1.うさぎもしゃっくりをする?
1-1.うさぎがしゃっくりをする原因
1-2.しゃっくりだと思ったら違うことも
1-3.うさぎのしゃっくりが病気の可能性も?
【掲載:2022.02.07 更新:2023.10.06】
うさぎもしゃっくりをする?
まずは、「うさぎもしゃっくりをするか?」についてご説明します。
結論から申し上げますと、うさぎも人間と同様にしゃっくりをします。
そもそもしゃっくりがどのような現象かご存じでしょうか?
しゃっくりとは、「横隔膜が一時的に痙攣すること」です。
そのため、横隔膜を持っている哺乳類をはじめとする生き物に関しては、しゃっくりが起こり得ます。
うさぎは声帯がなく、犬や猫のような鳴き声を出すことができません。
そのため、「痛い」「辛い」といった感情を飼い主さんにアピールすることが難しいです。
小さな異変もしっかりと見極める必要があります。
その異変のひとつが、今回解説しているしゃっくりでもあります。
しゃっくりには心配の不要なものと、要注意のものがあります。
その違いをしっかりと見極めてペットのうさぎさんの体調不良を察知してあげましょう。
◆うさぎがしゃっくりをする原因
それでは、うさぎは何が原因でしゃっくりをするのでしょうか?
しゃっくりの原因としては、先ほどもお伝えした通り「横隔膜が一時的に痙攣すること」です。
横隔膜の痙攣は、横隔膜周りの組織が刺激されることが原因で起こります。
特別な理由がなくても痙攣することは多いため、健常なうさぎでも起こります。
よくある原因としては早食い、暴食などによる急激な胃の拡張が挙げられます。
他にも、ストレスが原因で発生することもあります。
◆しゃっくりだと思ったら違うことも
「しゃっくりだと思っていたら、実はくしゃみや咳であった」といったケースもあるようです。
しゃっくりをしているのだろう、と思い込んでしまうとくしゃみなどに聞こえないといった場合があると考えれられます。
うさぎがくしゃみをする様子を見たことがない場合は、「くしゃみをしているのではないか?」といった疑いも捨てずに観察しましょう。
参考までに、うさぎがしゃっくりをしている動画、くしゃみをしている動画を掲載します。
★しゃっくりをしている動画
★くしゃみをしている動画
くしゃみは「くしゅん」といったような音を立ててしていますが、しゃっくりは小刻みに痙攣しています。
「しゃっくりなのか、くしゃみなのか」を見極める参考になれば幸いです。
また、「小刻みに痙攣しているからしゃっくりかな?」と感じていても異なる場合があります。
以下の症状が見られる場合は、一般的な痙攣症状を起こしていると考えられます。
●首を傾けている(斜頸)
●目が上下左右に小刻みに動いている(眼振)
●床などに転がっている(ローリング)
この場合の原因としては、以下が挙げられます。
・内耳炎や中耳炎といった耳の病気
・熱射病
・腎不全
・中毒
・遺伝性疾患
「しゃっくりではない痙攣をしている」と気づいた際には、可能な限り早めに動物病院に連れて行き診察をしてもらいましょう。
◆うさぎのしゃっくりが病気の可能性も?
しゃっくりをしているうさぎは、小刻みに痙攣しているため「苦しいのではないか!?」と心配される飼い主さんも多いです。
しゃっくり自体は先ほどもお伝えした通り、横隔膜の一時的な痙攣症状のため問題ないことが多いです。
しかし、咳やくしゃみを毎日のようにしていたら何らかの病気にかかっている恐れがあります。
しゃっくりではなく咳やくしゃみの場合、「スナッフル」という呼吸器系の病気のサインである可能性があります。
スナッフルとは、うさぎに多い伝染性呼吸器疾患の総称です。
「うさぎの風邪」の場合にこのようによく言われます。
パスツレラ菌、黄色ブドウ球菌などに感染することが原因でくしゃみが止まらなくなることがあります。
菌を持っているうさぎから飛沫感染し、鼻腔で菌が増殖し炎症を起こします。そこから副鼻腔や眼、耳、気管、肺などに感染が広がります。
菌を持っていても無症状なこともあり、ストレスや衰弱、不衛生、併発疾患などにより菌が増殖しやすくなることが発症に関与すると考えられます。
うさぎは鼻呼吸をする動物で、胸腔が狭いため肺活量が少なく、呼吸器の余力があまりありません。
そのため、呼吸器症状が重度になると命に関わることがありますので、注意をしてください。
以下について、注意深く観察してあげましょう。
◎1日に何度も定期的にくしゃみをしていないか?
