【掲載:2017.06.20 更新:2025.07.04】
デグーは人になつく?

野生のデグーは群れで過ごすし、「アンデスの歌うネズミ」と呼ばれるほど、様々な鳴き声を使って仲間とコミュニケーションをとって生活しています。
もちろん生き物なので個体差はありますが、とても友好的で好奇心旺盛な性格の子が多いことから、デグーは人になつきやすい動物といえます。
知能も非常に高く、飼い主さんのことを覚えることもできますし、優れた観察力で、飼い主さんの行動パターンを覚えることも容易にしてしまいます。
「そろそろエサをあげようかな?」なんて考えていると、ケージの中でピョンピョンと跳ねて待っている、なんて光景を目にすることもあるでしょう。
◆デグーが人に慣れるまでの期間
それでは、デグーが人に慣れるまでにはどれくらいの時間がかかるのでしょう。
やはりこちらも個体差があります。デグーの性格だけでなく、今まで育った環境や、現在の飼育環境、そして飼い主さんの接し方も慣れるまでの期間に影響してくるでしょう。
しかし、適正な環境であればたったの一週間ほどで人の手からおやつを持っていくくらいのことはしてくれますし、手乗りになることもあります。
ある意味、猫よりもなつきやすい動物と言えるでしょう。
デグーをベタ慣れにする方法

それでは、実際にどのように接してデグーと仲良くなっていけば良いのでしょうか。ベタ慣れデグーを育てる方法をご紹介します。
◆まずは、人を認識してもらう
まずは飼い主さんのことを認識してもらいましょう。デグーは非常に賢い動物です。飼い主さんのこともあっという間に覚えるでしょう。
デグーがなつくのは毎日お世話をしてくれる飼い主さんです。
自分にとって良い環境を整えてくれたり、楽しい生活にしてくれたりする人のことは好意的に受け止めるでしょう。
明るく声をかけながらご飯を与えたり、ケージのお掃除をしてあげることがデグーと仲良くなる秘訣です。
はじめのうち最も効果的なのがエサです。デグーにとってエサは「良いこと」」です。
飼い主さんが来る=良いことが起こる、と思うと飼い主さんが近づいてくるのを心待ちにするようになります。
まだ警戒心の強いデグーに対して必要以上に触ったり構ったりしてしまうと飼い主さん=良いことの関係が曖昧になってしまいますので、まずはシンプルに数日接してみるのが良いでしょう。
また、エサを与えるときに優しく話しかけると声を覚えてくれるようにもなります。上手くいくと3日もあれば飼い主さんのことをぼんやりとではありますが認識してきます。
◆手からおやつを与えてみよう
デグーの警戒心がほぐれてきたら、次は手からおやつを与えてみましょう。
おやつを手から与えるメリットは2つあります。
ひとつは、飼い主さん匂いをおやつにすり込ませる事で好きな匂い(好感の持てる匂い)として認識してもらえること。
もうひとつは、飼い主さんの手=良いことが起こる場所として認識されるようになることです。
私たち人間は手を使って様々なことをしますが、デグーには手渡しで仲間に食べ物を分け与えるなどという文化はありません。
飼い主さんの手からいつも魅力的なものが出てくるとしたら…。デグーにとって飼い主さんの手はまさに魔法の手となり、注目したくなる大好きな場所になるのです。
ただし、おやつの与えすぎには注意が必要です。
デグーは粗食な動物ですから一日に摂取していい食べ物の量は守ってください。おやつといっても普段与えているペレットやその中に一緒に入っている穀類だけを始めの数粒手から与えるなど、過剰に与え過ぎないよう工夫してみましょう。
◆手のひらに乗せてみよう
手からおやつを食べるようになれば、恐らくすぐに手に乗ってくる「手乗り」という状態になるでしょう。
何事もまずはデグーを怖がらせないようにする事が大切です。
まずはデグーのケージの中に手を入れて、デグーが興味を持ち近づいてくるのを待ちましょう。
無理に触りにいくと怖がってしまい逆効果です。
手のひらにおやつを乗せてみるとデグーとしてもあまり違和感なくすんなりと乗ってくるでしょう。
そこから少しずつケージの外に手を抜いていきます。
ケージの外に出す時は、細心の注意が必要です。
デグーが隠れたり逃げたりすると大変ですので、デグーをケージから出すときは必ず部屋を閉め切って、小さな隙間に入ってしまわぬよう事前に部屋を片付けておく必要があります。
また、噛むのが大好きな動物ですから、電気のコードなどがむき出しになっていないか確認しておきましょう。
◆なでなでしてみよう
デグーはスキンシップを好む動物です。
積極的に手のひらに乗ってくるようになったら撫でてみましょう。
この時、無理につかまえたり急に撫でたりしないでください。
人差し指をそーっと近づけ、デグーが興味を示したらそっと顎の下あたりを触ってみましょう。
逃げるようだったらまた待ちます。大半のデグーは顎の下と脇周辺を撫でられるのを好みます。
撫でられて気持ちいいと感じると、歯を剥き出し、身をゆだねて「う〜、そこそこ」と、とてもかわいい表情を見せてくれるでしょう。
撫でられることを気持ちいいと思ってくれるとだんだんと触らせてくれる場所が増えてきます。とはいえ、深追いは禁物です。毎日少しずつデグーとの距離を縮めていってください。
デグーに人慣れしてもらうポイント

