ハムスターに白菜をあげてもいい?
◆結論としては与えても大丈夫!
野生のハムスターは、植物の種子や、茎、葉や根、昆虫などを食べる、草食傾向の強い雑食性と言われています。一方、家庭で飼育されるペットのハムスターには、主食として「ペレット」(ハムスターフード)を与えるのが一般的です。ペレットは、小麦粉、大豆粉、コーンミールなどの粉末を固めて作られており、ハムスターの体に必要な栄養素をバランスよく取れるようになっています。
この他に、副食(おやつ)として、野菜を与えます。野菜は、ニンジン、ブロッコリーなどの他、白菜も与えることができます。ただし、どんな野菜でもOKというわけではありません。野菜の種類によっては、ハムスターに有害なものもあるため、あらかじめ確認するようにしましょう。
<与えてもよい野菜の例>
・ニンジン・ ブロッコリー ・白菜 ・キャベツ ・小松菜
<与えてはいけない野菜の例>
・ネギ ・タマネギ ・ニラ ・アボカド ・アスパラガス 等
※上記は一例です。心配な場合はかかりつけの獣医師に相談してから与えた方がよいでしょう。
◆与える量に要注意
ハムスターの主食は、あくまでもペレットです。野菜は副食ですので、主食であるペレットが食べられなくなるほど、大量に与えてはいけません。野菜はごくわずかな量から与えるようにして、主食であるペレットを食べ残さないように、量を調節してみて下さいね。
◆副食はなぜ必要なの?
ハムスター専用のペレットには、タンパク質、炭水化物、脂肪など、各種栄養素がバランスよく含まれています。ペレットと新鮮な水のみを与えれば、野菜などの副食を与えなくても大丈夫なのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、副食を与えることで、ビタミンやミネラルなどの不足しがちな栄養素を、効果的に補うことができます。また、単調な食事にバリエーションを持たせ、飼い主さんとハムスターのコミュニケーションを促進することにも繋がります。
その他の副食として、野菜の他には、果物(リンゴなど)や植物の種子(ヒマワリやカボチャなどの種)も好まれるようです。ただし、果物には糖分が多く、種子には脂肪分が多いです。いずれもハムスターの肥満の原因となるため、与えすぎには要注意です。
◆ハムスターが白菜を食べない場合は無理に与えない
白菜は、ハムスターに与えても大丈夫な野菜です。とは言え、ハムスターにも好みがありますので、個体によってはあまり好まないこともあるでしょう。その場合は、無理に与えず、他の野菜で代用すればOKです。
白菜ってどんな野菜?
白菜は、アブラナ科アブラナ属の野菜です。一年を通じて入手できますが、11月~2月頃が特に旬の時期です。ビタミン、ミネラル、食物繊維等を多く含み、低カロリーで、水分含有量が多いです。風邪や便秘の予防、美容効果もあると言われており、煮物や鍋、炒め物など幅広い料理に使われる人気の野菜です。
◆栄養素
ビタミンC、ビタミンK、カリウム、マグネシウム、食物繊維等を多く含みます。
◆カロリー
可食部100gあたりのエネルギーは約13kcalです。低カロリーの野菜です。
◆水分量
可食部100gあたりの水分量は約95.2gです。水分の多い野菜です。
◆塩分量
可食部100gあたりの塩分量は0gです。
白菜を与える時の注意点
白菜の与え方にも色々あります。共通の注意事項として覚えておきたいのは、新鮮な白菜を使用すること、使う前によく洗うこと、冷たすぎたり、熱すぎたりする状態で与えるのは避け、常温にしてから与えることです。葉っぱの色、においなどをチェックして、傷んでいるものは使わないようにしましょう。
◆白菜は生で与える?茹でて与える?
