1.うさぎに散歩は必要なのか?
1-1.うさぎの散歩のメリット
1-2.うさぎの散歩のデメリット
3.散歩時に必要なもの
3-1.ハーネス、リード
3-2.キャリー
3-3.飲み水
3-4.あると便利なもの
4.散歩する前の準備
4-1.うさぎが懐いているかどうか
4-2.ハーネスやリード、キャリーケースに慣れさせる
4-3.散歩する前に下見する
4-4.外の空気に慣らす
5.散歩時の注意点
5-1.場所
5-2.気温・季節
5-3.脱走
5-4.ほかの動物との接触
5-5.誤食
5-6.ノミ・ダニの寄生、外傷の有無
【掲載:2021.08.10 更新:2022.12.02】
うさぎに散歩は必要なのか?
うさんぽは「うさぎ」と「さんぽ」を組み合わせた「うさぎの散歩」の通称です。「うさんぽ」のほかには、部屋の散歩を意味する「へやんぽ」もありますね。
この「うさんぽ」は、特に必要なものではありません。ケージで飼育されているうさぎは、運動やストレス解消のため1日30分程度のへやんぽをさせます。運動はうさぎに必要なものですが、部屋を散歩させれば十分なので、外の散歩に行けなくても問題はないのです。
うさぎさんには好奇心旺盛でうさんぽを喜ぶ子と外の世界に興味を示さない子がいますし、うさんぽにはメリットとデメリットもあるので、無理に実践する必要はありません。うさぎさんが散歩を楽しんでくれる場合に、時々取り入れてあげるとよいでしょう。
◆うさぎの散歩のメリット
うさぎの散歩には次のようなメリットがあります。
- 運動不足が解消できる
- 心身に適度な刺激を与える
- 飼い主さんとの絆が深まる
ペットは限られた居住空間で暮らしているのでどうしても運動不足になりがちですし、動物本来の過ごし方ができません。
ペットのうさぎさんを一時でも自然の中に連れ出し、土や草の上で過ごさせてあげれば、うさぎの本能的な欲求が満たされることでしょう。柔らかい土の上を走ったり土を掘ったりすることは普段なかなかできないので、ストレス解消につながります。
また、いつもと違う場所で感じるにおい、音、足から伝わる感触などが程よい刺激となり、自律神経のバランスを整える作用も期待できます。
そして、飼い主さんは普段見られないうさちゃんの様子が見られるので、素敵な思い出を作ることができます。
◆うさぎの散歩のデメリット
うさぎの散歩にはデメリットもあります。
- うさぎにストレスがかかる
- 外出中はけがや事故のリスクが高まる
うさぎは警戒心が強いので、自分の知らない場所に連れていかれると強いストレスを感じることがあります。飼い主さんがうさんぽを楽しんでいるかたわらで、うさぎは緊張のあまり動けなくなっていることもあり得るでしょう。
またおうちの中は人に守られて安全ですが、屋外に出ればうさぎにとってさまざまな脅威があふれています。犬やカラスなどの外敵、草むらにいる寄生虫、そしてけがや事故、脱走など予期せぬトラブルに見舞われる可能性も出てきます。
いつから散歩していい?
