1.アベニーパファーの特徴
1-1.大きさ
1-2.体の特徴、機能
1-3.オスとメスの判別方法
1-4.泳ぎ方
1-5.性格
1-6.寿命
1-7.生息地
【掲載:2021.01.24 更新:2023.08.25】
アベニーパファーの特徴
◆大きさ
体長は3㎝ほどです。大きくても4㎝ほどなので、そこまで巨大に成長することはないでしょう。
◆体の特徴、機能
目の色は黒で体は黄色っぽく、背中に黒い斑点が入っています。小さいですがフグなので、体は丸みを帯びています。また、硬い貝の殻をかみ砕くことができるほどの鋭い歯を持っています。
フグは毒を持っている印象が強いですが、アベニーパファーには基本的にはありません。まれに持っている個体もいますが、ペットショップで販売されているアベニーパファーは養殖されているものが多いので、毒はほぼありません。ただ購入する際は、念のためペットショップで確認してから購入する良いでしょう。
◆オスとメスの判別方法
オスとメスを判別することは可能です。しかし、アベニーパファーを購入する段階では区別できない可能性もあります。なぜなら、幼少期の時点では、オスだと判別できる特徴は出にくく、成長してからでないと現れないからです。オスの特徴は、メスには見られない2つの線が入っているので、そこから見分けるようにしましょう。
オスにしかない2つの特徴
①目の後ろにキラキラとした銀色の縦線
②あごからお腹にかけて伸びる婚姻線
オスの見分け方として一番分かりやすいのが目の後ろに見える銀色の縦線です。反射して見やすいと思うので、基本的にはここを見て見分けると良いでしょう。婚姻線は1年ほど経って成熟したタイミングで見えるようになります。色が濃い子から薄い子までいますが、その濃度はタイミングによっても変化するようです。
◆泳ぎ方
一般的なフグと同じようにヒレをパタパタと動かして移動します。体が小さいためゆっくり動いていると思いきや、意外と俊敏な動きをします。
◆性格
簡単にではありますが、アベニーパファーの性格についても触れておきます。
淡水フグ自体は気性が荒い種類が多く、アベニーパファーも仲間同士で頻繁にケンカをします。ただ、性格は個体によるので、大人しい子や人間に対しては懐きやすい子ももちろんいます。
幼少期は臆病な性格で、岩陰などに隠れて生活しますが、だんだんと環境に慣れてくると顔を出して個性を出し始めます。水槽内でもっと偉いアベニーパファーの性格によって他の子の性格も変化するので、購入前に性格を知ることは難しいでしょう。
◆寿命
平均3年と言われています。体が丈夫で特にかかりやすい病気はなく、寿命が近づくにつれて泳ぐ元気がなくなって水槽の底でじっとするようになります。
◆生息地
アベニーパファーはインドの南西部に生息しています。基本的には群れで生活していて、貝や甲殻類、小魚などを食べています。
アベニーパファーを飼育する上で注意すること
◆飼育環境
・水槽
アベニーパファーは淡水の小型水槽での飼育が可能です。水槽の大きさは一番小さいサイズの30㎝水槽からでも大丈夫で、飼育する数によってサイズを大きくしていくと良いでしょう。
水流の速さは遅めになるように工夫します。アベニーパファーは泳ぐのがあまり得意ではなく、体が丸いので水を受け流しきれず、水流が強いと弱ってしまう可能性があります。
水草は隠れられるスポットとしてアベニーパファーに人気があります。水槽の見栄えが良くなるだけでなく水を浄化してくれるので一石二鳥ですね。
・水温、水質
水温は22~26℃くらいの比較的暖かい温度を推奨します。生息地がインドということもあり、熱帯での生活を前提に進化してきた魚なので、寒さに弱い傾向にあります。ただ、水温が高すぎても弱ってしまうので、夏場や日差しが当たりやすい場所には注意が必要です。
水質は、ph6.0~7.0の弱酸性から中性を意識しましょう。日本の水道水は中性から弱アルカリ性なので、水質調整剤で中和するなどしてph値を変動させるとちょうどいいと思います。
・餌
アベニーパファーの餌の種類には、生餌・冷凍餌・乾燥餌・人口餌があります。飼い始めたころなどは乾燥餌や人口餌に慣れにくく、あまり食べてくれません。その場合は生餌など他の種類の餌を与えてしばらくしてからこれらをあげると良いでしょう。
飼い始めたばかりでも食いつきの良い2種類の餌について説明します。
①生餌
アベニーパファーは貝類やエビを好んで食べます。
貝のなかでも「スネール」が大好物で、スネールイーターと呼ばれているほど。
スネールは、水槽内に意図せず紛れ込んだ巻貝のことを指します。購入した水草にスネールの卵が付着しているケースが多く、魚を飼ってみて初めて存在に気付くケースがほとんどのようです。魚や水草に悪影響はありませんが、どんどん増殖していくので水槽の見栄えが悪くなってしまいます。
このスネールは通常手でつまんだりして除去しますが、アベニーパファーの場合はそのまま食べてくれるので餌として活用できます。餌用のスネールも販売されているので、購入して食べさせるのも良いと思います。ただ、あまりに増えすぎてもよくないので、水槽内の様子を見ながら判断しましょう。一度別の水槽に移してからスネールを繁殖させておくのもいいと思います。
エビは水槽内のコケを食べてくれるお掃除役として人気です。アベニーパファーにとってはエビも好物なので、コケ取りをやってもらいつつアベニーパファーの餌になるとして、飼育者にとってはかなりありがたい存在です。
②冷凍餌
冷凍餌では赤虫が人気です。アベニーパファーの餌としてはこの赤虫が最もポピュラーなのではないでしょうか。
赤虫はユスリカの幼虫で、非常にタンパク質が豊富かつアベニーパファーにとって嗜好性がいいのか、かなり食いつきがいい傾向にあります。ただ、冷凍の赤虫は水質悪化を招きやすいので、あげる量や頻度には注意が必要です。
餌やりは1日に1~2回与えます。あまり多すぎても食べ残してしまうので、一度に与える量も控えめで大丈夫です。
・あると便利なもの
①ライト
アベニーパファーを飼育する際、あると便利なものの1つがライトです。お部屋の電気のみでは水槽がきれいに映らないので、観賞・撮影の際にがっかりしてしまうかもしれません。また、太陽光に当てて飼育する場合、コケが発生しやすい・水温が上昇する・水が蒸発して水換えの頻度が上がるといった弊害があるので、そういった点でもライトを購入することをおすすめします。
水槽内でライトを点灯している時間は、お部屋の電気も含めて1日に10時間以内にするようにしましょう。土管や流木などの隠れ家を用意している場合を除き、お部屋が明るいままではアベニーパファーは睡眠をとることができません。睡眠不足はストレスに影響してしまうので、なるべく同じ時間にのみライトを点灯させるといった気遣いをして、アベニーパファーにとって生活しやすい環境にしてあげましょう!
