1.「チンチラ」ってどんな動物なの?
1-1.飼いやすいサイズ
1-2.可愛すぎる見た目
1-3.ペットのチンチラは人工繁殖されている
1-4.チンチラはとても賢い
2.チンチラの被毛はとても綺麗
2-1.被毛の秘密①:フワフワ感のある密集した被毛
2-2.被毛の秘密②:ツヤを出す特殊な物質を分泌できる体質
3.砂遊びはチンチラの習慣…その理由とは?
3-1.理由①:過剰なラノリンや体の汚れを落とすため
3-2.理由②:ストレスを解消してリラックス
6.砂遊びの容器はどうやって選ぶ?
6-1.市販の容器は「砂遊び」向けに設計されて安心
6-2.代用品でもいい?
7.砂遊びで注意しておきたいポイント
7-1.砂遊びの“砂”は専用のものを
7-2.量は少なめで、毎日交換するのが理想
7-3.飛び散った砂を掃除しよう
「チンチラ」ってどんな動物なの?
チンチラは、一見、うさぎやハムスターにも似ている小動物です。
ふっくらしたフォルムはうさぎのようにも見えますが、顔つきはハムスターっぽいところもあります。
いったいどんな動物なのでしょうか?
◆飼いやすいサイズ
チンチラは、体長が25~35センチ、体重が400~650グラムほどの小さな体をしています。
抱きかかえると手のひらにおさまる大きさで、集合住宅でも飼育ができる小動物です。
◆可愛すぎる見た目
チンチラの魅力は、見た目の可愛さです。
丸みを帯びた耳、つぶらな目、チャームポイントの前歯、ふさふさした被毛、モコモコした体つき…と、ぬいぐるみみたいな雰囲気もあります。
小さな体で駆け回っているチンチラの姿は、いつまでも見ていられるような愛嬌を感じさせてくれます。
◆ペットのチンチラは人工繁殖されている
チンチラはゲッ歯目に属し、発達した歯が特徴です。
アンデス山脈の高山が野生のチンチラの生息地域ですが、綺麗な被毛や食肉を目的に乱獲された歴史もあります。
野生のチンチラは絶滅危惧種に指定されるほど、今では個体数が急激に減ってきました。
日本で現在ペットとして飼われているチンチラは、人工繁殖によるものです。
野生のチンチラにはないようなさまざまなカラーが魅力的です。
◆チンチラはとても賢い
チンチラは臆病なところがあり、ペットとして人間に飼われても、慣れないうちは警戒心が強いでしょう。
なかなか距離が縮まらず、仲良くなれないかもしれません。
ただ、野生のチンチラは小さな集団で暮らしていたこともあり、一緒に長時間いることで仲間意識が芽生えていきます。
とても賢い頭脳の持ち主で、同じ場所で同じ毎日を過ごす相手をよく理解しようとしてくれます。
飼い始めこそ、距離感は遠いものの、いずれ飼い主さんとの生活に慣れを感じると、「自分の名前を呼ばれたときに反応」「ごはんの時間が近づくとそわそわ」など、人間の生活スタイルにも順応する子もいます。
チンチラの被毛はとても綺麗
かつて、野性のチンチラは、その被毛の美しさから乱獲されていました。
それほどまでにチンチラは魅力的な被毛の持ち主です。
チンチラの被毛の秘密を見ていきましょう。
◆被毛の秘密①:フワフワ感のある密集した被毛
チンチラの毛の生え方は密集しているため、ボリュームがあり、とてもフワフワです。
密集した被毛の秘密は、ひとつの毛穴から出る“毛の本数”が関係しています。
チンチラは、ひとつの毛穴から50本以上、多ければ200本近くの本数が生えると言われています。
本数がかなり多いため、毛に埋もれて皮膚にある毛穴を確認できないほどです。
◆被毛の秘密②:ツヤを出す特殊な物質を分泌できる体質
野生のチンチラは、すぐにでも汚れそうな環境で生きています。
それなのに美しい毛質をキープできているのは、チンチラが分泌する「ラノリン」という物質のおかげ。
ラノリンは「油」の一種で、チンチラをはじめ、被毛の密集した動物が分泌する物質です。
人間はヘアケア商品で髪に潤いやツヤを出しますが、チンチラは自分で分泌する物質で自然に美しい被毛を作り出しているのです。
砂遊びはチンチラの習慣…その理由とは?
