1.小動物用ヒーターの種類
1-1.パネルタイプ
1-2.ひよこ電球タイプ
1-3.使い捨てカイロタイプ
2.どの小動物にもヒーターは必要?
2-1.それぞれの種類に適温がある
小動物用ヒーターの種類
人間が肌寒いと感じ、長袖を着る季節になると、より体の小さい小動物達はさらに厳しい寒さにさらされています。
エアコンで室内を温めても、暖かい風は天井付近に滞留してしまい、小動物達のケージを十分に温めてはくれません。小動物の中には年間を通じて気温が高い地域で棲息するタイプもいるので、寒い季節はそれぞれの体質にあったペット用ヒーターをぜひ活用してゆきましょう。
小動物用ヒーターの一般的な種類は下記です。
◆パネルタイプ
薄いパネル状で内部に電熱線が組み込まれています。
主に爬虫類や小型小動物、凹凸のある場所を移動することが苦手な小動物に用います。
薄型なのでハウスや床材の下に敷き使うことができる点がポイントです。
温度調整機能、タイマー機能などそれぞれの製品によって機能が異なるので、購入する際は、飼育中の小動物の適温に設定できるかどうかもしっかりとチェックしましょう。
パネルタイプのヒーターがオススメの小動物は以下の通りです。
- ハムスター
- ハリネズミ
- うさぎ
- 爬虫類
◆ひよこ電球タイプ
専用ケース内に保温効果のある電球が組み込まれている製品です。小動物のケージ天井部からぶら下げるように設置します。天井部から暖かさが小動物のケージ全体に行き届きます。
ガラス水槽など保温効果の高い飼育ケージに使用すると効果的です。
カメや爬虫類など寒さに弱い動物や背中部分をしっかりと保温する必要がある小動物にオススメです。
ひよこ電球タイプのヒーターがオススメの小動物は以下の通りです。
- 鳥類(インコなど)
- 卵の孵化やヒナ
- 爬虫類
◆使い捨てカイロタイプ
人間用使い捨てカイロを専用ケースに入れ小動物のヒーターとして使用するタイプです。専用ケースは小動物が鋭い歯や爪で噛んだりしても壊れないよう頑丈に作られています。
小動物が使用中に誤って開閉をしないようロックボタンがついていることも購入時にはしっかりと確認してください。
このタイプは電源接続が不要なので、通院などで小動物をキャリーバックで移動をさせる時、小動物のケージの近くに電源コンセントが無い時、小動物の噛み癖が酷く、電気コードによる感電が心配な時にオススメです。
ただしカイロの交換を忘れてしまうと途端に小動物が寒さにさらされてしまうので注意しましょう。
使い捨てカイロタイプのヒーターがオススメの小動物は以下の通りです。
- ハムスター
- モルモット
- うさぎ
どの小動物にもヒーターは必要?
エアコンがあれば大丈夫、厚着をすれば大丈夫と人間であれば考えてしまう寒い季節の生活でも小動物にとっては寒さの限界を超えてしまうこともあります。
小動物との暮らしにはエアコンだけでは不十分であること、人間より一歩先のタイミングで寒さ対策を始める必要があることを常に意識しておいてください。
もしも小動物の寒さ対策を怠ってしまうと、中には命の危険を避けるためにみずから冬眠状態に入ってしまうことがあります。
動物にとって冬眠は自然な行為ですが、小動物の場合、仮死状態のまま目覚めることができないことが多いのでくれぐれも寒さ対策は念入りに済ませましょう。
小動物の種類にかかわらず、人間が肌寒いと感じる季節、長袖を着る季節になったら小動物の保温のためにペット用ヒーターを使い始めましょう。
◆それぞれの種類に適温がある
小動物は大変繊細な身体構造をしていて、適温や適切な飼育環境が異なっています。
長年、小動物はペットとして飼われてはいるものの、それぞれの本来の生息地はバラバラです。
必ず自身のペットにとっての最適温度を確認し、一年を通じて快適に暮らせるよう環境を整えましょう。
一例を挙げると
- ハムスター 約20度~26度
- うさぎ 約18度~24度
- チンチラ 約10度~20度
- ハリネズミ 約25度~28度
- インコ 約27度~28度
- トカゲ、ヘビ類 約25度~28度
- カメ類 約29度~32度
ペット用ヒーターを購入する時は必ずそれぞれの小動物の適温かどうかを確認しましょう。
また安価なヒーターの中には温度調整が細かくできない、異常温度を感知しても停止しない、気がつかない間に故障していたという製品も少なくありません。
日本では小動物に関する製品で安全性が高く、信頼度の高いメーカーとしてマルカン、ジェックスというメーカーがあります。もちろん商品の値段も他商品に比べ安くはありませんが、安全性、耐久性の高さから何年も使い続けることができると思えば決して高額すぎるというほどではありません。
