1.モルモットの寿命はどのくらい
1-1.モルモットの平均寿命
1-2.種類によって差はある?
1-3.他の小動物と比べて短い?長い?
2.モルモットに多い病気
2-1.ビタミンC欠乏症
2-2.不正咬合(ふせいこうごう)
2-3.皮膚疾患
2-4.尿石症
2-5.毛球症
4.モルモットを長生きさせる秘訣
4-1.温度管理や飼育環境
4-2.運動不足にならないようにする
4-3.栄養バランス
【掲載:2021.04.13 更新:2023.03.14】
モルモットの寿命はどのくらい
モルモットは、げっ歯目、テンジクネズミ科の動物です。つまり、ネズミの仲間です。ペットのネズミといえばハムスターが代表的ですが、さて、モルモットはどれくらいの寿命があるのでしょう。種類によって寿命は変わるのでしょうか。
◆モルモットの平均寿命
モルモットの平均寿命は、7~8年ほどです。近年は、モルモットの飼育情報が増えたために飼い主さんの知識が増え理解が高まり、また、診療できる動物病院が増えてきたことからもモルモットの平均寿命が伸びつつあります。
とはいえ、品種改良が多くされている動物ですから、もともとの遺伝的体質や疾病などにより早くに命を落としてしまう個体もいます。
一般的には、同じ品種と比較して骨格の大きな個体の方が長生きの傾向にあると言われています。また、メスよりもオスの方が長生きしやすいとも言われています。
ペットショップで選ぶ際には、見た目だけでなく、食欲はあるか、よく運動しているか、他の個体と比べて大きく育っているか、なども見て検討すると良いでしょう。
◆種類によって差はある?
ペットショップで一番多く見かけるつるんとしたフォルムのイングリッシュ種や、毛が少し長く寝癖のような見た目のアビシニアン種は、丈夫で長生きしやすいと言われています。
流通量が多いということは、比較的交配が容易で、体質の強い個体を残していくことが可能ですが、見た目に特徴のある種は、ある程度体質が弱くても特徴を残すために繁殖させていきますので、あまり強くない個体が残っていく可能性も高まります。
そういった意味からも、真っ白な身体のアルビノや、毛がとても長く伸びるシェルティ、逆に毛がないタイプのスキニーギニアピッグなどはやや寿命が短い傾向にあります。
それでもやはり個体差はありますので、一概に早死にするとはいえません。それよりも、快適な環境で適切に管理していくことで少しでも長く寿命をまっとうさせることができますので、飼育環境をより良いものに改善していく姿勢が大切です。
◆他の小動物と比べて短い?長い?
もしもあなたが様々な小動物の中からモルモットを検討しているのであれば、他の動物と比べて寿命がどれくらいなのかも気になりますよね。
当たり前ですが、ペットを飼うということは、最後まで責任を持って面倒をみるということです。近い将来に進学や就職などで生活環境が大きく変わることがあるならば、それも視野に入れて検討しなくてはなりません。
自分のライフプランを見据えて検討してくださいね。
まず、モルモットは、同じげっ歯目の中では寿命は長い方です。
ハムスターは様々な種類がいますが、大体どの種も寿命は2~3年、デグーでは5~8年ほどです。
他にはハリネズミは2~5年ほど、モルモットと同じ草食動物であるウサギは、モルモットよりも倍くらい大きい身体ですが寿命は9年ほどです。
鳥類は寿命が長い種が多く、セキセイインコで10年、ヨウムはなんと40~60年ほどです。
モルモットはほ乳類の小動物の中では比較的寿命が長いと言えるでしょう。
モルモットに多い病気
動物の中でも非捕食者である小さな草食動物は、体調が悪くなってもそれを隠そうとする本能が強い生き物です。日頃からよく観察し、行動や糞尿の量などを把握しておくことが大切です。観察力とちょっとした変化の違いを感じ取って次の行動へ繋げられるかがとても重要なポイントとなってきます。
モルモットを健康で長生きさせるためにも、かかりやすい病気について正しい知識を持ち合わせておきましょう。
◆ビタミンC欠乏症
モルモットは私たち人間と一緒で、体内でビタミンCを合成できない数少ない動物のひとつです。そのため、食べ物からビタミンCを補給する必要があります。モルモット専用のフードではビタミンCが配合されているものが多いですが、ビタミンCは空気や熱に触れるとどんどん劣化してしまいます。そのため、フードは開封したら密閉できる容器に入れ、直射日光の当たらない涼しいところで保管し、早めに使い切ってください。また、補助食やおやつとして与える野菜などからもバランスよく与えると良いでしょう。果物を与える際には過食にならないよう、与える量に十分配慮してください。
ビタミンCが不足してくると、食欲が落ちる、毛艶が悪くなる、全体に元気がなくなる、口内トラブルなど、様々な症状が現れます。
◆不正咬合(ふせいこうごう)
モルモットは、歯が生涯伸び続ける動物です。それは、草を食べ続けることが必要な草食動物にとってはとても大切な機能です。しかし、飼育下では度々問題を起こします。例えば、噛むと簡単に砕けるようなペレットを主食にしてしまったり、高カロリーな野菜や果物を多く与えてしまうと自然と咀嚼回数が減ってしまうため、自然に摩耗していくはずの歯が異常に伸びてしまうのです。そうなると、伸び過ぎた歯がモルモットの口内で刺さり、炎症を起こします。ひどい場合には顎を貫通してしまう事もあります。
