1.ステップレミングとは?
1-1.見た目
1-2.原産国・生息地
1-3.特徴・性格
1-4.寿命
1-5.ハムスターやネズミとの違いについて
3.ステップレミングの飼育環境
3-1.必要な基本のグッズ一覧
3-2.温度設定
4.ステップレミングの飼い方
4-1.ご飯について
4-2.トイレについて
4-3.砂浴びについて
4-4.ケージの掃除について
4-5.かかりやすい病気について
ステップレミングとは?
ステップレミングとはネズミ目キヌゲネズミ科の動物です。
まずはステップレミングの基本的な情報について、ご紹介していきます。
◆見た目
ステップレミングは、一見をするとジャンガリアンハムスターのような身体つきをしており、毛色や模様も似ています。
身体の大きさは、大人の個体で10cm前後、体重は22~34g程です。
顔立ちはハムスターだけでなくプレーリードッグにも似ているといわれています。
◆原産国・生息地
ステップレミングの原産国は、ヨーロッパ東部~アジア東部のステップ地帯や半砂漠地帯です。
ステップレミングの生息地は、モンゴル~中国、カザフスタン、キルギスタン、ロシア連邦、ウクライナ周辺と非常に広い地域です。
◆特徴・性格
ステップレミングの特徴は、穴を掘ることが得意なことです。
野生の環境では、ステップレミングは地面に巣穴を掘って生活をしています。
群れを作って生活をしている動物であり社会性や社交性があることも特徴です。
そのためオス同士で多頭飼いをしても、喧嘩をすることが少ないといわれています。
見た目はジャンガリアンハムスターに似ていますが、生態としてはジリスに似ている動物です。
ステップレミングの性格は活発で、人懐こいです。
回し車で遊んだり、毛繕いをしたり、ちょこまかと走り回ったりと元気な姿を見せてくれます。
好奇心が旺盛な動物でもあるため、子どもの時からスキンシップを取ることで飼い主さんに懐いてくれやすいです。
慣れると自ら手に乗ってきてくれたり、手のひらの上でスヤスヤと眠ってくれたりすることがあるようです。
ステップレミングのメスは生後20~140日程で繁殖できるようになります。
交尾後はハムスターと同様に20日程の妊娠期間を経て、一度に3~7匹の子どもを産みます。
また野生のステップレミングは春~夏にかけて繁殖期を迎えて、年間で最大6回も出産をするそうです。
繁殖力がとても強いため、オスとメスを一緒に飼育するとすぐに個体が増えてしまいます。
ペットとして飼育をする際に繁殖をさせたくない場合は、別々のケージで飼育をする等工夫をしましょう。
◆寿命
ステップレミングの寿命は野生では1年未満ですが、ペットとして飼育をする場合は平均で半年~2年程です。
ペットとして飼育をされていたステップレミングで、4年近く生きたという事例もあるようです。
◆ハムスターやネズミとの違いについて
ステップレミングと、ハムスターやネズミとの違いは食性です。
ハムスターの食性は草食性に近い雑食性ですが、ステップレミングの食性は完全草食です。
またハムスターと異なりご飯を食べる量が多いです。
糖の代謝能力も低いため、ハムスターが好きなヒマワリの種や果物もあまり与えるべきではありません。
ステップレミングの値段
ステップレミングはペットとして飼育することが可能ですが、扱っているペットショップやブリーダーさんが少ないです。
そのため、なかなか目にする機会がないでしょう。
ステップレミングの値段は大体2000円~7000円です。
取り扱っているショップは決して多くはありませんが、一度にたくさんの子どもが産まれるためそこまで高価ではありません。
ステップレミングの飼育環境
ステップレミングはハムスターと似ていますが、先ほどお伝えしたように食性が違うといったように異なる点もあります。
そのためハムスターとは飼い方が少し異なります。
◆必要な基本のグッズ一覧
- ケージ
- 床材
- 回し車
- 巣箱
- 餌入れ
- 給水ボトル
- かじり木
- 砂場
ケージはハムスター用のプラスチック製、ガラス製のケージを使いましょう。
野生のステップレミングは巣穴を掘って生活をしているため、同じような環境作りに使用をする床材は欠かせないグッズです。
木材のチップと牧草を混ぜて、ケージの中に最低5cm以上できれば20cmほどの高さになるように厚めに敷いてください。
このような理由から、金属製のケージは不向きとなっています。
ステップレミングは元気で活発な動物です。
運動不足の予防のため、またストレス解消のためにケージ内には回し車を設置してください。
明け方と夕方に特に活発になる性質をもっているので、静音タイプの回し車がおすすめです。
