1.ハムスターのおしっこが赤いのは血尿かも
2.ハムスターの血尿の原因・考えられる病気
2-1.膀胱炎
2-2.尿路結石
2-3.メスの子宮蓄膿症
ハムスターのおしっこが赤いのは血尿かも
ハムスタートイレをしたあと周りに赤い尿の跡が残っていたり、トイレ周りだけでなく、飼育ケースの中の至る所に赤やオレンジ、茶色といった普段は見かけない汚れがついていたりするのを見かけたら、血尿かもしれません。
汚れが血によるものだと気づいたら、まずは怪我による出血を疑いましょう。
体を確認しても傷がない場合は血尿の可能性が高いです。
また、血尿になったハムスターには、通常よりもトイレの回数が増えたり、体臭やおしっこの臭いが強くなったり、食欲不振になったりといった症状がみられることもあります。
ハムスターの様子を観察し、飼育ケース内の血の汚れ以外にも上記のような症状がみられた場合には血尿だと判断できるでしょう。
ハムスターの血尿の原因・考えられる病気
大切な家族であるハムスターが突然血尿になったら不安になりますよね。
ここではハムスターが血尿になった場合に考えられる病気について解説しますので、万が一に備えられるように、しっかりと知識を身につけましょう。
◆膀胱炎
血尿の症状を持つ代表的な病気が「膀胱炎」です。
膀胱炎とは、膀胱に細菌が入り込むことで膀胱の粘膜に炎症が起こる病気です。
原因として、ケージの中の掃除が行き届いておらず不清潔なことや、病気や加齢によって抵抗力が落ちていることなどが挙げられます。
症状として血尿のほか、おしっこをする時に強い痛みを伴うことも知られています。
膀胱炎が軽度の場合は血尿にならないこともありますが、おしっこをする時やした後には、苦しそうにうずくまるような様子が見られるでしょう。
ハムスターの膀胱炎は完治が難しく、再発しやすいと言われています。
もし発症してしまったら、すぐに動物病院を受診しアドバイスをもらいながら、根気強く治療に励みましょう。
【病院での検査方法】
・尿検査:潜血やタンパクがあるか確認する
【治療方法】
・内科治療:抗生剤や止血剤を使用する
・飲み水を増やす
・ケージは常に清潔に保つ
◆尿路結石
尿路結石は、尿道や膀胱に結石が詰まってしまう病気です。
主な原因として、カルシウムなどのミネラルを過剰に摂取していることや、細菌感染、遺伝などが挙げられます。
主な症状は尿道や膀胱が詰まることでおしっこが出にくくなったり、全く出なくなったりすることですが、結石が粘膜を傷つけた場合などには血尿が出ることがあります。
また、発症した際にはお腹がパンパンに張って、お腹周りの毛が薄くなるなどの見た目の変化もあるので、日頃からしっかりと触れ合っていれば比較的異変に気付きやすい病気と言えます。
結石は尿の中のカルシウムが固まることでできるのですが、ハムスターの尿にはそもそもカルシウムがたくさん含まれており、尿路結石はハムスターがなりやすい病気の1つです。
症状に気づいたらすぐに動物病院を受診しましょう。
【病院での検査方法】
・レントゲンまたはエコー検査:結石を確認する
【治療方法】
・内科治療:尿のカルシウム濃度を下げて結石を小さくする、血尿が見られる場合は抗生剤と止血剤も使用する
・外科治療:全く尿が出ない時には手術をして結石を取り出す
・飲み水を増やして低カルシウムの餌を与える
・ケージは常に清潔に保つ
◆メスの子宮蓄膿症
ハムスターがメスの場合には、飼育ケージ内の血の汚れが血尿によるものではない可能性もあります。
血尿と見分けるのが困難なため間違えられやすいのですが、メスの場合には子宮蓄膿症を疑う必要があるでしょう。
子宮蓄膿症は性ホルモンの乱れや細菌の感染によって、子宮に膿が溜まり、放置してしまうと死に至る恐ろしい病気です。
主な症状として、卵巣や子宮が肥大化することでお腹が膨らんだように見える腹囲膨満や子宮からの出血により尿に血や膿が混じる血尿・膿尿が挙げられます。
ほかにも、発症するとおしり周りが血や膿で汚れていたり、元気がなくなって食欲不振になったりといった異変が見られます。
子宮蓄膿症を発症したら、たとえ軽度であっても外科手術を受けるのが一般的です。
体力のある元気なうちに手術をする必要があるので、異変に気づいたらすぐに動物病院を受診しましょう。
【病院での検査方法】
・エコー検査:子宮内の膿を確認する
【治療方法】
・内科治療: 抗生物質とホルモン剤注射を組み合わせる
・外科治療:卵巣と子宮を摘出する
ハムスターの血尿を確認したらすぐに動物病院へ
先にも述べたように「異変に気づいたらすぐに動物病院を受診する」というのは本当に大切なことです。
しかし、いざ血尿を発見したときに、血尿以外は特に異常が無さそうで、いつも通り元気に過ごしているハムスターを見たら受診を迷ってしまう飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに、膀胱炎も尿路結石も治せる病気ですが、「もう少し様子をみよう」と思っている間に急性腎不全などを誘発すれば死に至る可能性もあります。
ハムスターの病気の悪化・進行はとても早いということをしっかりと認識しましょう。
重症化する前に治療するのが鉄則ですよ!
