1.ハムスターを飼うのはむずかしいの?
1-1.飼育難易度は?
1-2.人になれる?
2.ハムスターはどんな生き物?
2-1.種類
2-2.大きさ
2-3.性格
3.ハムスターの飼育に必要なもの
3-1.ケージ
3-2.巣箱
3-3.トイレ・トイレ砂
3-4.食器・給水器
3-5.回し車
3-6.床材
3-7.ペットフード
4.ハムスターのお世話の仕方
4-1.エサやり・水替え
4-2.トイレ・床材の掃除
4-3.ケージの掃除
5.ハムスターの飼育で気をつけること
5-1.温度管理に気をつける
5-2.かまい過ぎに気をつける
5-3.太り過ぎに気をつける
5-4.危険な食べ物に気をつける
ハムスターを飼うのはむずかしいの?
ハムスターは、小さくてかわいくて場所を取らずに飼えることで人気が高まっています。「住宅事情で犬や猫を飼うのは無理」というお宅でも飼いやすいペットといえるでしょう。
実際にハムスターの飼育のむずかしさ、人へのなれ方はどれくらいなのでしょうか。
◆飼育難易度は?
ハムスターの飼育はそれほどむずかしくありません。
ハムスターは手のひらに乗るくらい小さいので扱いやすく、犬や猫に比べるとお世話は簡単で時間もかかりません。小学生のみなさんでも上手に飼育できます。
もちろんペットは生きている動物なので、お金や時間のかかることも出てきます。
ハムスターが病気になった時は、予定外にお金や看病の時間がかかるかもしれません。そのような時は「飼育は大変だな」と感じることもあります。むずかしいところは、大人のひとにも手伝ってもらいましょう。
◆人になれる?
ハムスターは、きちんとお世話してあげれば人になれます。
ただ「犬や猫よりはなつくまでに時間がかかること」と「ハムスターによっては、人になれにくい子がいること」も知っておいていただきたいです。
ハムスターは、ほかの生き物に対して強い警戒心を持つ動物です。はじめは人間をこわがって、なかなか近寄ってきません。ですが、人間が信頼できることがわかれば、自分から近づいてくれるようになります。
ある程度の期間がたってハムスターがなれると、なでたり手のひらに乗せたりして一緒に遊ぶこともできますよ。SNSや動画で見かける「ラッコ食べ」をする姿も見せてくれるかもしれませんね。
とはいえ、どのハムスターも同じようになついてくれるわけではありません。ハムスターの種類、その子の性格によってもなつき方は変わってきます。
また、同じ種類のハムスターでも1匹ずつ性格が違うので、好奇心旺盛な子は自分から人に寄ってきます。逆に、おくびょうな子は人になれるのに時間がかかるので「さびしいな」と思うことがあるかもしれませんね。
どんなハムスターを選んだとしても、飼育環境に安心すれば飼い主さんを受け入れてくれるようになります。愛情をこめて、ていねいにお世話してあげるのがポイントですね。
ハムスターはどんな生き物?