うさんぽデビューは生後5~6か月以降にしましょう。生後5か月以下の子うさぎはまだ抵抗力が安定していないため、外に出たとき病原菌に感染する心配があります。
また、うさぎを屋外に出すときには迷子防止のため体にハーネス(胴輪)とリード(紐)を装着しますが、体の作りがしっかりしてからハーネスやリードを装着することがのぞましいです。
散歩時に必要なもの
安全で快適に散歩をするためには以下の用品が必要です。
・キャリーケース
・飲み水
◆ハーネス、リード
ハーネスとリードは、うさぎの脱走や迷子を防止するために必要です。ハーネスは必ずうさぎ用のサイズがあったものを選びましょう。お腹や背中をしっかりガードするベスト型のハーネスが安心です。
★おすすめアイテム
ラパンウォークハーネス ネイビー S(ペティオプロ)
ハーネスとリードがセットになっているので、すぐ散歩が楽しめます。首回り、胴回りはサイズが調整でき、うさちゃんの体にフィットした状態で装着できます。サイズはS・M、カラーはネイビーとグレーがあります。
◆キャリー
散歩の目的地までうさぎを運搬するため、ペット用のキャリーを使用します。動物病院に行くときの必需品でもあるので、まだ持っていないほうはペットショップで購入されることをおすすめします。
キャリーにはケース、バッグ、リュックなどがあります。車を運転する方はケースやバッグ、歩くことが多い方はリュックが便利でしょう。犬猫用でもよいですが、やはりうさぎ用のキャリーが使いやすいです。車輪の付いたカートやバギーを利用する飼い主さんもいますね。
★おすすめアイテム
うさぎのおでかけ2ドアキャリー(マルカン)
正面と天面にドアがあり、うさぎの出し入れがスムーズにできます。取り外せるインナートレイ付きで、お手入れも楽です。
◆飲み水
短時間の散歩でも飲み水は必ず携帯します。車やキャリーの中が暑くなること、運動してうさぎの体温が上昇することがあるため、脱水には注意が必要です。
キャリーに給水器を取り付けるか、水を入れたペットボトルとお皿を持参し、お皿に水を入れて飲ませるとよいでしょう。
◆あると便利なもの
そのほか、散歩にはウェットティッシュやティッシュペーパー、ゴミなどを持ち帰る袋、少量のおやつ(牧草やペレットでもよい)、サークルがあると便利です。
野原などにサークルを設置してその中で自由に遊ばせれば、うさぎが脱走する心配もありません。
散歩する前の準備
必要なものが用意できたら、うさぎが安全に散歩できるよう事前に準備をしましょう。
◆うさぎが懐いているかどうか
散歩を実行するには、まずうさぎが飼い主さんに懐いていて言うことを聞いてくれることが前提となります。
うさぎと飼い主さんの間に信頼関係が築かれていなければ、うさぎがハーネスやリードをつけさせてくれなかったり、散歩の最中に逃げてしまったりする可能性があります。
外出先で何かあったときには、すぐ飼い主さんがうさぎを確保して安全を守らなければなりません。そのため、少なくとも抱っこさせてくれる状態に慣らしておくことが大切です。
うさぎには抱っこが苦手な子も多いので、普段からうさぎとコミュニケーションを取り、少しずつ練習して抱っこができる状態にしておくとよいでしょう。
◆ハーネスやリード、キャリーケースに慣れさせる
散歩をする際は、うさぎの安全のためハーネスやリード、キャリーなどを使うことが必須となります。散歩に行くまでに、必ずうさぎをハーネスやリード、キャリーやカートに慣らしておきましょう。
初めからハーネスやリードをすんなり装着させてくれる子もいますが、中には拒否して暴れる子もいます。また、キャリーを怖がる子もいます。
ハーネスやリードがきちんと装着できていないとハーネスが外れてうさぎが脱走する可能性が出てきます。また、キャリーに慣れていない子はキャリーに入れられることが、強いストレスになることもあります。
まずは、ハーネスとリード、キャリーやカートに少しずつ触れさせ、不快なものではないことを認識させることから始めましょう。
◆散歩する前に下見する
散歩に行く前には、必ず散歩をさせる目的地の下見しておきます。静かで人けの少ない野原、公園などがおすすめです。
危ない物がないか、ペットが入ってもよい場所か確認しておきましょう。犬の散歩コースになっている場所、雑草に除草剤が散布されている場所は避けてください。
◆外の空気に慣らす
外に出たことのないうさぎは、外の空気にも慣らしておきましょう。いきなり目的地へ連れ出さず、自宅のベランダや庭、玄関先などに出して外の空気に触れさせます。抱っこするかキャリーやカートに入れた状態で家の周りに出てみるのもよいでしょう。
うさぎにとって、自分のにおいがついていない場所、知らない音やにおいがする場所は怖い場所であり、どんな外敵がいるかわからないので警戒しています。