②ヒーター
アベニーパファーは熱帯魚ということもあり、水温が低い環境は苦手な生き物です。そのため、特に冬場はヒーターがあると良いでしょう。水温を一定に保つことでアベニーパファーの体調の管理に繋がるので多くの飼育者たちが導入しています。
③冷却ファン
ヒーターとは反対に夏場に水温を下げる目的で使用します。水槽のふちに取り付け、水面に風を送ることで水温を下げるという仕組みです。お部屋のクーラーでも問題ないですが、夏場はクーラーを常につけておくことになるので、料金的にクーラーのつけっぱなしが嫌という方はとても安価で水槽内のみを涼しくできる冷却ファンを使用すると良いでしょう。
④エアーポンプ
夏場は酸素が薄くなりがちなので、エアーポンプを使用して酸素を供給すると過ごしやすい環境になります。
◆混泳
アベニーパファーと他の種類のお魚を同じ水槽内に入れることはあまりおすすめできません。理由は、アベニーパファーの習性にあります。
アベニーパファーはひらひらしているものをかじってしまう習性があります。仲間意識が強く、他のお魚を見かけると、ヒレをボロボロになるまでかじりついてしまいます。また、性格によってはとても攻撃的な個体も存在するので混泳はやめておきましょう。
◆いじめ
縄張り意識が強いアベニーパファーを同じ水槽内で複数飼育しているといじめが発生してしまう場合があります。いじめの判別は難しいと思いますが、顕著に表れるのが、ストレスからくる「拒食症」です。人間にも拒食症はありますが、それと同じく餌を食べなくなります。アベニーパファーは特に神経質なので拒食症を改善することが難しく、そのまま死んでしまうケースが多く見られます。
もし拒食症のアベニーパファーを発見した場合は水槽内で仕切りを入れてセパレートしたり、別の水槽を用意するなどして現在の集団から隔離させてあげましょう。
◆繁殖
繁殖は比較的容易です。ただ、いくつか注意点があるのでご紹介します。
・オス1匹に対してメスは2~3匹ほど入れる
オス同士がケンカしやすいので、メスを多めに入れてケンカになりにくいような環境にしましょう。数匹しか飼育しない場合、オス1匹に対してメスが1匹のみだと、オスが発情した場合に水槽内を永遠に追いかけられるため、それを分散させる目的でもメスを複数匹入れるとトラブルになりにくいです。
・オスとメスのサイズを同じくらいにする
お互いのサイズに差があると交尾を行う相手として見られず、うまく繁殖できない場合があります。なるべくサイズを同じくらいにすることで緩和できるので意識すると良いでしょう。
卵の孵化は4日~7日ほどで行われます。水温によって変化し、25℃だと5日くらいで孵化するため、温かい水では少しだけ孵化が早まります。ただ、水温が高いほど水カビが発生しやすくなるので、水温は25℃を意識すると程よいです。産卵までは比較的容易ですが、メスの食卵には注意が必要です。もしメスが食卵している現場を見たら、スポイト等で卵を保護し、別の水槽に移してあげましょう。
アベニーパファーの価格
アベニーパファーの価格は、1匹あたり300~500円と言われています。流通数の多さや繁殖の難易度が低いことからこの程度の価格で購入することができます。白い目のアベニーパファーは白濁眼の可能性が高いので、購入する際は黒い目のアベニーパファーを選ぶようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
淡水で飼育することができる珍しいフグ、アベニーパファーをご紹介してきました。餌が少々特殊なので手間がかかってしまうかもしれませんが、他のお魚と比べて初心者でも飼いやすい種類だと思います。
水の入れ替えなどが大変なお魚ですが、水槽が小さければ簡単に持ち上げることができますし、見た目や動きが可愛いのでペットとしての人気も高いです。熱帯魚は観賞しているだけでも美しいですが、ライトをつけて水槽を撮影すればインスタ映えも狙えるおしゃれさも兼ね備えていますよ♪
アベニーパファーの興味を持った方は是非飼育にチャレンジしてみてください!
– おすすめ記事 –
・テラリウムって何?生き物を飼育するポイントも紹介 |
・熱帯魚を飼いたい!初心者におすすめの品種を紹介 |
・ヘルマンリクガメを飼ってみたい!特徴や飼育のポイントについて紹介 |
・ハムスターの鳴き声でわかる気持ち!この鳴き声は嬉しい?怒っている? |