1.フトアゴヒゲトカゲはこんな生き物
1-1.生態
1-2.特徴
1-3.体の大きさ
1-4.平均寿命
2.フトアゴヒゲトカゲはこんなところが可愛い!
2-1.とにかく顔が可愛い
2-2.赤ちゃんの時と大きくなってからのギャップ
2-3.小さな恐竜のようでかっこいい
2-4.仕草がかわいい
2-5.モルフ(柄、色)が様々
2-6.割とハンドリングしやすい
3.フトアゴヒゲトカゲの飼育難易度は?
3-1.爬虫類の中でも飼いやすいと言われている
3-2.飼育頭数が多いので用品が充実している
3-3.動物アレルギーの人でも飼える可能性も
3-4.虫が平気
4.フトアゴヒゲトカゲを飼うのに向いている人は?
4-1.大きなケージが置ける部屋がある
4-2.光熱費を気にしない
4-3.最後まで面倒を見られる
フトアゴヒゲトカゲはこんな生き物
◆生態
フトアゴヒゲトカゲは、オーストラリアに生息する爬虫類です。
大きな頭を持ち、身体の全長は、成長した個体で40〜50cmほどで、尻尾の長さは25cm前後もあり、平べったくて太い体つきをしています。
体全体にトゲ状のうろこがあり、身体の両側面には大きめのトゲが規則的に並んでいます。顎部分には大きめのトゲがびっしりと生えています。
砂漠や森林など様々な場所に生息しています。地上でも木の上でも生活し、昼行性で日向ぼっこを好みます。
生まれてからは主に昆虫を食べますが、成長するにつれて野菜や果物などの植物を食べるようになります。
◆特徴
フトアゴヒゲトカゲは全身がうろこに覆われていて、体の両側面と顎下には特に長めのトゲがついています。
トゲは固そうに見えますが、カチカチではなく、触るとゴムのような柔らかさがあります。
体の色は基本的に砂のような茶色や褐色、クリーム色ですが、生息地によって黄色や赤色の強いものもいます。また、様々な模様を持ったものが存在します。
フトアゴヒゲトカゲのオスは、発情期になると、顎下部分からお腹にかけて体の色が黒くなります。
また、威嚇のために大きく口を開けて顎を膨らませることがありますが、この時にも顎の下が黒くなることがあります。
怒った時や不安な時など、感情の変化によって顎の下が黒っぽくなるのは、オスメスともに見られる特徴で、これがフトアゴヒゲトカゲという名前の由来ともなっています。
このような感情による顎の色の変化は全てのフトアゴヒゲトカゲにあるわけではなく、個体差があります。
さらに発情期にはボビングといって、首を激しく上下に振る動作をするのも特徴です。主にオスがする行動ですが、メスでもすることがあります。
このボビングは、オスがメスに求愛したり、縄張りを主張したりするために相手を威嚇している行動だとも言われています。
◆体の大きさ
フトアゴヒゲトカゲは、成長に連れて大きくベビー期→ヤング期→アダルト期に分けられます。
ただし、ヤング前後は明確に定義が決まっていないので、範囲が広くなっています。そのため、ヤングとアダルトの間の時期を、ヤングアダルト期と呼ぶこともあります。
・ベビー期 全長が15~20㎝までの大きさ(生後2~3か月ほど)
・ヤングアダルト期 20~45㎝の大きさ(生後3か月〜6か月ほど)
・アダルト期 40~55㎝の大きさ(生後6か月以上)
上記はひとつの目安として考えられています。
体重は、生まれたばかりで1g程度しかありませんが、3ヶ月から半年程度で20g〜50gまで成長します。
アダルトになると、300g〜500gほどの体重になります。
◆平均寿命
フトアゴヒゲトカゲの平均寿命は7~8年前後です。飼育方法や個体によってはもっと長く生きることもあり、飼育下の環境によっては15年ほど生きるものもいます。
フトアゴヒゲトカゲはこんなところが可愛い!
