1.コーンスネークはどんなヘビ?
1-1.特徴
1-2.サイズ
1-3.原産国・生息地
1-4.性格
1-5.寿命
2.コーンスネークの飼育に必要な用品
2-1.ケージ(爬虫類用)
2-2.水入れ(大きめのもの)
2-3.床材
2-4.保温器具
2-5.シェルター
3.コーンスネークの基本のお世話
3-1.えさは何を与える?頻度は?
3-2.おしっこ・うんちはどんなもの?
3-3.ケージの掃除はどうする?
4.コーンスネークを飼うときの注意点
4-1.単独飼育が基本!
4-2.脱走に注意!
4-3.触りすぎに注意!
4-4.温度・湿度に注意!
4-5.病気に注意!
コーンスネークはどんなヘビ?
コーンスネークは、ヘビのなかでも飼育しやすい種類といわれ、最近では、爬虫類のペットとして注目されています。コーンスネークの人気のポイントは、飼いやすさと共に、美しいカラーバリエーションが挙げられるでしょう。
ここでは、今人気のコーンスネークの特徴や性格など、コーンスネークがどのようなヘビなのかについて、ご紹介します。
◆特徴
コーンスネークは、アメリカ南東部原産のナミヘビ科のヘビ です。ヘビのなかでも中型で、毒もなく、性格も穏やか。馴れるとハンドリングもできる、ペット向きのヘビといえます。
また、コーンスネークは、アカダイショウとも呼ばれ、もともとは赤の地色に黒い縁取り模様が特徴のヘビでした。しかし、現在は、種改良によってさまざまな体色や模様のコーンスネークが新たな品種として誕生しており、その美しさとバリエーションの多さが人気に拍車をかけています。
◆サイズ
コーンスネークは、一般的に全長100~120cmくらいまで成長し、なかには150cmくらいになる子もいます。コーンスネークの成長速度には、食生活や飼育環境、個体差などもかかわってきますが、約2年で100cmほどになり、成体になるといわれています。
コーンスネークは、サイズ的にも日本の住宅環境で飼育しやすいヘビといえます。
◆原産国・生息地
コーンスネークの原産国は、アメリカ南東部で、温暖で湿潤な森林や牧草地など草木が多い場所に生息しています。
コーンスネークは、半夜行性のため、日中は石の隙間などに身を潜め、あたりが暗くなってくると行動し始めます。通常は地表で生活していますが、ときには木を登ることもあります。
◆性格
コーンスネークは、とてもデリケートで、性格は穏やか。飼い主さんが驚かせたり、嫌なことをしたりしなければ、通常の飼育環境下で咬まれたりすることはありません。さらに、毒もないので安心です。
また、爬虫類にはなかなか触らせてくれない子も多いなか、コーンスネークは人懐っこく、多少触られても怒ることはありません。飼育できるヘビのなかでも、ハンドリングのしやすい種類といえます。
ただし、性格には個体差があり、触られることが苦手な子もいます。お迎えを検討する際には、あらかじめ確認するとよいでしょう。
◆寿命
コーンスネークの寿命は、野生下で6年から10年くらいといわれていますが、飼育環境下での寿命はそれより長く、平均で10年くらい、長生きの子で15年くらいといわれています。
なお、コーンスネークは、比較的丈夫で、飼育しやすく、長生きなのも特徴で、適切に育てると20年くらい、なかには、32年生きたコーンスネークもいるそうです。
コーンスネークの飼育に必要な用品
コーンスネークの飼育には、快適に過ごせるよう、コーンスネークの習性に合わせた環境を作るために揃えておく必要があるものがあります。
ここでは、コーンスネークの飼育に欠かせない飼育用品について、ご紹介します。
◆ケージ(爬虫類用)
コーンスネークの飼育に、ケージは欠かせません。
コーンスネークは、成長すると体長が100cm以上になります。さらに、水入れやシェルターを設置する必要があり、ケージにはある程度の広さが必要です。その点をふまえ、ケージの広さは、コーンスネークがとぐろを巻いた状態の 4 倍くらい(2000~2500㎤)あることが望ましいといわれています。
