1.シマリスを飼うならケージが必須な理由とは?
2.お部屋に対してのケージのレイアウトについて
2-1.日当たりがよく、過ごしやすい場所
2-2.うるさくない場所
2-3.エアコンの風が直接あたらない場所
3.シマリスのケージ内…どんなレイアウトにすべき?
3-1.床材(巣材)
3-2.巣箱
3-3.エサ入れ
3-4.給水器
3-5.トイレ
3-6.回し車
3-7.登り木、かじり木
シマリスを飼うならケージが必須な理由とは?
げっ歯類のシマリスは、口元からのぞく歯が可愛らしいですよね。ガジガジとかじる様子は、見ていて飽きませんし癒されます。
ただ、人間と一緒に暮らすと「かじってはいけないものをかじる」という恐れがあります。
シマリスは体が小さいため、飼い主さんの目に届かない隙間に入り込んで、危険なものをかじっては大変です。
ケージを準備することは、シマリスの安全にもつながっています。シマリスのケージは「ただ置けばいい」というものでもありません。
シマリスの習性をよく理解したうえで、快適に過ごしやすい空間づくりが欠かせないのです。
お部屋に対してのケージのレイアウトについて
上下運動が好きなシマリスのケージは高さもあるため、お部屋のなかで飼育する場合の置き場所に迷うものですよね。空いているスペースに置ければいいかもしれませんが、シマリスが快適に過ごせるかどうかを考えてみましょう。
◆日当たりがよく、過ごしやすい場所
シマリスのケージを置くときのポイントは“日当たり”です。
自然界で生きるシマリスは、昼には太陽光を浴び、夜には太陽が沈んだ暗闇で過ごすことになります。
「明るい・暗い」というメリハリのある環境で生きる自然界のシマリスにとって、太陽光は日々の生活のリズムを整えるためにも大切なものと言えるでしょう。また、シマリスが健やかに生きるためには「日光浴」が欠かせません。
紫外線を浴びることでカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDを得られるので、シマリスの骨を強化することにつながります。
そのため、シマリスをペットとして飼うのであれば、窓からの太陽光を感じられる場所にケージを置くのが理想です。
ただし、強い日差しを浴びるとシマリスは不快に感じてしまいます。私たち人間も、夏の暑い日差しを直接受けるとグッタリした気持ちになるのと同じです。
そこで、シマリスのケージを置くなら「直射日光があたらない場所」にしましょう。
◆うるさくない場所
ストレスの受けにくさにも配慮が必要です。「テレビの横」や「家族の出入りが激しい扉の横」などは、シマリスにとっては“賑やか過ぎる”場所。臆病なシマリスには、落ち着ける場所ではありません。人が通るたびにストレスとなるのもかわいそうです。
だからと言って、人間と暮らしている以上、生活音が皆無という状況にはできません。
シマリスが極端に怯えないように、「うるさ過ぎず・静か過ぎず」とシマリス目線でケージを置く場所を考えてみてくださいね。
◆エアコンの風が直接あたらない場所
シマリスをお部屋で飼うときに重要なのは、温湿度の管理です。
「寒い冬」や「暑い夏」には、外の気温の影響を受けないように、室内にエアコンをつければ部屋内の空気がコントロールできます。
ただ、お部屋の空気が快適に保たれていても、風が直接あたる部分は「暖め過ぎ・冷やし過ぎ」です。そのためシマリスのケージを風があたるところに設置するのは止めましょう。
同じ室内でも、風が直接あたる場所やそうでない場所は、体感温度が変わります。直接の風を受けると、やはり「暑い・寒い」と不快に感じてしまうのです。
さらにケージの外に自分から出られないシマリスにとっては、逃げ場がなく、熱中症や体長を崩す原因となってしまいます。
エアコンの下や風向きの延長線上は避け、できるだけ直接的に風があたらないところを考えてみてくださいね。
シマリスのケージ内…どんなレイアウトにすべき?
次は、シマリスのケージ内のレイアウトについてです。ケージ内は、小さなシマリスにとってのマイホーム。日々の暮らしで必要なものをシマリスが快適に使えるようなレイアウトにしましょう。
◆床材(巣材)
シマリスのケージには、ウッドチップや牧草、新聞紙などを敷いておく飼い主さんが多いです。
天然素材のウッドチップは、温かみもあり、シマリスが本能的に安心できるでしょう。ただ、市販のウッドチップなら安心できるだろう…という思いで購入したのに、実は注意が必要なことも。
動物用に販売されているウッドチップには、「広葉樹」と「針葉樹」があります。平らな葉っぱの樹木が「広葉樹」、針のように尖った葉っぱの樹木が「針葉樹」です。
広葉樹のウッドチップは、針葉樹と比べて低刺激・低アレルギーで安心という特徴があります。
ケージに敷く床材は、シマリスが常に触れるところ。安心したものを使いたいですよね。
市販されている小動物用の牧草は、コスパ面では選びやすい床材です。ただ、天然の草ですから虫がついているケースもあるのが難点です。
新聞紙なら、ご自宅にあるものでシマリスの床材にできますね。シマリスが寝床にできるように、小さめにちぎって使えばOKです。わざわざ購入しなくてもいいので、コスパ最強と言えるかもしれません。掃除のときに躊躇なく捨てることができます。
また、ウッドチップなどの床材の下に新聞紙を敷く飼い主さんもいるようです。
どんな床材を選んでも、床材は結構汚れるので、交換頻度は高めです。シマリスの飼育環境を衛生的に保つためにも、定期的にお手入れしましょう。
◆巣箱
野生のシマリスは、自分のお家として巣穴を作ります。
