1.メンフクロウとは?
5.メンフクロウの病気
5-1.バンブルフット
5-2.熱中症
5-3.吸引中毒
5-4.感染症胃腸炎
6.メンフクロウの飼い方
6-1.食事
6-2.ケージ・温度
6-3.爪・くちばし切り
7.メンフクロウの飼育時の注意点
7-1.ロスト(迷子)
7-2.誤飲・誤植
7-3.水浴び
7-4.メンテナンス
7-5.保定
メンフクロウとは?
分類はフクロウ目メンフクロウ科メンフクロウ属。完全な夜行性で分布は南国大陸を除くすべての大陸と、世界で最も広範囲に生息する陸鳥でもあります。広範囲に生息していることもあり、28種もの大きさや色の違う亜種が存在しています。海外ではメンフクロウが納屋のような場所を好んで巣を作ることから「Barn Owl (納屋のフクロウ)」 と呼ばれています。
メンフクロウの特徴・性格
メンフクロウは、長い翼と短い角張った尾を持っており、体色は淡い茶色や白色が一般的です。種全体でみると様々な大きさが存在し、全長は約29~44㎝、体重は約224~710gとかなり広いです。
そして最も特徴的なのが名前の由来にもなっているお面のような顔です。あのお面のような顔は「顔盤(がんばん)」とよばれ、パラボラアンテナのように集音の働きをする事で夜の狩りなどで大いに活躍してくれます。
温厚でおだやかな性格をしていますが、メンフクロウは野性味が強く物の音や動きにとても敏感です。それが原因でストレスがたまり具合を悪くすることも少なくありません。愛情をもって丁寧に接していれば、フクロウも心を開いてくれるので、パートナーとして長く付き合っていけるような関係を築いていきましょう。
メンフクロウの鳴き声
メンフクロウの鳴き声は一般的によく知られている「ホーホー」という鳴き声ではなく、「キーキー」のような金切り声と呼ばれる不気味な鳴き声を発します。この鳴き声は、近距離では聴覚に痛みを伴うほどであり、インドや英国では「screech owl(金切り声のフクロウ)」と呼ばれたりもします。
メンフクロウの寿命
野生のメンフクロウの平均寿命は約4年と短く、主な原因は餓死と言われています。これは厳しい気候変動によるもので、最初の繁殖まで生き延びられる若鳥は1/3程度だそうです。
逆に飼育下の場合は約15~20年と基本的には長命な種のようです。長いと30年生きたフクロウもいるそうです。
良くも悪くもフクロウ寿命は環境によってかなり変わってくるので、大切に育ててあげましょう。
メンフクロウの病気
メンフクロウのかかりやすい病気やその対処法についていくつか紹介していきます。
◆バンブルフット
こちらはフクロウに限らず鳥類全般の疾患です。足にかかる疾患で、足裏などのけがから細菌が入り炎症などを引き起こします。そのまま放置すると最悪の場合、足を切断する以外の方法がなくなってしまうのでしっかり注意しましょう。こちらは、定期的に衛生面を気にかけること、そして爪の伸びっぱなしなどのけがの原因になるものをなくすことが大切です。
◆熱中症
寒さにはある程度の耐性がありますが、フクロウは汗腺がなく汗をかくことができないので、暑さに対しての耐性があまりなく命の危険が伴うので注意が必要です。水浴びや室内の温度には細心の注意を払いましょう。
◆吸引中毒
こちらも鳥類全般に言えることですが、鳥類は空気中の化学物質を吸い込むことで肺に出血が起こります。
出血が起こることで、呼吸困難や二次感染を起こす原因になったりもします。気体は多少離れた程度では意味がないので、しっかりと注意しましょう。
◆感染症胃腸炎
こちらはフクロウの死因の中でもかなり上位の疾患の一つです。メンフクロウは基本的に痛がったり苦しんだりなどの行動をとらないので、発見が遅く、命に関わるほどの重病になっているケースが多いです。食事に対する知識を深め、少しの異変でも気が付けるようにしましょう。
こちらで紹介した疾患以外にも気を付けなければならないものはありますが、そのほとんどが素人では対処が難しいものやどうしようもないものばかりです。そのような時のためにも、近くの動物病院や猛禽類を扱っているペットショップなどを調べて、緊急時に備えておくことも必要です。
メンフクロウの飼い方
メンフクロウの好物や部屋の温度など飼育するうえでのポイントをいくつか紹介します。
