ペットのトカゲは何を餌にする?トカゲの種類別の食性と与えるべき餌や注意点、拒食対策を解説

2022.09.30

ペットのトカゲは何を餌にする?トカゲの種類別の食性と与えるべき餌や注意点、拒食対策を解説

ペットのトカゲといっても、種類によって様々な食性を持っています。 それぞれの食性と与える餌、与える際の注意点や、万が一、拒食を起こしてしまった場合の対処法をまとめてみました。 おうちで飼っているトカゲの食性を知り、適切な餌を与える事で、より元気に一緒に楽しく暮らしましょう。

【目次】
1.ペットのトカゲは何を食べる?
 1-1.種類によって食性が違う

2.トカゲの食性の違いと、餌の種類
 2-1.肉食
 2-2.昆虫食
 2-3.雑食
 2-4.植物食

3.食性に合っていても気を付けたほうがいい餌
 3-1.肉食トカゲに野生のネズミは与えていい?
 3-2.昆虫食のトカゲに庭にいるダンゴムシやバッタは食べさせていい?
 3-3.雑食と植物食のトカゲには与えてはいけない野菜は?

4.トカゲに餌を与えるときに注意すべきこと
 4-1.肉食
 4-2.昆虫食
 4-3.雑食と植物食

5.健康な体を保つためにサプリメントも必要

5.トカゲが餌を食べない時の対処法
 5-1.構い過ぎ?
 5-2.環境を見直そう
 5-3.脱皮前後は食べない
 5-4.餌が気に入らない
 5-5.食べ過ぎている
 5-6.怪我、病気を患っている

6.まとめ

【掲載:2021.11.20  更新:2022.09.30】


ペットのトカゲは何を食べる?

◆種類によって食性が違う

ペットのトカゲと言ってもそれぞれ食性が異なり、食べる物はそれぞれ違います。
主に「肉食」「昆虫食」「雑食」「植物食」、4つに食性は分かれています。


トカゲの食性の違いと、餌の種類

◆肉食

代表例)サルバトールモニター、サバンナモニター

ベビーサイズは昆虫を食べていますが、アダルトサイズになるとほとんどが肉食になります。
アダルトサイズはウズラやピンクマウスなどの冷凍肉などを与えます。
よく食べる個体が多いので、肥満に注意が必要です。
最近では肥満防止として、たんぱく質を豊富に摂れる卵や鶏肉などを与える飼主様が多いです。

◆昆虫食

代表例)カナヘビやニホントカゲ

小型から中型のトカゲに多い食性です。
一般的にフタホシコオロギ、ヨーロッパイエコオロギ、デュビア、レッドローチを与えます。
フタホシコオロギやヨーロッパイエコオロギは冷凍で販売していることが多く、生餌の管理が難しい飼主様におすすめです。
ミルワームやハニーワームなどのワーム類は嗜好性が良いのですが、脂肪が多くハイカロリーになるため、時々与えるぐらい程度にしましょう。
最近はゲルなど人工フードが発売されているので、虫が苦手な方でも昆虫食トカゲは飼いやすいと思います。
ただし人工フードは小型トカゲには大きさが大きいので、与える際は小さくカットしてから与えなくてはいけません。

◆雑食

代表例)フトアゴヒゲトカゲ、アオジタトカゲ

ベビーサイズまで昆虫食ですが、ヤングサイズからアダルトサイズにかけて雑食性に変わります。
アダルトサイズまでに野菜をメインとして人口フードや虫を与えましょう。
昆虫食から雑食に食性を変わる時期、切り替えが難しく悩まれる飼主様もいると思います。
最初は、与えている虫を野菜に挟んで与えるなどして、野菜を口に含ませるようにしましょう。
与える野菜の大きさは最初小さく、虫と同じぐらいの大きさです。
少しずつ自然と口に入れられるようになれば、野菜の大きさを大きくしていき、与える量を増やして慣れさせましょう。
大変な時期で、重要な時期でもあるので、焦らず少しずつ切り替えていくことで、将来の肥満防止に繋がります。
野菜はカルシウムを多く含み、リンが少ない小松菜、チンゲン菜、豆苗、ニンジン、レタスなどがおすすめです。

