ハムスターにも臭腺はある?ハムスターのにおいが気になるときの原因は?

2023.01.21

ハムスターにも臭腺はある?ハムスターのにおいが気になるときの原因は?

臭腺は、マーキングや威嚇などの際に、においのついた液体を出す器官です。 臭腺といえば、スカンクやカメムシなどが有名ですが、あまりイメージのないハムスターにも、臭腺はあるのでしょうか? また、臭腺から出る日ごろのにおいについても気になります。 今回は、このような不安を解決すべく、ハムスターには臭腺があるのか?においの心配はないのか?などについて、ご紹介していきます。


ハムスターの臭腺とは?

ハムスター

臭腺とは、動物の体表にある強いにおいの液体を分泌する器官です。
臭腺を持つ動物たちは、マーキングして縄張りを主張したり、敵を威嚇したり、異性をアプローチしたりするなどの目的で、そのどうぶつ特有のにおいを持った液体を分泌します。
実は、ハムスターにも、この臭腺があるのをご存じですか?
ここでは、そんな臭腺が、ハムスターのどこにあって、どのような役割をするのか?について、ご紹介していきます。

◆どこにある?

ハムスターの臭腺がある場所は、ハムスターの種類によって異なります。
たとえば、ゴールデンハムスターには、両側の腰に黒く丸い隆起のように見える臭腺があります。
また、ジャンガリアンハムスター、キャンベルハムスター、ロボロフスキーハムスターには、腹の真ん中に窪んだ丸い臭腺があります。
さらに、このなかのジャンガリアンハムスター、キャンベルハムスターには、左右の口角にも臭腺があり、腹の臭腺とは異なる役割を果たしています。
このように、ハムスターの種類によって臭腺の位置や形状が異なることからも、「臭腺そのものに気が付かなかった!」という飼い主さんもいらっしゃるのでは?
あらかじめハムスターの臭腺の位置を知っておけば、臭腺を誤ってしこりや異常と見間違えてしまうようなこともなくなります。是非、確認してみてください。

◆どんな役割?

一般的に、動物たちは、マーキング、威嚇、異性への求愛などの目的で、臭腺からそのどうぶつ特有のにおいを持った液体を分泌します。
ハムスターの臭腺は、そのなかでも、マーキングやオスからメスへの求愛を主な役割としています。
なお、ハムスターは、オスにもメスにも臭腺がありますが、オスの臭腺の方が発達しており、においもオスの方が強いのが特徴です。
視力が弱く、嗅覚の優れたハムスターにとって、臭腺から発せられるにおいは、縄張りや異性の認識などさまざまな情報を把握するために必要なものなのです。
ちなみに、ジャンガリアンハムスターやキャンベルハムスターの左右の口角にある臭腺のは、腹にある臭腺とは異なり、敵への威嚇の際に液体を分泌する役割があるといわれています。
このように、種類によって臭腺の位置や数が違ったり、位置によって異なる役割を持つ臭腺があったりするとは、とても面白いですね。


ハムスターが臭いときは臭腺が原因?

ハムスターには臭腺という器官があり、その臭腺からにおいのある液体を出してマーキングしたり、求愛したりします。
では、ハムスターのにおいが気になる、ハムスターが臭い、というときは、まずはこの臭腺を疑うべきなのでしょうか。
ここでは、ハムスターが臭いときの原因について、みていきましょう。

◆人間にとって臭腺のにおいはさほど気にならない

健康なハムスターの臭腺のにおいは、人間にはほとんど気になりません。
ただし、臭腺にトラブルがある場合、飼い主さんが気になるにおいを発する場合があります。
そのときは、速やかに獣医師さんに相談しましょう。
なお、発情期のメスは、臭腺とは別に、膣から分泌物を出します。
この分泌物は、メスが発情期であることをアピールする意味があり、粘り気があり、量も多めで、においが強いのが特徴です。
ハムスターのメスの発情は4日周期です。もしも、においが気になるときは、動物のケージ内におけるペット用消臭剤などを使うと良いでしょう。

◆ハムスターが臭いときはケージの中を掃除して

ハムスターが臭いと感じるとき、そのにおいの原因の多くは、おしっこだと考えられます。
ハムスターのうんちはあまり臭いませんが、おしっこは濃く、においが強いのが特徴です。
ハムスターのおしっこが染み込んだ床材は、時間が経つとさらに強いにおいを放ちます。
また、エサやおやつなどの食べ残しなども次第ににおいを発するようになるため、そのまま放置しておくことは悪臭の原因となります。
ハムスターの臭いにおいを防ぐためには、常にケージ内を清潔に保つことが重要です。
こまめにお手入れをし、においやにおいの元を溜め込まないようにしましょう。


ハムスターの臭腺のお手入れ

ハムスターの臭腺は、においのある液体を出すため、そのままにしておくとにおいが染みついてしまうのではないかと心配になる飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
汚れたときにお手入れをしてあげるのはもちろんですが、ハムスターの臭腺を飼い主さんが定期的にお手入れをする必要はあるのでしょうか?
ここでは、ハムスターの臭腺のお手入れについて、ご紹介していきます。

