1.ハムスターに適したケージサイズの選び方
1-1.ドワーフ系におすすめのケージサイズ
1-2.ゴールデンハムスター系におすすめのケージサイズ
2.買ってはいけないケージの特徴
2-1.余計な装飾がついているケージ
2-2.全面金網のケージ
2-3.落下の危険性があるケージ
ハムスターに適したケージサイズの選び方
ハムスターのケージを選ぶとき、まず気にしなければならないのは、その大きさ。もっと言うと、底面積の大きさです。
野生では、ハムスターは広い乾燥地帯に住んでいて、1日に10km〜20kmも移動すると言われています。
それほどたくさん動き回るはずの生き物が、狭くわずかな移動しかできないようなケージに入れられてしまったら、たとえ回し車などがあったとしても、ストレスを感じますよね。
では、巨大なケージを置くことのできない家庭では、ハムスターを飼うことができないのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。必ずしも、極端に広いケージを置く必要はないのです。
大切なのは、ハムスターの大きさに合わせた、最低限の面積を確保するということ。
次は、ハムスターの種類別の、最適なケージの大きさを見ていきましょう。
◆ドワーフ系におすすめのケージサイズ
小さな体が魅力なドワーフ系のハムスターには、ジャンガリアンハムスター、キャンベルハムスター、ロボロフスキーハムスター、チャイニーズハムスターが分類されます。
ドワーフはそのまま、「小型」という意味。体が小さいため、ケージもそこまで大きなものを選ぶ必要がありません。
具体的には、幅45cm×奥行き30cmを目安とするといいでしょう。
ペットショップなどでは「ドワーフ用ケージ」といった名前で販売されています。しかし、そのどれもが最適なサイズであるとは限らないのが難しいところ。
販売されている物の中には、「少し狭いかな?」と思うようなケージもあるのです。
自分の目で大きさを確かめたり、メジャーでサイズ感を確認したりしてから購入するようにしたいですね。
◆ゴールデンハムスター系におすすめのケージサイズ
ドワーフ系よりも体が大きい、ゴールデンハムスター系。
キンクマハムスターや長毛ハムスターなど、様々な毛色や毛質の子がいるのが特徴です。
ゴールデンハムスター系は、体が大きい分、ドワーフ系よりも大きなケージが必要になります。
最低でも、幅60cm×奥行き40cmはほしいところ。
また、ゴールデンハムスターは、立つと意外に高さがあります。
ケージの高さは、30cmほど確保したいですね。
買ってはいけないケージの特徴
先ほども述べたように、販売されているケージのなかにも、ハムスターのことを思うとおすすめできない物があります。ここからは、おすすめできないケージの特徴をご紹介していきます。
ケージは、単にハムスターを囲うだけのものではありません。生き物が生活する、大切な空間です。
以下のようなケージの購入を否定するわけではありませんが、おすすめしない理由を読んだ上で、購入前にご自身でよく考えていただけると幸いです。
◆余計な装飾がついているケージ
ハムスターのケージはいろんなものがありますが、やはりかわいらしいケージには自然と目がいきますよね。
家やお城の形をしたケージや、はしごがあって上にのぼれるケージ、中にはすべり台のついた、楽しげなケージもあります。
こんなところでハムスターが暮らしていたら可愛いだろうな、楽しいだろうな……と夢がふくらむかもしれませんが、よく考えてみてください。
その装飾、本当に必要ですか?