◆とにかく顔が可愛い
フトアゴヒゲトカゲは頭が大きく、つぶらな丸い瞳が離れ気味についています。
口も大きく、餌を食べる時や威嚇する時など、パカッと開けた状態がかわいいと感じられるようです。
大きな表情の変化がないフトアゴヒゲトカゲですが、だからこそ飼い主が感情を想像し、よりかわいらしさが増すとも考えられます。
◆赤ちゃんの時と大きくなってからのギャップ
フトアゴヒゲトカゲが赤ちゃんの時は、当然ですがとても小さく、細い体つきをしています。
頭が大きめなだけで、一般的に庭などで見るカナヘビやヤモリとあまりと変わらないように見えます。
しかし成長するに連れて全身や顎のトゲが目立つようになり、体長も40〜50cmと大きくなってきて、ゴツゴツしたいかついイメージとなります。
ベビー期の小ささとかわいさ、成長してきてどんどんゴツゴツといかつくなっていくギャップに惚れ込む人も多いようです。
◆小さな恐竜のようでかっこいい
フトアゴヒゲトカゲがヤングからアダルトになって体が大きくなり、トゲが大きくなってくると、見た目はまるで小さな恐竜のようになります。
歩く姿や餌に飛びつく姿、特徴的な威嚇する時の顎が膨れる様子など、まさに恐竜を思わせるような見た目です。
普段私たちが生活していて見られる小さなトカゲやヤモリ、カエル、イモリなどと違い、ある程度の大きさがあるため、より恐竜のようなイメージで見られるようです。
◆仕草がかわいい
フトアゴヒゲトカゲは、頭を上下に激しく動かす「ボビング」や、ゆっくりと前足を後ろから前に向かって回してくる「アームウェービング」といった特徴的な動きをします。
ボビングは素早い動きですが、アームウェービングはゆっくりとしていて、それぞれにかわいさがあります。
さらにじっとこちらを見たり、首をかしげる動きをしたりと、飼い主が喜ぶような仕草をしてくれます。
餌を与える時には、個体にもよりますが手に乗ってきたり、一生懸命餌に飛びついたりするのもかわいい仕草のひとつです。
◆モルフ(柄、色)が様々
フトアゴヒゲトカゲは、ペットとして人気があり品種改良が進んでいるので、様々な柄や色をしたものが存在します。
人気のあるモルフの主なものは、次のような種類があります。
・ノーマル
基本は褐色ですが、赤系、茶系、黄色系、灰色系などがあります。それぞれの色に合わせて、帯状に濃い模様が入っています。
レッド系、イエロー系、オレンジ系、ホワイト系など、それぞれに濃淡の違いで分けられています。例えば、レッド系ではブラッディレッド、スーパーレッドなど、イエロー系ではシトラス、レモンファイヤー、ゴールデンなどがいます。
・ハイポメラニスティック
色素変異の品種で、黒い色素が減退しているものです。フトアゴヒゲトカゲは爪が黒いのですが、これが透明であったり、黒い筋が残っているだけであったりします。
・トランスルーセント
ハイポメラニスティックと同様に透明の爪を持ち、目も黒目になっている種類です。レッド、イエロー、オレンジなどのカラーバリエーションがあります。
・レザーバック
体表のトゲがあまり大きくなく、レザーのように滑らかな体表をしています。特徴的な大きめの模様をしています。
・シルクバック
鱗のデコボコがほぼなく、名前のとおりシルクのようなつるりとした肌をしていて、人気の高いモルフです。
特に珍しい個体は、ペットとしても人気があり、値段も高額になっています。
◆割とハンドリングしやすい
フトアゴヒゲトカゲは、他のペットとして飼われる爬虫類に比べて、ハンドリングしやすいと言われています。
手に乗せたり、抱っこしたり、触ったりしやすく、あまり人間の手を怖がらないということです。
そのため、スキンシップを楽しんだり、餌やりの時に手に乗せて与えたりできるという楽しみがあります。
もちろん個体差があるので、ハンドリングが嫌いなものもいますし、無理に触るのは禁物です。
フトアゴヒゲトカゲの飼育難易度は?