モルモットの健康のためにも、栄養価が低めのチモシーを主食とし、長時間草を食める時間を作りましょう。
◆皮膚疾患
モルモットの原種は、南米の乾燥した高山に生息していました。そのため高温多湿に弱く、モルモットにとって日本の夏は特に注意が必要です。糞尿の量が多いモルモットはケージ内が汚れるのが早く、不衛生な環境で管理していると皮膚病になってしまいます。
特に長毛種は排泄物が毛に絡まってしまい、雑菌が増殖する原因となります。飼育ケースの掃除を小まめにすることと、日々のブラッシングケアも大切です。もしもモルモットが全身を痒がったりフケが多くなってきた場合には真菌や細菌に侵されている可能性もありますので、早めに動物病院を受診しましょう。
◆尿石症
モルモットは他のほ乳類と比べてもカルシウムを非常によく吸収してしまう体質です。余分なカルシウムは尿から排出するのですが、過剰摂取が続くと徐々に排出しきれないカルシウムが膀胱内で固まり、膀胱結石の原因となってしまいます。
また、モルモットが大好きな牧草のルーサンはマメ科の植物でカルシウム含量が多いです。主食としてはチモシーを与えるようにしてください。
結石ができると排尿時の痛みでオシッコをしたがらなくなります。掃除しながら普段の排泄物の量を把握しておくと良いでしょう。
◆毛球症
猫は毛繕いをして飲み込んでしまった毛を吐き戻すことができますが、モルモットは吐くことができない動物です。そのため、飲み込んでしまった毛は糞と一緒に排泄することしかできません。しかし、何かのきっかけで毛が消化器の中に溜まってしまうことがあります。詰まってしまった毛球のせいで便秘になったり食欲が落ちたり、症状が進むとお腹がパンパンに膨れてきてしまいます。草食動物ですから糞の量は多いのが正常です。それが排泄されずに詰まってくるのはとても苦しいでことでしょう。こうしたことからもブラッシングはとても大切なコミュニケーションのひとつとして積極的に取り入れてください。
モルモットが亡くなる前の症状一例
モルモットが亡くなる前には、いくつかの症状がみられることが多くあります。
あくまで一例となりますが、ご紹介します。
- 体重が減る
- 食欲がなくなる
- 下痢や嘔吐が増える
- 体温が下がる
- 動かなくなる
モルモットを長生きさせる秘訣
長生きさせる秘訣は、心身ともに健康に管理することにあります。シンプルですが、とても大切なことです。
◆温度管理や飼育環境
先にも述べたように、モルモットは高温多湿に弱い動物です。そして、寒さにも弱い動物です。気温が下がると代謝が下がり、体温を保持したり食べ物を消化するために身体に負担がかかります。モルモットの飼育適温は18~24℃前後とされています。適温を保てるよう冬は室温を一定に保つことの他にも飼育ケースにヒーターを入れるなどして自由に暖まれる環境を整えると良いでしょう。
湿度が高いところも苦手なので、風通しの良い環境にしたり、エアコンをつけて湿度を下げるのも効果的です。
また、ストレスを与えることも長生きをさせるためにはNGとなります。
トイレをこまめに変えて清潔に保つことや、夜行性のモルモットにあわせて日中は穏やかに過ごさせてあげたりなど配慮をすると良いでしょう。
◆運動不足にならないようにする
同じげっ歯目であるハムスターにはケージ内に回し車が必須ですが、モルモットは設置しても遊ばないケースがほとんどで、ケージ内に入れる必要はありません。しかし、運動が必要ないわけではありません。
モルモットが身体を動かして遊べるような環境を作ってあげましょう。部屋の一部をサークルで囲んで放しても良いですし、安全に遊べる環境を確保できるのであればお部屋の中を散歩させてあげると良いでしょう。
身体を動かし、いろんな刺激に触れることによって体力を育むだけでなく、モルモットの知的好奇心を刺激することができます。
◆栄養バランス
モルモットは完全な草食動物です。栄養価の低い食べ物を長い時間たくさん食べることによってバランスが保たれています。
主食はあくまでも牧草(チモシー)を与えるようにしましょう。チモシーでは補えない栄養をペレットで摂取してもらいます。
個包装で販売されている穀類やドライフルーツなどは、モルモット専用のものであってもおやつです。好んで食べるからといって、過度に与えると主食を食べなくなったり、肥満になったり、消化器疾患の原因ともなりますので与える量には十分に注意してください。
まとめ
モルモットの平均寿命は7~8年ほどですが、長ければ10年ほど生きる個体もいます。少しでも長く心身ともに健やかに過ごしてもらえるよう、モルモットにとって快適な環境を整えストレスを軽減させることと、モルモットに多い疾病への理解を深め早めに対応できるよう毎日の健康状態をチェックしておくことが大切です。
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