チンチラを飼ううえで必須アイテムとも言えるのが砂遊びをさせるためのアイテムです。
小さなサイズ感のチンチラとはいえ、家のなかで砂遊びをさせると「部屋が砂ぼこりだらけにならない?」と心配になってきますよね。
でも、チンチラにとって砂遊びは単なる“遊び”ではなく、綺麗な被毛を守るために大切な行動です。
チンチラの砂遊びがなぜ必要なのかをお話していきます。
◆理由①:過剰なラノリンや体の汚れを落とすため
チンチラは、さきほどお話した「ラノリン」という油分を落とす目的で砂遊びをします。
ラノリンは、被毛のツヤ感をアップさせて、チンチラの魅力を引き出してくれる嬉しい物質です。
でも、ラノリンは次々に分泌されていくので、除去しなければいけません。
チンチラの毛量に対してラノリンの分泌量が多過ぎると、油分が多過ぎて被毛にホコリがつきます。
また、被毛同士が油で固まり、毛玉になることもあります。
脂のラノリンは蒸発によって減少することがないため、砂を使って「体にとって余計な分」を落とさなければなりません。
つまり、チンチラにとっては「砂で遊んでいる」というよりも、「被毛のためにやっている」という身だしなみを整える意味合いがあるのです。
◆理由②:ストレスを解消してリラックス
チンチラの砂遊びは、身体を綺麗にする意味があります。
そのため、砂遊び後にはとてもすっきりした気持ちになるでしょう。
余分な脂がなくなり被毛も軽やかになり毛玉のリスクも減ります。
つまり、砂遊びをすればチンチラは気持ちもリラックスします。
ストレス解消にもつながっているのかもしれませんね。
基本的に水洗いは不要
チンチラにとって重要な行動だとしても、砂遊びをすれば被毛に砂が付く感じもします。
そこで浮かび上がるのが「砂遊びの後に水洗いが必要になるのでは?」という疑問ではないでしょうか。
チンチラは、基本的に水洗いやシャンプーは必要ありません。
その理由として、
●毛量が多いので水分を含むと体が重くなる
●臆病な性格でドライヤーの音や風が大きなストレスになる
●被毛が密集しているので水分がなかなか抜けない
●完全に乾かず皮膚病のリスクがある
●体調を崩しやすい
●水で体温が変化し体調を崩す
などが挙げられます。
チンチラの砂遊びには体の汚れを落とす役割があるので、自己判断で水洗いをするのは避けておくべきです。
特別な事情がない限り、チンチラには水洗いは必要ありません。
チンチラの身体を汚してしまった…など、水洗いに関して不安があるときには、獣医師さんに相談することをおすすめします。
チンチラの砂遊びは毎日?それとも時々?
野生のチンチラは、自分のタイミングで砂遊びをしますが。
でも、飼育下にいるチンチラは、飼い主さんが砂遊びの準備をしてアシストしなければなりません。
どのくらいの頻度で行うべきなのでしょうか?
砂遊びの頻度は毎日行うのが理想的と言われています。
時間は15~30分ほどを目安にするといいでしょう。
ただ、チンチラにも個体差があり、砂遊びを楽しんでいる様子もあれば、それほど興味を示さないケースも。
数分で飽きた様子を見せることもあるかもしれません。
「砂遊びの時間が短いかも…」と無理強いするとチンチラのストレスになるので注意しましょう。
砂遊びの容器はどうやって選ぶ?
チンチラは砂遊びのとき、コロコロと回るような可愛らしい動きをします。
おしとやかに回る子もいれば、激しくグルグルと回る子もいるでしょう。
個体差があっても、砂遊びをしているチンチラを見るのは癒されます。
安全に楽しく砂遊びをさせてあげたいですよね。
砂遊びの容器はどのように選んだら良いでしょうか。
◆市販の容器は「砂遊び」向けに設計されて安心
チンチラを砂遊びさせるうえで大事なことは、安全に遊べるかということです。
容器のなかでチンチラがくるくる回れるくらいの大きさの市販の「チンチラ用」の容器が安心です。
◆代用品でもいい?
