うさぎは外飼いに向いている?外飼いのメリット・デメリットと屋外での飼い方、注意点、暑さ寒さ対策について

2021.12.22

うさぎは外飼いに向いている?外飼いのメリット・デメリットと屋外での飼い方、注意点、暑さ寒さ対策について

うさぎは部屋の中で飼育されることが多いのですが、屋外で「外飼い」をしているお宅もいます。うさぎを屋内で飼育するのと外飼いをするのとでは、どのような違いがあるのでしょうか。また、どちらがうさぎにとって良い飼い方といえるのでしょう。この記事ではうさぎの外飼いについて、おすすめできるかどうか、どのような点に気を付ければ良いかまとめました。

【目次】
1.うさぎは外飼いしてもいい動物?
 1-1.うさぎを外飼い育するメリットは
 1-2.うさぎの飼育は屋内が基本

2.うさぎを屋外で飼育しないほうがいい理由
 2-1.季節の温度変化についていけない
 2-2.野良猫やカラスなど外敵に襲われる可能性
 2-3.脱走してしまう
 2-4.不衛生な環境で病気になってしまう

3.健康で長生きさせるには屋内飼育が肝心

4.うさぎを外飼いする場合に気を付けること
 4-1.屋外専用の飼育ケージで飼う
 4-2.頑丈なフェンスで小屋を囲う
 4-3.穴掘り対策をする
 4-4.適切な温度管理をする
 4-5.こまめに掃除をする
 4-6.餌や飲み水は常に新鮮なものを用意する
 4-7.オスとメス、ほかの動物は一緒にしない
 4-8.ストレスに弱いタイプは屋外で飼わない
 4-9.一時的に屋内へ避難できるようにしておく

5.まとめ


※本記事はうさぎさんの外飼いを推奨するものではございません。うさぎさんの健康を第一に、室内飼育をおすすめします。

うさぎは外飼いしてもいい動物?

うさぎの外飼い

日本の気候や住宅事情から考えると、家庭では屋内のケージでうさぎを飼うのが理想です。ただし、快適な環境が用意できるならば屋内、屋外のどちらで飼育することもできます。

◆うさぎを外飼い育するメリットは

うさぎは、犬や猫に続く第3のペットとして人気が上昇しています。おうちの中にうさぎがいる光景もそう珍しくはなくなってきましたよね。

「ペットのうさぎは室内飼いするもの」というイメージも定着しつつありますが、中には「うさぎは外で飼いたい」と考える方もいるでしょう。

動物園や牧場などでは屋外の広場にうさぎが開放されているのを目にします。また、以前は小学校や幼稚園の「うさぎ小屋」で飼育されていることも多かったので、うさぎは屋外で飼う動物という印象を持っている方もいるのではないでしょうか。

もちろん、一般家庭でも屋外でうさぎを飼育することは可能です。庭やベランダに飼育ケージが置けるお宅なら外飼いすることができます。

屋外で飼育すれば、部屋でペット臭や抜け毛が気にならない、家族に動物アレルギーの人がいても困らない、家具をかじられる心配がない、といったメリットもあります。

◆うさぎの飼育は屋内が基本

誤解されている部分も多いのですが、うさぎはデリケートでストレスに弱い動物です。一般家庭でうさぎを飼育するならば環境の安定している屋内で飼うのが基本です。


うさぎを屋外で飼育しないほうがいい理由

うさぎ屋外飼育

屋外は外部の環境にさらされているため、うさぎがストレスを感じたりトラブルが起こりやすくなったりします。うさぎを屋外で飼育しないほうが良い理由をみてみましょう。

◆季節の温度変化についていけない

屋外にいると気候や天候など環境の変化を直接受けやすいのですが、うさぎは温度変化に弱いため、体調が崩れやすくなる可能性があります。

日本は四季がはっきりしていて、夏は高温多湿になり冬は寒さが厳しくなります。これは、うさぎにとってあまり過ごしやすい環境とはいえません。

うさぎは特に暑さに弱いので、梅雨から初秋の蒸し暑い日には夏バテや熱中症にかかりやすくなります。また、冬は寒さで体温が低下すると食欲不振や「消化管うっ滞」などの不調が起こりやすくなります。また、日中と朝晩の寒暖差がある日、季節の変わり目も体調を崩すことが増えるようです。

