加入を迷っている方へ!うさぎもペット保険に入ったほうが良い理由

2023.07.22

加入を迷っている方へ!うさぎもペット保険に入ったほうが良い理由

うさぎのペット保険は犬や猫ほど注目されていませんでしたが、うさぎが病気やケガをした際に非常に心強いことから、加入する飼い主さんが増えてきています。一方で「うさぎも保険に入る必要があるのだろうか?」と迷う飼い主さんが多いのも事実です。この記事では、うさぎのペット保険がどのようなものなのか、補償内容、加入するメリット、選び方のポイントについて説明していきます。


うさぎのペット保険とは

ペット保険

ペット保険は、ペットが病気やケガをして動物病院で診察を受けた際、その診療費を補償する保険です。うさぎが入れるペット保険には以下の商品があります。

  • アニコム損害保険「どうぶつ健保ふぁみりぃ」
  • アイペット損害保険「うちの子キュート」
  • SBIプリズム少額短期保険「プリズムコール」
  • ペットライフジャパン「ペットライフ健保」

ペット保険は毎月保険料を支払い、ペットが動物病院で診察を受けた際に保険会社へ申請することで、診療費の何割かが保険金として支払われるというものです。私たちが加入する医療保険をイメージすると分かりやすいでしょう。

日本のペット保険の加入率は、ヨーロッパに比べるとあまり高くありません。しかし、近年はうさぎを飼育する人が増えていること、ペット保険の認知度が高まっていることから、うさぎのペット保険に加入する人は年々増えてきているのです。

たとえば、アニコム損保が公開しているデータによると、アニコム損保のペット保険に契約しているうさぎの頭数は、2015年は約2,500頭だったのが2020年には約16,000件まで増えています。

参照:アニコム損保「家庭どうぶつ白書」「どうぶつ健保」の契約頭数

ペット保険は任意で加入する商品なので、加入しなくてもうさぎの飼育はできます。ただし、ペット保険に加入していると万が一の際に非常に安心できるため、保険への加入が推奨されています。


ペット保険で補償される内容

ペット保険で補償されるのは、病気やケガを治療する目的で通院・手術・入院をした場合に発生する診療費の一部です。

ワクチン接種や去勢・避妊などの予防措置、健康なペットに行う措置(爪切り・歯削り、身だしなみが目的の処置など)など対象外になるケースもありますが、ほとんどの病気やケガが補償の対象になるので、保険に加入しておくとたいへん安心です。

また、商品によっては特約を付帯することで予防措置にかかる費用も補償の対象に含めることが可能になります。補償内容は商品によっても細かな違いがあるので、パンフレットの約款には必ず目を通してきちんと内容を把握しておきましょう。


うさぎのペット保険に入るメリット

ウサギの保険

うさぎのペット保険にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

◆万が一の治療費の自己負担が少なくてすむ

動物病院を受診した際、思いのほか高額な診療費を提示されて驚くことも少なくありません。もしペット保険に加入していれば診療費の一部あるいは全額が補償されるので、患者さんの負担が少なくてすむようになります。

ペットの治療費が高額になりやすいのは、動物医療に公的な保険制度がないためです。

私たち人間は公的医療保険に加入しているので、医療機関を利用した際に窓口で保険証を提示すれば、自己負担額が3割程度ですみます。一方、動物医療は自由診察(保険適応外)になるので、動物病院で診てもらった場合は患者側が診療費を全額負担することになり、診療費は1回あたり数千円、数万円と高額になることが多いのです。

◆迷わず受診できる

個体差もありますが、うさぎを飼育していると予期せず動物病院の受診が必要になることがしばしば出てきます。

時には、治療費が気になって受診がためらわれることもあるでしょう。ですが、もしペット保険に加入していれば治療費の負担が軽減されるので、万が一ペットが病気やケガをした時にも気持ちに余裕を持って受診できるようになります。

うさぎのペット保険に入るべきか迷う方が多いのは「寿命が短いから保険に入るほどでもない」「うさぎはあまり病気にかからなさそう」「病気になっても小動物の治療費くらいならなんとかなるのでは」という思いが交錯するからではないでしょうか。

実際のところ「うさぎが大して病気やケガもせず、動物病院のお世話にならず元気に生涯を終える」ということは滅多にない、と考えたほうがよいでしょう。

うさぎは体の構造がとてもデリケートで、ストレスやちょっとした環境の変化ですぐに体調を崩してしまいます。たとえば、消化管うっ滞、子宮疾患、皮膚病や骨折など、うさぎがかかりやすい疾病は意外に多いのです。