◎鼻水が垂れている、といったような症状が見られていないか?
◎苦しそうにしている様子はないか?
◎目ヤニが出ていないか?目の周りは汚れていないか?
スナッフル以外にも以下の可能性が考えられます。
・毛球症、鼓腸症を発症しており、胃がせり上がってしまい呼吸器を圧迫している
・横隔膜ヘルニアを発症している
・異物が身体に入った
・アレルギーでくしゃみが出る
異物が身体に入った場合というのは、人間でもよくあるホコリやゴミが鼻の中に入ることです。
こちらは一過性であることがほとんどであるため、心配はいらないです。
アレルギーの場合は、かじり木、すのこ、木製チップに反応してくしゃみが出る恐れがあります。
何に反応してくしゃみが出ているのか?を見極め、飼育環境を見直すことで治まることが多いです。
いずれの場合も、うさぎにくしゃみ症状が見られる場合はケージを清潔に保つことが大切です。
ストレスや栄養不足も関係している場合がありますので、飼育環境、接し方、与えている餌の内容などを改めて見直すことをおすすめします。
うさぎのしゃっくりが止まらない場合はどうすればいい?
しゃっくりが長らく止まらない場合は、先ほどお伝えした通り病気である可能性があります。
しばらく様子を観察しましょう。
以下の様子が見られる場合は要注意です。
●1日に何度もしゃっくりをする
●毎日しゃっくりが続いている
●しゃっくりが出るとなかなか止まらない
少しでも不安がある際には、普段見ていただいている動物病院を受診し獣医さんに相談しましょう。
家で心配な症状が出ていても、動物病院に行くとおさまるといったケースも多々あるそうです。
心配な症状が見られたら、スマートフォンのカメラなどで動画を撮影し、それを獣医さんに見せて説明するとよいかと思います。
うさぎのしゃっくりを止める方法
しゃっくりは心配ないことも多いですが、ここまでお伝えしてきたように病気が隠れている可能性もあります。
「ただのしゃっくりだろう」と思い込まないで、よく観察してあらゆる可能性を考えてあげることが大切です。
よくよく観察をした結果、正真正銘の心配がいらないしゃっくりであると判明した場合は、止めてあげましょう。
人間の場合は、鼻をつまんで水を飲む、息を止める、急に驚くと止まるといった情報がありますよね。
うさぎの場合はどうしたら止められるのでしょうか?そもそも止める方法はあるのでしょうか?
もちろん個体差もありますが、うさぎの場合も一般的な止める方法が存在します。
それは「なでる」ことです。
頭から耳、耳の付け根のあたりなどを満遍なく「なでなで」となでてあげることで、しゃっくりが止まることがあるようです。
飼い主さんもしゃっくりが出た時に「うっとうしいな」「早く止まらないかな」と感じた経験があると思います。
うさぎもきっと同じようにうっとうしく感じているはずです。
「大丈夫だよ、落ち着いてね」といった気持ちを込めて、優しくなでてあげてください。
うさぎの飼育時に気を付けること
最後に、うさぎを飼育する際に日常的に気を付けて頂きたいことをご紹介します。
◆体調管理を行う
以下について毎日チェックしましょう。
・糞の状態はどうか?
・鼻水など出ていないか?
例えば、先ほど病気の一例として挙げた「毛球症」の場合は食事量が減ることがあります。
鼻水が出ていないかチェックすることで「スナッフル」にも早い段階で気づくことができるでしょう。
このような健康のバロメータをよく観察することが大切です。
◆見た目の様子を観察する
首をかしげていないか、いつもと違う動きをしていないかをチェックしましょう。
こまめに様子を確認してあげることで、連続してくしゃみをしている場合や、長期にわたってしゃっくりが続いている場合に気づくことができます。
一見、大したことがなさそうな仕草であっても注意して観察しましょう。
今回解説しているしゃっくりは、とてもささやかな動きとなります。
よく観察をしていないと、いつから出ているのか、どれだけの期間続いているのかに気づきにくいです。
一度見かけたら数日間は特に気にかけて観察しましょう。
まとめ
今回は、うさぎはしゃっくりをするのか、どういった原因なのか、しゃっくりが止まらない場合はどうしたらよいのかについてご紹介をしてきました。
いかがでしたでしょうか。
しゃっくりと思いきや、咳やくしゃみである可能性があったり病気が隠れている可能性があったり、と驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「ただのしゃっくりだろう」と思い込まず、様子を観察して何か気になることがあればすぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。
「ペットのうさぎさんがしゃっくりが止まらなくて困っている」といった飼い主さんにこの記事が参考になれば幸いです。
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