ドワーフハムスターの特徴は?品種と飼い方、ドワーフ向けの注意点は

2022.08.21

ドワーフハムスターの特徴は?品種と飼い方、ドワーフ向けの注意点は

ドワーフハムスターは体が小さくて可愛らしいのが特徴です。省スペースで気軽に飼えることからも人気が高まっていますが、ドワーフハムスターはどのような特徴を持つハムスターかご存知ですか?この記事ではドワーフハムスター特徴、飼い方、注意点などについてご説明していきます。


ドワーフハムスターとは

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「ドワーフハムスター」は「ゴールデンハムスター」より体の小さい主なハムスターの総称です。以下に挙げる4つの品種がまとめてドワーフハムスターと呼ばれています。

●ジャンガリアンハムスター
●ロボロフスキーハムスター
●キャンベルハムスター
●チャイニーズハムスター

このように、ドワーフハムスターは特定の品種を指す名称ではありません。ペットショップでも「ドワーフハムスター」ではなく「ジャンガリアン」「ロボロフスキー」などの品種名で個体が販売されています。

◆中型のゴールデンと小型のドワーフ

ハムスターは24種類が確認されていますが、そのうちペットとして飼育される主な品種は、中型種のゴールデンハムスター(ゴールデンハムスター属)と、ゴールデンハムスター属以外の小型種であるドワーフハムスターに大きく分けられます。

ハムスターが初めて発見されたのは1930年、ハムスターとして初めて認知されたのがゴールデンハムスターです。以降、ハムスターといえばゴールデンハムスターを指すくらいにゴールデンハムスターが定番の品種として普及していきました。

そして、その後にヒメキヌゲネズミ属のジャンガリアン、ロボロフスキー、キャンベル、モンゴルキヌゲネズミ属のチャイニーズハムスターなどが飼育用のハムスターとして普及していきました。

ハムスターの代名詞であるゴールデンハムスター(改良種のキンクマハムスターを含む)に対し、他の4品種は体が小さいことから、まとめてドワーフハムスターと呼ばれるようになったのです。

◆「ドワーフ」の意味

「ドワーフ」という用語は、動植物の品種名や物語に出てくるキャラクターなどに使われていることもありますよね。この「ドワーフ」はどういう意味を持つのでしょうか。

ドワーフ(dwarf)は、伝説上の人間より体の小さな種族を指す言葉です。それが転じて「小型の」という意味で動植物を形容する時に用いられるようになりました。

例えば、ドワーフハムスター以外のペットでは、うさぎの最小品種である「ネザーランドドワーフ」や体長5cmほどの熱帯魚「ドワーフグラミー」などが知られます。

◆ゴールデンハムスターとの違い

ドワーフハムスターとゴールデンハムスターの一番の違いは「体の大きさ」ですが、その他にも食事の傾向や性格などに多少の違いがみられます。

まず体の大きさを比べてみると、ゴールデンハムスターは体長が18~19cm、体重が85~150gくらいあるのに対し、ドワーフハムスターは体長6~14cm、体重30~45gとかなり小柄です。

そして、ドワーフハムスターは体の大きなゴールデンハムスターよりも身軽で、すばしっこく活動的です。また、ハムスター自体は草食性に近い雑食性動物なのですが、ドワーフハムスターは活動量が多いため、エサはエネルギーやたんぱく質が多めに必要になります。

性格は品種や個体によっても異なりますが、穏和で人になれやすいゴールデンハムスターに比べ、ドワーフハムスターは警戒心が強く人に馴れにくい品種もみられます。

寿命はゴールデンハムスターが2年半~3年、ドワーフハムスターが2年~2年半です。


ドワーフハムスターの種類

ドワーフハムスターは品種によって原産地、外見、性格などが異なります。それぞれ、どのような特徴があるのでしょうか。

◆ジャンガリアンハムスター

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ジャンガリアンハムスターは、ゴールデンハムスターと並ぶ人気種。ドワーフハムスターの中で最も多く飼育されている品種です。

原産地はシベリアで、ジャンガリアンという名前は、生息地のジュンガル盆地に由来しています。

カラー(毛色)は背中に黒線が入った「ノーマル」をはじめ「パールホワイト」「ブルーサファイア」などバリエーションが豊富です。また、顔は少し面長で、足の裏にもふさふさした毛が生えているという特徴があります。

性格は他のドワーフハムスターに比べ穏和で、人にもなつきやすいです。飼育しやすく、初心者向けの品種といえます。

体重:オス35~45g/メス30~40g
体長:オス7~12cm/メス6~11cm
主な生息地:シベリア南西部、カザフスタン東部
カラー:ノーマル、パールホワイト、ブルーサファイア、イエロープディングなど

📌【おすすめ記事】ジャンガリアンハムスターを飼い始める方必見!飼育環境や飼い方を解説します!