ハムスターは生の白菜を食べます。かじるのが好きなハムスターであれば、生のままで良いでしょう。
高齢や病気などで硬い野菜を好まない場合は、軽く茹でるか、レンジで加熱してもよいかもしれません。ただし、熱いまま与えるとやけどをしてしまいますので、加熱後はしっかり冷ましてから与えるようにしてください。
◆乾燥させて与えるのがベスト
少し手間がかかりますが、白菜を洗って水気を切った後、干して乾燥させると、与える水分量を減らすことができます。ペットフードを扱うお店では、小動物向けの様々な「乾燥野菜」が販売されています。水分が気になる場合は、このような商品を利用してみるのも、一つの方法です。
◆白菜は水分量が多いので下痢に注意が必要
白菜は水分の多い野菜です。白菜を与えた後は、ハムスターが下痢を起こしていないか、いつもよりも注意深く見てあげて下さい。
◆適切なサイズに切って与えよう
ハムスターは、餌を前足で持って食事をします。食事をする様子はとても可愛らしいですね。白菜を与える時は、ハムスターが持つことのできる程度の大きさにカットしてから与えましょう。大きすぎると、食べられなかったり、口の中に詰まってしまったりする危険があります。
ハムスターには白菜の葉と芯どちらを与える?
白菜を与える際、葉っぱの部分と芯の部分、どちらを与えたらよいのでしょうか。
ハムスターは、どちらも食べることができますが、芯の部分は、葉っぱの部分よりも水分が多めですので、特に注意した方がよいかもしれません。様子を見ながら、少量を与えましょう。
白菜の加工品は絶対に与えない
上記で解説してきた通り、ハムスターには、副食として、少量の白菜を与えることができます。
しかし、人間の食事を分け与えることは、絶対に避けましょう。これは白菜に限らず、他の野菜でも同様です。人間の味覚に合わせて調理や味付けをした食材は、ハムスターにとっては味が濃く、塩分が多いです。また、一緒に調理した、他の食材の成分が混ざっていたりもします。これらは、ハムスターには大変危険です。ご家庭の食卓によく登場しそうな白菜料理には、例えば以下のものがあります。ハムスターが誤って食べてしまわないよう、十分に注意したいものですね。
◆白菜の漬物
漬物とは、野菜などの食材を食塩、酢、酒粕などに漬けることによって、長期保存を可能にした食品で、言うまでもなく、生野菜よりも塩分が高いです。塩分の過剰摂取は、腎臓病などの重い病気の原因になってしまいます。人間にとっては「たったこれだけ」と思うような量でも、体の小さいハムスターにとっては大きな影響があります。漬物には、絶対に近づかせないようにしましょう。
◆お鍋の残り物などの料理
漬物と同様、鍋つゆにも、塩分が多く危険です。また、鍋の煮汁には、一緒に煮込んだ他の様々な野菜の成分も溶け出しています。特に、ハムスターに有害なネギ類(ネギやニラ等)は、少量でもたいへん危険で、命にもかかわるものです。鍋料理の残り物の白菜は与えないようにしましょう。
大切なハムスターの健康のために
ハムスターの寿命は、平均で2~3年程度と言われています。
決して長いとはいえない生涯を、少しでも健康で元気に過ごしてもらえるように、毎日の食事に気を付けたいものですね。人間や他のペットと同様、健康維持のためには、運動と栄養バランスを考えた食事が大切です。ハムスターは雑食性のため、与えれば比較的、何でも食べてしまう傾向があります。飼い主である私達が、ハムスターの体のことをよく知り、適切に食事を管理してあげたいものです。食欲不振や、下痢などの症状がある場合は、遠慮せずにかかりつけの動物病院を受診しましょう。
まとめ
ハムスターの主食はペレットですが、副食(おやつ)として野菜を与えると、ビタミンなどの不足しがちな栄養素を補給でき、飼い主さんとのコミュニケーションにもなります。野菜の中には、与えてもよい野菜と、与えてはいけない野菜があります。白菜は与えても大丈夫な野菜ですが、水分を多く含むため、下痢に注意が必要です。ペットフードのお店で取り扱われている、小動物用の「乾燥野菜」を活用してみるのもよいと思います。
ハムスターの寿命は2~3年程度と、ペットの中では比較的短いです。適切な食事で、少しでも長く健康に過ごしてもらえるようにしましょう。この記事を大切なハムスターの健康管理に役立てていただければ嬉しいです。
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