1.マルギナータリクガメ(フチゾリリクガメ)はどんな生き物?
1-1.マルギナータリクガメの生態
1-2.マルギナータリクガメの寿命
1-3.マルギナータリクガメの性格
1-4.マルギナータリクガメの大きさ
1-5.他のリクガメとの違い
2.マルギナータリクガメの入手方法と平均価格
2-1.ペットショップで購入
2-2.爬虫類専門店で購入
3.マルギナータリクガメの飼育に必要なグッズ
3-1.飼育ケージ(水槽)
3-2.水入れ
3-3.餌皿
3-4.バスキングライト(保温ライト)
3-5.紫外線ライト
3-6.保温ライト(ヒーター)
3-7.床材
3-8.シェルター
3-9.温度、湿度計
4.マルギナータリクガメのえさは何を与える?
4-1.マルギナータリクガメは植物食
4-2.野菜、野草などを食べる
4-3.リクガメフードは食べる?
5.マルギナータリクガメ飼育の注意点
5-1.温度、湿度の設定は?
5-2.適温を保ってあげる
5-3.紫外線を浴びせる
マルギナータリクガメ(フチゾリリクガメ)はどんな生き物?
コロンとしたフォルムで、とても大きくなるイメージのリクガメ。
マルギナータリクガメは、そんなリクガメのなかでも比較的飼いやすいといわれており、リクガメ好きには認知度の高い品種です。
イソップ物語「うさぎとかめ」のモデルという説もあるマルギナータリクガメは、一体どのようなリクガメなのでしょうか。
ここでは、マルギナータリクガメの生態や特徴などについて、ご紹介します。
◆マルギナータリクガメの生態
マルギナータリクガメは、チチュウカイ(地中海)リクガメ属の一種で、アルバニア南部・イタリア・ギリシャなどに生息している昼行性のリクガメです。
生息地は、地中海性気候の半乾燥地帯のため、湿度の高い環境は苦手。野生のマルギナータリクガメは、温度が下がる冬季や気温が上がる夏季になると、休眠することもあるといわれています。
後部の甲板の縁の幅が広く、反り返っていることから、別名「フチゾリリクガメ」とも呼ばれています。
◆マルギナータリクガメの寿命
マルギナータリクガメは、しっかりと環境の整ったところで飼育すれば、めったに病気になることのない丈夫なリクガメといわれています。
マルギナータリクガメの寿命は、25~35年。なかには、35年以上生きたマルギナータリクガメもいます。
◆マルギナータリクガメの性格
マルギナータリクガメは、丈夫で、おっとりとした性格をしており、初心者でも比較的懐きやすいリクガメといわれています。
動きはゆったりとしていますが、意外にも運動量は豊富です。
◆マルギナータリクガメの大きさ
マルギナータリクガメは、チチュウカイリクガメのなかでは最大種といわれており、大きさ(甲長)は、25~40cmほどになります。
あらかじめ、大きくなっても問題のない環境でお迎えする必要があります。
◆他のリクガメとの違い
マルギナータリクガメが他のリクガメと異なる最大のポイントは、成長と共に甲羅の後部の縁が広がる「フレアー」です。
これは、マルギナータリクガメのなかでも、主に成体のオスに見られる特徴で、裾が広がったように見える独特の形状です。
マルギナータリクガメの入手方法と平均価格
マルギナータリクガメは、爬虫類専門店だけでなく、ペットショップなどでも購入することができます。
では、一般的にどのくらいの価格でお迎えすることができるのでしょうか?