動物病院では獣医師に以下の3つを必ず伝えるようにしましょう。
- 血尿が出るようになったのはいつか(発見したのはいつか)
- 食欲はあるか
- フンに異常はないか
ハムスターは言葉が話せないので、治療方針も飼い主さんが決めていく事になります。
飼い主さんしかわからない情報は特に、できるだけ詳しく伝えることで適切な治療が受けられるようにしましょう。
とはいえ、実際問題としてハムスターを診てくれる動物病院はなかなか少ないのが現状です。
ハムスターは体が小さいため、特に麻酔を伴うような外科手術をするのが難しく、診療には相当な経験が必要になります。
しかし、動物病院のニーズは犬や猫が高く、獣医師がハムスター診療の経験を積むのも厳しい状況があるのです。
今後ハムスターに高度な治療を必要とする飼い主さんが増えていけば変わるかもしれませんが、現状としてはハムスターの受診を断られてしまう可能性も大いにあるのです。
万が一の時に困らないように、ハムスターをお家に迎える時には、ハムスターでも受診可能な動物病院や、小動物専門の動物病院が通院可能な範囲にあるのか調べておくといいでしょう。
ハムスターの血尿を早期発見するには?
大切な家族であるハムスターの健康管理も飼い主さんの果たすべき責任の1つです。
「手遅れになる前に血尿を早期発見したい!」と思うのが親心(飼い主心)ではないでしょうか。
ここでは最後に、ハムスターの血尿を早期発見するための工夫を2つご紹介します!
ぜひ実践してみてくださいね!
◆床材を白くする
ハムスターの飼育ケージの床材は何色ですか?
床材や巣材、トイレの砂などに色のついたチップや牧草を使用していると、血尿の発見が遅れてしまうかもしれません。
飼育ケージの中で使用するものの色はできるだけ白っぽいものを選ぶようにしてください。
血尿だけでなくフンの異常にも気づきやすくなるなど、ハムスターの健康管理にとってたくさんのメリットを感じることができるでしょう。
◆健康診断を受ける
現在検討中の方に特におすすめしたいのが、ハムスターをお家に迎え入れて2週間ほど経ったら、まず健康診断を受けておくことです。
2週間ほど経てばハムスターも環境に慣れてくるので、本来の健康状態が見えてくるようになります。
検便や体重測定、身体チェックをしてもらい、その後は数ヶ月から半年に1回程度の頻度で健康診断を受けるといいでしょう。
すでにハムスターと一緒に暮らし始めている人も、今からでも遅くはありません。
ハムスターになんの異常もなかったとしても、健康診断を目的に動物病院を受診してみてはいかがでしょうか。
定期的な健康診断を受けることは病気の早期発見に繋がるだけではなく、その動物病院がかかりつけとなり、獣医師と信頼関係を作ることができるというメリットもあります。
先にも述べたようにハムスターの診療には相当な経験が必要となります。
初めて受診した動物病院で治療を受けるよりも日頃からお世話になっているところの方が安心して任せられるはずです。
まとめ
いかがでしたか。
この記事では、ハムスターの血尿について徹底解説しました。
大切な家族の具合が悪くなることはできれば考えたくないですが、万一に備えて知っておくべき知識がたくさんあったのではないでしょうか。
もしもの時にはこの記事を参考にして、ぜひハムスターの血尿を早期発見・早期治療してあげてくださいね!
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