◆植物食

代表例)グリーンイグアナ

野菜を主に食べます。
野菜と言っても葉菜類でカルシウム豊富でリンが少ない、小松菜やチンゲン菜、大根の葉、もやしなどを与える飼主様が多いです。
りんごなどフルーツを与えてもいいのですが、糖質が高いため与えすぎないよう注意が必要です。
人工フードがあるので、野菜と併用して与えるのがおすすめです。
一見、野菜を主に与えるので、生餌や冷凍餌の管理がいらず、簡単に飼育ができるような印象を受けますが、この4つの食性の中で、一番、飼育難易度は高いです。
植物性のトカゲは、気性が荒かったり繊細だったりと馴れるのに、かなり時間を必要とします。
飼育環境は慎重に整えていかないといけません。
さらに、野菜を主に与えるからこそ栄養をしっかり考えないと、すぐに栄養バランスが崩れやすいので、トカゲと飼主様、お互い根気強く付き合う覚悟が必要です。


食性に合っていても気を付けたほうがいい餌

トカゲの食性

食性が全く異なる餌を与えてしまうと、消化不良を起こし体調を崩す原因となってしまいます。
また食性として合ってはいるものの、本当に与えていいのか疑問がでる場合もあります。
そちらの疑問を一覧にしてみました。

◆肉食トカゲに野生のネズミは与えていい?

野生の生き物は感染症の元となる寄生虫などが寄生していますので、絶対に与えないようにしましょう。
わざわざ寄生虫が感染するリスクを負った状態で、野外のネズミを食べさせるよりも、ショップで管理販売している餌を与えるだけで十分です。

◆昆虫食のトカゲに庭にいるダンゴムシやバッタは食べさせていい?

庭や公園など野外で採取できる虫を与えていいとは言われていますが、あまりおすすめしません。
なぜながら、こちらも寄生虫が潜んでいる可能性が高いからです。
緊急性があって食べさせる飼主様がいるかもしれませんが、現在は人工フードも販売されているので、人工フードを普段の餌と一緒に定期的に与え、慣れさせましょう。
慣れたら、いつも食べさせている虫がない場合に使用するのがおすすめです。

◆雑食と植物食のトカゲには与えてはいけない野菜は?

カルシウムの吸収を邪魔するシュウ酸カルシウムを多く含む野菜、ホウレン草は与えないでください。
レタスはほとんど水分でできているので、レタスのみで与えるのは避けましょう。
ブロッコリーとキャベツは食べ過ぎてしまうと、甲状腺腫を引き起こす可能性がありますので、与えすぎに注意が必要です。
犬猫同様、刺激が強い玉ねぎやネギ、ニンニクは中毒を起こす可能性があります。与えてはいけません。


トカゲに餌を与えるときに注意すべきこと

◆肉食

冷凍肉を使う場合、しっかり解凍して与えましょう。
50度ぐらいのお湯に与える分だけ冷凍肉をしばらく浸けて、冷凍肉が全体的に常温になり、肉の真ん中辺りを指で押して、内部に柔らかさを感じたら解凍できています。
バスキングランプやパネルヒーターを使って解凍する方法もあります。
解凍が肉の中までしっかりできていないと、消化不良や下痢など体調を崩す原因となるので気を付けましょう。

◆昆虫食

こちらも冷凍虫を使用する場合、しっかり解凍してから与えましょう。
消化不良や下痢など体調を崩す原因となります。
生餌の場合は、虫の逆襲に注意が必要です。トカゲの臓器を傷つけてしまうことがあります。
特に顎が強いコオロギやジャイアントミルワームを与える際は注意してください。
できたら、虫の頭をピンセットなど潰すか、もしくは取り除いて与えるのがおすすめです。

◆雑食と植物食

与える野菜に注意しましょう。必ずカルシムが豊富でリンが少ない野菜を与えてください。


健康な体を保つためにサプリメントも必要

カルシウムやビタミンのサプリメントを必ず餌に振りかけて与えましょう。
どうしても飼育状態で飼われているトカゲたちは食べる餌が決まっているため、栄養価が偏りやすくなります。
そのためカルシウムとカルシウムの吸収を助けるビタミンDが必要不可欠です。
万が一、欠けると「くる病」を発症しやすくなります。
どれくらい餌に振りかければいいのか悩まれる方もいると思いますが、カルシウムの場合は、過剰にかけてもしまっても問題はありません。不要な分は排泄物で出てしまいます。
ビタミンDのみで与えるときは注意をしましょう。
ビタミンDの過剰摂取は、血中のカルシウム濃度を上げてしまい、血管や腎臓などにカルシウムが付着して、命に関わる体調不良を起こしかねません。
基本的にカルシウムとビタミンD、2つで1つのサプリメントで販売していることが多いので問題はないかと思いますが、カルシウムとビタミンDを別々のサプリメントを利用する場合は気を付けましょう。