◆食事
メンフクロウは肉食なので主に冷凍のマウスやひよこなどをたべます。これらは大型のペットショップやネットでも買えるのでチェックしてみてください。添加物が入った肉はメンフクロウの体調を崩す原因にもなるので与えないようにしましょう。猛禽類の餌は、なじみのない方には少々きつい部分があるかもしれません。事前に確認し大丈夫かどうか確かめてみましょう。
◆ケージ・温度
メンフクロウはサイズでいうと中型に相当するので、大きめのケージが必要になります。目安は中で歩ける、羽を伸ばせるなどを気にかけるとよいです。その他に体を隠せるスペースや体に合った止まり木も用意することも大切です
メンフクロウは寒さよりも暑さに弱いので、夏場は風通しを良くして15~27℃付近を意識しましょう。
◆爪・くちばし切り
くちばし・爪の手入れも怠らないようにしましょう。個体差にもよりますが、大体約1~2カ月に一回程度を目安に切ってあげましょう。くちばしが伸びすぎるとかみ合わせが悪くなり、うまくエサが食べられずに栄養不足、最悪の場合餓死してしまう可能性もあります。
メンフクロウの飼育時の注意点
メンフクロウを飼育するうえで下記のことに注意してみてください。
◆ロスト(迷子)
放し飼いの場合が最もロストしやすく、躾を行っていない限り、フクロウが自ら飼い主の元に戻ることはありません。飼育下から野生に戻った場合、ほとんどのフクロウが餌を確保することができずに餓死してしまいます。フクロウ・飼い主両者のためにもしっかりとしたロスト対策をしましょう。
◆誤飲・誤植
メンフクロウに玩具を与える場合、必ず目の届く位置で与えるよう心掛けましょう。誤飲・誤食による死亡事故はフクロウの死因の中でもかなり上位に入り、上記でも紹介した感染症胃腸炎はこれらが原因で発症することがほとんどです。
◆水浴び
定期的に水浴びをさせてあげるのも、フクロウにとっては大切です。
目安は個体によって違うため、まずは一週間に1~2回から試して調整してみてください。
◆メンテナンス
犬や猫でいうお手入れみたいものです。爪切りや水浴びによる衛生管理、温度調整などの体調管理などメジャーなペットには必要のないことも多く、手間がかかりますがフクロウたちにとっては生きる上でとても重要な部分なので十分知識が必要です。
◆保定
フクロウのメンテナンス時に暴れないようにすることを「保定」と言います。タオルで巻く方法や素手で行う方法があり、タオルで巻く方法は、熱がこもりやすく、死亡事故につながる場合があります。また、素手の方法だと、フクロウが動いた際に翼が折れてしまうという事故が起こったりします。どちらの方法でもしっかり注意しましょう。
メンフクロウの値段
メンフクロウは10~40万円と値段にかなり差があります。その他にも専用の飼育道具などもそろえる必要があるのでお金には余裕を持たせておいたほうが良いかもしれません。飼育するうえで必要な道具は下記で紹介します。
◆メンフクロウの飼育に必要な道具
・止まり木(パーチ)
フクロウに個体差があるので足の大きさに合ったものを選んであげましょう。メンフクロウの場合、まっすぐなタイプよりも多少いびつな形のものを選んであげるとよいです。
・ピンセット
えさを与える際に使用します。手づかみで与えると、指を餌と勘違いする場合もあり危険なのでやめましょう。
・ケージ
上記で説明した通り、少し大きめのものを用意するとよいです。中に隠れられるスペースもあると、ストレス緩和に大いに役立ちます。
・アンクレット
フクロウにとっては首輪のような役割があり、ジェス取り付けるためでもあります。
・ジェス
アンクレットとリーシュをつなぐ部分です。
・リーシュ
フクロウをつなぐためのロープで、リードみたいなものです。
・ファルコングローブ
腕に止まらせたいという方は、爪などが危険なので必ず着用するようにしましょう。
まとめ
メンフクロウはデリケートで素人が飼育するには中々ハードルが高く難しい部分もあります。実際、フクロウにとっても飼い主にとってもよくない結果が待っていることは少なくありません。
飼う際には、しっかりとした知識と環境を整え、覚悟を持ってから飼うようにしましょう。
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