◆ロボロフスキーハムスター

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ロボロフスキーハムスターは、ペット用のハムスターの中で最も小さい品種です。

原産地はロシアで、「ロボロフスキー」という名前は、地名または発見した探検家の名前に由来しているといわれています。

カラーは、背中が薄茶色でお腹が白、目の上にまゆ毛のような白い斑点を持つ「ノーマル」のほか、顔の毛が白い「ホワイトフェイス」や白に茶色の差し色が入る「パイド」などがあります。バリエーションは多くない品種でしたが、新しいカラーも増えてきているようです。

性格は臆病で神経質、人にはあまり馴れません。活発で素早いので、手乗りにして遊ぶというよりは、見た目の可愛らしさと動き回る姿を鑑賞するのに適した品種といえるでしょう。

なお、ほとんどのハムスターは同じケージで複数を同居させると縄張り争いをするため、1匹ずつ飼育することが勧められていますが、ロボロフスキーは縄張り意識があまり強くないので多頭飼いができます。

ロボロフスキーが集団で身を寄せ合う姿は、飼い主さん達の間で「ロボ団子」「ハム団子」と呼ばれ、ロボロフスキーならではの名物となっていますよ。「ハムスター1匹だけでは寂しい」という方にはロボロフスキーがおすすめです。

体重:15~30g
体長:6~10cm
主な生息地:ロシア、カザフスタン東部、モンゴル南西部
カラー:ノーマル、ホワイトフェイス、イザベラホワイトフェイス、パイドなど

📌【おすすめ記事】ロボロフスキーハムスターの飼い方は?性格や必要なグッズを紹介

◆キャンベルハムスター

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キャンベルハムスターは、他のハムスターよりもペットとしての歴史が浅く、野生らしさが残っている品種です。原産地はシベリア、モンゴルなどで「シベリアンハムスター」とも呼ばれます。

外見はジャンガリアンハムスターとよく似ていますが、キャンベルハムスターのほうが大きめで、カラーバリエーションも豊富です。カラーには背中が茶色でお腹が白い「ノーマル」をはじめ、ブラック、シナモン、アルビノなどがあります。

性格は神経質で気が強く、ペット用のハムスターの中では最も人に馴れにくい品種になります。すぐ噛んだり逃げたりするので、初心者には飼育が難しいかもしれません。ただ、これらの行動は臆病な性格から起きているので、驚かさないように気を付ければ、少しずつ慣らしていくこともできます。

いずれにしても、触れ合うために飼うというよりは、野生種に近いハムスターをじっくり観察したい方におすすめの品種といえるでしょう。

体重: 30~40g
体長: 7~12cm
主な生息地:ロシア、モンゴル、中国北部
カラー:ノーマル、シナモン、ブルー、パイド

📌【おすすめ記事】キャンベルハムスターを飼ってみたい!どうやって飼うの?

◆チャイニーズハムスター

チャイニーズハムスターは、他のハムスターよりもスリムでネズミらしい外見を持つ品種です。名前のとおり主な生息地は中国です。日本では、実験用動物として早くから飼育されてきました。

外見は、スマートで尾が長く、毛は短くてなめらかです。カラーバリエーションは多くありません。

性格は穏和で、他のハムスターよりも運動神経が優れています。臆病ですが慣れやすく賢いので、初心者でも比較的飼いやすい品種といえるでしょう。

体重:オス35~40g/メス30~35g
体長:オス11~12cm/メス9~11cm
生息地:中国北西部、内モンゴル自治区
カラー:ノーマル、シルバー、ホワイト

📌【おすすめ記事】チャイニーズハムスターはどんなペット?ほかのハムスターとの違いや飼う時の注意点


ドワーフハムスターの飼い方

ドワーフハムスターの基本的な飼い方はゴールデンハムスターの飼い方と同じです。ただし、品種の違いに合わせた注意点もいくつかあります。

◆食事

食事は、ハムスター用のペレットを主食とし、副食に野菜、果物、小動物用のおやつなどを少量与えます。

ゴールデンハムスターよりもたんぱく質を必要とするので、副食としてたんぱく質の豊富なチーズ、煮干し、ミルワームなどをたまに与えるのがよいでしょう。ただし与え過ぎると肥満になるので、頻繁に与えることは避けます。

