1.キバタンとは?
1-1.見た目
1-2.原産国・生息地
1-3.特徴・性格
1-4.寿命
1-5.ほかのインコとの違いについて
3.キバタンの飼育環境
3-1.必要な基本のグッズ一覧
3-2.温度設定
4.キバタンの飼い方
4-1.ご飯について
4-2.トイレについて
4-3.日光浴について
4-4.鳴き声について
4-5.多頭飼いについて
4-6.ケージの掃除について
4-7.かかりやすい病気について
【掲載:2021.02.17 更新:2023.06.13】
キバタンとは?
キバタン(学名:Cacatua galerita、英名:Sulphur-crested Cockatoo 漢字「黄巴旦」)は世界中でペットとして飼われているオウム科の鳥です。
美しい白い羽でおおわれ、頭の先には冠羽という淡黄色の魅力的な羽を持ち、体長は約50cm、体重は800g~900gくらい、日本でよくみられるハシボソカラスと同じくらいの大きさです。
バタンというオウムの仲間に分類され、コバタン、アオメキバタン、アルーキバタンなどの種類があります。種類が異なっても色や形に大きな違いはありません。アオメキバタンは目の周りが青いので見分けることができますが他の種類は判別が難しく、細かい分類をせず売られていることが多いです。非常に知能が高く、慣れてくるとおしゃべりや音楽に合わせてダンスをすることもあります。
◆見た目
体全体が白い羽で覆われており、頭に黄色い冠羽があるのが特徴です。冠羽は驚いた時や緊張したときに前後に大きく広がって美しいです。くちばしと足は黒色か濃いグレー、目の色は性別によって異なりオスが黒色、メスは赤茶色をしています。
◆原産国・生息地
原産国はオーストラリア、ニューギニア島、タスマニア島などの島々で、森林などの木の上に生息しています。様々な気候の地域に広く分布しており、一部の地域では個体が増えすぎ、害鳥として扱われることもあります。シンガポールなど近隣の国にも移入し、現在はシンガポールで繁殖された個体が輸入されて鳥類専門店で販売されていることが多いです。
◆特徴・性格
性格は明るく、好奇心が旺盛です。とても賢いのでおしゃべりや音楽に合わせてダンスをすることもあります。キバタンは飼い主と関わることを求めるので、おしゃべりや触れ合うための放鳥時間を充分にとることが大切です。構ってもらえないことがストレスとなり、羽を抜いてしまう、くちばしで体を傷つけるなど自傷行為をしてしまうこともあるので注意が必要です。ケージ内で遊べるおもちゃなどを用意してあげましょう。
◆寿命
キバタンの寿命は非常に長く、野生下で40年~50年、飼育下では70年とも言われています。20代で幼鳥を飼い始めても70代まで世話をすることになり、親子2世代にわたり1羽のキバタンの世話をすることも考えられます。自分が世話をできなくなった場合に家族の協力を得られるかを相談し、先の事まで考えて購入する必要があります。
◆ほかのインコとの違いについて
代表的なほかのインコ、セキセイインコやオカメインコとの違いは体の大きさです。セキセイインコの重さは約35g位、オカメインコでも150g位なので重さだけでもかなり違います。体の大きさ以外にも値段や環境、飼育方法など違いがあるので順番に見ていきましょう。
キバタンの値段
キバタンの価格は35万~50万程度で上昇傾向にあります。一般的に年齢が若いほど高く、性別ではオスよりもメスの方が高く売られています。また、日本で繁殖された個体とシンガポールなど海外から輸入された個体を比べると国産の鳥の方が高額です。日本ではまだまだ一般的なペットではないので情報も少ないのが現状です。どこでも買える訳ではないのでお迎えを考える場合は大型のペットショップに声を掛けておくと良いでしょう。
キバタンの飼育環境
実際にキバタンをお迎えする前に整えておきたい飼育環境について紹介していきます。
◆必要な基本のグッズ一覧
・ケージ
キバタンのケージは広く大きいものを選びます。冠羽や羽を伸ばせて動き回れる広さのものを準備しましょう。キバタンは賢いので簡単な出入り口だと開けることを覚えて逃げてしまう心配があります。出入り口はしっかりと閉め、さらに南京錠やナスカンをつけて簡単に開けられないようにしましょう。くちばしの力や噛む力が強いのでステンレス製で丈夫な物を選びます。
・おもちゃ
ケージ内で退屈しないようにおもちゃを入れます。頭を使って考えてエサを取り出す知育玩具のようなものが販売されているので利用すると良いでしょう。
・防音設備
キバタンは雄叫びと呼ばれる甲高い大きな声を出します。大型鳥の中でも声量が大きいといわれており飼育環境では防音対策が必要です。アクリル板で覆う、防音カーテンを使用する、家中の窓や壁を2重にするなど防音対策をしてからお迎えしましょう。キバタンの声はかなり大きく遠くまで響くので防音対策をしたとしても集合住宅で飼育するのは難しいでしょう。