容器内でチンチラがコロコロと砂で遊べるサイズであれば、代用品でも砂遊びはできるでしょう。
なかには、衣装ケースや梅酒のビンなどで代用する飼い主さんも多いようです。
ただ、チンチラは中でコロコロと回るため、不安定な形状のものは容器ごと倒れるリスクがあります。
また、細長いタイプの容器は、チンチラが入るときに倒れてケガをする心配も。
大きさや形状によっては、お手入れしにくいものもあるでしょう。
代用品でも安全に使えるものがあればいいですが、不安なときには「チンチラの砂遊び用」の市販のものを購入しましょう。
砂遊びで注意しておきたいポイント
チンチラには、日課として砂遊びをさせてあげましょう。
ただし、注意したいポイントがいくつかあります。
◆砂遊びの“砂”は専用のものを
チンチラの砂遊びには、「チンチラ専用」の砂を準備しましょう。
砂遊びは、被毛についた汚れやラノリンを取り除く目的があるので、チンチラの密集した被毛に合わせて、粒子の細かい砂を選ばなければなりません。
汚れた砂、粒子が大きい砂の場合、被毛表面の油分や汚れを落とすことができず、せっかくの砂遊びも無駄に終わります。
それに、公園の砂などには粒の大きいものやガラスなど危ないものが混ざっているかもしれません。
そもそも粒子が大きいので不向きです。
サラサラ被毛を保つためには、市販のチンチラ専用の砂を購入しましょう。
専用の砂は、チンチラが安心して使えるように殺菌も施してある砂もあります。
また、吸着性や脱臭効果、そして飛び散らないような工夫もされています。
専用砂なら、安心ポイントもたくさんで、効率的にチンチラに砂遊びをさせてあげられます。
◆量は少なめで、毎日交換するのが理想
容器内に入れる砂の量は、それほど多くなくても大丈夫です。
容器の底に、1センチくらいの深さになるように砂を入れてあげましょう。
砂の交換は毎日してあげることがおすすめです。
見た目では分かりにくいですが、一度使った砂は油分や汚れを吸着しています。
再使用をしても、新しいときと同じような吸着効果が得られなくなるばかりか、衛生面でも心配です。
また、チンチラのなかには、砂場をトイレにする子もいます。
排泄物が入ったままの砂は不衛生なので、できれば毎日砂を交換しましょう。
清潔な状態で思いっきり遊ばせてくださいね。
◆飛び散った砂を掃除しよう
チンチラ専用の砂は、“超微粒子”です。
粒子が細かいため、チンチラがちょっと動くだけでも砂は周囲に広く舞うでしょう。
微粒子なので、周りに散らばっても分かりにくいかもしれません。
でも、確実に回りに飛び散っているため、こまめに周囲を掃除することが大事です。
容器の出入り口が横についている場合、周囲への飛び散りが起こりやすいので、
「穴を砂が飛んでもいい方向へ向ける」などの対策もあります。
また、ある程度、砂が舞っても大丈夫な場所で遊ばせるのもいいでしょう。
じゅうたんのある部屋だと舞った砂の掃除が大変です。
テーブルの近くで遊ばせると、砂がいつの間にか蓄積していきます。
玄関や廊下など、掃除しやすいところなど、おうちのなかで工夫してみてくださいね。
また、まわりに飛び散らないような囲いを設けるのもいいでしょう。
まとめ
体から分泌された油分が被毛の美しさとツヤ感をアップさせているチンチラ。
魅力的な被毛をキープしてあげたいですよね。
ただし、チンチラの体に水をつけて洗うのはNGです。
チンチラの被毛の美しさを保つには、毎日「砂遊び」を日課にしましょう。
チンチラにとっての砂遊びは、体の清潔にしたり、被毛をサラサラに保ったりと、人間にとってのお風呂のようなものです。
容器や砂はチンチラ専用のものを準備し、そして吸着力の弱まった砂は使わないように毎日取り換えてあげるのがおすすめです。
砂遊びには、チンチラのストレス発散やリラックス効果もあります。
清潔で安全な砂で、楽しい砂遊びをさせてあげましょう。
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