また、ペットのうさぎの平均寿命は7~8歳ですが少しずつ寿命は延びており、11才以上まで長生きするうさぎも増えてきています。5歳以降のシニア期が長くなる分、がん、心臓や腎臓などの慢性疾患にかかるリスクもぐんと上昇しているのです。

ちなみにアニコム損保によると、うさぎ1頭にかかる平均診療費は年間約5万円(4歳のうさぎ場合)とされています。

実際にかかる診療費は、うさぎの年齢や体調によって大きく異なります。しかし、病気やケガをした際は完治するまで何度か通院することが多いですし、慢性疾患は何年にもわたって治療が必要になることもあるため、全額負担だと思いのほか高額になることが少なくありません。

近年は動物医療も進歩し、犬や猫だけではなくうさぎもMRIや放射線治療といった高度医療が受けられるようになってきました。うさぎが大きな病気やケガをしても、あきらめずに命が救えるようになったということです。

しかし、専門性の高い治療ほど診療費は高額になります。経済的な余裕がない場合はどうにかしてお金を工面するか、治療をあきらめなければならなくなります。中には、診療費の未払いから大きなトラブルを起こしてしまうケースもあるようです。

もしペット保険に入っていれば、うさぎの体調に異変を感じた時ちゅうちょせず受診できるので、重症化する前に治すことができ、うさぎ、飼い主さんの負担も小さくてすむのです。


うさぎの主な病気・ケガと治療費

実際にうさぎにはどのような病気やケガが起こりやすく、どれくらいの治療費がかかるのでしょうか。うさぎがかかる主な病気やケガ、おおよその治療費をチェックしてみましょう。

◆うさぎに多い病気・ケガ

うさぎがかかりやすい病気やケガには以下が挙げられます。

  • 消化器疾患(消化管うっ滞、毛球症、鼓腸症など)
  • 不正咬合
  • 子宮疾患
  • 尿路結石症
  • 骨折
  • スナッフル
  • エンセファリトゾーン症
  • 熱中症
  • 皮膚疾患(皮膚炎、ソアホック)
  • 寄生虫疾患(ツメダニ・ノミ)角膜炎

特にうさぎは消化器疾患にかかりやすく、元気なうさぎでもストレスや環境の変化が原因で急に消化管うっ滞を起こすことがあります。症状が軽いように見えても短時間で危険な状態に陥ることがあるので、注意しなければなりません。

次に注意したいのが「不正咬合」です。うさぎの歯は伸び続けますが、牧草や硬い物をかじることが少ないと伸びすぎて、歯の噛み合わせが悪くなってしまうことがあります。伸びすぎた歯が口腔内を傷つけると炎症を起こして膿瘍や鼻涙管閉塞症などの二次的な疾患を招き、治療の負担が大きくなってしまいます。

また、うさぎは体温調節が苦手で暑さに弱いため夏は熱中症にかかることがあります。

ケガでは圧倒的に骨折が多くなっています。うさぎの骨は細くて軽いので、ちょっとしたことで折れてしまうことがあるのです。

◆診療費の具体例

消化管うっ滞、骨折の治療にかかった診療費の一例をみてみましょう。

消化管うっ滞

診察料 2,000円
レントゲン検査 5,000円
点滴 2,000円
内服薬 2,000円

計11,000円

不正咬合

診察料 2,000円
レントゲン等の検査 5,000円
歯のカット 3000円
麻酔 5,000円

計15,000円

骨折

診察料 2,000円
レントゲン検査 5,000円
手術 30,000円
麻酔 5,000円
点滴・投薬 5,000円
入院 5,000×3日間

計62,000円

※こちらでは平均的な相場を挙げていますが、病院や治療内容によって診療費が変わることをご了承ください。

手術や入院が必要になると診療費は一気に高額になります。その他にも診療項目がある場合は、さらに診療費が加算されます。

また、動物病院の診療費は独占禁止法によって各病院で決めることになっているため、基準料金は統一されていません。治療を受ける際に獣医師から治療方針や費用について提案がありますが、病院によって診療費に差が出てくるため、どれくらいお金が必要になるのか事前に予測して準備することが難しい場合もあります。

fieldset style=”border: 1px dashed #000000; padding: 10px;”>

●あわせて読みたい
うさぎは骨折しやすい!原因、折れやすい部位、予防法、後遺症について

うさぎは活動的な動物ですが、実は些細なことで骨折しやすいってご存知でしたか?犬や猫に比べて骨が細く、骨折はうさぎに多い疾病のひとつになっています。この記事では、うさぎを飼育する時に知っておきたいうさぎの骨折の原因、骨折しやすい部位、予防対策などについてまとめました。