小動物用ヒーターの使い方
ペット用ヒーターは正しい使い方で設置し、温度設定をしなければ本来の機能を期待出来ません。また一旦設定、設置後でも小動物自身が触れることのできる場所のヒーターが設置してあると、飼い主の気がつかない間に設定が変わってしまっている、電源が切れてしまっていたという事故も少なくないので、こまめにヒーター本体を確認し、正常に作動しているかを確認しましょう。
◆パネルタイプ
パネルタイプのヒーターは床材やハウスの下に設置するタイプとケージや水槽の壁面に張り付けるタイプとがあります。
ハムスターやウサギ、ハリネズミには床面に設置するタイプ、爬虫類は鳥類には壁面取り付け型がオススメです。
ただしどちらのタイプも床、壁面の1/3程度を覆うサイズが目安です。床面全体をヒーターで覆ってしまうと、かえってケージ内が暑くなりすぎてしまい、逃げ場がないという状況に陥ってしまうので、暖かい場所とそうでない場所の2か所を小動物自身が使い分けることのできる様サイズを考え設置しましょう。
パネルタイプの設置には電源コードが必須です。ケージに設置する場合、電源コードの長さが設置場所まで無理なく届くのか、電源コードがペットの噛み癖対応用に補強されているかを確認してください。
設置後は電源コードを固定し思わぬ事故につながらないよう注意しましょう。
停電が起きた場合は、安全装置が作動し電源が普及しないことがあります。必ず通電を確認し、常に適温を保てるよう使いましょう。
◆ひよこ電球タイプ
ひよこ電球はソケットと呼ばれるケース内に入っています。ソケットは万が一ペットが触れても怪我をしないよう素材に安全性を持たせ作られていますが、床材にあまりに近い場所に設置すると万が一の危険もあります。
設置する時は、各商品の定める他物品との距離をしっかりと守り、安全に使用しましょう。
併せてひよこ電球タイプは天井面から広範囲で暖めることができるものの、温めすぎてしまう場合もあります。
水槽やケージ内に温度計を設置し、こまめに内部の温度をチェックしましょう。
内部にハウスや身を隠す場所を作っておくと、日中と夜間で小動物自身が快適な場所を見つけ移動することもできオススメです。
毎年使用開始時は電球の切れや故障がないかを確認し、もし故障や玉切れを起こしている場合は電球のみの購入ができるので早めにチェックを済ませておきましょう。
◆使い捨てカイロタイプ
電源不要でどこでも使用できることが何よりの魅力ですが、カイロをこまめに交換することは忘れてはいけません。
カイロは製品ごと、使用環境ごとに保温持続時間が異なります。新しいカイロをセットする度に必ず使用開始時間をメモなどに残し、こまめに新品と入れ替えましょう。
また内部に設置するカイロはあくまでも人間の使用を前提とした商品です。小動物のオシッコや飲み水で濡れる、湿り気を帯びると危険であることも忘れずにおいてください。
使い捨てカイロタイプを使用する時は、ケージ内でヒーターが移動してしまわないように固定する、こまめにケースを確認し破損や蓋が開いていないかを確認してください。
キャリーケースに入れ屋外に持ち出し使用する場合、使い捨てカイロのケースを固定しておくと安心です。移動中にケースが動いてしまうと十分な保温効果を保てず、小動物が寒い思いをしてしまうことがあるので注意しましょう。
内部に設置するカイロの熱は外部ケースを通じて小動物に伝わりますが、ケースが薄い形状の場合、内部の熱が伝わりすぎてしまい、一時的な熱中症状態になってしまう場合があります。小動物の安全のためにケースをタオルなどで包む、熱を感じずに体を休めることのできる場所をケージ内に必ず確保するよう心がけてください。
ヒーターを購入する時は
- 電源のオンオフがライトの点灯で一目で分かりやすい
- 設定温度表示の文字が大きく、読み取りやすい
- 異常温度を感知した時は自動停止する
- <購入後一定の保証期間がある/li>
などの点もぜひチェックしてみてください。
まとめ
ペットショップやネット通販では小動物用ヒーターとしてひとくくりに紹介されていますが、実際に使用する場面ではそれぞれの動物やケージのサイズ、設置場所や性格によってベストなヒーターは違っています。
ヒーターは寒い季節の健康維持に欠かせない大切なアイテムですから、事前に自身のペットを適温や最適な飼育環境を調べた上で購入をしましょう。
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