◆温度設定
暖かい地域の鳥なので寒さには弱く、冬は保温が必要です。ケージ内の温度が15度を下回らないように調整しますが最初に迎える冬は20度を目安に調整しましょう。ヒーターがかじられないようにケージの外に設置しましょう。夏は28度を超える場合エアコンで調節する必要があります。
キバタンの飼い方
キバタンをお迎えしたらどのような飼い方をしたらよいでしょうか。毎日の生活の中で行う世話の仕方と注意することについて順番に説明していきます。
◆ご飯について
野生のキバタンは穀物や果物、草木の種や昆虫などを食べていますが同じものを用意する必要はありません。家庭で与えるご飯はインコやオウム用として販売されている専用のペレットを主食として与え、野菜(小松菜、チンゲンサイ、ブロッコリー、ニンジンなど)や果物(りんご、バナナなど)を副食として与えます。ペレットはトウモロコシや小麦などの穀物にビタミンなど必要な栄養素が含まれているので利用すると良いでしょう。
◆トイレについて
鳥にはトイレで用を足す習慣は無いのでどこでも用を足します。無理にトイレを教える必要もありません。キバタンは賢いので根気よく教えるとトイレを覚える場合もあるようですが、しつけと考えずに遊びの一環として行うようにしましょう。
◆日光浴について
日光浴をすることでビタミンDを合成し、カルシウムの吸収を助けることができます。また、ストレスの解消にもなるので週に2回程度、1時間位は太陽の光を浴びさせるとよいでしょう。真夏は炎天下を避けてケージ内に日陰になる場所を作ってから外に出します。冬場は屋外の温度が低く、ガラス越しだとあまり効果が無いので紫外線を放出する電球を利用すると良いでしょう。
◆鳴き声について
キバタンなどオウムやインコの仲間は自分の存在を知らせるために朝と夕方に大きな声で鳴く性質があります。これを雄叫びと言い、キバタンの雄叫びは特に大きいと言われています。機嫌が悪い時などは大きい声を出し続けるので防音対策が必要です。しつけで雄叫びをやめさせることは出来ません。飼い始めてからあまりの声の大きさに驚き、里親に出されるケースが最も多いのがキバタンだといわれています。お迎えの前にしっかりと防音対策をすることが大切です。
◆多頭飼いについて
1羽だと寂しそうに思えるかもしれませんが、飼い主と十分に触れ合うことができれば寂しさを感じることは無いようです。寂しそうだと思うのであれば、仲間を増やすよりもキバタンと触れ合う時間を増やした方が良いです。飼い主との充実した時間があればキバタンは満足できるからです。
多頭飼いを始めたい場合は飼い主との関係が今までと変わる可能性があることを知っておきましょう。今まで飼い主だけを求めていた鳥が、新しい仲間が来たことで仲間の鳥に興味がいって今までしていた手乗りなどをしなくなることがあるようです。多頭飼いを始める場合は慎重に検討しましょう。
◆ケージの掃除について
キバタンは脂粉が非常に多い鳥です。脂粉とは体に付着しているフケのような粉状のものです。ケージにはフンと共に脂粉が舞い落ちます。ケージの下の敷き紙は毎日交換しますが、ケージ内に舞った脂粉を取り除くためにはケージごと水洗いする必要があります。アレルギーがある方や肺が弱い方がいる場合は空気清浄器の設置も考えましょう。
◆かかりやすい病気について
キバタンなどオウム目がかかりやすい代表的な2つの病気はPBFD(PCD)とニューカッスル病です。PCDはサーコウィルスによる感染症で脂粉やフンなど、空中を浮遊するものを吸引することで感染します。羽に異常が現れることが多く、抗生剤やホルモン療法で治療します。ニューカッスル病はくしゃみや咳など重い風邪に似た症状で悪化すると内臓機能不全を起こします。確実な治療法が無いので、少しでも普段と違う様子が見られたらすぐに動物病院を受診することが大切です。
まとめ
白い大きな体に淡黄色の羽冠を持つ大型インコのキバタン。美しくて迫力のある大きさなので動物園でも人気者です。愛鳥家の中ではあこがれの存在といわれていますが、鳴き声の大きさと寿命の長さから飼育放棄が多い鳥であるのも事実です。お迎えの前には家族とよく相談し協力が得ることと鳴き声の大きさを動物園などで実際に聞いて確かめることが大切です。キバタンのいる暮らしは大型の鳥でしか味わうことのできない楽しさや賢い鳥だからできるおしゃべりや遊びを楽しむことができます。非常に賢い鳥なので根気よく教えることで物事を正しく理解して覚えるので、長い間家族として過ごすことができます。魅力的な美しい姿を是非その目で確かめてみてください。
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