ここでは、ハムスターがどんな動物か、どんな種類があるのか説明します。種類によって見た目や性格が違うので、ハムスターをお迎えする際の参考にしてみてください。
◆種類
ハムスターには、中東の乾燥地帯に住む大型の「ゴールデンハムスター」とシベリア周辺に住む「ドワーフハムスター」がいます。
ドワーフハムスターは、小型のハムスターをまとめた呼び方で「ジャンガリアン」「ロボロフスキー」「キャンベル」などの種類がいます。
【ゴールデンハムスター】
ハムスターの中で一番体が大きく、人なつっこい。毛色は白と茶色のぶち模様が定番だけどさまざまな色柄がある。
【キンクマハムスター】
毛色が薄いオレンジ色。ゴールデンハムスターを品種改良したもので、クマみたいな見た目をしている。性格はおっとりして、なつきやすい。
【ジャンガリアンハムスター】
おとなしくなつきやすいので初心者向き。毛色は茶色で背中に黒い線が通っているタイプが定番。ほかにもさまざまな毛色がある。
【ロボロフスキーハムスター】
ハムスターの中で一番小さい。毛色は、目の上にあるまゆ毛のような白いはん点が特徴。人にはなれにくいけど、ほかの種類よりも多頭飼いに向いている。
【キャンベルハムスター】
気が強く夜行性。活発に動き回る姿がかわいらしい。見た目はジャンガリアンハムスターに似ていて、さまざまな毛色がある。
◆大きさ
ハムスターの体はほかのネズミと同じくらいで、丸みを帯びた体形をしています。
ゴールデンハムスター:体長18~20cm 体重90~150g
ドワーフハムスター:体長6~12cm 体重15~40g
※ハムスターの種類、オスとメスで差があります。
◆性格
ハムスターの性格は種類によっても異なりますが、全体的におくびょうで警戒心が強いです。神経質で、常に周りの音やにおいを敏感に察知していて、ストレスにも強くありません。
さらに種類やそれぞれのハムスターによって、なつきやすさ、おだやかさ、気の荒さなどが少しずつ異なります。
ハムスターの飼育に必要なもの
ハムスターをお迎えする時は、飼育に必要なものを一式そろえます。どんなものが必要になるのでしょうか。
◆ケージ
ケージはハムスターが暮らすために必要な飼育容器で、金網製、透明なガラス・アクリル製があります。1匹につき一つのケージを用意しましょう。
食器や給水器、回し車などがセットになっているものもあります。
◆巣箱
巣箱はハムスターのベッド、隠れ家の役割を果たします。
◆トイレ・トイレ砂
トイレの中にトイレ砂を入れてケージの中に置いてあげてください。ハムスターはきれい好きなので、トイレでおしっこをします。(トイレを使わない種類もいます。)
◆食器・給水器
食器に毎日決まった量のエサを入れ、毎日中味を取り替えます。ハムスターは水を飲むので、給水器(給水ボトル)も必要です。
◆回し車
野生のハムスターは1日に数キロ走ります。ケージで飼われているハムスターが運動不足にならないよう、走るための回し車を設置してあげましょう。
◆床材
ケージの底には床材を敷きます。床材を敷くとふかふかして、クッションの代わり、保温、余分な水分の吸収などに役立ちます。
◆ペットフード
ハムスターは主食にペレット、補助食に野菜や果物、ペットショップに売っている小動物用のおやつを食べます。
ハムスターのお世話の仕方
ハムスターの基本的なお世話は、毎日のエサやりと水替え、トイレやケージの定期的な掃除です。毎日する作業と定期的にすればよい作業があります。
◆エサやり・水替え
エサやりと給水器の水替えは毎日します。エサは食器に新しいものを食器に入れ、前日の食べ残しがあれば捨てます。給水器は、毎日新鮮できれいな水が飲めるようにしましょう。
◆トイレ・床材の掃除
トイレ砂と床材は、汚れや水分がついた部分だけを毎日取り除き、新しいものを補充します。
また、床材の底の方に糞がたまるので、3日~1週間に1回は古い床材を捨てて新しい床材を補充します。
◆ケージの掃除
1か月に1回くらいの頻度でケージを大掃除します。ハムスターとケージの中身全てを外に出して、ケージを丸洗いします。回し車、トイレなど洗えるものは水洗いをします。
ハムスターは自分のにおいが消えると不安になるので、ひんぱんに大掃除する必要はありません。
ハムスターの飼育で気をつけること
ハムスターが健康で長生きするためにも、飼い主さんに気をつけてもらいたい点がいくつかあります。
◆温度管理に気をつける
