うさぎがうんちを食べる!?その行動「食糞」かも!

2024.10.31

うさぎがうんちを食べる!?その行動「食糞」かも!

うさぎと一緒に暮らしはじめると、必ず驚く事の1つにうさぎが自分のうんちを食べるという行動があげられると思います。 知らないと心配してしまいますよね。でも実はこの行為は「食糞」といって、うさぎにとって正常で自分の健康を保つために欠かせない行動なのです。 今回はそんなうさぎの驚きの習慣である「食糞」について詳しくご紹介していきます。

【掲載:2022.02.22  更新:2024.10.31】


うさぎがうんちを食べているのは異常?

うさぎが自分の便を食べる行為を「食糞」といいます。これはうさぎにとって正常な行為です。
最初は驚いて心配してしまうような行為ですが、うさぎ以外にもモルモットなど食糞を行っている動物もいるんです。
食糞という行動は異常ではなく、一定数の動物が行うようないたって正常な行動なんですね。

では食糞はなぜ行われるのでしょうか?
そこには牧草を主食にしているうさぎならではの理由があるのです。
ではその行為について詳しく紹介していきます。

◆食糞という正常な行動

うさぎの主食は皆さんご存じの通り牧草ですよね。
しかし、牧草の成分はほぼ食物繊維で占められていて、うさぎにとって必要となるたんぱく質やビタミンなどの成分が充分に含まれていません。

そこでうさぎを始めとする草食動物の中には、体内で独自の消化システムを備えています。
簡単に説明すると、盲腸と呼ばれる器官で食べたものを発酵させ、必要となるたんぱく質やビタミンを作り出して、その便を排出します。
排出された便は、たんぱく質やビタミンを多く含んでおり栄養満点で、うさぎはその便を食べることにより不足している栄養を補っているのです。

この便は、盲腸で作り出されているので「盲腸糞」と呼ぶんですね!
そして盲腸糞を食べる行為を「食糞」と呼びます。

◆毎日行うのが普通

不足している栄養を補う必要があるので、毎日行うのが普通ですよね!

でも毎日行うのに意外と盲腸糞を見たことのある飼い主さんは少ないのではないでしょうか?
それはうさぎは全身の毛繕いを自分でできるほど体が柔らかいので、食糞をする際もお尻に口を近づけて直接食べているからなんです。
基本的にトイレやケージに盲腸糞が落ちることもないので見ることも少ないんですね。

ちなみにうさぎが体をぐっと折り曲げて顔をお尻に近づけているときは、食糞タイムなので邪魔をせず遠くから見守ってあげてください。


うさぎのうんちは2種類ある

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うさぎは2種類のうんちをします。
よく見かける硬いコロコロのうんちと、盲腸糞と呼ばれるやわらかいうんちです。
それぞれの形状や特徴を見ていきましょう!

◆やわらかい便(盲腸糞)

水分が多く、ブドウの房のような形状をしている便が「盲腸糞」になります。
うさぎが直接食べるので、トイレに落ちていることはあまりないですが、触ってみると柔らかく、コロコロした硬い便と違い、きつめの臭いを発しています。

盲腸糞には、うさぎが牧草からは得られない大切な栄養素(たんぱく質、ビタミンなど)が豊富なため、うさぎの重要な栄養源になっています。

◆コロコロした硬い便

よく見かける丸いコロコロした硬い便は、盲腸糞のような栄養はないので、基本的に食べません。
特に嫌な臭いもしないし、手に取ると硬くてしっかりつかめます。

うさぎは基本的に盲腸糞を食べますが、硬い便を食べているときがあります。
これはうさぎにとって、普通のことなので特に心配することはないと思います。

野生のノウサギなどにはよく見られる行為で、理由はよくわかっていないですが、飢えをしのぐために食べているという説もあるそうです。

しかし飼っているウサギに関しては、ちゃんとペレットや牧草もあげているでしょうし、お腹ペコペコの状態ではないと思います。
その状態で頻繁にコロコロした便も食べるのであれば、なにか別の理由があるかもしれません。
ペレットや牧草に飽きていたり、かじるものがなくてコロコロの便を食べていたりするのであれば、食事や生活環境を見直してあげましょう。


食糞しないとどうなる?