デグーが人に慣れるためにはいくつかのポイントがあります。
◆快適な環境を用意する
デグーを飼育する環境が、デグーにとって心落ち着く快適な場所でない限り、まず慣れるといった段階にも行きません。
特にペットショップから来たばかりのデグーはあまり構い過ぎず、新しい環境に慣れるまでそっと静かに見守っておきましょう。
騒音や振動がなく、飼育ケージは適度に運動できる広さのあるもので、回し車と身を隠せるハウス、新鮮なエサと水を用意してそっとしておくと数日もあれば新しい環境に慣れてきます。
◆多頭飼いよりも単頭飼いの方がいい?
一般に動物は、一緒にいる時間の長い同種の生き物と仲良くなるものです。
そのため、デグーを多頭飼いすると、一緒にいるデグーとの絆の方が深まるため、単頭飼いの環境よりも人に慣れるのが遅くなる傾向はあります。
デグーは寂しがりやの動物です。
パートナーと遊んだりくっついて一緒に寝たりと複数頭で過ごすことによってより快適に暮らせる場合があります。
しかし、必ずしも多頭で飼育することが良いわけではありません。多頭飼いでも相性が悪ければ喧嘩をして怪我をしてしまうこともあります。
そういった場合には別々のケージで飼った方がストレスを減らせます。デグーの性格や飼育環境に合わせて単頭か多頭か考えることが大切です。
すでに多頭飼いしているからといってベタ慣れさせることを諦める必要はありません。
おやつを手から与えてみる等、飼い主さんにしか出来ないコミュニケーションでデグーの関心を引くこともできます。
その場合、無理にペアのデグーを引き離そうとせず、デグーの空間に飼い主さんがちょっとお邪魔するようなスタンスで気長にトライしてみてくださいね。
◆性格は関係ある?
ここまで述べたようにデグーがすぐに懐くかはその個体、つまり性格によっても違いがあります。
人間の性格と一緒で生まれ持ってのものや、育ってきた環境によっても性格は変わります。
もともと警戒心が強く、臆病な個体もいれば、呑気で友好的な個体もいます。
ペットショップで購入する前に、ケージでの過ごし方を観察するとその傾向が見えることもあります。
人や動物が行き交っている場所でも気にせず回し車で元気に走り回っていれば環境に慣れやすいタイプと言えるでしょう。
反面、あまり活発でなく、物音に敏感ですぐに身を隠してしまう個体は神経質なタイプです。販売員さんに普段の性格を聞いてみるのも良いでしょう。
また、一般にメスよりもオスの方が甘えん坊でベタ慣れしやすい傾向にあるようです。
◆生まれてすぐの個体以外はなつきにくいの?
生まれて間もない時期から人が接してきた個体は人への警戒心が薄れていることが多いです。そのため、大人になるまで人がほとんど介入せずに育った個体に比べると早く人に懐くようになるでしょう。
しかし、すでに大人になった個体でも懐かないわけではありません。デグーはとても知能の高い動物です。人が危害を与えない優しい生き物で、自分の大好きな食べ物を持ってきてくれると理解すると次第に心を許してきます。また、人間に対して敏感ということは、逆に言えばいつも注意して
行動を監視してくれるということでもあります。接し方によっては学習が早く、扱いやすいパートナーになってくれることもあります。
まとめ
デグーをベタ慣れさせるには、いくつかのコツが必要です。安心できる快適な環境を用意し、デグーの大好きなおやつを上手に使うことで、人間への理解が早く進みます。デグーの事が好きだからといって一方的に触るのではなく、デグーの好奇心を引き出し、お互いに楽しめる関係を築いていくことが大切です。
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