日本で見られる黄色い鳥
「黄色い鳥」と聞かれて思い浮かべる鳥はいますか?
ひよこなどは黄色いですが、大きくなって鶏になるにつれて色は変わってきますよね。
または、インコなど暖かい国に生息している鳥を思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。
日本の野鳥を思い浮かべると、茶色やグレーなどの地味な色合いを思い出すかと思いますが、日本でも見ることのできる黄色い鳥はいます。
今回はその中から代表的な種類をご紹介します。
◆キセキレイ
分類 | スズメ目セキレイ科(セキレイの仲間) |
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生息地 | 日本では主に、九州より北の全国に生息し、渓流などの水辺に好んで生息 |
大きさ | 体長:約20cm程 |
色 | 頭から背にかけて灰色、腹部が黄色 |
腹部の黄色いことから「キセキレイ」と呼ばれ、この黄色い部分は夏羽になるとさらに鮮やかになるのが特徴です。
他のセキレイの仲間同様、いつも尾を上下に動かしているのも特徴的な動きのひとつ。
その尾羽を動かす特徴的な動きから「石たたき」「庭たたき」などと呼ばれることも。
「チチン、チチン」というやや高めの鳴き声を発します。
◆キビタキ
分類 | スズメ目ヒタキ科ノビタキ亜科(渡り鳥) |
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生息地 | 日本ではほぼ全土で生息。森林などでよく見られ、まれに市街地や住宅街などでも目にすることもある。渡り鳥で冬はボルネオ島やフィリピンなどの東南アジアに渡り越冬をする |
大きさ | 体長:13〜14cm程 |
色 |
オス:頭部から背面が黒、腰の部分や腹部が鮮やかな橙黄色 メス:全体が暗緑色で腹部がやや薄い色 |
オスはその鮮やかな体色に負けないほどの美しいさえずりをするのが特徴です。
「ピッコロロ、ピッコロロ」という声で鳴きますが、多くのさえずりの種類を持ち、ときには他の鳥のさえずりを真似することもあります。
◆アオジ
分類 | スズメ目ホオジロ科ホオジロ属(漂鳥) |
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生息地 | 日本では本州中部より北部や北海道の山地や森林に生息 |
色 | 背は暗褐色で黒い縞模様が入っており、胸や腹部は緑がかった黄色。また、目の周りが黒い |
単独でいることが多く、用心深い鳥です。そのため、草むらの中に身を潜めていることも多く、姿を見るのがなかなか困難なことも。ゆっくりとした高い声でのさえずりが特徴的です。
漂鳥(季節にあわせて日本国内を移動する鳥)ですが、冬には海外から渡来してくるアオジも確認されています。
◆ノジコ
分類 | スズメ目ホオジロ科ホオジロ属(渡り鳥) |
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生息地 | 夏に日本に渡ってくると、本州北部で繁殖し、冬には中国や台湾、フィリピンなどに渡り越冬する。繁殖は日本でのみ確認されている貴重な種類 |
大きさ | 体長:13.5〜15cm程 |
色 | 全体が黄色みがかっている緑色を。腹部がとくに黄色に近く、背や翼上面は褐色に近く縞模様が入っている |
日本のみで繁殖・子育てをする貴重な鳥類です。
「チッ チンチョロリー チョリ チョッ」というハリのある声でさえずりをしています。
◆ミヤマホオジロ
分類 | スズメ目ホオジロ科ホオジロ属(渡り鳥) |
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生息地 | 冬場に日本に渡ってくる。日本では主に東日本よりも西日本で見られることが多く、農耕地や森林などに小さな群れを作って生息 |
大きさ | 体長:16cm程 |
色 | 目の周りが黒く、眉斑と喉が鮮やかな黄色。腹部は白、背面や翼は褐色でグレーに近い白い斑紋が入ってる。頭に黒い冠羽があるのが特徴で、感情が高ぶると冠羽が立つ |
夏は中国や朝鮮半島などで繁殖し、冬になると日本に渡ってきて越冬します。
オスは「チー チュチュリ チュルル チィチュリ チチ」と早口なさえずりをすることがあります。
◆マヒワ
分類 | スズメ目アトリ科カワラヒワ属(渡り鳥) |
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生息地 | 夏場はヨーロッパ北部や中国などに生息し、日本には越冬のためやってくる。冬には日本全国いたるところで見ることができ、山地や森林などで生活 |
