1.大型トカゲ「テグー」とはどんな生き物?
1-1.トカゲのなかでも大型種
1-2.迫力満点のボディ
2.テグーの主な種類は?
2-1.赤っぽい色合いの「レッドテグー」
2-2.白黒のコントラストがカッコいい「ミナミテグー」
2-3.光沢あるダークな色合いの「キタテグー」
2-4.黄色に黒の模様が混じる「ゴールデンテグー」
4.テグーを飼うときの注意点とは?
4-1.飼育注意点①:飼育のためのケージを必ず準備する
4-2.飼育注意点②:テグーは乾燥に弱い
4-3.飼育注意点③:暑すぎる環境には注意する
4-4.飼育注意点④:ホットスポット、紫外線について
4-5.飼育注意点⑤:テグーの性格を理解しておく
4-6.飼育注意点⑥:床材を敷いてあげる
4-7.飼育注意点⑦:栄養バランスのよいエサの与え方について
大型トカゲ「テグー」とはどんな生き物?
トカゲの一種である「テグー」は、ときに「デグー」という動物と混同されることがあります。
ゲッ歯目テンジクネズミ亜目に分類される「デグー」は、リスやモルモット、ネズミのような見た目をしています。
草食動物の哺乳類で、被毛に覆われている動物です。
一方、「テグー」はトカゲですから爬虫類。
体の表面は硬めの“ウロコ”に覆われ、厚い層で体の水分が乾燥しないように保護しています。
水のない陸上でスムーズな移動ができるように、4本足も発達した生き物です。
名前が激似の両者ですが、まったくの別の動物なのです。
それでは、次にテグーについて詳しく見ていきましょう。
◆トカゲのなかでも大型種
爬虫類としてよく知られているトカゲは、数多くの種類が存在しています。
世界中でトカゲの種類はおよそ4000種以上もいると言われ、その大きさは小型から大型までさまざまです。
10~20cm程度と手のひらにおさまるようなサイズもいれば、100cmを超えるような存在感のある大きさのサイズまでいます。
テグーは、たくさんの種類があるトカゲのなかでも“大型”の部類のひとつです。
成長すると100cmほどにもなる大きな体で、なかには150cmを超えるテグーもいます。
ペットとして飼われているテグーの場合、極端に大きくならないと言われています。
でも、成長すれば100cmほどの大型になることは頭に入れておいた方がいいでしょう。
◆迫力満点のボディ
テグーは頭も大きく、首から胴体にかけても肉付きがよくがっしりした体つきです。
成長して体ががっしりたくましくなるにつれ、迫力があってカッコいい雰囲気も感じられるようになってきます。
テグーの主な種類は?
テグーにはいくつかの種類があります。
色合いや模様が変わることで、それぞれの個性が際立っています。
主なテグーの種類について、ひとつずつ見ていきましょう。
◆赤っぽい色合いの「レッドテグー」
「レッドテグー」は、名前の通り赤みを帯びた色合いが特徴的。
幼少時よりも成長したときの方が、より「赤」が際立っていくことが多いようです。
また、テグーのなかでもレッドテグーはメジャーな種類で、ペットとしても親しまれています。
◆白黒のコントラストがカッコいい「ミナミテグー」
「ミナミテグー」は、色の入り方でさらに呼び方が異なります。
「ブラック&ホワイトテグー」は、テグーのなかでも知名度があり、その名からも分かるように、基本色が白と黒です。
明るい“白”、そしてダークな“黒”の対比している雰囲気がクールな印象を与えてくれます。
「ブルーテグー」は、白の割合が多めですが、白というよりも青系に光っているのが印象的です。
◆光沢あるダークな色合いの「キタテグー」
ミナミテグーからの派生したのが「キタテグー」です。
別名「ノーザンブラック&ホワイトテグー」と言い、黒をベースに白い斑点が見られ輝きのある印象です。
◆黄色に黒の模様が混じる「ゴールデンテグー」
「ゴールデンテグー」は黄色味の強い外見をしています。
金色のように光り輝く特徴があります。
テグーはどんな性格をしている?
