モルモットを病院に連れて行くタイミング
飼っているモルモットにいつもと違う様子や異常が見られたら、なるべく早く病院に連れて行きましょう。
「少し様子を見よう」と放っておくと、致命傷になってしまうことも…。
その理由と異常のサインについて説明していきます。
◆モルモットに異常が見られるサイン
体調不良のサインには次のようなものがあります。
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・食欲がない
・元気がない
・体重減少
・フンがやわらかい、お尻が汚れている、フンがでない
・お腹が硬い、腫れている
・おしっこがでない、血尿をしている、頻尿
・被毛につやがない
・鼻水、くしゃみ
モルモットは飼い主が病気に気付きにくい動物です。
異常のサインを見逃さないように、日頃からよく観察し、記録しておきましょう。
最近では、ペットケア用のアプリなどもあるので簡単に記録できておすすめです。
◆早期に病院に連れて行くべき理由
モルモットを早期に病院に連れて行くべき理由は、わかりやすい症状が出たときには重症化している可能性があるからです。
というのも、本来モルモットは食べられる側の被捕食動物。天敵から身を守るため本能的に病気や体調の悪さを隠してしまうからです。
病気が重症化してしまう前に早期発見することが大切です。
日頃からスキンシップを取り、体に触れたりグルーミングでお手入れしたりすることも、異常発見につながります。
少しでもいつもと違う様子が見られたら、すぐに獣医師に診てもらってください。
モルモットを診察してくれる病院の選び方
モルモットを診察してくれる病院は、犬猫に比べて格段に少なく、選択肢が限られています。
ここでは、病院の選び方のポイントを解説していきます。
◆小動物専門の病院を選ぶ
モルモットの病院を選ぶときは、必ず小動物(エキゾチックアニマル)を専門に診察している病院を選びましょう。エキゾチックアニマルとは、ウサギやハムスター、爬虫類などの犬猫以外の動物を指します。
専門的な知識と経験がある獣医師でなければ適切な診察を受けられない場合があります。
例え「モルモット可」と書いていても実際に行ってみると、獣医師が慣れない手つきでモルモットに触ったり、詳しい知識がなかったりする、というケースも…。
まずは、 モルモットを購入したブリーダーやペットショップ、飼っている友人、インターネットなどから情報を集めて小動物専門の病院を探すのがおすすめです。
◆病院を選ぶ際のチェックポイント
小動物専門の病院を探したら、次のポイントをチェックしていきましょう。
自宅からの距離
長時間の外出はストレスになります。
移動時間も考慮して自宅からなるべく近く、通える病院を選びましょう。
予約診療ができる
診察時間を予約できれば、長時間待たなくて済むので安心。
犬猫と会わないような配慮
モルモットが犬や猫を見て怖がってしまうかもしれません。犬や猫と待合室や診察時間が分かれていると理想的です。
このように、モルモットが負担を感じないようにすることがポイントです。
近くにそのようなところがない場合も、清潔感があるか、獣医師やスタッフの対応がよいかなどは病院を選ぶ際には重要です。
モルモットを病院に連れて行く前の準備
ここではキャリーバッグと、診察前に確認しておくことについて紹介します。
◆キャリーバッグの準備
モルモットを家から移動するときは、必ず安定感のあるキャリーバッグに入れて移動します。
ちなみに、段ボール箱に入れて運ぶことはやめましょう。モルモットは排泄物の量が多いので湿って底が抜けたり、かじって穴を開けたりしてしまうからです。
ではどのようなキャリーバッグがよいのでしょう?
