ヒメコンゴウインコはどんな鳥?他のコンゴウインコとの違いや飼うための環境について

2022.11.13

ヒメコンゴウインコはどんな鳥?他のコンゴウインコとの違いや飼うための環境について

ヒメコンゴウインコは、中型のコンゴウインコです。コンゴウインコとは、一般的にはコンゴウインコの名がつくインコたちの総称として用いられており、ヒメコンゴウインコはそのうちの種類のひとつになります。ヒメコンゴウインコについて、大きさや寿命、飼育方法、特徴などをご紹介します。


有名なコンゴウインコの種類4選

コンゴウインコは世界最大のインコで、一般的にコンゴウインコと名前がつくインコの総称です。

コンゴウインコと呼ばれるインコたちには、現存する6属に分類された約20種があります。どの種類の子も基本的に、とても鮮やかな色の羽毛が特徴的です。

さらに、どのコンゴウインコも基本的に人懐こくて知能が高く、声真似が上手でおしゃべりも得意です。

一般的によく知られているコンゴウインコとして、ルリコンゴウインコ、ベニコンゴウインコ、スミレコンゴウインコ、ヒメコンゴウインコがあげられます。

◆ルリコンゴウインコ

ルリコンゴウインコ

ルリコンゴウインコは、大型のペットとして有名なインコです。原産地は中米南部のボリビア、パラグアイなどの熱帯雨林です。

大きな体で、背中と頭部分は名前のとおり瑠璃色(紫の強い鮮やかな濃い青)、体前面は黄色、額の一部分には緑、という鮮やかな体色を持っています。大きなインコなので、一般家庭向けというよりは、動物園などで飼育されることも多いインコです。

体長は、80~90cm ほどで、体重900~1200g前後となっています。寿命は約50~60年以上だとされています。

とても賢く、人懐こい性格をしており、特に好きになった飼い主さんにはとてもよく懐きます。

◆ベニコンゴウインコ

ベニコンゴウインコ

ベニコンゴウインコは、大型のコンゴウインコの仲間では最も知られている存在で、コンゴウインコ属では最大の鳥です。南アメリカ北部の森林、熱帯雨林に分布しています。

頭部分は赤で、目の周りにも特徴的な赤い縞のような模様を持っています。胸部分と羽の上部と尾のほとんども赤ですが、羽の中心部は瑠璃色で、中心より少し下部に緑色のアクセントになる部分があります。

体長は100cm前後にまでなる大型のインコで、体重は1000~1700gほどとされています。寿命は約50〜60年ですが、もっと長く80年ほど生きる個体もいると言われています。

◆スミレコンゴウインコ

スミレコンゴウインコ

スミレコンゴウインコは、その名の通り、全体的に美しいスミレのようなブルーの羽毛が特徴的な、ブラジル固有の大型インコです。

翼部分は青紫色で、尾の方は暗い青となり、ブルーのグラデーションとなっています。目の周りとくちばしに黄色いポイントがあります。希少種のため、ブラジルでは保護の対象となっています。

頭部が大きく、体長は100cmほどにもなり、体重も1200以上になります。購入しようとすれば高級車なみの値段がします。寿命は50年前後とされています。

◆ヒメコンゴウインコ

642075_ext_33_0_S
ペットの専門店コジマより引用

ヒメコンゴウインコは、南アメリカを中心に分布しているインコで、フロリダでは野生の群れを見ることができます。コンゴウインコの中では小型の部類となります。

コンゴウインコとしては小さめといっても、体長は30cmから40cm前後で、体重は300~400g前後とされていますので、ペットの鳥としては大きな部類です。

頭も胸部分も濃い鮮やかな緑色の羽毛をしており、目の周りは白い肌になっています。

他のコンゴウインコよりは落ち着いた色をしているように見えますが、羽を広げると赤や黄青色のアクセントがあって華やかになります。


ヒメコンゴウインコはどんな鳥?