一方、屋内は直射日光、雨、冷たい風などが入ってくることもなく、冷暖房で温度が調整できるので、うさぎは年中快適な環境で過ごすことができます。

野生のうさぎは地下にトンネルを掘って、夏は涼しく冬は暖かい巣穴で暮らしています。同じように、ペットのうさぎも年中温度が一定な環境で過ごすことがのぞましいのです。

◆野良猫やカラスなど外敵に襲われる可能性

屋外で飼育していると、うさぎを捕食する外敵に狙われやすくなります。うさぎの天敵にはカラスや猫のほか、イタチなど小動物を捕獲する野生動物がいます。

動物が飼育ケージに侵入することもありますし、庭に放している最中に捕獲される可能性もあります。また、うさぎが被害にあうことがないとしても、ほかの動物の気配がすること自体が、うさぎにとって強いストレスになってしまいます。

◆脱走してしまう

うさぎは、高い所を飛び越えたり穴を掘ったりすることが得意なため、敷地外へ脱走してしまうことがあります。

庭に放した場合は、柵などを飛び越えて脱走してしまわないよう注意しなければなりません。また、地面が土ならばトンネルを掘って脱け出してしまう可能性も頭に入れておく必要があります。

残念ながら、逃げたうさぎが必ず戻ってきてくれるとは限りません。飼い主さんになついていて逃げるつもりがない子でも、はずみで敷地外に出てしまい、そのまま迷子になって帰れなくなる場合があります。行方不明になったうさぎを探すことは難しいです。また、交通事故にあったりほかの動物に襲われたりして命を落とす可能性も高くなってしまいます。そうなったら、とても悲しいですよね。

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◆不衛生な環境で病気になってしまう

屋外は屋内よりも環境が不衛生になりやすいというデメリットもあります。

屋外は温度や湿度の管理が難しく、雨で濡れた時や風通しが悪い時はじめじめして、カビや細菌が繁殖しやすくなります。また、床が土でその上に排泄をする場合は、糞や尿がしみ込んでにおいが出やすくなります。

屋内とは違い、ハエやゴキブリなどの害虫も容易に侵入するため、病原菌が持ち込まれるリスクも高くなります。

しかしながら飼育環境が不衛生だと、うさぎが感染症や皮膚病などの病気にかかりやすくなってしまいます。そのため、屋外でうさぎを飼う場合は環境を整え、こまめに清掃する必要があるのです。


健康で長生きさせるには屋内飼育が肝心

屋内は屋外よりも環境の変化が少なく、うさぎがストレスにさらされることが少なくなります。また人の目が届きやすいので、体調の変化に気付きやすく、病気にかかってもすぐ受診できるメリットもあります。

このような理由からも、うさぎを上手に飼育して健康で長生きさせるためには、環境が安定していてお世話がしやすい屋内で飼育することをおすすめします。


うさぎを外飼いする場合に気を付けること

うさぎの外飼い

もしもうさぎを外飼いするならば、以下の点に気を付けましょう。

◆屋外専用の飼育ケージで飼う

屋外でうさぎを飼育する際は、必ずうさぎ用の飼育ケージを用意し、うさぎにはその中で過ごしてもらいます。

ケージは、ひさしや屋根が付いている屋外専用のケージや小屋を選びましょう。直射日光や雨をしのぐためには屋根が必要です。
高床式のケージは風通しが良く、夏は涼しく冬は底冷えしにくいのでうさぎが一年を通して快適に過ごせるでしょう。

◆頑丈なフェンスで小屋を囲う

うさぎがケージをかじってすき間を作ったり穴を掘って逃げたりする可能性があるので、さらに頑丈なフェンスで周辺を囲うと安心です。フェンスがあれば、外敵が侵入するのを防止する効果も期待できます。