普段はへやんぽで活発に遊んでいても、外に連れていくと怖がっておとなしくなる子も多いです。屋外では緊張してじっと固まってしまうことも珍しくはありません。
何度か外に連れ出すと慣れてくる子もいますが、いつまでもリラックスできない子もいます。そのようなうさぎさんは警戒心が強く外出がストレスになる子なので散歩させるのは避けたほうがよさそうです。
散歩時の注意点
うさぎの散歩には、いくつかの注意点があります。安全に散歩するためにも注意点はしっかり守りましょう。
◆場所
うさぎの散歩には、安全でうさぎがリラックスできる場所を選びます。木陰のある公園や河川敷などがよいでしょう。遠すぎる場所への移動はうさぎに負担をかけるので近場を選びます。うさぎを飼っている人と情報を共有して、近くのうさんぽスポットを見つけるのもいいですね。
公共の場はほかの人も利用するので、迷惑にならないよう、なるべく人のいない時間帯に連れていくのがよいでしょう。
◆気温・季節
散歩はおだやかな天気の日に行きましょう。うさぎは暑さと寒さに弱いので、夏と冬の散歩は控えます。特に暑さに弱いのですが、春や秋でも日中は気温が上がるので、なるべく涼しい時間帯を選んで散歩に行きましょう。
◆脱走
散歩で心配なのがうさぎの脱走です。ハーネスやリードが外れた、キャリーのドアが開いていて出ていってしまった、など不測の事態はあり得ます。脱走したうさぎが帰ってこない、事故に逢うといった最悪のトラブルを避けるため、うさぎからは目を離さないでください。
◆ほかの動物との接触
散歩中は、ほかの動物と接触させないよう注意しましょう。犬、猫、カラスに攻撃されたりほかの動物から病原菌や寄生虫をもらったりする可能性があります。また、ほかの動物の存在がうさぎにとって大きなストレスになります。
◆誤食
外に出ると、うさぎに有害な食べ物に遭遇する可能性があります。誤食による事故には十分に注意しましょう。
●うさぎに有害なもの
・ごみ
・タバコの吸い殻
うさぎは、危険なものかどうか自分で判断できるわけではありません。これらの物をうさぎが舐めたりかじったりすることのないよう、飼い主さんは常に目を離さないようにしてください。
また、公園などに野草が生えていると、うさぎが興味を示すことがあります。一見きれいでうさぎが食べて良さそうな植物に見えても、農薬や排気ガス、犬のおしっこで汚れているもの、うさぎが食中毒を起こすものが含まれているかもしれません。
散歩中は、野草をむやみに食べさせないのが安心です。少なくとも、うさぎが食べてはいけない野草、食べても問題ない野草の種類をしっかり調べておき、うさぎが有害な物を食べないよう見張っておいてください。
◆ノミ・ダニの寄生、外傷の有無
帰宅したら、すぐノミ・ダニの寄生、外傷がないかチェックしましょう。草むらにいるノミやダニなどがうさぎの体にくっつく可能性が高くなるためです。
ノミやダニの寄生は病気の原因になるので、帰宅したらブラッシングをして体についた物を落とし、目視で虫や皮膚の炎症がないかチェックしてください。体に虫がいる場合、体調が気になる場合は受診して治療を受けましょう。
また、散歩中に骨折や外傷などをしていないかうさぎの体を触ってチェックし、気になる症状があればすぐ受診してください。
うさぎの散歩の方法
うさんぽの準備が万全に整ったら、うさぎを散歩に連れていきましょう。
ハーネスを装着したうさぎをキャリーやカートに入れて目的地まで移動し、着いたらリードをつけた状態でうさぎを地面に降ろして様子を見ます。リードは必ず手から離さないようにしましょう。
うさぎは、初めは警戒してあまり動かないかもしれませんが、慣れてくると少しずつ活動を始めます。(個体差があります。)
うさぎは、犬の散歩のようにたくさん走り回るわけではありません。うさぎは休憩したり草などのにおいを嗅いだりして思い思いに過ごします。時々水を飲ませて脱水を防ぎましょう。
散歩の時間の目安は30分~1時間程度です。それより短くてもかまいません。うさぎがあまり喜んでいないようだったら、早めに切り上げたほうがよさそうです。遊ばせすぎるとうさぎが疲れてしまうので、長居は禁物です。うさぎの様子を見て、きりのよい所でキャリーに戻して連れ帰りましょう。
犬の散歩のように毎日する必要はありません。天候とうさぎの体調がよい時にうさんぽを楽しんでくださいね。
まとめ
うさぎの散歩にはさまざまなメリットがあります。ただし外は危険が多いこと、飼い主さんが期待するほどうさぎさんが楽しんでくれない可能性も頭に入れておきましょう。基本的にうさぎの散歩は必要なものではありません。うさぎさんが楽しみにしているなら、ぜひ外へ連れていってあげるといいですね。
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