ヒメコンゴウインコはコンゴウインコの中でも小型の種類だとわかりましたが、実際にはどんな性格をしていてどのくらい長生きするのでしょうか。
特徴を見ていきましょう。

◆性格

一般的にコンゴウインコは人に慣れやすく賢いインコですが、中でも特にヒメコンゴウインコは飼い主によく懐いて、よく甘える性格をしています。

ただ、他のコンゴウインコと違ってシャイな面も持っているため、根気よくしつけをしたり遊んだりしてあげる必要があります。

ヒメコンゴウインコは飼い主との強い絆を求め、よく遊びたがり、飼い主がいないと寂しがるので、しっかりと相手をしてあげなければなりません。

性格は他のインコよりも穏やかで、人になついて芸を教えてもよく覚えますが、好きな人以外にはなつかない傾向もあります。

いったん懐くと、転がったり体を擦り付けたりと全身で愛情表現をし、かまって欲しい時や寂しい時には大声で鳴いて呼ぶようにもなります。

◆鳴き声

ヒメコンゴウインコの鳴き声はとても大きく、音の対策をしてもご近所には聞こえてしまうほど響きます。

鳴き声としては「グワーッ!」「アー!」「ギャー!」という感じで、金切り声と表現されることもあります。

一日中鳴き続けるわけではなく、朝と夕方ごろのほぼ決まった時間に大きな声で鳴きます。

もちろん、飼い主さんを呼んだり、他の鳥と遊ぶ時やおもちゃで遊んだりする時などに、興奮して鳴くこともあります。

◆寿命

ヒメコンゴウインコの寿命は、他のコンゴウインコと同じく長く、30〜50年前後とされています。

インコ用のペレットを中心に、おやつに種子や果物をあげるなどして食べ物に気をつけて、よく遊んで健康的に育てていけば、さらに長生きできる可能性もあります。

飼い始めを考えると、飼い主さんの寿命と同じやそれ以上になってしまう可能性があるため、一生を共にする覚悟が必要ですね。


ヒメコンゴウインコを飼うための環境

ヒメコンゴウインコを迎える環境

◆どんな家なら飼える?

ヒメコンゴウインコは、体長が30から50cm前後と、ペットの鳥の中では大きいため、そのサイズにあったスペースのケージが必要となります。

鳴き声も大きいため、吸音材を敷いたり壁に取り付けたり、防音壁を置くなどの防音対策は必ずしなければなりません。

飼い主の普段の生活はもちろん、近隣の迷惑を考えると、マンションやアパートなどでは、飼うのはあまりおすすめできません。

さらに、人懐こくて飼い主さんと強い結びつきを求めますし、賢くて遊び好きなので、一緒に過ごしたり、遊んであげたり、自由に羽ばたいたりできる空間が必要です。

ヒメコンゴウインコにはケージの外に出して自由にさせる時間も必要です。これを放鳥と言いますが、短い時間でも朝と晩の2回は放鳥してあげるのが理想です。

放鳥する部屋には止まり木になるスタンドを用意し、窓はカーテンを閉めてぶつからないようにして、安心して運動できるようにさせてあげましょう。

ヒメコンゴウインコには、日光浴や水浴びさせることも大切です。日光浴はケージ内でもできますが、水浴びは、体が大きいので、洗面所やお風呂場を使うのがおすすめです。

以上のことから、一軒家が好ましいのはもちろん、防音対策ができるような部屋があり、ヒメコンゴウインコが窮屈さや運動不足を感じないようなスペースを確保できる環境が良いでしょう。

◆どんなケージが必要?

