ドライフルーツはハムスターにおすすめ?メリットと注意点を徹底解説

2024.11.03

ドライフルーツはハムスターにおすすめ?メリットと注意点を徹底解説

ドライフルーツは美味しくてヘルシーで保存がきいて、メリットがいっぱいな食品です。ペット用のおやつでも見かけますが、ハムスターにも積極的に与えて良い食べ物なのでしょうか?この記事では、ドライフルーツがハムスターに与えるメリットとデメリット、適切な与え方について詳しく解説します。ハムスターが健康で安全にドライフルーツを楽しめるよう、知っておきたい注意点をチェックしておきましょう。


ハムスターにドライフルーツを与えるメリットとデメリット

ドライフルーツを食べるハムスター

ドライフルーツは、ペットショップで小動物用のフードやおやつとして販売されているように、ハムスターが食べても良い食べ物のひとつとなっています。

ドライフルーツは果物の甘味と旨みがギュッと詰まっていて、ハムスターにとってもたいへん美味しい食べ物です。与えれば喜んで食べてくれるでしょう。

栄養価が高く、私たちの食生活では、ヘルシーな朝食やおやつ、トレイルミックスに用いられるなど、体に良いイメージもありますが、ハムスターに与える場合はメリットだけでなくデメリットもある食品となります。選び方や与え方が適切でなければ、ハムスターの健康に良くない影響をもたらす可能性も出てきます。

では、ハムスターにドライフルーツを与えることには、どのようなメリット、デメリットがあるのか、チェックしてみましょう。

◆メリット

ハムスターにドライフルーツを与えることには、以下のようにたくさんのメリットがあります。

・傷みにくく、日持ちする
・下痢の心配がない
・効率よく栄養補給できる
・扱いやすい
・旬に関係なく果物が食べられる

ドライフルーツは、生の果物を乾燥させて作られたものです。生の果物は水分量が多いので傷みやすく、食べ残しがにおうようになったり、果汁でケージ内が汚れたりします。また、ハムスターが傷んだ果物を口にしてお腹を壊す心配もあります。

一方、ドライフルーツは水分が少なく糖度が高いので菌が繁殖しにくく、日持ちしやすくなっています。そのため、すぐに傷む心配なく安心してハムスターに与えられます。

また、ハムスターは果物や野菜のように水分が多く含まれるものをとり過ぎると下痢をしやすくなりますが、ドライフルーツは食べても水分のとり過ぎにならないので、すぐ下痢してしまう心配もありません。

そして、ドライフルーツは干して小さくなることで栄養素が凝縮されるため、少量を食べるだけで栄養素が効率よく摂取できるようになります。ビタミン、ミネラル、食物繊維、エネルギーのもとになる糖分が豊富に含まれるので、ハムスターにとっても良質な栄養補給源となるでしょう。

また、そのまま食べられるので、生の果物のように皮をむいたり包丁でカットしたりする手間もありません。袋から出してそのままハムスターに与えられ、扱いやすいのも便利ですね。

果物には旬があり、生の果物は賞味できる時期が限られます。一方、日持ちのきくドライフルーツは旬以外でも売っているので、旬を待たずにほしい果物が入手できます。

このようにメリットの多いドライフルーツは、ハムスターの食欲がない時の栄養補給、ごほうび、ハムスターと仲良くなりたい時のコミュニケーションツールなどに重宝します。

◆デメリット

ドライフルーツにメリットがある一方、ハムスターに与える場合は以下に挙げるデメリットに注意が必要です。

・糖分のとり過ぎで、肥満や糖尿病のリスクが高まる
・ペレットに見向きしなくなる

ドライフルーツは、生の果物よりも甘みが強いことでわかるように、糖質(いわゆる糖分)がかなり多く含まれています。果物は水分を除くとその大半が糖質で構成されており、乾燥させて水分を取り除いたドライフルーツは7~8割が糖質で占められることになります。

糖質は生きるために必要なエネルギーの材料ですが、とり過ぎると肥満や糖尿病を招きます。特にハムスターは、体が小さい割に高カロリーなエサを与えられたり、ケージの中で運動不足になったりしやすく、ペットの中でも肥満や糖尿病のリスクが高い動物といえます。

小さくカットされたドライフルーツを食べるだけでも、思いのほか多くの糖質とカロリーを摂取してしまうので、ハムスターに与える際は特に注意が必要です。

また、ドライフルーツは甘くて美味しいので嗜好性が高く、ドライフルーツを与えるようになってから、ほかの食べ物に見向きもしなくなる危険性も出てきてしまいます。

ハムスターの主食はペレットです。ペレットはハムスターの体に必要な栄養素がバランス良く配合されており、ペレットを中心とした食生活を送ることで健康な体を作ることができようになっています。

一方、ドライフルーツもさまざまな栄養素が含まれていますが、糖質が多すぎる、ハムスターの体に必要なたんぱく質が少ないなど、栄養のバランスには偏りもあります。

ですから、ハムスターがドライフルーツばかり食べてそれだけでおなかいっぱいになったり、偏食になってペレットを食べなくなったりしてしまうと、体の必要な栄養素がきちんと摂取できず、体調を崩してしまう可能性も出てきてしまうのです。


ハムスターにおすすめのドライフルーツ

ドライフルーツ

ハムスターに与えるドライフルーツは何でも良いわけではありません。さまざまな種類がありますが、ハムスターに対して向き、不向きがあり、選び方も重要となります。以下に挙げるポイントを参考に、安全で健康的なドライフルーツを選びましょう。