ケージのなかに体をすっぽりとおさめられる小さな巣箱があると、ホッと安心できるでしょう。ケージ全体がシマリスのマイホームだとすれば、巣箱は“自分の部屋”といったところです。シマリスの本能を満たすなら、木製の巣箱がいいでしょう。
木材ですからシマリスにとっては安心感があるかもしれませんが、ただ心配なのは衛生面。エサや排泄により水分が染み込みカビの発生にもつながるからです。
シマリスは「エサを自分の部屋でゆっくり食べよう」と、巣箱にエサを溜め込んでしまう習性の持ち主。そのため巣箱のなかはどうしても汚れてしまうのです。
プラスチック素材なら水分が染み込みにくく、掃除もしやすいため、衛生的と言えるでしょう。ただ、かじる習性のあるシマリスはかじって壊すかもしれません。壊れた巣箱の破片を誤飲しては大変です。
どんな素材でも、定期的に汚れを取り除ければ衛生面は保つことが可能です。
どちらかといえば、木製の方がシマリスの心を掴むかもしれませんね。
また、巣箱の設置場所も大切です。
シマリスは巣箱を自分の隠れ家として考えますから、「ケージ内の高い場所」「ケージの入り口から遠い場所」を選ぶと安心するでしょう。
◆エサ入れ
プラスチック製のエサ入れは、かじる習性のあるシマリスには誤飲のリスクがあるうえ、「遊んでいるうちにひっくり返す」というケースがあります。
陶器製のタイプなら、重みにより安定感があるうえ、シマリスがかじって壊すリスクがありません。また、留め具付きならケージに取り付けることができ、食べているうちに容器が動かないでしょう。シマリスが“食べること”に集中できるのでおすすめです。
◆給水器
シマリスの飲み水は、「給水ボトル」と「容器」のどちらかで与えることになります。
シマリスは水を頻繁に飲むわけではないため、容器に入れたまま長時間経過すると、ホコリや糞が入って不衛生となるでしょう。
新鮮な水をシマリスのタイミングで飲んでもらうには、ケージに取り付けるタイプの「給水ボトル」がおすすめです。ボトル内の水は、毎日取り換えてくださいね。
◆トイレ
ペットのシマリスは、「ここがトイレだよ」と犬のようにご褒美方式で学習ができるわけではありません。
シマリスは、本能的に無防備となった排泄中に「敵から襲われたくない」と警戒しているため、端の方が安心するようです。
それに自分の排泄した臭いに反応して同じ場所に排泄する傾向にあります。そのため、ケージの端や壁側に設置してあげましょう。
◆回し車
ハムスターの飼育でお馴染みの回し車。小さなシマリスがちょこちょこと足を動かして遊ぶ様子は、可愛らしいですよね。
ただ、回し車の設置は、メリット・デメリットやリスクを踏まえたうえで飼い主さんが判断しなければなりません。
まずメリットとしてはシマリスの運動不足解消になる点を挙げることができます。
そのため、「ケージが広めで自由自在に動ける・ときどきお部屋内を散歩できる」場合などは、敢えて回し車を設置しなくても十分に運動はできるでしょう。
逆に、あまり運動できない環境なら回し車を設置すると運動不足解消につながります。一生懸命動くことで、シマリスのストレス解消にもなるでしょう。
ただ、回し車をケージ内に設置した場合、ケージのサイズによっては少し狭くなるというデメリットもあります。
さらに、『回っている間に部品にしっぽが巻き込まれる』『上方に取り付けた回し車から転落してしまう』などのリスクも考えておかなくてはなりません。
また、シマリスは回し車で遊びながら糞尿をすることもありますから、清潔に保つためにもお手入れしやすいものを選ぶといいでしょう。
◆登り木、かじり木
登り木によりケージ内に高低差を設けることで、シマリスは上下運動をすることができます。木という自然のものを取り入れると野生のような空間となり、シマリスが安心できる環境に近づくでしょう。上に行ったり、下に降りたりと、狭い空間内でも運動量を満たすことにつながります。
また、木を設置するのは、シマリスの「かじる」という習性のためでもあります。シマリスはげっ歯類で“前歯”が印象的ですよね。
この前歯、実は生きている限りずっと伸び続けるんです。
余計に伸びてしまうと「不正咬合」などのトラブルが起こるため、かじって長さを調整できる“かじり木”が欠かせません。
お庭や公園など身近にある天然木を止まり木&かじり木にできますが、「シマリスがかじる」ことを考えると市販のものが安全と言えるでしょう。
シマリスの脱走に注意!
好奇心旺盛なシマリスは、ちょっとでも隙間があるとケージの外に出たがります。
ケージから逃げてしまったシマリスは、体が小さいのでさらなる隙間を見つけては屋外に脱走するリスクも…。「ケージの掃除をしようと扉を開けたら脱走した」「部屋を散歩させて目を離したらいなくなった」というケースもあるので注意しましょう。
まとめ
頬を膨らませたシマリスは可愛いですよね。
癒し系のフォルムと活発に動き回る様子がたまらない魅力です。野生のワイルドさはあるものの、赤ちゃん期から一緒に過ごすうちに人間にも慣れてくれる小動物として人気があります。ときにはお部屋のなかを散歩して楽しんでもらいたいものの、基本的にはケージ内で生活してもらいましょう。
それがシマリスの安全にもつながります。
今回は、お部屋のなかでケージを置く場所、そしてケージ内に置きたいもののレイアウトを詳しくお伝えしてきました。
小さく可愛らしいシマリスですが、一生懸命生きています。シマリスを飼うということは、命を預かるということ。
愛する家族が共に幸せに過ごせるように、シマリスのお家づくりを考えてみてくださいね。
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