ヒメコンゴウインコは体長30~50cmほどになるため、目安として、少なくとも幅60cm×奥行き60cm×高さ80cm〜100cm以上のケージが必要となります。

クチバシの力がとても強いので、ステンレスなどの丈夫な材質で、金網も太めの、大型の鳥用のケージがふさわしいでしょう。

止まり木もヒメコンゴウインコの足に合わせた太さのあるものを、最低2本は設置しましょう。止まり木に止まった時、前指と後ろ指がわずかに接しない程度の太さが適しています。

●あわせて読みたい
インコ飼育に必須の止まり木!種類と選び方を解説

インコが1日の長時間過ごすことになる止まり木は、生活の中で最も大切なアイテムと言っても良いでしょう。長さや太さ、材質など、インコにとって最適な止まり木を選んであげたいものです。インコ用の止まり木の良い選び方やおすすめ商品、設置の仕方についてご紹介します。

記事はコチラボタン

ストレス解消や寂しがらないために、ケージや止まり木におもちゃを置いたりつるしたりしておくのもおすすめです。

自然木でできた止まり木だと、太さも一定ではなく足に適度な刺激が与えられます。多少かじっても問題ありません。ただし、すぐボロボロになる可能性があるので、こまめに確認して取り替えるようにしてください。

また、簡単なつくりの扉のケージだと、賢いヒメコンゴウインコが扉を開けて脱走してしまうこともあるそうです。

外出時などに安心できるように、外付けの南京錠などもケージに設置しておくと良いでしょう。

ヒメコンゴウインコをストレスなく飼える大型ケージは、インコやオウムなどを扱っている大型ペットショップやホームセンターであれば置いてあるでしょう。

さらにケージ掃除の時などに、ヒメコンゴウインコを入れておける別のケージもあると安心です。同じ大きさのものまでは必要ないかも知れませんが、窮屈でなくて緊急時にも使えるようなものを用意しておきましょう。

◆自分がお世話できなくなった時に託せる人はいる?

ヒメコンゴウインコの寿命は30年から50年にもなり、飼い主と一生を共にするだけでなく、飼い主さんより長生きする可能性もあります。

そのため、いざという時、飼い主さんが飼えなくなっても、誰かかわりにお世話できる人を見つけておくことがとても重要です。

ヒメコンゴウインコと暮らすには、大きなケージの設置と放鳥できるスペースが必要なだけでなく、防音対策も必須で、一緒に過ごす時間も必要です。

かわりにヒメコンゴウインコの面倒を見られる人は、飼い主さんと同じような環境を作れる人でなくてはなりません。

さらに毎日遊んでコミュニケーションを取ってあげなくてはならないので、家族の理解が必要ですし、一人暮らしの場合にはもっと覚悟と準備が必要です。

自分に何かあった時に、上記のような条件を踏まえて、ヒメコンゴウインコを実際に託せる人を見つけておき、普段から慣れておいてもらうことが大切です。


まとめ

ヒメコンゴウインコは中米南部から南米北部を原産とするコンゴウインコ属の鳥で、体長も30〜50cmほどになり、ペットとしては大きな部類となるインコです。

全体的には緑色が目立ち、他のコンゴウインコに比べると落ち着いた雰囲気ですが、羽を広げると鮮やかな赤や青の羽毛が華やかです。

鳴き声が大きく、防音対策が欠かせません。さらに放鳥するスペースとケージの設置場所が必要になります。

ヒメコンゴウインコは飼い主さんとの強い絆を求め、とてもよく懐く賢い鳥です。寿命は平均して40年以上になりますから、ヒメコンゴウインコを飼う人は、一生を共にする覚悟を持って飼育してください。



– おすすめ記事 –

・白色オウムのオオバタンって?特徴や飼い方を紹介
・人気のインコ・オウムの種類7選!性格や特徴、寿命、飼い方の注意点は?
・鮮やかな色彩が魅力のコキンチョウってどんな鳥?ヒナは怖い?その生態と飼育方法
・スローな動きの癒し系!サザナミインコってどんな鳥?性格・特徴・値段など


focebookシャア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
nekoninja

nekoninja

ネコ、犬、インコ、金魚などと暮らした経験を生かし、飼い主さんに役立つよ うな記事を作成しています。 ペット情報を日々チェックしながら、ペットについて勉強中です。かわいいペ ットをメインとしたイラスト作成もしています。


記事に関するお問い合わせはこちら