フェレットの食事の基本
フェレットの食性は完全な肉食になります。
その証拠に口を覗くと肉食動物らしい鋭い歯を見ることができます。
また、フェレットは自然界に野生の個体は存在しませんが、フェレットの起源とされるヨーロッパケナガイタチは狩りで小型のウサギやネズミ、その他トカゲや鳥類などを捕食して食べていました。
ヨーロッパケナガイタチがペット用に品種改良され現在のフェレットになったと言われていますが、フェレットも人間に飼育され始めた当初は、ネズミなどを駆除する役割を与えられ、それを食していたと言われています。
そんなフェレットの現代の基本的な食事は『フェレットフード』です。
犬のエサにドッグフード、猫のエサにキャットフードとあるように、フェレットにも専用のフェレットフードが販売されています。
日本ペット栄養学会の「日本ペット栄養学会誌」によると、大人のフェレットのエサはタンパク質(粗タンパク)は32〜38%、脂肪(粗脂肪)は20〜30%、繊維質(粗繊維)は2〜3%以下がバランスのとれた割合とされています。
パッケージに栄養素の割合が記載されているものも多いので、参考に選ぶのもいいでしょう。
ただし、割合がいいからと言って前述したようにたんぱく質や脂肪が動物性由来ではなく植物性由来が多い場合は、フェレットにとっていいエサとは言えません。
栄養素の割合だけでなく、原材料にも注目しながらエサを選ぶようにしたいですね。
◆給餌の頻度・量
人間の場合は朝食・昼食・夕食と一日三回、犬や猫などは朝晩と一日二回が一般的です。
しかし、フェレットの給餌は少量をこまめに与えるのがいいとされています。
これは、食べてから消化にかかるまでの時間が人間は30時間〜程度なのに比べ、フェレットの場合は3時間程度と極端に短いからです。
しかし、現代人がフェレットを飼うにあたって1日に10回前後の給餌をするのは現実的ではありません。
そのため、常にエサを切らさないようにしておきましょう。
「ずっとエサを置いていたら食べすぎてしまうのでは?」と思うかもしれませんが、フェレットは自身で食べる量を調節しますので、その心配はありません。
夜行性のため、夜もエサを切らさないように注意をしましょう。
◆給餌の方法
フェレットの給餌はライフステージによって異なり、子どものフェレットの場合はドライフードを水でふやかして与えますが、一般的な大人のフェレットの場合は市販のドライフードをそのまま与えて問題ありません。
朝・夕と餌入れを確認し、古いフードを捨ててエサ入れに新しいフードを入れてあげましょう。
同時に新鮮な水もいつでも飲める場所に設置してください。
とくに夏は水が悪くなりやすいので、こまめに交換するようにしましょう。
◆フェレットにおやつは必要?
フェレットにエサをきちんと与えていればおやつを別途与える必要はありません。
しかし、コミュニケーションをとったり、お留守番のご褒美などに与えたいという声もあります。
その場合、普段の食事量の10%以下を目安に与えるようにしましょう。
それ以上与え続けてしまうと肥満の原因になってしまいます。
おやつはささみやジャーキーなどを使用したフェレット用に販売されているおやつがおすすめです。
フェレットは完全肉食性ですので、穀物やフルーツなどが使用されているおやつは与えないようにしましょう。
フェレットに与えてはいけない食べ物
フェレットは完全肉食性の動物です。消化器官もお肉などを消化するのに適した作りになっています。
そのため、野菜など食物繊維の多いものをフェレットに与えてしまうと消化不良を起こしてしまいます。
野菜だけでなく「甘くて美味しいから」と、果物をあげるのもよくありません。
その他、以下はフェレットが食べると危険な食べ物です。
・チョコレート
・アボカド
・ネギ類・ニラ
・ぶどう・レーズン
・エビ・カニなどの甲殻類
・キシリトール
・ピーナッツ・アーモンドなどのナッツ類
・桃・びわ・さくらんぼなどの果物
などになります。
他にもフェレットに有毒な食べ物はありますので、フェレット専用のエサやおやつ以外を与える場合は一度「この食べ物は与えても大丈夫か」を調べてから与えるようにしましょう。
また、人間用の食べ物も与えてはいけません。
人間の食べ物は味付けが濃く、塩分が高かったり、加工食品は油で揚げていたり、フェレットにとっては高カロリーなものが多いです。
基本的には人間用の食べ物は与えないということを心がけ、フェレットをケージの外に出して遊ぶ場合も、フェレットが盗み食いしないように食べ物は見えない・手の届かない場所に置くようにしましょう。
また、食べ物ではありませんが、タバコはフェレットにとって有害なものになりますので、吸い殻なども灰皿に放置せずに、きちんと捨ててからフェレットをケージから出すように心がけましょう。
◆ドッグフードやキャットフードを与えても良い?
フェレットのエサは販売されている場所も多くなく、手軽に購入することのできるドックフードやキャットフードを与えてもいいのか…と、気になる人もいるかもしれません。
まず、ドックフードですが、こちらは与えないほうがいいでしょう。
なぜはら犬は肉食に近い雑食性のため、フードに穀物や野菜などの原材料が含まれているものもあります。
そのため、食べすぎてしまうと消化不良を起こしてしまう恐れがあります。
一方キャットフードは与えても大丈夫と言われています。その理由は猫が完全な肉食の動物だからです。
しかし、キャットフードは猫のために考えられた栄養バランスとなっておりますので「フェレットのエサが切れてしまった」などの緊急事態のときのみにするようにしましょう。
フェレットがあまり餌を食べない時には
フェレットは好き嫌いがある個体も多いですので、もしエサを変えたあとに食べなくなってしまった場合は以前まで与えていたエサに戻すようにしてみてください。
普段から食べていたエサを食べなくなってしまった場合は、エサを開封してから日にちが立っていないか確認しましょう。
フェレットはとても敏感な生き物なので、エサが酸化して風味が変わってしまった場合、拒否することがあります。
元気がない・いつもと様子が違う場合は病気の可能性もありますので獣医師に相談するようにしましょう。
まとめ
今回はフェレットのエサについてご紹介してきました。
完全肉食のフェレットには、動物性たんぱく質や動物性の脂肪が適量含まれている専用のフェレットフードを与えるのがベストです。
また、人間や犬や猫のように1日2〜3回ではなく、切らさずに与えるということに驚いた方もいるのではないでしょうか。
フェレットを飼い始めたひとやこれからお迎えを考えている方にこの記事が参考になりますと幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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