種類によって差はありますが、黒光りするような見た目の個体が多いテグー。
幼いころから迫力がある外見で、印象としては「荒々しそう」と感じる人も多いでしょう。
野生のテグーは警戒心が強く、獰猛で喧嘩っ早い性格をしています。
体には、「鋭い歯と爪」という危険な武器が備わっているので、攻撃の対象となってしまえば、とても危険です。
しかし、幼少時から人間に関わったペットのテグーの場合、少しずつ人間に慣れてくるので、野性のような凶暴さは少なくなってくるでしょう。
個体差があるので一概に言えませんが、人間にかなり慣れておとなしいケースもあります。
ただし、そもそも本能的に備わっている警戒心がまったくなくなるとは言い切れません。
そのため、取り扱いに注意しなければならない点が多い生き物と言えるでしょう。
テグーを飼うときの注意点とは?
テグーはかなり大型になることが予想されるため、気軽に飼えるわけではありません。
飼うときには、「どんなものを準備すればいいのか」「注意すべきこと」など、ポイントをおさえておきましょう。
◆飼育注意点①:飼育のためのケージを必ず準備する
テグーの健康に配慮し、そして安全に飼うためには、「ケージ」が必要です。
ペットのテグーは一緒に暮らすうちに人慣れするとは言っても、まったく荒々しさがないわけではありません。
飼い主さんとテグー、お互いが安全に安心に暮らすためにも、ケージは準備しておきたいアイテムです。
ケージは、体の成長に合わせながら、買い換えするのがおすすめです。
大型テグーの成長時を予想して「初めから大きめのケージを用意する」のがコスパが良さそうに感じるかもしれません。
でも、幼いテグーはまだ環境に慣れていないため、大きいケージに入れられると居心地の悪さを感じ、それがストレスになるようです。
居心地が悪ければ、「ここに居たくない」と脱出を試みるなど、常に殺気立った荒々しい性格に変化するかもしれません。
「環境が怖い!」と神経質な子に育ち、人慣れできないこともあるでしょう。
幼少期には、迎え入れたテグーが落ち着けるように60センチ幅ほどのサイズがいいでしょう。
まずは「環境に慣れる」をメインに考えることが大事です。
飼い主さんの家に慣れたら、成長する段階に合わせたサイズに買い換えるといいでしょう。
◆飼育注意点②:テグーは乾燥に弱い
テグーの体は乾燥にとても弱く、適度な湿気のある環境が理想的です。
特に、暖房を使う冬は、お部屋のなかが乾燥しがち。
テグーの体が乾燥しないように注意しましょう。
だいたい60~70%くらいの湿度があればいいと言われています。
夏場は比較的管理しやすいかもしれませんね。
また、湿度を保つため、テグーのケージに水分を与えてあげましょう。
頻繁でなくても構いませんが、1日2回くらい霧吹きでシュッシュッと水分を広げてあげるだけでも湿度キープに役立つでしょう。
テグーが過ごすお部屋に、加湿器を置いてあげるのもおすすめです。
◆飼育注意点③:暑すぎる環境には注意する
テグーが生息する地域はとても暑く、暑さには強そうなイメージがありますよね。
しかし、近年の日本で増えている「猛暑・酷暑」のような暑さには弱いです。
窓の位置やお部屋の広さによっても変わりますが、風のない室内は空気がこもって暑くなりがちなので注意しなければなりません。
夏場は、エアコンがついていない環境はテグーの体調を崩す要因にもなり得ます。
基本的には、24~25℃くらいが適温です。
◆飼育注意点④:ホットスポット、紫外線について
トカゲのような爬虫類を室内で育てるとき、ホットスポットと言われる“部分的な保温箇所”についても知っておきましょう。
ケージのなかで、部分的に高温となる場所を設ける目的です。
大型トカゲのテグーは昼行性のため、活動をする際には日を浴びることで体温を上げていきます。
飼育化では日光浴がしづらいので、紫外線を照射できるライトを準備するといいでしょう。
◆飼育注意点⑤:テグーの性格を理解しておく
野生のテグーはとても凶暴ですが、飼育下の場合、人に慣れることも多いです。
ただ、人慣れできるかどうかは、扱い方次第とも言えます。
「家族に迎えたばかり・まだまだ赤ちゃん」という状態のテグーに対し、可愛いからと急に距離を詰めようとするのはよくありません。