ここでは、マルギナータリクガメの平均的な販売価格について、ご紹介します。
◆ペットショップで購入
マルギナータリクガメは、一般的なペットショップやホームセンターなどでも購入可能です。
マルギナータリクガメの一般的な販売価格は、2〜5万くらい。
なお、マルギナータリクガメは幼体が一番買いやすく2~3万円で購入でき、成体のオス、成体のメスと価格が上がっていきます。
◆爬虫類専門店で購入
マルギナータリクガメの購入は、爬虫類専門店がおすすめです。
専門店の場合、店員さんから飼育のアドバイスや病院などの情報を得られるというメリットがあります。
専門店の場合、マルギナータリクガメの販売価格は、個体により2~10万くらいと、ペットショップなどよりも幅があります。
マルギナータリクガメの飼育に必要なグッズ
ペットの場合、人間とは異なり、お迎えした瞬間から快適な環境を整えてあげることが大切です。
では、マルギナータリクガメをお迎えする際、あらかじめ準備しておかなければいけないものには、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、マルギナータリクガメの飼育に必要なグッズについて、ご紹介します。
◆飼育ケージ(水槽)
マルギナータリクガメの飼育スペースとして、個体のサイズに合った水槽や爬虫類ケージを準備してあげる必要があります。
マルギナータリクガメは、成長すると最大40cmになる場合があります。ケージの変化などによるストレスを避けるためにも、あらかじめ、大人になってからでも十分に生活できるサイズの飼育ケージを準備しておくことをおすすめします。
マルギナータリクガメが飼育ケージ内で自由に動き回れるよう、が90cm~1mくらいあるとよいでしょう。
また、蓋や鍵がついたケージや水槽にすることで、簡単に外に出ることができなくなり、脱走を防止することができて安心です。
◆水入れ
マルギナータリクガメはしっかり水分を取るので、いつでも水が飲めるよう、ケージ内には水入れを常備しておきます。
なお、水入れは、マルギナータリクガメが体重でひっくり返したりすることのないよう、重みのあるものを選んであげましょう。
深さのあまりない陶器製のものは、安定感があるので、特におすすめです。
◆餌皿
餌皿は、常にケージ内に入れておくわけではなく、餌を与えるときにだけ使用します。
マルギナータリクガメのような高さのある甲羅を持つカメは、万が一、ひっくり返ってしまうと起き上がれなくなることがあり、その場合、内臓が肺を圧迫してしまい、命にかかわる可能性もあります。
ケージ内には、安全のため必要なもの以外は置かないようにしましょう。
なお、水入れ同様、深さのあまりない陶器製のものがおすすめです。
◆バスキングライト(保温ライト)
バスキングライトは、赤外線を含む光を照射するライトです。
マルギナータリクガメは変温動物のため、自分で体温調節をすることができません。
そのため、野生下のマルギナータリクガメは、日光を浴びることで体温を上げたり、生理機能を整えたりします。
ケージ内にバスキングライトを設置することで、局所的に「バスキングスポット」を作り、人工的に日向ぼっこができる環境を作ってあげます。
そうすることで、マルギナータリクガメは必要に応じてバスキングスポットで過ごしたり、他の場所で過ごしたりできるようになります。
◆紫外線ライト
マルギナータリクガメを室内で飼育する際、健康維持のためにもう一つ必要なのが紫外線ライトです。
野生下のマルギナータリクガメは、日光を浴びることで骨格の形成に重要な栄養素であるビタミンD3を生成します。
マルギナータリクガメを室内で飼育すると日光を浴びることができないため、ケージ内に紫外線を照射できるライトを設置し、紫外線を浴びられる環境を作ります。
その他に、たまには屋外で日光浴できる機会を作ってあげるとよいでしょう。
◆保温ライト(ヒーター)
マルギナータリクガメを飼育する際のケージ内の最適温度は、25℃前後といわれています。
昼間はバスキングライトや紫外線ライトで比較的暖かい環境を保つことができますが、10℃を下回るような冬場の夜間などは、保温ライトやヒーターなどを使ってケージ内の温度を上げてあげる必要があります。
◆床材
飼育ケージ内は滑りやすいため、マルギナータリクガメの足の保護のために床材を敷いてあげます。3~5cmくらい敷き詰めてあげます。
マルギナータリクガメは乾燥地に生息するカメなので、床材には、乾燥したヤシガラ土、バークチップなど乾燥系のものを選びます。
なお、床材は汚れたら取り換えてあげます。汚れているように見えなくても、2~3か月ごとに交換してあげましょう。
◆シェルター
飼育ケージ内には、マルギナータリクガメが入れるシェルターを置いてあげましょう。
シェルターは、マルギナータリクガメにとって、隠れて休んだり、紫外線を避けたりできる場所になります。
落ち着ける場所があることで、ストレスも軽減できます。
◆温度、湿度計
飼育ケージ内に温度計、湿度計を設置し、マルギナータリクガメが常に快適な環境で過ごせるように管理します。
温度が低くなりすぎたり、高くなりすぎたりするとマルギナータリクガメは休眠状態に入ります。
上手に休眠させることは難しいため、日中の温度は26~30℃、夜間でも25℃以上に保つようにしましょう。
マルギナータリクガメのえさは何を与える?
