1.文鳥は寒さに弱い鳥?
1-1.南国出身の鳥のため比較的寒さに弱い
1-2.成鳥であれば神経質になりすぎる必要はない
2.文鳥飼育の適正温度
2-1.健康な成鳥であれば室温20~25℃
2-2.湿度は50%~60%に保つ
3.寒さ対策を始める室温の目安
3-1.気温が20℃前後になったら
3-2.季節や天気に応じて臨機応変に対策してあげる
4.文鳥の寒さ対策方法
4-1.エアコン
4-2.小動物用ヒーター+サーモスタット
4-3.ケージカバー
4-4.加湿器・濡れタオル
文鳥は寒さに弱い鳥?
◆南国出身の鳥のため比較的寒さに弱い
文鳥はインドネシア原産の小鳥で、江戸時代の初期から日本に伝わったとされています。基本的に高温多湿の環境を好むため、寒さには比較的弱いと考えられます。
セキセイインコなどの鳥と比べると、より寒さが苦手なので、寒さ対策はとても大切です。
さらに外の厳しい環境で過ごしている野鳥とは違って、室内飼育されてきた文鳥は、一般的に寒さにも弱くなっていると言われています。
そのため、室内飼いで飼育されてきたペットとしての文鳥は、飼い主さんが適切な寒さ対策をして飼育する必要があるといえるでしょう。
◆成鳥であれば神経質になりすぎる必要はない
文鳥が成鳥であれば、寒さ対策についてあまり神経質になる必要はありません。室内飼いなので、飼い主さんが暮らす環境に加えて、文鳥に適した温度や湿度になるよう心がけるという対策を取れば良いでしょう。
特に気をつけなければならないのは、1才未満の幼鳥、老鳥、病気の成鳥です。幼鳥が初めての冬を迎える時、年を取って体力の落ちた老鳥、病気になってしまった成鳥は、寒さや急な寒暖の変化に弱くなっています。
そのため、それぞれの文鳥の状態に適した温度と湿度を調整して、寒さ対策をしてあげる必要があります。成鳥といっても寒がり、暑がりなど個体差もありますから、それぞれに合わせた環境づくりが大切です。
文鳥飼育の適正温度
◆健康な成鳥であれば室温20~25℃
冬の寒さ対策として、成鳥は20~25℃が適正温度と考えられます。
さらに朝晩は冷え込みが厳しくなるので、飼い主さんが寝ている時にも室温が下がり過ぎないように気をつけなければなりません。
幼鳥・老鳥であれば25〜30℃、病気の成鳥は28〜30℃が適正温度です。生まれて間もない雛鳥であれば28〜30℃くらいにすると良いでしょう。
病気を患っている文鳥については、適正温度や管理方法について寒さ対策をどのようにすれば良いか、獣医さんに指示をあおぐことをおすすめします。
◆湿度は50%~60%に保つ
日本の冬は乾燥しがちですが、エアコンを使うことでさらに乾燥しやすくなっているので、寒さ対策のためには湿度にも気を配りましょう。
しかし文鳥が多湿を好む鳥の種類だからといって、湿度が高ければ良いというものではありません。
湿度が低すぎれば乾燥して、ホコリやゴミ、ウイルスなど、体に良くないものが浮遊しやすくなり、体の粘膜部分も弱まるため、病気にかかりやすくなります。
また、湿度が高すぎれば、カビが繁殖しやすくなって餌も痛みやすくなり、やはり体に良くありません。そのため、50%~60%の範囲で湿度を保つ必要があります。
寒さ対策として温度と湿度を適正に保つためには、市販されているペット用グッズをうまく利用して、飼い主さんが暮らす環境でできる最適な方法を見つけることが大切です。
寒さ対策を始める室温の目安
◆気温が20℃前後になったら
文鳥の成鳥は20~25℃が適正温度の目安なので、20℃から温度を設定しましょう。
朝晩の時間は冷え込みやすく、日中とはまた温度の上がり方が違うので、こまめに温度を確認する必要があります。部屋と文鳥のケージのそれぞれに温度計をつけて温度管理をすると良いでしょう。
20~25℃は寒さ対策としての目安の温度なので、20℃を下回ったから即危険な状態、というわけではありません。
また、20℃を超えているから寒さ対策は完璧だ、ということも言えませんので、あくまでも目安として覚えておきましょう。
難しそうですが、温度計の時間を見つつ、文鳥の状態をよく観察しておくことで、文鳥にとって安心できる寒さ対策をとることができます。
また、ケージの置き場所によっても温度は違ってきます。室温だけでなく、ケージ内の温度も見られるように、ケージ内に温度計を着けておきましょう。
文鳥のケージは床に置くと温度が低くなりがちなので、高さのある場所に設置すると寒さ対策になります。
◆季節や天気に応じて臨機応変に対策してあげる
同じ温度だったとしても、真冬と春先、日光の当たり具合、天気の違いなどで状況は同じではありませんから、飼い主さんの体感も参考にしながら、寒さ対策をしていきましょう。
例えば、冬の終わり、春先頃に19℃くらいの室温でも、日が差してポカポカしている時には暖房をつけずに様子を見る、20℃でも外が寒くて冷える感じがする時には暖房を弱めにつけてみる、などです。
また、人間が暖かく感じても、文鳥は寒さを感じている、といった場合もあります。それは、文鳥の様子を観察しているとわかります。
毛をボワっと逆立てて丸くなっている、片足をあげてじっとしている、餌をとらない、暖房器具の近くや上に近づいている、などです。