◆爬虫類の中でも飼いやすいと言われている
フトアゴヒゲトカゲはハンドリングしやすく、頭も良いので、爬虫類の中では比較的飼いやすいと言われています。
性格も穏やかで、爬虫類の中でも警戒心が少ないことが多く、人に慣れやすいことも飼いやすさの理由です。
また、砂漠が生息地のひとつなので、体が丈夫な個体が多いということもあります。
さらに、世話としては餌やりと排泄物の処理や掃除などですが、飼育環境を正しく整えることができれば、日々の世話はそれほど難しくありません。
◆飼育頭数が多いので用品が充実している
フトアゴヒゲトカゲは人気があり飼育されている頭数が多いので、飼育のための用品が多く手に入ります。
餌の種類や必要なケージや床材、飼育に必要なバスキングライトや紫外線ライトなど、爬虫類専門店だけでなくインターネット通販でも購入ができます。
◆動物アレルギーの人でも飼える可能性も
フトアゴヒゲトカゲは毛が生えていませんので、動物アレルギーがある人でも飼える可能性があります。
動物アレルギーのある人は、毛だけでなく、動物の皮脂や唾液などが原因であることもありますが、犬や猫と比べてフトアゴヒゲトカゲにはそれが少ないため、動物アレルギーの人も飼育を検討できるペットです。
ただし、爬虫類にもアレルギーが発症することがあります。動物アレルギーを持つ人は一度調べてから飼育することをおすすめします。
また、爬虫類飼育には紫外線ライトが必要になります。多くの場合は心配いらないかと思いますが、紫外線に過敏な人は注意が必要です。
フトアゴヒゲトカゲを飼うのに向いている人は?
◆大きなケージが置ける部屋がある
フトアゴヒゲトカゲは体長が40〜50cmにもなるので、広いケージが必要です。
ケージ内で向きを変えたり、自由に動き回ったりすることを考えると、長さ90cmで幅と高さが50cm前後ほどの広さのあるものがおすすめです。
ケージを置く丈夫な台も必要です。台は扉がついていて中に餌や用具を保管できるようになっているものがあります。
フトアゴヒゲトカゲがストレスを感じないようにするためにも、ケージの周りが飼い主の生活音で騒がしくならないような場所や部屋に設置する必要があります。
◆光熱費を気にしない
フトアゴヒゲトカゲの飼育には、ヒーターや温度計、バスキングライト、紫外線ライトといった温度管理をするものが必須です。
常時つけている必要がある機材もあるので、電気代は必ずかかるものとして考えておきましょう。
◆最後まで面倒を見られる
フトアゴヒゲトカゲの寿命は平均で7〜8年で、飼育環境によっては10年を超えるなど、さらに長くなることも考えられます。
他のペットと同様に天寿を全うするまで、面倒を見る覚悟が必要です。
◆虫が平気
一番のハードルになるのは、ここかもしれません。ベビー期のフトアゴは昆虫メインの雑食性です。
そのため、コオロギ、デビュア(翅のないゴキブリ)、ミルワームなどの昆虫を与える必要があります。
虫に耐性がある人でないと、なかなかハードルの高いラインナップです。
虫が苦手だけど、どうしてもフトアゴヒゲトカゲをお迎えしたいという方は、人工フードに慣れた大人の個体を探すのがおすすめです。
まとめ
フトアゴヒゲトカゲは、ハンドリングがしやすく、比較的飼いやすいとされている爬虫類です。
トゲが多いかっこいい見た目と、特徴的なアゴを膨らます動作に比べ、首をかしげるなどかわいい仕草とのギャップにとても人気が高いペットです。
飼いやすいとはいえ、温度管理や紫外線管理、餌の与え方や栄養管理など、気をつけることがたくさんあります。
一般的なペットの哺乳類とは違うことを理解して適切なお世話をすることで、長く一緒に過ごすことができる爬虫類です。
フトアゴヒゲトカゲを家族に迎えた際には、環境を十分に整えて、愛情を持って接してあげてくださいね。
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