マルギナータリクガメは、草食性の生き物です。
とはいえ、比較的大型になるルギナータリクガメは、どのようなものを食べるのでしょうか。
ここでは、マルギナータリクガメの餌について、ご紹介します。
◆マルギナータリクガメは植物食
マルギナータリクガメは草食性のため、主に野菜を中心に与えます。
さらに、果物なども与えてあげるとよいでしょう。
なお、飲み水は必要です。いつでも飲めるように、水入れを常設しておきましょう。
リクガメは主に草食性です。
また、栄養の偏りを防ぐために専用フードやサプリメントも併用することをおすすめします。
◆野菜、野草などを食べる
草食性のマルギナータリクガメの主食は、小松菜・チンゲン菜・サラダ菜・大根の葉などの野菜がおすすめです。
その他、タンポポやオオバコ、シロツメクサなどの野草も主食として与えることができます。
◆リクガメフードは食べる?
リクガメに必要な栄養素がしっかりと含まれた「リクガメフード」も市販されています。
このようなリクガメフードは、栄養を補う補助食品として与えてあげます。
また、エサにカルシウム剤をかけて与え、不足しがちなカルシウムを補ってあげるとよいでしょう。
マルギナータリクガメ飼育の注意点
マルギナータリクガメは、比較的飼いやすいリクガメといわれています。
しかし、本来、日本に生息する生き物ではないため、マルギナータリクガメに合った環境を整えてあげる必要があります。
では、いったいどのような点に注意して環境を整えてあげたらよいのでしょうか。
ここでは、マルギナータリクガメを飼育するうえでの注意点について、ご紹介します。
◆温度、湿度の設定は?
マルギナータリクガメにとって、快適に過ごせる環境温度は、日中の温度は26~30℃、夜間でも25℃以上、バスキングスポットの温度は35℃前後といわれています。
また、昼間と夜間の温度差が大きいと体調を崩したり、ケージ内の温度が低過ぎたりすると命に関わる場合もあります。
温度管理は、マルギナータリクガメの健康を保つためにもとても重要です。
また、マルギナータリクガメにとっては乾燥した環境を保つことも重要。
ケージ内の湿度は、30~50%になるように調整しましょう。
◆適温を保ってあげる
常に、ケージ内をマルギナータリクガメにとっての適温に保つためには、バスキングライトや紫外線ライトのほかに、保温ライトやヒーターなどを使用します。
しかし、飼い主さんの就寝中や留守中には温度管理が難しくなるため、ライトにサーモスタットを接続し、自動的に設定温度を保てるようにする方法があります。
サーモスタットを使えば、昼夜の温度変化を抑えることもでき、安心です。
◆紫外線を浴びせる
健康な甲羅を保つためには、カルシウムが必要です。
カメは、甲羅に直接日光浴(紫外線)を当て、カルシウムの吸収に必要なビタミンDを生成します。
万が一、紫外線を浴びることができなくなると、甲羅が白っぽくなってしまったり、柔らかくなってしまったりすることがあり、マルギナータリクガメの美しいフレアーが台無しになってしまう恐れも。
そのため、ケージ内に紫外線ライトは不可欠です。
なお、天候の良いときには外に出してあげて、直射日光を思う存分浴びさせてあげてください。
まとめ
今回は、マルギナータリクガメの特徴や飼育するうえでの注意点などについて、ご紹介してきました。
マルギナータリクガメは、もちろん飼育可能です。
しかも、マルギナータリクガメは性格も穏やかで、動きもゆっくり。草食性のカメなので、飼い主さんの負担も比較的少なく飼育できる飼いやすいカメといえるでしょう。
しかし、寿命も長く、とても大きくなるため、寿命までしっかりと面倒をみることができる環境を整えてからお迎えする必要があります。
また、万が一、体調を崩したとき、病気が疑われるときに診てくれる動物病院が少ないという欠点もあります。
そのため、お迎え前に、自宅からなるべく近いところにあり、マルギナータリクガメの診察が可能な動物病院を探しておきましょう。
マルギナータリクガメは、しっかりと準備をしたうえでお迎えしてあげてください。
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