幼少とは言え、テグーには荒々しい一面があるので、そこを刺激してしまうと噛みつかれることもあります。
テグーの性格をよく理解し、無理に距離感を詰めようとしないようにしましょう。
◆飼育注意点⑥:床材を敷いてあげる
テグーの動く範囲に床材を敷きましょう。
ツルツルするケージのなかをそのまま歩くと、股関節を痛めるかもしれません。
関節を守るためにも滑りにくい床材を取り入れてみましょう。
幼少時には、犬猫用のペットシーツでもOKです。
強度のあるキッチンペーパーも、床材にすることができます。
使い捨てのシーツの場合、こまめに「汚れたら取り替える」ができるので便利ですね。
ただ、成長すれば体もしっかりしてきますから、テグーの生態に合わせた床材を取り入れたいところ。
ヤシガラチップやパークチップなどがおすすめです。
メンテナンス方法も含め、それぞれの床材の特徴をよく理解しておきましょう。
また、床材を敷いたら衛生面での配慮もしなくてはなりません。
食べ物をこぼしたり、水分や排泄物が染み込んだり…と、敷きっぱなしは不衛生です。
汚れたところに気づいたらチップを取り除くようにしましょう。
そして、定期的な間隔で床材の全チェンジをすることをおすすめします。
◆飼育注意点⑦:栄養バランスのよいエサの与え方について
テグーの堂々たる風貌から「肉しか食べないのでは?」という印象も受けますが、実際にはいろいろな食べ物をエサにしています。
雑食のテグーは、マウスや鳥などの肉、コオロギなどの昆虫、野菜や果物などの植物…というように、食の幅が広いのが特徴です。
●どんなエサを食べるのか?
凛々しい顔立ちで野菜や果物を食べているのも愛嬌がありますが、どちらかというと“肉”の方が好きな傾向のテグー。
とは言え、肉だけを食べ続けると栄養も偏るでしょう。
また、逆に植物ばかり食べさせようとすると「肉が食べたい!」と食べるのを拒むこともあります。
犬にとってのドッグフード、猫にとってのキャットフードのように、「これさえ食べさせればOK」という専用のフードがテグーにはありません。
そのため、さまざまなものをバランスよく食べることで、栄養面の管理ができます。
テグーのエサは、メインの肉(マウス・ひよこ・うずらなど)に、栄養をプラスする意味で野菜や果物などと考えるといいでしょう。
「肉は好きだけれど野菜は食べない!」と好き嫌いが激しくならないためには、幼少のころからどれでも食べられるように慣らすのがおすすめです。
●NG野菜を覚えておく
なんでも食べる雑食のテグーですが、与えるとNGな野菜もあります。
玉ねぎ、ネギ、ニンニクなどは、赤血球を破壊させて貧血を起こすリスクがあるので、テグーには与えないようにしましょう。
また、カルシウムの吸収を妨げる成分が入っているホウレン草、甲状腺機能を阻害するキャベツやブロッコリーなどもあまりよくありません。
●エサの頻度はどのくらい?
幼少のテグーのエサはコオロギなどの昆虫がメイン。
時々、マウスや肉、野菜なども与えるイメージです。
成長期のエサの頻度は、毎日でもいいでしょう。
ただ、成長がめざましくなってきたら、毎日のエサは肥満にも繋がります。
1週間に2~3回程度に減らしていきましょう。
マウスなど、生き物を丸ごと与えた場合、次のエサまでは10日から2週間ほど空けてもいいと言われています。
テグーの様子を見ながら、適度なタイミングでエサを与えてあげましょう。
まとめ
小さい頃は可愛らしいテグーも、成長するとかなり大型になります。
100センチを超えるほどの大きさは、大きく迫力満点ですね。
存在感があるたくましい風貌に惚れ惚れすることでしょう。
ワイルド系の見た目で荒々しい気性を秘めている大型トカゲですが、幼少期の接し方次第では、テグーも飼い主さんに心を開くようになります。
ただ、噛まれるリスクがあるので、犬や猫のように気軽に抱っこはできないかもしれません。
また、テグーが健やかに育つためには、お部屋の温度管理やエサの与え方などさまざまな知識を持っておくことも大事です。
家族になったテグーが幸せな毎日を過ごせるように準備万端で迎えたいものですね。
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