ペレットは、ドワーフハムスター専用フードを選ぶのもおすすめです。

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◆温度

ハムスターを飼育する際の適温は20~25℃です。どのハムスターも暑さに弱いので、夏はエアコンを付けるなどして暑さ対策を徹底しましょう。

また、ドワーフハムスターは比較的冷涼な地域の出身ですが、寒さに強いわけではありません。室温が15℃以下になると、体温が低下して体調を崩しやすくなります。冬はケージに床材をたっぷり入れる、小動物用のペットヒーターで部分的に暖房する、などの防寒対策をしましょう。

◆飼育グッズ

ドワーフハムスターの飼育には以下のグッズが必要です。

●ハムスター専用ケージ
●巣箱
●床材
●エサ入れ、給水器
●トイレ(トイレを使わない個体もいます。)
●回し車

ケージ、回し車はゴールデン用、ドワーフ用でサイズが違うので、ドワーフハムスターを飼う時は個体に合わせて、小さめなものを選ぶとよいでしょう。

また、チャイニーズハムスターは容易に上までよじ登ってしまうので、落下による怪我や脱走を防ぐためにも、金網タイプを避けることをおすすめします。

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◆ふれあい方

総じてドワーフハムスターはゴールデンハムスターより臆病で警戒心が強いので、怖がらせないように優しく扱うことが大切です。

ドワーフハムスターは、飼い主さんや環境に慣れるまでも時間がかかります。いきなり触れ合おうとすると、怖がってなつかなくなったり噛んだりしてくるので、飼い始めてしばらくはそっとしてあげましょう。じろじろのぞいたり、大声を出したりするのも強いストレスになるのでよくありません。

個体差もありますが、人が怖くないと分かると逃げなくなるので、ハムスターが安心するまでゆっくり時間をかけて距離を縮めていくようにしましょう。


ドワーフハムスターを飼う時の注意点

ドワーフハムスターを飼う時はどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

◆ストレスを避ける

ドワーフハムスターには臆病で神経質な個体が多いです。音、光、匂い、振動などもハムスターのストレスになります。ちょっとした刺激も大きなストレスになりやすいので、ハムスターがリラックスして過ごせる環境を整えてあげましょう。

また人に慣れにくく、過度のスキンシップがストレスになるので、かまい過ぎないことも大切です。

◆怪我に注意する

ドワーフハムスターは活発に動き回る分、ケージ内での怪我に注意が必要です。転倒や落下による骨折を防ぐためにも、ケージ内は安全なレイアウトを心がけましょう。

◆脱走を防ぐ

ドワーフハムスターは小さくて動きが素早いため、ケージの外に脱走すると見つけて捕まえるのが難しくなります。ちょっとしたすき間からケージの外へ逃げてしまうことがあるので、すき間やかじって作った穴がないか、ケージを確認しましょう。

◆動物病院を見つけておく

体が小さくデリケートなドワーフハムスターは、ちょっとした体調不良も大きな負担になることがあります。具合が悪くなった時にすぐ受診できるよう、ハムスターの診察をしている動物病院を探しておきましょう。

動物病院の中には「犬や猫は診察できてもハムスターには詳しくない」「ロボロフスキーのような小さなハムスターには対応できない」という所もあります。ドワーフハムスターの診察に対応している動物病院を見つけ、かかりつけ医にしておくといざという時に安心です。


まとめ

小さくて可愛らしいドワーフハムスターに惹かれる方も多いでしょう。ひとえにドワーフハムスターといっても、品種によって外見、性格、習性は異なります。「穏和で飼いやすい」「多頭飼いできる」「鑑賞用」など、それぞれ持ち味があるので、飼育の目的に合わせてお好きな品種のドワーフハムスターを選んでくださいね。



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うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


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