◆おすすめのドライフルーツ

ハムスターにおすすめできるドライフルーツには、以下のものがあります。

リンゴ

安心して与えられる定番の果物。ポリフェノール、食物繊維が豊富で、体の調子を整える効果も期待できます。

バナナ

ハムスターに人気の高い果物。 たんぱく質、ビタミンB6が豊富で、エネルギー源、すこやかな体作りにも役立ちます。

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いちご

体の調子を整えるポリフェノール、ビタミンB群が豊富に含まれています。ドライフルーツなら旬以外もハムスターに与えられます。

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パイン

甘酸っぱさと濃厚な香りが魅力。ミネラルが豊富で、代謝や骨の健康をサポートします。

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キウイフルーツ

ビタミンがバランス良く含まれています。生のキウイが苦手な子もドライフルーツなら食べやすいでしょう。

ブルーベリー

ポリフェノール、ミネラルが豊富で、体の調子を整えます。粒状で手に持って食べやすい果物です。

クランベリー

小動物用のフードでも見かけることの多い、赤い果実。ポリフェノールや食物繊維が豊富です。

そのほか、みかん、すいか、メロン、マンゴー、柿などのドライフルーツもハムスターに与えることができます。

◆避けるべきドライフルーツ

以下に挙げるドライフルーツは、ハムスターには適していません。ハムスターには与えないようにしましょう。

人間用のドライフルーツ:砂糖や油脂、食品添加物が使われていることが多く、動物が食べた場合の安全性は考慮されていません。

小動物用ではないペット用のドライフルーツ:小動物と犬などほかの動物では、食性、体の構造や体の大きさが異なり、製品によってはハムスターに適していない可能性もあります。

砂糖漬けにしてあるドライフルーツ:糖分が多すぎるため、ハムスターには適していません。

人間が食べるドライフルーツは、品質を安定させたり保存性を高めたりするために、砂糖や油脂、添加物が使用されることもあります。ただし、これらはハムスターが摂取する必要はないものです。摂取すると健康上に良くない影響を及ぼす可能性があるので小動物用のドライフルーツを与えましょう。

また、レーズンは小動物用のフードに添加されていることが多いのですが、ハムスターは食べないほうが良いともいわれています。気になる場合は、レーズン以外の食べ物を与えましょう。


ハムスターにドライフルーツを与える際の注意点

白いハムスター

ドライフルーツを与える際にはいくつかの注意点があります。ハムスターが健康を保ちながら美味しいドライフルーツを楽しめるよう、以下のポイントに気を付けましょう。

◆与えすぎない

ドライフルーツはあくまでも副食です。与えすぎに注意しましょう。嗜好品や栄養補助用のおやつとして、適量を与えるようにしてください。

与える量の目安は、1日にハムスターの小さな手で持てるくらいの大きさのドライフルーツを1個分、与える頻度は週に1〜2回にとどめるのが適切です。生の果物を与える時よりも小さめにしてください。

少なく感じられるかもしれませんが、ハムスターは人間よりもはるかに体が小さいので、それだけで十分です。おやつはつい多めに与えてしまいがちですが、人間とハムスターでは事情が異なることを忘れないようにしたいです。

また、ドライフルーツはほかのおやつよりも糖質やカロリーが多く含まれているので、ドライフルーツを与えた日は、ほかのおやつは控えるようにしましょう。

◆無添加・無糖の製品を選ぶ

ハムスターには、なるべく添加物や砂糖が含まれていないドライフルーツを選びましょう。

ハムスターは体がとても小さくデリケートなため、保存料、酸化防止剤、着色料などの添加物がハムスターの体に負担をかける可能性があります。

ペット用のおやつは、無添加・無糖、無農薬などのナチュラルな製品が多いですが、成分表示をしっかりと確認し、自然な原材料のみを使用しているものを選ぶようにしましょう。

◆小さくカットして与える

ドライフルーツは、ハムスターが手に持ちやすく食べやすい大きさにカットして与えましょう。

ドライフルーツは硬いので大きなままだと食べにくいですし、大きなものは食べ過ぎになってしまいます。

◆主食とのバランスを考慮する

ドライフルーツはあくまで副食なので、主食のペレットがしっかり食べられるよう、与える量や頻度を調節しましょう。

ドライフルーツはハムスターに必要な食べ物というわけではないので、肥満の傾向がみられるハムスターはドライフルーツのような糖分の多いおやつは控えるのがベターです。

一方、規定量のペレットを与えても体重が増えず、もっと食べたそうにしているハムスターには、エネルギー補給のためにドライフルーツを与えても良さそうです。

また、病気や老化などでペレットが食べられず、体力が落ちているハムスターも、ペレットの代わりとして一時的にドライフルーツを与えれば、少量で効率よく栄養が補給できます。

日頃から定期的にハムスターの体重を計測し、体重や健康状態をチェックしながら、そのハムスターに合った食事の量を調整するとよいでしょう。


まとめ

ドライフルーツはハムスターに与えても良いけれどハムスターにとってメリットとデメリットがあること、適切なものを選んで頻度と量を守りながら与える必要があることを説明いたしました。

おやつとして上手に食事に取り込んでいけば、ハムスターがより健康で楽しく過ごせるようになるでしょう。さまざまな種類のドライフルーツがあるので、安全で品質の良いものを選んでハムスターに賞味させてあげてくださいね。

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うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


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