1.フクロウって鳴かない?鳴く?
2.鳴き声の種類はひとつではない…!?
2-1.ケース1:威嚇モード
2-2.ケース2:アピールモード
2-3.ケース3:ご機嫌モード
2-4.ケース4:恋愛モード
フクロウって鳴かない?鳴く?
みなさんは、フクロウの鳴き声を聞いたことがあるでしょうか?
森林などに住んでいる野生のフクロウの声は聞く機会があまりないですよね。
山や森を散策することがある人でも、フクロウらしき鳴き声は今まで聞いたことがないというケースもあるでしょう。
やはり、フクロウは鳴かない…のでしょうか。
しかし、森林でフクロウの鳴き声が聞こえないのは時間帯のせいかもしれません。
フクロウの活動時間は夜間がメインのため、日中にたくさん鳴くことはないようです。
「フクロウは鳴かない」と一部で言われる所以は、「フクロウは夜間に活動するから日中はほとんど静か」というところかもしれませんね。
鳴き声の種類はひとつではない…!?
フクロウの鳴き声と言われると、実際に聞いたことがなくても何となく「ホーホー」とイメージする人が多いのではないでしょうか。
まず、フクロウの鳴き声は大きく分けて2パターンあります。
ひとつは、異性を求めるときや、オスが縄張りを主張するときに出す「さえずり」。
そしてもうひとつが誰かとのコミュニケーション手段で日常的に発する「地鳴き」です。
フクロウの鳴き声はひとつではなく、いくつかの種類があり、感情によって鳴き声を使い分けています。
鳴き方、ボリュームの大小など、鳴き声の種類をマスターすればフクロウの心情を知ることができるかもしれません。
フクロウにとっての鳴き声は、人間にとっての“言葉”。
ペットとしてフクロウを飼うなら、「うちのフクロウが鳴いたときにどんな心理なのか」はぜひ知っておきたいところです。
それでは、フクロウの鳴き声の種類をいくつか見ていきましょう。
◆ケース1:威嚇モード
フクロウが威嚇モードになったときは、「ギャー!」「ギャアギャア!」という大声で鳴きます。
絶叫系で荒々しい鳴き声は、聞いた瞬間に「あっ、怒っているんだな」ときっと分かるでしょう。
野生で暮らしているフクロウなら、「俺の縄張りに侵入するんじゃない!!」と相手に自分の強さを知らしめているときです。
ペットとして飼っているフクロウがこの鳴き声を出したときには、まだまだ信頼関係が築けていないときでしょう。
何かをされそうになって不信感をつのらせたり、「おまえは誰だ!!」と恐怖を感じている心理かもしれません。
野生・ペットのどちらにしても、フクロウたちは暴力的解決を望んでいないものです。
それで、威嚇で声を荒げて忠告しているのでしょう。
無駄な争いは避けたい心理から「自分は今かなり怒っているから近づくんじゃないよ」と相手を威嚇するために「ギャー!」と鳴いて相手をびっくりさせています。
また、相手を威嚇するときには、鳴き声に加えて「羽を広げて強く見せる」などの動作を絡めることもあります。
くちばしをカチカチ鳴らす仕草も見られ、明らかに威嚇している心情が読み取れるでしょう。
こんなときのフクロウは、とにかくご機嫌斜め。
いくらペットとは言え、猛禽類でワイルドな鳥ですから、むやみに近づくとケガをするリスクもあります。
そんなときは、いったんフクロウから離れてそっと放置してくださいね。
◆ケース2:アピールモード
有名なのが「ホーホー」という鳴き声ではないでしょうか。
これは、フクロウが「お腹がすいたー」「餌が食べたいー」と食事のアピールで出す鳴き声で通称“餌鳴き”です。
一般的に、子供の時期のフクロウが親に餌をねだるときに耳にすることが多いでしょう。
野生のフクロウは、成長とともに「お腹がすいたら自分で餌を取りにいく」という行動ができるため、餌鳴きはしなくなります。
ただ、人間にペットとして飼われているフクロウの場合、食事は飼い主さんに委ねるしかありません。
お腹がすいているのに餌が出てこないと「餌がほしいよー」と鳴くことでアピールしているのです。
◆ケース3:ご機嫌モード
人間に飼われているフクロウは、「嬉しい・リラックスしている」などご機嫌なときに「ホッホッ」と短めな鳴き声を出すようです。
餌を食べ終わって「美味しかったなー」「お腹がいっぱいだなー」とご機嫌になって鳴く子も多いでしょう。
◆ケース4:恋愛モード
野生のフクロウの場合、恋愛スイッチが入ると「ホーホー」と鳴きます。
求愛サインの鳴き方を「さえずり」と言います。
オスは喉袋で鳴き声の大きさをコントロールできるため、遠距離のメスに対しても自分の位置を知らせるような響き渡る声です。
遠くまで聞こえるように、ホーホー…と伸びる感じで鳴くでしょう。
逆に、メスのフクロウの場合、恋愛モードになっても小さな声しか出せず、「ホッホッ」という短さのようです。
なかには、「ギャー」となく場合もあります。
いつもの美しい鳴き声とは違う「ギャー」は、まるで人間の叫び声のようで聞いた人はちょっとびっくりするかもしれませんね。
フクロウの種類によっては、「ホーホー」と鳴く合間に「ゴロスケ」というバージョンの鳴き声もプラスされます。
「ホーホー ゴロスケ」「ゴロスケ ホッホッ」などなら、恋愛をしたくて鳴いているのかもしれませんね。
もしかして、すでにカップルになって「俺たち・私たちの邪魔をしないでね」と周囲にアピールしていることもあるでしょう。
フクロウたちの恋の季節には、いろんなさえずりが聞こえてきます。
また、子供を出産したメスのフクロウはとてもナーバスで、“母として子を守る”という気持ちから攻撃性を増すこともあると言われています。
フクロウが「たくさん鳴くorあまり鳴かない」は個体差による
フクロウの種類によって鳴き声のパターンはさまざまです。
一般的には、フクロウの鳴き声は「ホーホー」という鳴き声のイメージが強いですが、「ワンワン」「ミャミャー」「クックー」「キューキュー」など独特な声を出すケースもあります。
また、ひとくちにフクロウと言っても、体長20センチ前後の小型のフクロウもいれば、50センチを超える大型の種類もいます。
大型種のフクロウになると鳴き声もパワフルになるでしょう。
鳴き声の大小はもちろんですが、鳴く頻度にも個体差があります。
ペットのフクロウに防音対策は必要?