キャリーバッグは、モルモットが寝転べるくらいの広さが必要です。小動物用やウサギ用のキャリーバッグがちょうどよい大きさです。
キャリーバッグの中には、かじらなければペットシーツを敷き、いつでも食べられるように牧草を入れてあげます。
周りが見えないようにブランケットでカバーしてあげると落ち着きます。
暑い夏は保冷剤、寒い冬はカイロなどをモルモットが届かないところに貼って温度調節しましょう。
◆診察前に確認しておくこと
診察の前に、異常がある部分を明確に伝えられるようにしておきます。
なぜなら、普段の様子は飼い主にしかわかりませんし、モルモットは症状を隠す性質があるので、獣医師に伝わりにくい場合もあるからです。
普段と違う様子がわかるように、飼育記録があれば持参しましょう。
異常がある部分の写真や動画があるとわかりやすいのでおすすめです。
また、診察時に症状や伝えたいことが十分に話せないこともあるため、不安に思っていることや聞いておきたいことを事前にメモしておきましょう。
フンやおしっこに異常がある場合は、採取して持参します。
フンは形が崩れたり乾燥したりしないように、プラスチックの容器に入れて持って行きます。
おしっこはできるだけフンに触れていないところを清潔なビニール袋に入れるか、ペットシーツにしみ込んだ場合はシーツごと持って行きます。
どんな異常があるかわかるようにしておけば、診察がスムーズに進むでしょう。
診察時に伝えるべきモルモットの健康情報
診察時に伝えるべき情報は次の4つです。
◆いつから異常があるのか
まずは、モルモットの異常がいつからあるのか、どれくらいの期間続いているのかを正確に伝えましょう。
例えば、食欲がなく食事を摂れていない期間が1日なのか5日なのかでは治療内容が変わってきます。
ですので、どんな症状がいつからあるのかは必ず伝えます。
◆食事の変化
もう1つは、食事の変化についてです。
モルモットの食事に関する異常で、わかりやすいのが食欲不振です。
食欲不振のときは、全く食べないのか、いつもと比べてどれくらいの量を食べているのか、わかるように伝えましょう。
また、食事の食べ方に異常がでる場合もあります。
食べたいのに食べられない、食べ物をポロポロと口からこぼすなどの症状は、歯の咬み合わせに異常がある不正咬合の可能性があります。
モルモットは弱っていることを隠す性質があるので、食べているふりをすることも…。
食べ方が気になる場合は、フードを食べられているか観察し、その様子を伝えます。
普段食べているフードの種類や銘柄などもわかるように、フードの袋を持って行くか写真に撮っておくと、フードの内容もチェックしてもらえるので安心です。
◆最近の排泄状況
最近のフンやおしっこの状態も伝えておきます。
本来モルモットの健康なフンは、茶褐色で細長くメスは俵型、オスはバナナ型をしています。
フンの異常は下痢や軟便、便秘だけでなく、いつもよりフンが小さい、形がいびつになるなども異常のサインです。量や形、臭いもチェックしておきましょう。
おしっこの症状には、血尿、 回数が多い(頻尿)、 尿の量が少ないまたは多い、尿が出ないなどがあります。
モルモットは膀胱炎や尿道炎、尿石症になりやすいので、注意して観察が必要です。
排泄は健康のバロメーターです。
フンやおしっこに異常があればそれらを持参し、異常がない場合でもそのことを伝えておきましょう。
◆他に気になる症状や行動の変化
食事や排泄以外に異常があれば、どこにどんな症状があるのか、詳しく伝えます。
例えば、鼻水が出るときはどんな鼻水なのか、色や形状も伝えます。
脱毛している場合は、その場所、痒みや赤みはあるかチェックしておきます。
足を引きずっているなら、足の症状だけでなく生活環境にもケガの原因がないか調べておきます。
このように、その症状と状況を詳しく説明できると獣医師にも伝わりやすいでしょう。
まとめ
モルモットの病院の選び方と、準備しておくべきことについて説明しました。
小動物専門の動物病院を選ぶのは大前提として、モルモットになるべく負担がかからないようにすることが大切です。
強いストレスでさらに体調が悪くなってしまっては本末転倒です。
キャリーバッグを快適にしたり、移動の負担を考慮したりするなど事前に準備しておけば、安心して診察を受けられるでしょう。
飼っているモルモットにとって、よい動物病院を探してみてください!