1.挿し餌とは?
3.文鳥へ挿し餌をする準備は?
3-1.挿し餌の作り方
3-2.挿し餌を作る際に注意する点
3-3.どのくらいの量を挿し餌したらよい?
3-4.挿し餌を食べない、嫌がる場合の原因
挿し餌とは?
挿し餌(さしえ)とは、人間である飼い主が親鳥の代わりとなって、ヒナにご飯をあげることです。
巣の中で、口を大きく開けて「お腹空いたよ~!」とご飯を催促しているヒナに、親鳥がくちばしを使ってヒナの口の中にご飯を入れてあげている様子をご覧になったことがあると思います。
その、親鳥がくちばしを使って行っている給餌行為を、親鳥の代わりに飼い主が、くちばしの代わりにスポイトなどを使って行います。
文鳥に挿し餌が必要な時期はいつまで?
文鳥に挿し餌が必要な時期はいつまでなのかですが、文鳥が自分でご飯をしっかりと食べられるようになるまでです。個体差はありますが、だいたい生後3~4週齢までくらいが、挿し餌が必要な時期です。文鳥のヒナが、ペットショップなどからおうちに来てすぐの頃は、無理することなく、ストレスのないように接してあげましょう。自宅で産まれたヒナについても同様です。挿し餌はヒナの様子を細かく観察しながら、徐々に、慎重に進めてあげて下さい。
文鳥へ挿し餌をする準備は?
文鳥へ挿し餌をするために必要なものは以下の通りです。
- スポイトなどの給餌器
- 挿し餌に使う餌をお湯でふやかすための容器
- パウダーフード(だいたい生後2週齢くらいまで)栄養たっぷりの栄養剤
- 粟玉※(生後2週齢くらいから)粟の皮を剥いたものに卵黄を添加したもの
- 小松菜などの葉野菜(必要に応じて)
- 葉野菜をすりつぶすためのすり鉢とすり棒(100円ショップで売っている小さいものがちょうどよいです)
室温が低いと、挿し餌の食べが悪くなってしまうので、室温を上げるための、小鳥用の保温ヒーターなどを用意してあげるとよいでしょう。
◆挿し餌の作り方
<生後2週齢くらいまで>
容器にパウダーフードのみを入れて、そこに60℃くらいのお湯を入れたら、挿し餌の適温である40℃くらいまで冷まします。
挿し餌の温度はとても大切です。低すぎると、文鳥のヒナが食べなかったり、病気になってしまいますし、高すぎると今度は、やけどの原因となってしまいます。挿し餌の温度が、適温である40℃くらいであるか確かめるために、専用の温度計があるとよいでしょう。
<生後3~4週齢くらいまで>
それまではパウダーフードだけだったものに、少しずつ、粟玉(または剥き粟)を加えていきます。
作り方は、まず、粟玉(または剥き粟)だけを容器に入れ、70℃~80℃くらいのお湯を入れたら、すぐにお湯を捨てます(粟玉または剥き粟についた汚れなどを洗い流すためです)。
そして、洗った粟玉(または剥き粟)にパウダーフードを加え、そこに60℃~70℃くらいのお湯を入れ、40℃くらいまで冷まします。水分が多いと、挿し餌がうまくスポイトなどに入らないので、パウダーフードの量で、粘度を調整するとよいでしょう。
小松菜などの葉野菜を混ぜてあげるときは、すり鉢で丁寧にすりつぶして、挿し餌に混ぜてあげて下さい。
成鳥になってから与えたいフードがある場合も、この時期から少しずつ挿し餌に混ぜて、慣らしていくとよいでしょう。嫌がる場合は、無理をしないようにしましょう。
挿し餌は、給餌のたびに、作るようにして下さい。残った挿し餌がもったいないからと、次の給餌に使わないようにしましょう。病気の原因となります。
◆挿し餌を作る際に注意する点
挿し餌を作る際に、もっと柔らかくしてあげようとして、電子レンジにかけたり、鍋で煮込んだりすることはやめましょう。これらの作り方で文鳥の挿し餌を作ってしまうと、挿し餌に粘り気が出てしまい、そのことで文鳥が病気になってしまいます。
必ず、70℃~80℃くらいのお湯でふやかす方法で、作るようにして下さい。
◆挿し餌の与え方
がじゅちゃんねる【文鳥】さんの【文鳥・Java sparrow】さし餌の用意・作り方・与え方
Okome Channelさんの文鳥の雛 さし餌の作り方
が、とても参考になります。
挿し餌の与え方ですが、文鳥のヒナが小さい間や、人間の手のひらが好きな子の場合は、手のひらに乗せて与えてあげましょう。ヒナがある程度大きくなって、手のひらでじっとしていなかったりする場合は、テーブルなどの上に乗せてあげて、手のひらで軽くヒナを囲んであげるとよいでしょう。
ヒナが動いてしまうと、挿し餌がうまくいかず、ヒナの口からこぼれたり、うまく飲み込めずに吐き出したり、食道につまったりしてしまいます。ヒナができるだけ安定した体勢がとれるよう、工夫してあげましょう。
実際の挿し餌の方法ですが、ヒナが大きく口を開けて、ご飯を催促する合図をしているタイミングで、挿し餌が入ったスポイトを、真っ直ぐとヒナの口に入れ、スポイトからご飯を注入してあげます。この時に、口の奥まで入れてあげることがポイントです。スポイトを浅くいれると、ヒナの口に挿し餌がうまく入りません。口の奥まで入れてあげると、ヒナは自分で飲み込みます。
◆どのくらいの量を挿し餌したらよい?