そのような時は、適正温度の範囲で温度を上げて、寒さが改善しているかどうか、文鳥の様子を見ましょう。
もちろん、寒さを感じていなくてもこのような動きをする場合もあるので、文鳥が寒がっているとは一概に判断できません。自分の愛鳥がどんな仕草をするのか、寒い時はどんな様子をするのか、普段からよく観察しておくようにしてくださいね。
季節の変わり目は、特に文鳥の寒さ対策に気をつける時です。
冬から春にかけて、もうすぐ暖かくなるからといって暖房をつけないでいると、飼い主さんにとっては平気でも、文鳥にとっては寒すぎるかも知れません。
秋から冬にかけては、まだあまり寒くない、と飼い主さんが思っていても、文鳥は寒さを感じているかも知れません。
温度計の数字と体感温度、そしてなにより文鳥の様子をよく観察して、総合的に寒さ対策をしていきましょう。
文鳥の寒さ対策方法
◆エアコン
基本的に室内は、文鳥の適正温度20~25℃を目安にして、飼い主さんが快適である温度に設定しておくと良いでしょう。
普段から使用するものであり、飼い主さんの毎日の環境に影響するので、飼い主さんが寒さを感じない程度の温度にしておきましょう。
文鳥のための寒さ対策は、室内はエアコンを使用しつつ、文鳥のケージまわりではペット用、鳥用のグッズなどを使用して調整しておくようにすると、人間も文鳥も快適に過ごせる環境を作ることができます。
特に冬はエアコンだけでは文鳥のケージは寒くなりがちなので、ペット用グッズを併用するようにしてください。さらに乾燥しがちになるため、湿度対策をかならず取るようにしましょう。
◆小動物用ヒーター+サーモスタット
小動物(鳥、うさぎ、爬虫類など)用のヒーターと、サーモスタットを使用することで、ケージの温度を一手に保ちやすくなります。
鳥用の保温器具は、パネルヒーターやカバー付き保温電球がよく使用されています。
サーモスタットは、適切な温度を維持するために、必要に応じて加熱または冷却装置の作動および停止の切り替えを行ってくれる装置です。
温度差が激しい時や、温度の上がりすぎや下がり過ぎを防ぐために、ヒーターと合わせて使うとことで寒さ対策がより確実にできるようになるでしょう。(サーモスタット付きのパネルヒーターも販売されています。)
特に仕事で家を開ける時間が長くなる飼い主さんや、まだ文鳥の飼育に慣れていない飼い主さんにとっても、一つ持っていると安心です。
ただし、ヒーターとサーモスタットを取り付けているからといっても、飼い主さんの目で、温度計や湿度計はもちろん、文鳥の様子を見ることを忘れないようにしてください。
◆ケージカバー
ケージカバーは、文鳥の入っているケージをすっぽりと覆うことができるカバーです。夜などの睡眠時に、ケージに掛けてあげると、文鳥が落ち着いて眠ることができますが、寒さ対策にもなります。
エアコンをつけ、ヒーターをつけて、バードカバーで覆うことで、より保温効果を高め、効率良くすることができます。ただし、温度が上がりすぎてしまうこともあるので、温度管理を怠らず、換気をよくして、かぶせっぱなしにしないようにしてください。
さらに、ヒーターや電球などの保温器具をケージの外側に取り付けていると、カバーが接触して焦げたり、最悪燃えてしまったりすることもあって大変危険なので、安全に配慮し、工夫して取り付ける必要があります。
販売されているケージカバーだけでなく、緩衝材のプチプチや布、アクリルの板などを使用している飼い主さんもいらっしゃいますので、文鳥の飼育環境に合わせて自作してみるのも良いでしょう。
◆加湿器・濡れタオル
エアコンの乾燥対策として加湿器や濡れタオルを使うことも多いことでしょう。
加湿器を使う場合には、雑菌が繁殖しやすいので、常に清潔に保つよう気をつけましょう。病気で弱った文鳥や幼鳥、老鳥は、雑菌が繁殖することでさらに命に関わることもあるので、注意が必要です。
濡れタオルをケージ内や外にかけるなどして、湿度を保つこともできます。こちらも、濡れすぎは雑菌の繁殖につながりますし、タオルが乾いてしまうので交換が必要ですから、飼い主さんはこまめに手入れをするようにしてください。
バードバス、小鳥用の水浴び場所を着けていると、湿度がうまく保たれることもあります。いずれにしても湿度計をケージ内に置いて、湿度がどのくらいなのか、すぐ確認できるようにしておきましょう。
まとめ
文鳥は、南国出身であるため、寒さには比較的弱いと考えられますので、寒さ対策が必要です。
健康な文鳥の成鳥であれば、温度が20~25℃で、湿度が50〜60%くらいが快適な環境とされており、基本的に高温多湿で過ごすことを好みます。
温度計や湿度計を室内と文鳥のケージに設置し、エアコンとペット用グッズを併用して保温と保湿を行い、文鳥にとって快適な場所を作ってあげましょう。
寒さは文鳥にとって命鳥にもなりかねませんから、飼い主さんは気をつけて、毎日よく文鳥を観察し、体調の変化に気づいてあげられるようにしてくださいね。
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