な陳列・広告    :1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金(個人)

が科せられます。


日本にいるヤモリ

トカゲと間違えやすい生きものというと「ヤモリ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ちなみに、ヤモリもトカゲの仲間ではありますが、決定的な違いとして次の2点があります。

・まぶたがある(トカゲ)/まぶたがない(ヤモリ)
・壁などに張り付くことができる(ヤモリ)

ここでは、日本で見られるヤモリのなかから3種をご紹介します。

◆ニホンヤモリ

ニホンヤモリは、ヤモリ属に分類されるトカゲの一種です。
名前に「ニホン」とついていますが、日本固有種ではなく、外来種であると考えられています。
ニホンヤモリは、周りの明るさに応じ、体色を暗い場所では濃く、明るい場所では淡く変化させることができることができます。
さらに、ヤモリの足の裏には「趾下薄板(しかはくばん)」と呼ばれる細かな毛があり、滑りやすいガラス面でも簡単に張り付くことができます。
なお、いくつかの都道府県では、ニホンヤモリをレッドリスト(準絶滅危惧、情報不足など)に指定しています。

◆タワヤモリ

タワヤモリは、ヤモリ属に分類されるトカゲの一種です。
タワヤモリの体色は灰色や褐色で、とてもヤモリらしい姿をしています。
主に、海岸や乾燥した岩場に生息していますが、「家守」という名のとおり人家や寺社などにも住み着きます。
タワヤモリは、主に西日本に分布する日本固有種です。しかし、環境省のレッドリストでは「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種」にあたる準絶滅危惧種に指定されています。

◆ヤクヤモリ

ヤクヤモリは、ヤモリ属に分類されるトカゲの一種です。
ヤクヤモリの体色は褐色で、斑紋があります。さらに、日本に生息するヤモリのなかでは大型で、胴よりも長い尾が特徴です。
ヤクヤモリは、屋久島や九州南部に分布する日本固有種で、人家から離れた森林に生息しています。しかし、他の種の流入により生息数が減少していることから、環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。


野生の生きものを大切に守ろう

ここまで、日本に生息するトカゲやヤモリについて、その品種をいくつかご紹介してきました。
庭先や公園、道端などで当たり前のように見ていたトカゲやヤモリも、実際にはかなり数が減っており、「絶滅危惧種」や「準絶滅危惧種」などに指定されているという現実があります。
これら、日本で生活する生きものたちを守るためには、どのようなことができるのでしょうか。
ここでは、野生の生きものたちを守るために、私たちが心がけるべきことについて、ご紹介します。

◆見つけたらその場で観察しよう

野生のトカゲのように、日本国内での生息数の減少が危惧されている生きものを守るためには、むやみに捕まえたりせず、自然のなかで静かに見守ることが大切です。
特に、今回ご紹介してきたようなトカゲの仲間たちは、人に危害を加えるような行動はとりません。そのため、比較的、簡単に捕まえることができてしまいます。
しかし、可愛いからと思わず捕まえてしまうその行動が、野生のトカゲたちの数を減らしている要因でもあるのです。
野生のトカゲは、野生下で過ごすのが一番!
可愛いトカゲたちを見つけたら、驚かせないよう、その場で静かに観察しましょう。

◆ストレスを与えない

トカゲがしっぽを切って、外敵などから逃げることを「自切(じせつ)」といいます。
実は、この自切、捕まえられたから切るという訳ではなく、トカゲが危険を察知し、大きなストレスを感じると反射的に自切する仕組みになっています。
そのため、しっぽに触れたり、捕まえようとしたりしなくても、突然自切して逃げていくことがあります。
確かに、自切したしっぽは、数か月程度かけて再生します。しかし、これも生涯で一度きり。
トカゲたちにとっては、たった一度だけできる、命を守る行動なのです。
面白いから、またどうせ生えてくるからと、わざと自切させるような行動はもちろんのこと、トカゲにとってストレスになるような行動をとることもやめましょう。


まとめ

今回は、日本に生息するトカゲの仲間たちとその現状について、お話ししてきました。
子どもの頃から、「怖くない」爬虫類としてなじみのあるトカゲの仲間は、近年、ペットとして多く飼育されるようになりました。
しかし、現在では、野生下で生活する日本固有のトカゲの仲間たちも、絶滅危惧種として指定され、当たり前に見かけることができない生きものになってきています。
私たちは、このような生きものたちを守るため、むやみに捕まえたり、いたずらしたりせず、穏やかに生活させてあげることが大切です。
そして、もしも、家のなかに迷い込んできたりしたとしても、飼育するのではなく、過ごしやすい自然のなかに返してあげましょう。
もしかしたら、飼育が禁止されている品種かもしれません。
もしかしたら、細菌や寄生虫に感染しているかもしれません。
「野生の子は野生に返す」という当たり前の行動が、日本のトカゲたちを守るためにも、自分自身を守るためにも、実は大切なことなのです。



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