1.ハムスターは暑さに強い?弱い?
1-1.野生のハムスターは地中の巣穴に避暑している
1-2.日本の夏は高温多湿でハムスターも過ごしにくい
3.ハムスターケージの場所を見直そう
3-1.基本の置き場所は
3-2.エアコンのある部屋がおすすめ
4.ハムスターの暑さ対策方法
4-1.エアコンをつける
4-2.保冷剤、凍らせたペットボトルを置く
4-3.ハムスター用保冷グッズを使う
4-4.扇風機やうちわの風・水浴びは暑さ対策にならない
【掲載:2021.05.17 更新:2024.07.03】
ハムスターは暑さに強い?弱い?
ハムスターの主な原産地は中近東ですが、暑さは苦手です。体温を調節する機能が発達していないため、暑さ・寒さに強くありません。
◆野生のハムスターは地中の巣穴に避暑している
シリアやトルコなどの中近東は、夏に日中の気温が40℃近くまで上がります。暑さに弱いハムスターがそのような地域に住めるのは、暑くても地中へ避暑できるからです。
ハムスターは、主に中近東、ヨーロッパ、アジアの砂漠や乾燥した地域に生息しています。これらの地域は夏と冬、夜と日中の気温差が激しく、生物が住むには過酷な環境です。
しかしハムスターは地中に深いトンネルを掘って巣穴を作り、ほとんどを巣穴の中で過ごしているので、地上の暑さや寒さの影響を受けることはありません。
地中は一年を通して温度がほぼ一定で、夏は涼しく冬は温かく、常に快適に過ごせます。そのために体温を調節する機能は発達しておらず、暑さや寒さに順応することが苦手になっているのです。
◆日本の夏は高温多湿でハムスターも過ごしにくい
ペットのハムスターは、地中に巣穴を掘って避暑することができません。室温の暑さ、寒さをもろに体感することになり、気温の変化はストレスになってしまいます。
もともと乾燥地帯が原産のハムスターは湿気も苦手です。つまり、原産地よりも高温多湿になる日本の夏は、決して過ごしやすいとはいえなくなるわけですね。
ペットのハムスターがいる環境の温度が上昇すると、ハムスターは体温調節がほとんどできないために熱が体にこもり、脱水、夏バテ、熱中症にかかりやすくなります。
ドワーフハムスター、ロングヘアーは特に暑さに弱いといわれますが、基本的には「どのハムスターも暑さは苦手で暑さ対策は必須」と認識しておきましょう。
ハムスターにとって快適な温度・湿度は?
ハムスターにとっての快適な温度と湿度は、気温20~26℃、湿度40~60%くらいです。日本の春や秋の気候、私たち人間が暖房や冷房をしなくても快適に過ごせる環境に近いでしょう。
なるべく飼育環境を気温20~26℃、湿度40~60%にキープすると、ハムスターは元気で快適に過ごすことができます。ただし、日本は四季がはっきりしていて寒暖差が大きいので、飼い主さんが暑さ・寒さ対策をすることが必要になってきます。
ハムスターの場合、気温が30℃以上になると熱中症にかかりやすくなり危険なので、夏は温湿度計をこまめにチェックしながら適切な暑さ対策をすることが重要です。
ハムスターケージの場所を見直そう
夏は、ハムスターのケージを涼しい所に置く必要があります。同じ家の中でも部屋や場所によって温度や湿度は違ってくるので、ハムスターの飼育にちょうど良い場所を見つけましょう。
◆基本の置き場所は
ハムスターのケージは、直射日光やすき間風が当たらず、風通しはよくてジメジメしない所に置きます。
窓際、西日の当たる部屋、キッチンの近くなどは夏に室温が上昇しやすいので、なるべく涼しい部屋に置きましょう。
◆エアコンのある部屋がおすすめ
冷涼な地域を除いては、梅雨から初秋にかけて室温が27℃を超えやすくなります。エアコンがあると温度と湿度が一定に保てるので、できればエアコンをつけた部屋にケージを設置することが好ましいです。
その際は、エアコンの風が直接当たらない所にケージを置きます。体に風の当たる感覚はハムスターにとってストレスになりますし、冷風が長時間当たると冷えすぎて体調を崩してしまうからです。
ちなみにエアコンは電気代がかかると思われがちですが、冷房の場合はつけっぱなしでもそれほど高くはなりません。
ハムスターの暑さ対策方法
夏は温湿度計やハムスターの様子をこまめにチェックしながら飼育環境の温度や湿度の上昇を防ぎましょう。
◆エアコンをつける
やはり夏は、ケージの温度と湿度を適切に保つため部屋をエアコンで冷房するのがベストです。
お住まいの地域にもよりますが、夏はエアコンをつけないと室温は30℃を超えやすくなります。また、炎天下では屋根や外壁の温度が高くなり家の中の空気全体も上昇するので、エアコンなしで窓を閉め切ると、室温が40℃近くまで上昇することもあります。
もしもハムスターがこのような暑熱の環境に置かれたら、あっという間に衰弱してしまうでしょう。
電気代を節約することも重要ですが、ペットの命も大切ですよね。ペットを飼う場合、基本的にエアコンが必要になるものと考えたほうがよいでしょう。
◆保冷剤、凍らせたペットボトルを置く
エアコンが使えない場合、エアコンを使うほどの夏日ではない場合もありますね。その際は、保冷剤や凍らせたペットボトルをケージに置いて暑さをやわらげましょう。