◆穴掘り対策をする

土の上で暮らしているうさぎは穴を掘って脱走する可能性があるので、穴掘り対策をしましょう。

ペットのうさぎはアナウサギの血を引いていて、土があれば喜んで穴を掘ります。穴堀は本能なのでやめさせることは難しいですが、うさぎはけっこう深くまで土を掘ることができるため、しっかりした対策が必要となります。

穴を見つけたらその都度埋める、穴掘りする場所を金網などでふさぐという手段もありますが、いたちごっこになりがちです。

うさぎが頻繁に穴掘りする場合は、土を掘ったとしても行き止まりがあって脱走できない状態にしておくと良いでしょう。フェンスや壁を地面の深い所まで差し込んで設置するか、土の下にコンクリートの土台を作るなどの対策をすると脱走できなくなります。

◆適切な温度管理をする

うさぎは暑さや寒さ、寒暖差、すき間風などが苦手です。屋外の環境はどうしても気候の影響を受けやすいので、適切な温度管理を徹底しましょう。

うさぎの飼育環境は、気温15~26℃、湿度40~60℃くらいに保つのが理想です。春と秋は比較的過ごしやすいですが、外で過ごすうさぎにとって梅雨と夏、冬の間は厳しい環境になります。温度計で飼育環境の温度をチェックし、夏は暑さ対策、冬は寒さ対策と風よけをしっかり行いましょう。

ケージは、直射日光や西日が当たらない場所に設置します。うさぎはジメジメした所が苦手なので風通しの良い場所を選びますが、すき間風、エアコンの室外機から排出される風が当たる所は避けましょう。コンクリートの照り返しによる温度の上昇にも注意してください。

うさぎは特に暑さに弱く、28℃を超えると熱中症のリスクが高まります。日が当たるとケージ内の温度はあっという間に上昇してしまうので、夏はすだれやサンシェードなどで日陰を作るのもおすすめです。

冬はケージの外側をビニールシートや板なので囲い、冷たい風が入らないようにすると保温効果が高まります。また、床材として牧草をたっぷり敷いておくと、冷えこみの防止につながります。

◆こまめに掃除をする

飼育環境はこまめに掃除をして清潔に保ちましょう。土や床材の上に排泄をする場合は、じめじめしたり悪臭が出たりしやすいので、汚物はこまめに処分します。コンクリートやプラスチックなど水洗いできる所は水をかけて洗い流しましょう。

◆餌や飲み水は常に新鮮なものを用意する

餌や飲み水は常に新鮮で清潔なものを与えます。食べ残しを放置していると、傷んだり虫が寄ってきたりして不衛生になってしまいます。飲み水も毎日新しいものと交換しましょう。

◆オスとメス、ほかの動物は一緒にしない

うさぎは繁殖しやすいので繁殖を希望しない場合は、避妊や去勢をするか、オスとメスを別々に飼う必要があります。また、ほかの小動物や鳥を一緒に飼うと、互いにストレスを感じるのでうさぎだけで飼うことをおすすめします。

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◆ストレスに弱いタイプは屋外で飼わない

どうしても屋外のほうがうさぎにストレスがかかりやすいので、神経質でストレスに弱いタイプのうさぎ、高齢のうさぎは外飼いを避けましょう。体調を崩しやすくなります。

外飼いに適しているのは、健康で若くて体力のあるうさぎです。小型の品種よりは大型、暑さに弱い長毛種よりは短毛種が適しています。

◆一時的に屋内へ避難できるようにしておく

飼育環境を屋外に固定している場合でも、一時的に非難するための屋内用ケージを用意しておくことをおすすめします。

猛暑日や大雪が降った日、悪天候の日などは屋外の環境が劣悪になります。そのような場合は屋内用のケージに入れ、屋内の快適な環境で過ごさせてあげるのが安心です。


まとめ

うさぎは、快適な環境を整えてあげれば、屋内、屋外のどちらでも飼育することができます。ただ、屋外は環境の変化が大きいこと、ストレスを感じやすいことから、屋内での飼育が適しています。なぜ外飼いをしたいのか理由や目的を再確認したうえで、うさぎがいきいきと元気に過ごせるよう管理をしてあげましょう。



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うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


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