ハムスターの適温は20~26℃です。エアコンやペット専用のヒーターを使って、常に温度を適切な範囲に保ってあげましょう。
ハムスターは日本の気候と異なる国の生き物なので、日本の環境が苦手。暑さや寒さ、温度変化が原因で体調を崩してしまうことがあります。
気をつけたいのは、猛暑による熱中症、冬場の冷え込みで起こりやすい「疑似冬眠」です。命を落とすことがあるので、特に夏と冬はしっかり温度を管理してくださいね。
◆かまい過ぎに気をつける
せっかくハムスターを飼ったら、いっぱいふれ合って楽しく遊びたいですよね。ですが、いくら仲良くてもかまい過ぎると、ハムスターは「楽しい」と思うどころかストレスを感じてしまいます。
ハムスターが寄ってこない時は「そっとしてほしい」と思っています。そんな時に無理やり触ったり持ち上げたりすると、ハムスターはとても嫌な思いをします。
体調不良の原因はストレスということが多いので、スキンシップはほどほどにするよう心がけてくださいね。
特にお迎えしてしばらくは緊張しているので、1週間程度はハムスターを触ろうとしたりケージの中をじろじろ見たりするのはやめましょう。自分より体の大きな生き物が近づいたらこわい思いをします。
ハムスターが少し慣れてきてから、声をかけたり食べ物を渡したりして、少しずつ触れ合う機会を増やすとよいでしょう。人間がこわくないことがわかってくると、自分から近づいてくるようになりますよ。
◆太り過ぎに気をつける
ペットのハムスターは肥満になりやすいという問題があります。太り過ぎは、病気や寿命をちぢめる原因になります。「かわいいから」と必要以上におやつを与えるのはやめましょう。
特に、ハムスターの好物で知られるひまわりの種はカロリーが高く、食べ過ぎると太り過ぎになってしまうので注意しましょう。
◆危険な食べ物に気をつける
人が食べてなんともない食べ物でも、ハムスターに与えると中毒が起きるものがいくつかあります。以下にあげる食べ物は危険なので、絶対ハムスターには与えないようにしましょう。
ハムスターと一緒にいられる期間は短い
ペットを飼う時に忘れないでほしいことがあります。それは、ペットが私たちよりも早く寿命を終えること、いつかお別れが来るという現実があることです。
ハムスターの平均寿命は2~3年です。犬や猫は15年、うさぎは6~8年なので、それと比べるとハムスターの寿命はかなり短く感じますよね。
実は、このようにハムスターの寿命が短いのは「ほかの動物よりも時間の流れ方が早いから」なのです。
ハムスターは、人間の30倍もの速さで年をとります。つまり、ハムスターの1日は人間の1か月にあたるということです。ハムスターの生後3か月は人間の18歳、1歳は30歳、2歳は60歳くらいと考えてくださいね。
このようにハムスターの一生は短くても、1日1日を大切にすればたくさんの楽しい思い出が作れます。
もちろん3年より長生きする子もいます。1日でも元気で長生きしてもらうためにも、病気やケガをしないよう健康管理をして毎日きちんとお世話してあげましょう。
ハムスターを飼うのはとても楽しい!
ハムスターの飼い方や注意点を読んで「思っていたより大変そう」と感じた方がいらっしゃるかもしれません。
おうちに迎えてもしばらくは触るのを我慢しなければならなかったり、面倒くさくても毎日お世話をしなければならなかったり、病気やケガをしたり、せっかく仲良くなっても3年ほどでお別れする日が来たり…
ハムスターの飼育は楽しいことばかりではありません。ですがハムスターがいる生活は、お世話の大変さ以上の楽しみ、幸せな時間をもたらしてくれます。いやしスマイルや可愛いしぐさを見せてくれたり、おもしろい寝方で笑わせてくれたり…。
愛情をこめて毎日お世話をしてあげれば、ハムスターも飼い主さんのことを信頼して、たくさんの愛情を返してくれますよ。ぜひ1日1日を大切に、たくさんの素敵な思い出を作ってくださいね。
まとめ
ハムスターを飼う前に知ってもらいたいことをお伝えしました。
小学生のみなさんにとって、ハムスターは友だち、家族の一員として迎え入れるのにふさわしいペットといえるでしょう。
生きているペットはゲームやアプリの動物と違って、飽きても放置できないし、いつかは死んでしまいます。ですが、命を預かることで経験できない充実感や感動がたくさん待っています。ハムスターに興味のある方は十分に検討したうえで、かわいい「うちの子」をお迎えしてくださいね。
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