保冷材などはケージ内の温度を劇的に下げてくれるものではありませんが、3~4時間程度の一時しのぎとして使うことはできます。
凍らせた保冷剤、水を入れて冷凍庫で凍らせたペットボトル(1.5~2リットルサイズ)は、ケージの側面にくっつけるか、天井の上に置いておきます。こまめに凍らせたものと交換する、発泡スチロールの箱で覆うなどすると一層効果的です。
その際は、結露で床材や床が濡れるのを防ぐため、タオルを巻いたり受け皿の上に置いたりしてください。
ただし室温が高すぎる場合はすぐ溶けてしまい、ケージ内の温度を下げる効果はあまり期待できないので、ハムスターのお留守番中などはエアコンの併用をおすすめします。
◆ハムスター用保冷グッズを使う
ケージの中に冷たさを感じるものを置いておくと、暑い時にハムスターが体をくっつけて涼むこともできます。
おうちにあるものだと、ガラスの小びん、珪藻土のコースターやマット、タイル、大理石などが利用できます。100均のお店で買えるものもあるので探してみてください。
また、ペットショップで取り扱っているハムスター専用の涼感グッズを利用すると一層効果的です。アルミプレート、テラコッタ、陶器など、ハムちゃんが好みそうなタイプを選んでみましょう。
ハムちゃんのひんやりアルミひやっこ(マルカン)
アルミは熱伝導性が高く、心地よいひんやり感が持続します。
アルミは熱伝導率が高く、軽くて耐食性にも優れています。直接触れる事によって、体温(熱)をアルミが吸収し、放熱します。冷えすぎることが無いので安心です。
ひんやりセラミックプレート S(マルカン)
水が蒸発する時の気化熱を利用した、ひんやり涼しいセラミック素材のプレートです。
水をよく吸収し、水が蒸発する際に熱を奪うことによってプレートが冷たくなります。
※キメの細かい素焼きのセラミック製で無数の穴が水を吸収します。
ザラザラした表面の上を歩くことで、爪の伸び過ぎ防止にも役立ちます。
涼感天然石 S(三晃商会)
ハムスターなどの小動物用の天然石製涼感プレート!
ハムスター等の小動物用天然花崗岩を使用した耐久性に優れ水と酸に強い商品です。
接触冷感 ポケハムベッド おふとん(マルカン)
お顔を出して可愛い仕草が見れちゃう!ハムスター用のおふとん
触った瞬間ひんやりクール! 接触冷感生地採用!!
中に入ってひえひえ気持ちいい!
涼感グッズは、ハムスターによって好みがあり、設置してもすぐに涼んでくれない場合があります。
興味を持たない、警戒しているという場合もあるので、その際は置き方を変えるなどしてしばらく様子を見てください。
また涼感グッズを大量に置くとケージ内が狭くなり、ケガもしやすくなるので、涼感グッズは一部のスペースだけに置きましょう。ハムスターは暑いと思った時、自分でちゃんと場所を選んで避暑します。
◆扇風機やうちわの風・水浴びは暑さ対策にならない
私たちが涼むために使う扇風機やうちわ、冷風扇などは、ハムスターの暑さ対策には効果がありません。
人間が涼しいと感じるのは、汗が風で蒸発する時の気化熱で体温が下がるからです。ハムスターは汗をかかないので風が当たっても涼しさはほとんど感じません。
ただし、エアコンの冷風を循環させるために使うのはおすすめです。効率よく冷房でき、節電にもつながります。その際はケージに風が当たらないよう、逆向きに風を送るとよいでしょう。
また、ハムスターに水浴びをする習性はなく、体が濡れるのはストレスになるので、水につけたりケージ内にプールを置いたりすることもやめましょう。
暑い時のハムスターの行動は?
ハムスターに暑がる様子が見えたら、今以上にケージ内を涼しくする必要が出てきます。では、暑い時にはどのような行動を取るのでしょうか。
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暑い時に見られる行動
- 床材や巣箱の中ではなく、涼しい場所に行って寝ている
- ケージの壁面にべたっとくっついて涼んでいる
- 体を伸ばして寝そべる、仰向けになっている
- 水を飲む量、尿量が増える
ハムスターは体の熱を冷ますため、冷たい所に体をくっつけたり、なるべく体を伸ばして空気に触れる体面積を増やしたり、尿と一緒に熱を外へ出したりします。
仰向けで大の字になっていると、ほほえましい寝姿にも見えますが、本人は「暑くてたまらん…」とすっかりバテている可能性もあります。
それが夏バテ、脱水、熱中症につながる場合は命にも関わってくるので、ハムスターがかなり暑そうにしている場合は注意が必要です。
以下の症状がある時は熱中症にかかっている可能性も疑われます。すぐ受診して手当てを受けましょう。
- 口を開けてハアハアと荒い息をしている
- 食欲がない
- 夜になっても活動を始めない
まとめ
夏は、ペットも人間同様に暑さでバテたり体調を崩しやすくなります。特に体温調節ができず体の小さなハムスターは、夏の暑さで大きなダメージを受けやすいので注意が必要です。基本の暑さ対策はエアコンによる冷房ですが、エアコン以外で涼感をもたらすことも可能です。ハムスターが暑い夏を元気に乗り切れるよう、夏は温湿度計やハムスターの体調をこまめにチェックしてあげてくださいね。
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