◆基本的に飼い主の手助けは不要

結論からいうと、基本的に、ハムスターの臭腺を飼い主さんがお手入れをする必要はありません。
ハムスターは、日ごろから、毛繕いと共に臭腺のケアも自分でしっかりと行っています。
ただし、ぽっちゃりで自分でのケアが難しかったり、臭腺や臭腺周辺にトラブルがあったりするような場合は、飼い主さんの手でのケアが必要となります。
その際は、温かいタオルやガーゼなどで優しく拭いてあげるようにしましょう。
なお、万が一、臭腺に異常を感じた時は、速やかに獣医師さんに相談してください。

◆砂浴びの時に自分でお手入れする

ハムスターは、「砂浴び」をする習性があります。
ハムスターにとって砂浴びは、乾いた砂に体を擦りつけることで体を清潔に保つ、ハムスターのお手入れ方法のひとつ。
この砂浴びをすることで、ハムスターの臭腺も自然とお手入れされます。
このように、常に自然にハムスターが臭腺のお手入れができるよう、ケージ内にハムスター用の砂を入れた砂場を設置してあげましょう。
環境を整えてあげると、飼い主さんの手を借りなくても、ハムスターはきちんと自分でお手入れしてくれます。


臭腺に異常がみられるときの原因

ハムスター

ハムスターの臭腺はお手入れの必要はありませんが、万が一に備えて、スキンシップのときなどに健康チェックすることをおすすめします。
臭腺やその周りに何らかの異常やいつもと違う様子が見られたら、速やかに獣医師さんに相談してください。
ここでは、ハムスターの臭腺に見られる異常とその原因について、ご紹介していきます。

◆臭腺が濡れているとき

臭腺から分泌物が出ているときは、臭腺が濡れて見えたり、その周辺の毛が濡れていたりすることがあります。
特に、分泌物が多いときは、かなり濡れている感じがして心配になるかもしれませんが、心配する必要はありません。
濡らしたタオルやガーゼなどで優しく拭いてあげ、落ちるようでしたら全く問題ありません。

◆臭腺が腫れているとき

臭腺が濡れているときと異なり、腫れが見られるときは、獣医師さんへの相談が必要になる場合があります。
なお、ハムスターの臭腺やその周りに腫れがあったり、しこりがあったりするときは、次の2つの原因が考えられます。
・臭腺が炎症を起こしている

粘性の分泌物が周りの毛に絡むなどして臭腺が炎症を起こし、内部が化膿してしまうことで、臭腺やその周辺が腫れてしまうことがあります。
このような場合は、痛みを伴うことがあるため、すぐに受診することをおすすめします。

・腫瘍ができている

ハムスターは、腫瘍ができやすい動物のため、特に高齢の場合は注意が必要です。
臭腺の周りに腫瘍ができることもあります。
腫瘍が疑われるような場合は、速やかに受診してください。

◆臭腺にかさぶたがあるとき

臭腺にかさぶたができたときは、基本そのままにしておきます。
気になるときは、綿棒でかさぶたにオイルを添付して湿らせ、かさぶたを浮かせてあげると取れやすくなります。
臭腺から出る粘性の強い分泌物が臭腺周辺の毛に絡んでしまい、かさぶたのようになる場合があります。
このような場合は、濡れたタオルなどで拭いたり、小動物用の水のいらないシャンプーを使用したり、絡んだ毛のみをカットしたりすることで、塊を取り除いてあげましょう。
なお、万が一、かさぶたから出血していたり、膿が出ていたりするような場合は、速やかに受信することをおすすめします。


まとめ

今回は、ハムスターの臭腺についてご紹介してきました。
そもそも、「ハムスターに臭腺があることを知らなかった!」という方もいらっしゃったかもしれません。
ハムスターにとって臭腺は、視覚の弱いハムスター同士が、嗅覚を使ってお互いを感じ取るためのにおいを発する、重要な器官です。
とはいえ、ハムスターの臭腺から発するにおいは、人間が気になるほどのにおいではないため、万が一、ハムスターの臭いが気になってきたとしても、この臭腺が原因という場合は少ないと考えましょう。
ハムスターの臭いを防いだり、臭腺のトラブルを予防したりする方法としては、ケージ内をこまめに掃除して清潔に保ったり、スキンシップのときに臭腺の様子を確認したりすることがとても重要です。
また、ハムスターの臭腺は、飼い主さんが特別なお手入れをする必要はありませんが、ハムスターの習性を活かし、ケージ内には、砂浴びができる砂場を置いてあげましょう。
においが気になるような状況は、飼い主さんにとってもハムスターにとても不快です。
常に、ハムスターが快適に生活できる環境を整えてあげてください。



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kava_2mame

kava_2mame

こどもの頃から、爬虫類、小動物、ワンコなど、さまざまな動物と共に生活してきました。 今まで出会ってきた動物たちとの経験を活かしながら、新しい情報、役立つ情報をキャッチし、ご紹介していきたいと思います。


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