人里離れたところに住んでいるフクロウの鳴き声は、遠くから聞こえて「美しい」と感じるかもしれません。
でも、ペットとして室内で飼えば、限られた空間のなかで響き、悩みのタネとなることもあるでしょう。
夜間に周囲が寝静まったときなど、時間帯によってはフクロウに鳴かれると困りますよね。
アパートやマンションなどの集合住宅では、「犬や猫はOKだけれど、それ以外はだめ」ということもあります。
戸建住宅ならフクロウを自由に飼えるものの、鳴き声の種類によっては近隣へ響く可能性も視野に入れておいてくださいね。
自然界では餌の捕獲や縄張りなどで威嚇モードになることもあるかもしれませんが、安全な室内暮らしならフクロウもそんなに声を荒げる機会もないでしょう。
ただ、繁殖期などに大声を出すこともありますし、ベビーのときは「お腹がすいた」などのアピールも。
フクロウを飼う部屋を決めたら、「壁や床などの内装材は遮音効果を意識する」「音が漏れにくいサッシにする」など防音対策をしておくと安心かもしれません。
フクロウを迎えるためにリフォームを考えている場合は、防音はもちろんですが、お部屋のお掃除のしやすさも考えておくことが大事です。
フクロウの抜けた羽や身体から出る脂粉、排泄物問題もあります。
素材によっては浸みこんで掃除がしづらいため、撥水や防汚効果のあるものを選ぶといいでしょう。
フクロウの鳴き声は止められない…
フクロウが鳴くのは、コミュニケーションや求愛サインです。
フクロウにとって生きていくうえで欠かせないものですから、完全に止めることはできません。
ただ、鳴いたときに背景にあるものを読み取ることができれば、少しはフクロウの鳴く頻度をおさえられるでしょう。
たとえば、フクロウのアピール鳴きが多ければ、「餌が欲しい」と鳴かないようにするために食事量の調整が必要です。
時間や量などを記録しておき、お腹がすかないような配慮をするといいかもしれませんね。
食事の管理をすることは、「鳴き声を減らす」という目的のほか、フクロウの健康状態にも関わることですから重要です。
また、ペットのフクロウの場合、暮らしの環境や飼い主さんの対応に不満を抱いて鳴くケースもあるでしょう。
フクロウが心地よく暮らせるかどうか飼育環境を見直すとともに、飼い主さんの対応も改めてみましょう。
無理に近づいたり、触ろうとしたり…など、フクロウがストレスを感じないようにお世話してくださいね。
フクロウの「オスorメス」…鳴き方に違いはあるの?
前述しましたが、フクロウのオスには「喉袋」があります。
この喉袋を膨らませたり、絞ったりすることで大きな声を出すことが可能で、2キロ先まで響き渡ると言われています。
2キロと言うと、都市部では一駅、二駅ほどの距離です。
結構離れた距離まで鳴き声が響くとは驚きですよね。
鳴き声の種類によっては、騒音ではなく、森林から聞こえる美しいさえずりという感じに聞こえるでしょう。
逆に、メスのフクロウには喉袋がないため、鳴き声はとても小さいです。
鳴き方も短めで「ホッホッ」という程度でしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
フクロウの鳴き声にはいくつかの種類があって、そのときの心情もまったく異なります。
フクロウが鳴く意味は、言葉が話せない彼らのコミュニケーション手段です。
鳴くときは、必ず何かしらの理由があるのです。
ペットとして飼うときには、飼い主さんの方でフクロウの鳴き声のパターンを知っておくことをおすすめします。
また、びっくりするくらいの音量でフクロウが「ギャーギャー」鳴くときには、何らかのストレスを訴えているケースが多いです。
「餌が足りない?」「ケージがいやなの?」「具合が悪いの?」など、さまざまな観点で生活環境を見直してみましょう。
ふだんのフクロウの様子を観察しておくことで、傾向と対策が見えてくるかと思います。
今回お伝えしたように、フクロウが「よく鳴く・あまり鳴かない」は、個体差があり十人十色です。
家族に迎え入れたフクロウの鳴き声や鳴くパターンを知り、気持ちに寄り添ってあげたいものですね。
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