【掲載:2021.11.02 更新:2024.05.30】
うさぎにキャベツを与えてもいい?
私たちがスーパー等で手軽に入手できる、身近な野菜の一つである「キャベツ」は与えても大丈夫なのでしょうか?
結論から申し上げると、うさぎにはキャベツを与えることができます。
ただし、与える際にはいくつかの注意点があります。これらを守らずに与えてしまうと、大切なうさぎが健康を害してしまう恐れがあります。
キャベツを与える前に、注意点を十分に確認しておきましょう。
◆キャベツの栄養について
キャベツは、アブラナ科アブラナ属の野菜です。
ビタミンK、葉酸、ビタミンC等を多く含み、低カロリーで、水分含有量が多いという特徴を持ちます。
栄養 | ビタミンK、葉酸、ビタミンC等を多く含みます。 |
---|---|
カロリー | 可食部100gあたりのエネルギーは約21kcalです。比較的、低カロリーの野菜です。 |
水分量 | 可食部100gあたりの水分量は約92.7gです。比較的、水分の多い野菜です。 |
塩分量 | 可食部100gあたりの塩分量は0です。 |
◆与えても大丈夫な量
うさぎはキャベツを比較的好んで食べるようです。
しかし、うさぎの主食は牧草となります。たとえキャベツを好んで食べたとしても、主食である牧草が食べられなくなるほど大量に与えてはいけません。
キャベツを与えるときは、小さめに切るか、手でちぎって与えるのがおすすめです。
うさぎへのご褒美や、飼い主さんとのコミュニケーションを図る方法として、キャベツ等の野菜を活用するのも良いですね。
◆キャベツの葉と芯どちらも大丈夫?
うさぎにキャベツを与えるときは、芯を避けて葉のみを与えましょう。
芯の部分には、オリゴ糖の「ラフィノース」という成分が多く含まれています。
この成分は、体内でガスを発生させる作用があるため、お腹にガスが溜まり体調不良に繋がる可能性があるようです。
大切なうさぎの健康のために、キャベツの芯はしっかり取り除きましょう。
◆キャベツはいつから与られる?
うさぎの生後まもなくは、胃腸の状態が安定していないためキャベツを消化できません。
一般的には、野菜を与えるのは生後3~4カ月以降が安全と言われているようですね。
うさぎの食事
うさぎの健康を維持するためには、毎日の適切な食事管理が大切です。肉食性の犬や猫とは異なり、草食性であるうさぎには、どのような食事を与えたら良いのでしょうか?
◆うさぎの主食は牧草
野生のうさぎは、様々な植物を食べていますが、ペットとして飼育する場合には、主食として牧草を与えるのが適切だとされています。
牧草には、主にイネ科とマメ科の2種類があります。このうち、主食として適しているのは、イネ科牧草の「チモシー」です。
チモシーには、収穫時期により「一番刈り」「二番刈り」「三番刈り」という種類があります。収穫時期が早いほど、高繊維質で、葉や茎がしっかりしています。
マメ科牧草の「アルファルファ」は、主食には適していないものの、栄養価が高く、嗜好性が高いという特徴があります。
他に、牧草のみでは不足する栄養を補給するため、ペレット(ラビットフード)を適量与えます。ペレットは、牧草を主原料として作られた粉末で、様々な種類のものが市販されており、ライフステージや健康状態に応じて選べるようになっています。
◆野菜はおやつとして少量を与える
うさぎは野菜(例:キャベツ、ニンジン、ラディッシュ等)を食べるというイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
うさぎは野菜を食べることができますが、野菜は副食ですので、主食である牧草が食べられなくなるほど大量に与えてはいけません。
食事のバリエーションの一つとして、少量を与えるにとどめましょう。
うさぎにキャベツを与えるときの注意点
◆便が緩くなる可能性
キャベツは水分が多い野菜です。
うさぎに与えると、水分補給ができるというメリットがある一方で、便が緩くなってしまうことがあります。
うさぎにキャベツを与えた後は、便の様子を気にかけて下さい。
便が緩い場合は、与える量を調整するか、与えるのを一旦中止しましょう。
また、毎日与えるのは控えた方が良いでしょう。
◆傷んだものを与えない
キャベツに限らず、傷んだ野菜は、うさぎが体調不良を起こす原因になります。
変色やカビ等で傷んだキャベツを与えてはいけません。
新鮮なものを水で洗ってから与えましょう。
◆小動物用のおやつを与える
ホームセンター、ネットショップ等では、「小動物用乾燥キャベツ」が販売されています。
小動物用乾燥キャベツは、生のキャベツに比べて水分が少なく、比較的長期の保存が可能です。
うさぎのおやつとして、上手に活用すると良いかもしれませんね。
ただし、乾燥キャベツも副食であることには変わりありませんから、くれぐれも与えすぎには注意して下さい。
◆うさぎの状態に異変を感じたら動物病院へ
うさぎが食事をしない、便が出ない、下痢をしている、様子がおかしい等、何か異変を感じたときは、早めに、獣医師の診察を受けることをおすすめします。
うさぎは元々は被捕食動物で、外敵に目を付けられないよう、体調不良であってもそれを隠そうとしてしまう傾向があるようです。飼い主さんはちょっとした変化にも気づけるように、毎日の健康チェックを行いましょう。
また、かかりつけの動物病院を作っておくことも大事です。
うさぎの診療に対応している動物病院は、以前よりは増えたようですが、犬や猫に比べるとまだ多くはないのが現状です。ご自宅の近くで、うさぎの診察を行っている動物病院があるかどうか、事前に調べておきましょう。
体調不良になってから病院を探したのでは、遅いかもしれません。元気なうちに信頼できる獣医師のいる動物病院を探しておくと良いですね。
うさぎに与えられる野菜・与えられない野菜
◆与えられる野菜
できるだけ、新鮮なもの、旬の時期のものを選んで与えるのが良いでしょう。
うさぎの好みにより、よく食べる野菜と、あまり食べない野菜があるかもしれません。
ただし、うさぎが好んで食べるからといって、特定の野菜のみを長期的に与え続けることは、栄養バランスや病気予防の観点から、避けた方が良いですね。
カルシウムやシュウ酸の過剰摂取が、病気の原因になることがあります。
また、リンゴやバナナなどの果物も与えることができますが、果物は糖分が多いため肥満に注意しましょう。
なお、うさぎが治療中の場合は治療に悪影響があるといけませんので、野菜を与える前に獣医師に相談することをおすすめします。
◆与えられない野菜
うさぎが中毒や体調不良を起こす恐れがあるため、与えてはいけません。
他に「この野菜は大丈夫かな?」と迷った場合は、獣医師に相談するか、信頼のおける文献等で調べてから与えるのが安心です。
まとめ
うさぎには副食としてキャベツを与えてもOKです。
ただし、主食である牧草が食べられなくなるほど、大量に与えてはいけません。食事のバリエーションや、飼い主さんとのコミュニケーションとして、少量を与えるにとどめましょう。
うさぎにキャベツを与えるときは、芯を取り除き、葉のみを与えます。
キャベツの水分で便が緩くなってしまう可能性がありますので、便の様子に注意しましょう。
また、傷んだキャベツは体調不良を起こす恐れがあるため、与えてはいけません。
うさぎの様子に異変を感じたときに、早めに獣医師の診察を受けられるよう、うさぎの診療に対応している動物病院を見つけておくと安心です。
大切なうさぎと健康で長く一緒に過ごせるよう、毎日の食事管理をしっかり行っていきたいですね。
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