ステップレミングは巣箱を休憩や睡眠をとる場所として使用します。
巣箱はいろいろな素材の商品がありますが、掃除のしやすさや安全性を考えて選ぶとよいでしょう。
サイズは大きすぎず小さすぎず、ステップレミングの身体の大きさに合ったものを用意してください。
エサ入れはサイズが小さめでひっくり返りにくい素材のものがおすすめです。
給水ボトルもハムスター用のものを使用して問題ないのですが、ステップレミングは身体の大きさに反して水をたくさん飲みます。
給水ボトルの中身の減り具合をこまめにチェックしましょう。
ステップレミングはネズミやハムスター同様に歯が伸びます。
歯の長さをちょうどよい長さに保てるように、適度なサイズかつ硬さのかじり木を用意してあげましょう。
◆温度設定
ステップレミングの適温は15~25度程度であり、暑すぎる環境も寒すぎる環境も適してはいません。
そのため飼育環境の温度が適温外になった場合には、ペット用のパネルヒーターやエアコンを使用して温度管理を行ってください。
パネルヒーターはハムスター用やウサギ用のものがおすすめです。
ステップレミングの飼い方
◆ご飯について
ステップレミングはメジャーな動物でないため、専用ペレットの入手が困難となっています。
そのため、同じような食性であるウサギ用、ジリス用、プレーリードッグ用、デグー用のペレットと牧草を主食として与えましょう。
またキャベツ、小松菜、大根の葉っぱなどの野菜を副食として少量与えましょう。
先ほどお伝えをしたように、糖の代謝能力が高くないため糖質の多い果物や種子類はあまり与えないでください。
糖質を与えすぎることで糖尿病の原因となる恐れがあります。
ステップレミングはエサ切れと水切れに非常に弱い動物です。
常に新鮮な状態のエサと水を与えてください。
ケージ内にチモシーやイタリアンライグラスといった牧草を入れておくことでエサ切れのリスクを低くしましょう。
◆トイレについて
ステップレミングは基本的にトイレのしつけができません。
中にはトイレを設置したらそこで排泄してくれる子もいますが、大多数の子はどこにでも排泄をしてしまいます。
そのため床材が排泄物によって汚れてきたら、こまめに交換をしてあげましょう。
◆砂浴びについて
ステップレミングはハムスターと同様に砂浴びを好む場合があります。
砂場を用意してステップレミングが遊んでくれるか様子を伺ってみましょう。
砂浴びの砂は、ハムスター用やチンチラ用、ジリス用がおすすめです。
中には砂場を隠れ家や寝床として使用をする子もいるようです。
◆ケージの掃除について
ステップレミングは先ほどお伝えをしたように、ハムスターよりご飯をたくさん食べる特徴があります。
その量はジャンガリアンハムスターと比較をすると2倍以上であるといわれています。
そのため排泄物の量も多くなり、あちらこちらで排泄をしてしまうためケージが汚れやすいです。
一見して排泄物によって汚れている部分の床材はこまめに除去をしてケージ内を衛生的にしましょう。
1週間に1回はケージを丸ごと掃除しましょう。
ステップレミングは非常にすばしっこい動物であるため、掃除をする際にケージから移動をさせる場合には脱走に注意をしましょう。
◆かかりやすい病気について
ステップレミングがかかりやすい病気としては、不正咬合があります。
これは歯のかみ合わせがおかしくなり、上の歯と下の歯が正常にかみ合わなくなってしまう病気です。
外傷による切歯の破損や、硬い物を不適切にかじり続けることが原因とされています。
不正咬合になってしまうと、食事をすることができなくなり衰弱してしまう恐れがあります。
ステップレミングがご飯をあまり食べていない様子が見られたり、ご飯を食べにくそうにしていたりするような場合には歯が変な方向に伸びていないかを確認してください。
日頃から体重の計測を行うことで、このような病気に早く気付くこともできます。
ステップレミングは日本国内ではまだマイナーな動物です。
そのため、ステップレミングを適切に診察できる動物病院の数は多くないといえます。
ステップレミングをお家にお迎えする際には、エキゾチックアニマルを専門としている動物病院を探したり、ショップの店員さんから教えてもらったりと準備をしてください。
まとめ
ここまでステップレミングの基本的な情報や飼い方、かかりやすい病気についてご紹介してきましたが、いかがでしたか。
ステップレミングとはどのような動物なのだろう?と興味を持っている方や、飼いたいと思っている方の参考になれば幸いです。
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