また、ケージは、小さいうちは昆虫を飼育するようなプラスチックケースやスターターセットとして販売されているアクリルケースのような簡易的なもので大丈夫ですが、成体になってからは「爬虫類ケージ」がおすすめです。
◆水入れ(大きめのもの)
ケージのなかに設置する水入れは、水分を補給するだけでなく、コーンスネークが水浴びをする場所としても使われます。
コーンスネークは、水浴びをすることで体温調節をしたり、皮膚の乾燥を防いだりします。
そのため、水入れは、コーンスネークがとぐろを巻いた状態で全身が浸かるくらいの大きさ、そして、あまり深すぎないものにしてあげ、常に新鮮な水を入れておいてあげましょう。
なお、爬虫類用の水入れでなければいけない訳ではなく、プラスチック製のタッパーなどを利用しても問題ありません。
◆床材
ケージ内を清潔に保つためだけでなく、温度・湿度を維持するためにも、コーンスネークを飼育するケージには、床材を敷いてあげることをおすすめします。
なお、床材として、次のようなものを使うことができます。
・キッチンペーパー・新聞紙
・ペットシーツ
・ウッドチップ
キッチンペーパーや新聞紙は、安価で手に入りやすい反面、水分を吸収できる量が多くありません。そのため、糞をしたらできるだけ早めにお掃除してあげる必要があります。
ペットシーツは、水分の吸収率もよく、お掃除も比較的簡単です。しかし、エサと勘違いし、コーンスネークが誤飲してしまう恐れがあるので注意する必要があります。
ウッドチップは、水分だけでなく、匂いの吸収率もよいため、コーンスネークの飼育にはおすすめです。見た目もよく、ケージ内の乾燥を防ぐことのできる素材ですが、コーンスネークが誤飲してしまう恐れがあるので注意が必要です。また、衛生管理が面倒であり掃除を怠ってしまうとダニがわいてしまうこともあります。きちんとお手入れをしないと病気の温床になってしまうので注意が必要です。
ケージ内を清潔に保つためには、素材の良さもさることながら、コスパの良さ、お掃除のしやすさも重要なポイントです。飼い主さんの条件に合った素材を使ってあげてください。
◆保温器具
コーンスネークを飼育する際、温度と湿度の管理はとても重要です。温度が低くなると、あまり動かなくなり食欲がなくなります。また、湿度が低下し、乾燥してしまうと脱皮不全につながる恐れがあります。
コーンスネークの飼育に適正な温度は28~30℃、湿度は 50〜60%といわれており、ケージ内に温度計と湿度計を設置して、常に管理できるようにしましょう。
温度は、エアコンで室内の温度を維持したり、パネルヒーター等爬虫類用の保温器具を設置してケージ内の温度を一定に保ったりします。保温球はコーンスネークが登ってしまい、やけどをしてしまう恐れがありますので使用しないでください。
また、湿度の維持には、ケージ内にウェットシェルターを設置して水を入れておいたり、乾燥してきたら霧吹きをしてあげたりします。
◆シェルター
シェルターは、コーンスネークの隠れ家になる場所です。
コーンスネークに限らず、ヘビは、主に日中、狭い場所に隠れて過ごす習性があり、多くの時間をこのシェルター内で過ごします。
シェルターには、単にドーム状になったものやウェットシェルターといって、上部のくぼみがあり、そこに水をためることで湿度を維持する機能を持ったものもあります。コーンスネークがストレスなく、安心して生活できるようにしてあげるためにも、ケージ内には、身体がすっぽりと入るサイズのシェルターを必ず設置してあげましょう。
コーンスネークの基本のお世話
実際にコーンスネークを飼育し始めたら、いったいどのようなお世話が待っているのでしょうか。
ここでは、エサの与え方やケージの掃除の仕方など、基本的なお世話の仕方について、ご紹介します。
◆えさは何を与える?頻度は?