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トカゲが餌を食べない時の対処法

餌

今まで食べていたのに急に食べないことを「拒食」と言います。
拒食の原因はストレスです。
ストレスといっても様々な理由があるので、必ず原因となる要因を見つけ解消していきましょう。

◆構い過ぎ?

特にお迎えしたばかりに多い拒食理由です。
お迎えして2、3日は触れず様子を見ましょう。
餌を食べる間隔が空く肉食や昆虫食のトカゲはお迎えした直後は餌を与えず様子を見ましょう。
肉食や昆虫食のベビーサイズのトカゲはお迎えし2~3日後、確実に消化ができる最低限の量をピンセットで与え、トカゲには絶対に触れないでください。
ピンセットで食べない場合は、皿に置いておくだけで十分です。
毎日餌が必要な雑食や植物食のトカゲは、トカゲが食べる際に飼主様が見えない場所に餌皿を置き、人を気にせず食べられる環境作りをして様子をみましょう。

◆環境を見直そう

日本は春夏秋冬、季節があります。
その季節の温湿度によって、一定に保てているようで温度と湿度がいつもと異なってしまう場合や、トカゲの適応温湿度ではなかった場合、拒食を起こしてしまいます。
ケージ内に必ず温湿度計を設置するのがおすすめです。

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●見やすいデジタル表示でケージ内の温度と湿度を測定することができます。
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●付属のマジックテープでケージの外側に取り付けることができます。

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また飼育ケース内のレイアウトを変更したばかりでも拒食は起こります。
レイアウトすぐに餌を与えるのでなく、時間を置いてから与えてみましょう。
それでも食べない場合はレイアウトが気に入らない場合があります。できたら食べていた時のレイアウトに変更してあげてください。

◆脱皮前後は食べない

脱皮する前後は食べが悪くなるトカゲがいます。
その際は餌を与える間隔を空けて、少量で与え様子をみましょう。
トカゲの模様や色が白く濁っていないか確認をお願いします。白く濁っている場合は、近々脱皮をするので構わず様子をみましょう。
脱皮後は脱皮した皮を食べてお腹がいっぱいになっているトカゲもいます。

◆餌が気に入らない

餌に対してこだわりがあるトカゲもいます。
また怖い、痛い思いをした場合も拒食は起こります。特に昆虫食のトカゲであります。
そのトカゲに合った餌はなにか観察して、与え選びましょう。

◆食べ過ぎている

食べ過ぎてしまって消化不良を起こしている場合、拒食を起こします。
そのトカゲの一日の給餌量が適切か見直しを行いましょう。
消化不良と一緒に下痢をしてしまうことがあるので、便を確認して、下痢が確認できた場合は、必ず病院に相談ください。

◆怪我、病気を患っている

トカゲが怪我をしてしまったり、病気を患ってしまい食べられない場合もあります。
拒食以外に、元気がなく明らかに弱っている場合は必ず病院に相談しましょう。


まとめ

ペットのトカゲは主に「肉食」「昆虫食」「雑食」「植物食」と食性が分かれています。
それぞれ食べる餌は違うので、必ず飼っているトカゲの食性を理解し、適切な餌を与えましょう。
適切ではない餌を与えてしまうと、体調を崩す原因になってしまいます。
またトカゲは「拒食」をすることがあります。
拒食の原因はストレスですが、ストレスの要因も色々あります。万が一、拒食をした場合は原因を明らかにして取り除きましょう。
餌を食べず体調不良が気になる場合は、必ず動物病院へ相談をお願いします。
飼っているトカゲの食性をしっかり理解することで、健康管理がより把握しやすくなり、病気やけがの早期発見にも繋がります。
長生きしてもらって、楽しいトカゲライフを送りましょう。



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