不要な装飾が多いと、ハムスターがケガをする危険性が高くなります。
たとえば、はしごを登っていたハムスターが足を挟み、驚いて暴れたら、どうなるでしょう。
ひょっとすると、バランスを崩して体が宙吊りになり、体重がかかった足の骨は折れてしまうかもしれません。
最悪の場合、命を落とすことも考えられます。
また、ハムスターが齧れる硬いものがケージの中にあると、歯の噛み合わせを悪くする可能性も出てきます。
一見かわいく見えるデザインのおうちですが、どうケガにつながるかわかりません。不要な装飾は、極力排除するのがおすすめです。
かわいい装飾付きのケージで幸せなのは、そこで暮らすハムスターではなく、それを眺める人間だけかもしれませんね。
◆全面金網のケージ
ハムスターのケージといえば、金網で囲まれたものを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
しかし、このような前面を金網で覆われたケージは、あまりおすすめできません。
1つ目の理由は、不正咬合になる可能性があるということ。不正咬合とは、歯の噛み合わせがおかしくなる状態を言います。
不正咬合になったハムスターは、餌を食べることができなくなったり、口が閉まらなくなったりしてしまいます。
そして、不正咬合になる原因の多くが、ケージのワイヤーや金網部分をかじること。
ハムスターが齧ることのできる高さに金網があるケージは、そういった理由からもおすすめできません。
2つ目の理由は、よじ登ってケガをする可能性があるということ。
ハムスターは運動能力が高く、部屋のすみの壁をよじ登ることができてしまうほどです。
そのため、ケージの側面が金網だと、簡単によじ登ってしまいます。また、上の面も金網だと、よじのぼって、うんていのようにぶら下がることもあります。
一見かわいらしいですが、問題なのは、そこから落下する可能性があること。
小さなハムスターにとって、落下は大きな事故です。骨折や、死の危険も伴うということを忘れてはいけません。
◆落下の危険性があるケージ
販売されているケージの中には、底面積を狭くするかわりに、高さをとることで広さを確保している物もあります。
2階や3階などがあれば、確かに広々と過ごせそうな気がするのですが、よく考えれば、落下の危険があることに気付けるはずです。
先ほど述べたように、ハムスターにとって、落下は避けるべき大きな事故。
2階や3階にハムスターが登れてしまうケージは、設計によっては悲しい事故を招いてしまいます。
どうしても高さのあるケージがいい場合は、ロフトのようになっているものではなく、2階や3階が独立しているものを選びましょう。
おすすめのハムスター用ケージの特徴
ケージの種類は、プラスチック製や水槽タイプ、金網とプラスチックを併用したものなど、様々です。
水槽タイプは、安全性が確保されており、写真などもきれいに撮れるのがいいところ。
金網とプラスチックを併用したタイプだと、通気性がいいのがメリットです。
このように、ケージには種類があり、どれを選ぶかは飼い主さんの好みなのですが、ここではどんなタイプにも共通するおすすめポイントについて紹介します。
◆噛むパーツが少ないこと
ハムスターの歯は、硬いものをくりかえし齧ることで、不正咬合を起こします。
噛み合わせが悪くなれば、食べたくても餌が食べられなくなってしまいます。体が小さく体重の軽いハムスターにとって、餌を食べない時間が続くのは、とても危険な状況です。
不正咬合を防ぐために、ケージの中で噛むことができる場所が少ないものを選びましょう。
ハムスターが噛んでしまうものとしては、金網やはしごなどが挙げられます。ケージを選ぶときには、ハムスターの届くところに齧りやすいものがないか、確認しましょう。
◆掃除しやすいこと
これまではハムスターが安全・快適に過ごせるかどうかを中心に考えてきましたが、これは、飼い主さんにとっても大切なこと。
ケージによっては、パーツの取り外しができず奥まで手が届きにくかったり、丸洗いすることができなかったりして、掃除しづらいものもあります。
そんなケージを選んでしまうと、つい掃除が億劫になり、怠けてしまうかもしれません。
ハムスターの暮らすケージは、こまめな掃除が必要です。特に、トイレなどは毎日掃除し、清潔に保たなければいけません。
不潔なケージでは、病気になる可能性も出てきますし、ハムスターも快適に過ごせませんよね。
ぜひ、掃除のしやすさも考慮して、ケージを選ぶようにしてください。
2匹飼うときはケージをわけるべき?
ハムスターを購入しようと思い、ペットショップに足を運ぶと、何匹かのハムスターがいっしょのケージで仲良く過ごしている光景を目にします。
そのかわいさに、同じケージで多頭飼いをしたいと思った人も多いかもしれません。
ですが、複数のハムスターを同じケージで飼うのは絶対にやめてください。
もともと、ハムスターは縄張り意識が強く、基本的には単独行動をしている生き物です。
2匹のハムスターを同じケージに入れれば、高確率で喧嘩が起こります。
喧嘩が起こると、血が出るまで攻撃したり、最悪の場合、弱い方が殺されてしまったりするのです。
ハムスターは時に、殺したハムスターを食べてしまうこともあるそうです。
ペットショップのハムスターが喧嘩をせずに過ごしているのは、生まれて間もないハムスターだから。
生後3〜4ヶ月を過ぎると、縄張り意識はどんどん強くなります。
そうすれば、それまでどんなに仲良く過ごしていたとしても、喧嘩する可能性が高くなります。
複数のハムスターを飼う場合は、その数だけケージを用意し、飼育するようにしてください。
ハムスター用ケージの選び方に関するまとめ
今回は、ハムスターを飼育するにあたって一番大切な、ケージ選びについてご紹介しました。
部屋の中に置くケージは、インテリアのように考えがちですが、実はハムスターにとってとても重要なもの。人間の都合ではなく、ハムスターの気持ちになって選んであげることが大切です。
正しい知識で選んだケージの中で、あなたの大切なハムスターが、快適で健康な生活を送れるよう祈っています。
あなたのハムスターライフに幸あれ!
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