コーンスネークのエサは、哺乳類や鳥類などの脊椎動物全般で、飼育されているコーンスネークの場合、肉食の爬虫類用に市販されている、冷凍のエサを与えることが一般的です。
冷凍エサには、ピンクマウスやラット、ウズラなどがあり、与えるときは湯せんするなどして、触るとぷにぷにになるくらい中まで十分に解凍してから与えます。1度に与える数の目安は、1〜3匹。栄養価が高く、大きさのバリエーションが豊富なピンクマウスがおすすめです。
エサを与える頻度は、幼体の時は1週間に2度くらい。成体は1週間に1度くらいで、糞をしたら与えるようなイメージで与えてあげるとよいでしょう。
なお、成体が1ヶ月以上エサを食べなくなったときは、拒食の可能性があります。速やかに病院に連れて行きましょう。
◆おしっこ・うんちはどんなもの?
コーンスネークは、毎日おしっこやうんちをすることはありません。食べたものを数日かけて消化し、数回に分けて排泄します。形状は、鳥の糞のような感じで、茶色いうんちと共に白いおしっこをします。
◆ケージの掃除はどうする?
ケージのなかを清潔に保つことは、コーンスネークの健康維持のためにも重要です。
糞や尿をしていたときは、速やかに床材を取り換えましょう。特に汚れたウッドチップをそのままにしておくと、菌やダニが繁殖するなどして、皮膚炎などの病気になってしまう可能性があります。
なお、ケージは、基本的には汚れていたら掃除をし、汚れが目立ってきたときには丸洗いをしてあげるとよいでしょう。
コーンスネークを飼うときの注意点
コーンスネークは、触ること(ハンドリング)も可能で、大人しく、飼いやすいヘビです。
しかし、コーンスネークの飼育には、次のような点に注意が必要です。
◆単独飼育が基本!
コーンスネークは、単独飼育が基本です。1つのケージで複数のコーンスネークを飼育しても、危害を加えたりすることはありませんが、ストレスを感じたり、正しく健康管理ができなくなることがあるため、多頭飼育はおすすめしません。
◆脱走に注意!
コーンスネークは、脱走するとケージに戻ってくることはありません。
ケージに鍵をかけたり、部屋の窓やドアはしっかり閉めておいたりするなど、脱走しないようにしっかりと対策をしておきましょう。
◆触りすぎに注意!
コーンスネークは、ハンドリングができるヘビではありますが、あまりに触られ過ぎたり、環境に激しい変化があったりした場合、ストレスから吐いてしまったり、拒食になってしまったりすることがあります。
コーンスネークがストレスに感じないよう、十分に注意してあげましょう。
◆温度・湿度に注意!
コーンスネークは、ケージ内の温度や湿度が低かったり高かったりすると、運動機能が低下し、拒食や消化不良を起こすことがあります。
温度計や湿度計を設置するなどして、しっかりと管理してあげましょう。
◆病気に注意!
コーンスネークは脱皮をします。その際、完全に脱皮ができない「脱皮不全」の状態になると、その部分が壊死を起こす可能性もあります。脱皮不全を起こしたときは、ぬるま湯のなかに入れてあげ、飼い主さんが古い皮を剥がしてあげましょう。
なお、脱皮不全を起こす原因として、低湿度や寄生虫による感染症が考えられます。感染症の可能性がある場合は、速やかに病院に連れて行きましょう。
その他、注意が必要なのが、口周りに粘液が溜まる「マウスロット」です。マウスロットになると、口の周辺が変形したり、エサが食べられなくなったりするだけでなく、体内に広がった細菌によって、敗血症を起こす場合があります。口周りに異変を見つけた場合も、速やかに病院へ行くようにしましょう。
まとめ
今回は、コーンスネークの特徴と飼育するうえでの注意点についてご紹介しました。
爬虫類、特にヘビのなかでも穏やかで、ハンドリングも可能なコーンスネークは、ヘビ飼育初心者でも飼いやすいと人気の品種です。
しかし、いくら飼いやすいといっても、コーンスネークに適した環境を整えなければ、長く一緒にいることはできません。温度・湿度の管理、ケージの掃除といった基本的なお世話をしっかりとし、日々、十分に観察してあげながら、快適な環境を作ってあげてください。
また、コーンスネークも病気をすることがあります。最近では、爬虫類の飼育人口が増えたとはいえ、まだまだ、診てくれる病院も少ないのが現状です。
コーンスネークをお迎えする前に、まずは、自宅近くで爬虫類を診察してくれる病院をさがしておくことも大切です。
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