大きさ | 体長:12〜12.5cm程(スズメよりも小さい体型) |
色 | 全体的に鮮やかな黄色で腹部は白。翼の部分や腹部に黒い縞模様が入っている。オスは頭部が黒い。 |
羽毛が鮮やかな黄色なこともあり、以前は愛玩用の鳥として親しまれていました。(1999年より家庭での飼育は禁止となっています)
種子性の食性で、群れを作って生活しています。
ペットとして飼える黄色い鳥
上記では野鳥の黄色い鳥を紹介してきました。
野鳥は原則飼育することができませんので、ここからはペットとして飼育できる黄色い鳥をご紹介します。
◆セキセイインコ
分類 | 鳥綱インコ目インコ科セキセイインコ属 |
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生息地 | 原産地はオーストラリア。現在は日本でも多くのブリーダーがいる |
大きさ | 体長:長い尾羽まで含めると18〜23cm程(スズメよりやや大きい) |
色 |
たくさんの色のバリエーションがあり、その数は5000パターン以上。 身体全体が黄色いセキセイインコは「ルチノー」という品種 |
ペットの鳥として最も有名な種類のひとつであるセキセイインコ。オスはとくに小型のインコの中では喋るのを得意とされていて、飼い主が話している言葉を覚えて発声することがあります。
◆カナリア
分類 | 鳥綱スズメ目アトリ科(現在、品種改良済み) |
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生息地 | 原産地は、カナリア諸島をはじめ、アゾレス諸島やマデイラ諸島。多くの国で愛玩動物として飼育 |
大きさ | 体長:12〜13cm程(個体によってばらつきがある) |
色 | 全身鮮やかな黄色のレモンカナリアが有名。その他にもオレンジカナリアや白カナリア、赤カナリアなど多くの色がある |
鳴き声がとてもきれいなのが特徴で、古くから愛玩動物として親しまれていました。
また、炭鉱の毒ガス検知をする役目として用いられた、いわゆる「炭鉱のカナリア」の逸話も有名です。
ペットとして飼える体の一部が黄色い鳥
ペットとして飼育できる鳥の中で、上記では全身黄色い鳥をご紹介しましたが、体の一部が黄色い鳥もいますので、代表的な鳥をご紹介します。
◆コガネメキシコインコ
分類 | オウム目インコ科 |
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生息地 | 野生種は南アメリカの北東部に生息。 名前に「メキシコ」とついているが、メキシコには生息していない |
大きさ | 体長:30cm程(中型インコ) |
色 | 頭部から背中にかけて鮮やかな黄色で、目の周りや頬が鮮やかなオレンジ。翼の一部や尾羽が緑のカラフル |
好奇心旺盛で人懐っこく、コミュニケーション好きのインコです。賢いため芸も仕込むことも可能ですが、寂しがり屋で飼い主の姿が見えなくなると、甲高い声で呼び鳴きをすることがあるため、飼育環境は選ぶことになります。
平均寿命も15〜20年と長く、飼育を考える際は責任をもって終生飼養できるかを検討するようにしましょう。
◆ルリコンゴウインコ
分類 | コンゴウインコ属 大きい体のためオウムに間違われるが、インコの仲間になる |
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生息地 | 野生では南アメリカ大陸のパナマ南部からブラジル、ボリビア、パラグアイなどの熱帯雨林に生息 |
大きさ | 体長:76〜86cm程(大型インコ) |
色 | その名の通り頭部から背中にかけて鮮やかなブルー(瑠璃色)をし、喉の部分から腹部にかけて鮮やかな黄色。熱帯を思わせるトロピカルな色合いが特徴 |
とても陽気で人懐っこく頭も賢いため、犬のような性格です。
しかし、大きな体のためとても大きな雄叫びをすることもあり、集合住宅での飼育は難しいと思っていいでしょう。
寿命も60年以上と長く、飼い始めた年齢によっては飼い主よりも長生きすることもあるため、ペットとしてお迎えする場合は将来のことも含め、飼育が可能かどうか検討する必要が十分にあります。
まとめ
今回は、日本で見られる野鳥やペットで飼えるものも含め「黄色い鳥」をご紹介してきました。
黄色い鳥は風水では財運や幸運などの突然の幸運を運んでくれる鳥として知られています。
「黄色い鳥」というと本文にもあげたようなトロピカルなインコを想像する方も多いでしょうが、ご紹介した通り日本でも野鳥の黄色い鳥を見つけることができます。
鮮やかな黄色い鳥を見つけると、それだけでハッピーな気分になるのではないでしょうか。