文鳥には、首元に、素のう(そのう)といわれる、透明な袋状の器官があります。この、素のうに、一時的に挿し餌されたものを保管しておきます。
どのくらい挿し餌したらよいかの目安ですが、素のうを見ながら、素のうが挿し餌で満たされるまであげるとよいでしょう。
もちろん、たくさん食べたことで、文鳥のヒナが嫌がって食べなくなった時は、それ以上挿し餌する必要はありません。
◆挿し餌を食べない、嫌がる場合の原因
文鳥のヒナがご飯を食べないとき、嫌がるときは、挿し餌の温度が低いことが原因のことが多いです。挿し餌の温度には、十分に気をつけてあげましょう。
また、挿し餌の温度は適温なのに食べない場合は、文鳥のヒナの具合が悪い可能性もあります。そのような場合は、無理強いすることなく、かかりつけの獣医師に相談して下さい。
文鳥のヒナは、生後2週齢から3週齢くらいまでは、一日に6回、2時間おきの挿し餌が必要です。生後4週齢くらいになっても、一日5回、3時間おきの挿し餌を必要とします。個体差はありますが、だいたい生後5週齢くらいになると、一日3食(朝、昼、晩)となります。
挿し餌の時間帯は、文鳥が活動し始める早朝から、夜にかけてです(文鳥に限らず、小鳥は朝は早起きで、夜は早めに就寝します)。
日中、お仕事などで家にいることができない方は、ご家族の方にお願いしたり、それも難しい場合は、文鳥をヒナから飼育することは避けたほうがよいでしょう。
文鳥などの小鳥は、一日でもご飯を食べないことがあると、弱ってしまい、とても危険な状態となってしまいます。
文鳥を飼育する際は、そのあたりに十分に気をつけながら、文鳥が健康で快適に過ごしやすい環境に配慮した飼育を心がけましょう。
挿し餌から一人餌に移行する時期と方法
文鳥は、だいたい生後1か月から2か月くらいで、成鳥になります。挿し餌から一人餌に移行する時期と方法ですが、だいたい生後1か月くらいから、それまでの挿し餌と並行して、成鳥用のフードを少しずつ与えてみて下さい。まずは、成鳥用のフードを、テーブルや鳥かごの中に撒いてあげましょう。飼い主の手のひらの上に成鳥用のフードを乗せて、文鳥につつかせてあげるという方法もよいでしょう。
挿し餌の食べっぷりが悪くなってきたときも、成鳥用のフードに変えていくよいタイミングです。
挿し餌には水分が含まれていましたが、成鳥用のフードには含まれていませんので、飲み水を別に用意してあげましょう。
文鳥は、シードなどの皮のあるものは、口の中で上手に皮をむいて、中身だけ食べ、皮だけ綺麗に捨てます!
餌入れ容器の中には皮がたくさん残っていますので、こまめに皮を捨ててあげるようにして下さい。
まとめ
文鳥の挿し餌は、親鳥がヒナに行っている給餌行為を人間である飼い主が代わりに行うものです。ですから、「自分は文鳥のヒナの親なんだ!」という強いしっかりとした愛情で行ってあげましょう。人間の赤ちゃんを育てるのと同じように、細やかな配慮が必要です。
文鳥などの小鳥は、とても繊細な生き物です。十分に注意をしながら育ててあげて下さい。
文鳥が、すこやかに成長できるように、温かな気持ちで見守ってあげましょう。文鳥のヒナが親鳥に感じるような安心感を十分に与えてあげながら、小さな命を大切に育んであげて下さいね。
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