盲腸糞を食べずに残していることが頻繁に続いたときは、体調不良を疑ったほうがいいでしょう。
実際に筆者の飼っているうさぎも盲腸糞がトイレに落ちていたり、お尻に食べていない盲腸糞がべったりくっついていたりすると、ペレットも食べなくなり動きも悪くなって動物病院へ駆け込んだこともあります。

うさぎは不足している栄養を盲腸糞から補っているため、盲腸糞を食べなくなると栄養に偏りが出て、健康に影響を及ぼす可能性があります。
更にうさぎは非常にデリケートな動物で、丸一日「餌を食べない」や「便が出ていない」だけでも命にかかわる問題の場合もあります。

もし食糞しないで盲腸糞が落ちていることが頻繁に続くようなことがあれば、うさぎの様子を注意深く観察し、体調が悪そうならば病院に連れて行った方が良いでしょう。


食糞しない時の原因と対処法

食糞しない時の原因

うさぎが食糞しないときは、いくつかの原因が考えられます。

ここでは主に4つの原因と簡単な対処法をご紹介していきますので、自分の家のうさぎがなぜ食糞しなくなったのかわからないときに参考にしてみてください。

◆エサの食べすぎ

ペレットやたんぱく質の多いマメ科の牧草をたくさん食べすぎていると、食糞をしなくなります。
たんぱく質がエサから摂取できるため、盲腸糞を食べ残すようです。

また果物など糖分や水分の多い食べ物を多く与えていると、盲腸糞がブドウの房状ではなく、ドロドロの液状になるので与えすぎは控えましょう。

筆者の経験上、食糞をしなくなった時はペレット少なめで、チモシーを多めに与えてあげるとお腹の調子もよくなり元気になる場合が多いです。

チモシーを与えても食べない場合は、他のチモシーに変えてみるのもいいかもしれません。
うさぎは意外にもグルメで、チモシーの香りや硬さなどの好みもありますし、以前食べていたチモシーを急に食べなくなることもあります。
しかしそういう好き嫌いをしてくるところもうさぎの可愛さの一つですよね!

◆ストレス

うさぎはストレスを敏感に感じる動物です。

家の中でケージを別の場所にお引越しさせたり、生活環境が変わるとストレスに感じてしまうことがあります。
また飼い主は抱っこしたり触れ合って、可愛がってあげたいと思っていても、うさぎにとってはストレスに感じることもあります。

そういった場合はケージを元の位置に戻してあげたり、なるべくそっとしてあげたりしてみてください。
うさぎは鳴かないので反応がわかりづらいですが、よく観察してあげると行動でなんとなく感じ取れてくると思います。
ストレスを感じさせないように可愛がってあげましょう。

◆肥満やケガ

うさぎも人間と同様に食べすぎると肥満になってしまいます。
肥満になったうさぎは、体を丸めてもお尻に口が届かなくなり盲腸糞を食べられなくなってしまいます。
肥満はもともとの体質などもありますが、エサの与えすぎや運動の少なさが原因になります。
うさぎも人と同様に年齢を重ねるにつれて、運動量が減り消費するエネルギーも少なくなってきますので、年齢に応じてエサの量を見直してみましょう。

またケガによって体を丸められず、食糞できない場合もあります。
もしうさぎが高いところから落ちてしまうなど、ケガをした恐れがある場合はすぐに動物病院へ連れて行ってあげましょう。

そして肥満やケガ、老化などで体が丸められずどうしても食糞できなくなったときは、飼い主が食糞のお手伝いをしてあげます。
食べない原因がエサの取りすぎやストレスではないので、ケージに落ちている盲腸糞を口元にもっていってあげると、うさぎは食べてくれると思います。
盲腸糞は柔らかいので、気を付けて持って食べさせてあげてくださいね。

◆消化器系の病気

消化器系の病気によって下痢のような便になってしまうこともあります。
もし水分の与えすぎによる下痢などでなければ、消化器系の病気を疑って、一度動物病院へ連れて行くといいでしょう。

◆食糞しなくなった時の注意点

いずれのような場合でも盲腸糞を食べなくなると、どうしてもうさぎのお尻あたりが汚れてしまいます。
これはコロコロの硬い便と違い、盲腸糞が柔らかいのでお尻にくっついてしまうからです。
くっついたまま放置して盲腸糞が固まってしまうと、うさぎの毛ごとカットしてあげる必要もあります。
そうなると飼い主さんも大変ですし、なによりうさぎにもストレスを与えてしまいます。
食糞しなくなった時は、こまめにうさぎの様子を観察してあげましょう。
またお尻に盲腸糞が付いたままケージの中を動き回ると、予想以上にケージの金網に盲腸糞がくっついて汚れてしまうことがあります。
ケージのお手入れもこまめにしてあげてください。


まとめ

うさぎにとって食糞は必要不可欠の行為です。
最初は驚いて心配になると思いますが、記事で紹介したように健康を保つために大切な事なので、食糞中は少し離れたところで静かに見守ってあげましょう。

うさぎは生き物ですので、食糞しない原因が紹介した4つに当てはまらない場合ももちろんあります。
また食糞せず体調が悪そうにしてたのに、ケロッと元気になり食糞しだし元気に走り回ることもあります。
ストレスや食べすぎが原因のときもありますが、頻繁に起こる場合は体に健康上の問題があるのかもしれません。
心配な場合は早めに動物病院に相談してみましょう。



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