記事はコチラボタン


うさぎのペット保険を選ぶポイント

保険選びのポイント

ペット保険は、保険料、保証内容、加入条件のバランスを考えて、おうちのうさぎさんに合った商品を選ぶことが大切です。

◆保険料(費用)

うさぎのペット保険の場合、掛け金(保険料)はうさぎの品種に関係なく一律です。

保険料は商品やプランによって異なります。うさぎの年齢が若いほど安く1年ごとの更新時に保険料が上がるもの、または一度加入するとずっと保険料が変わらないものがあります。

また、商品によっては請求状況によって保険料が変わることもあります。

◆補償内容

ペット保険は、ペットの通院、手術、入院が補償の対象となっています。また、掛け金の金額が高くなるほど補償内容も充実します。

補償内容は、一度保険に加入すると生涯補償されるものと、支払われる保険金の回数や金額に限度が設けられているものがあります。

また、診療費が少額から補償の対象になる場合と「診療費が○○円以上の場合」と決まっている場合とがあります。

プランによって保障の手厚さが段階的に分けられているので、保険料と補償内容のバランスを考え、負担がかかり過ぎないようにプランを選ぶことが大切です。

一概にどの商品が良いとはいえませんが、うさぎの年齢が高い場合は保証内容のしっかりしたものを選ぶのがおすすめです。

◆補償割合

ペット保険は、商品やプランによって「補償割合」が異なります。補償割合とは、診療費に対し保険会社が保険金を何割支払うかを示したものです。

通院、手術、入院にかかった費用や日数に対し30%、50%、70%、100%(全額)などの保険金が支払われる「定率補償」や、診療費に関わらず一定金額が支払われる「定額補償」などがあり、補償割合が高くなるほど支払われる保険金もアップします。

うさぎが若い時は病気にかかりにくいので、補償割合が低い保険を選んで保険料を抑えるという方法もあります。

一方、うさぎの年齢が高くなると病気をしやすくなり、自己負担で診療費を払うと高額になる可能性があるので、保険料が高くなっても補償割合が高いものを選ぶのが安心です。

◆年齢制限

ペット保険は「保険加入年齢が○歳まで」と年齢制限が設けられています。11歳未満まで加入できる商品もあれば、5歳未満、2歳未満など若いうさぎしか入れないものもあるので、加入のタイミングにも注意です。

◆窓口精算の有無

保険金の精算方法には「後日精算」と「窓口精算」の2通りがあります。

後日精算は最も普及している精算方法です。後日精算をする場合、患者さんは受診した時に動物病院で通常通りに診療費を全額支払います。その後、動物病院に発行してもらった診療明細書を添えて保険会社へ保険金を請求します。すると30日以内に保険金が口座へ振り込まれます。

窓口精算は、受診した動物病院の窓口で、ペット保険による補償分を差し引いた自己負担分の診療費を払えばよい精算方法です。 保険会社から発行された保険証を提示するだけで、その場で精算が完了します。

窓口精算は、後日精算のような手間がかからないので人気がありますが、窓口精算のできる保険商品や動物病院が少ない点がデメリットです。窓口精算にこだわって保険を選ぼうとすると、保険やプラン、動物病院の選択肢が狭くなってしまう点にも注意したいです。


病気になってからペット保険に入れない点にも注意

ペット保険は、原則として「うさぎが健康体であること」が加入の条件になっています。私たち人間の保険と同じで、ペット保険も病気になってからは保険に加入できなかったり、加入できても補償に制限がかかったりするのです。

ですから、ペット保険の契約を検討されている場合は、うさぎさんが健康なうちになるべく早く申し込むことをおすすめします。


まとめ

保険の話はつい後回しにしてしまいがちですが、ペットの健康を守る保険はとても重要です。うさぎと飼い主さんの幸せな毎日のために、万が一のことを考えてペット保険の加入をおすすめします。

また、これからうさぎをお迎えする予定の方は、うさぎの病気やケガのリスク、うさぎの治療費が必要になった時のことを十分に考慮したうえで、計画的にうさぎを飼育していただきたいと思います。


 

– おすすめ記事 –

・うさぎの平均寿命はどれくらい?種類ごとの平均寿命や長生きの秘訣をご紹介!
・ウサギの目は赤い?視力はどのくらい?ウサギの目の秘密とかかりやすい病気について
・うさぎの足ダン(スタンピング)はどんな気持ちを表す?病気の原因になることも
・うさぎはいびきをかくの?原因は?病気の可能性も?!

 

focebookシェア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


記事に関するお問い合わせはこちら