1.金魚が水面でパクパクする仕草には名前がある
1-1.「鼻上げ」と呼ぶ
1-2.人に馴れた金魚はエサを求めてぱくぱくする
1-3.苦しくてぱくぱくすることも・・・
2.金魚が水面でパクパクしているときの原因
2-1.水中の酸素不足
2-2.水質の悪化
2-3.水槽に対して金魚の数が多い
4.正しい金魚の飼い方
4-1.金魚の数と水槽の大きさ
4-2.ポンプはあった方がいい
4-3.水が汚れないように注意する
金魚が水面でパクパクする仕草には名前がる
金魚を飼育した経験のある人なら、一度は水面で口をパクパクしているところを見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。
この金魚が口を水面でパクパクさせる行為には名前があり、実は注意しなければならない行動の場合もあります。
◆「鼻上げ」と呼ぶ
金魚が水面付近で泳ぎ、口をパクパクさせている仕草、これは通称「鼻上げ」と呼ばれています。
飼育方法が全く問題ない場合にも見られる行動ですが、実は飼育環境の悪化による金魚からのSOS信号の場合もあります。
SOS信号の場合は、飼育環境を改善する必要があります。
金魚が水面でパクパクする理由を1つずつご紹介していきます。
◆人に馴れた金魚はエサを求めてパクパクする
観光地などの池にいる鯉が、池の近くに人が通るとエサ欲しさに水面にやってくる光景を見たことはないでしょうか?
金魚もそれと同じように、エサを求めて水面でパクパクしている場合があります。
人に飼育されて人間に慣れている金魚は、人間がエサを水槽に入れてくれると学習しています。
そのため、人影が見えると水面に集まり口をパクパクさせながらエサを待機しているのです。
また、実際にエサを食べている場合もあります。
水槽内に発生したプランクトンなどの微細なエサを食べている場合も、口をパクパクさせています。
◆苦しくてパクパクすることも・・・
エサが欲しい時の他に、金魚は苦しくて水面で口をパクパクさせている場合もあります。
この場合は水槽の飼育環境が悪化している金魚からのSOS信号になりますので、飼育環境を改善するようにしましょう。
エサを求めてパクパクしている時と苦しくてパクパクしている時の見極めは
- 人がいないときも長時間パクパクしている
- エサを与えても食べずにパクパクしている
- エラの動きがいつもより早い
上記のようなことが当てはまればSOS信号のパクパク行動になるので、よく観察して見極めるようにしましょう。
金魚が水面でパクパクしているときの原因
金魚が苦しくて水面でパクパクしている時に考えられる理由はいくつかあります。
ここからは、代表的な3つの原因をご紹介したいと思います。
◆水中の酸素不足
金魚をはじめ、多くの魚類はエラ呼吸をしています。
口から水を入れ、エラから出すことで水の中に溶け込んでいる酸素を体内に取り込んでいます。
その水中に溶け込んでいる酸素の量が少なくなり、酸欠状態になると、金魚は水面で口をパクパクさせます。
空気中の酸素を直接取り込もうとしているように見えますが、空気と水が激しく混ざり合うことで、より酸素が水中に溶けやすくなるので、口をパクパクと動かす振動で酸素を水中に溶かし、鰓で呼吸をしていると言われています。
また、水の中の酸素が不足してしまう原因は、後述する金魚の数と水槽の大きさが適正でない場合や、水温が上昇している場合が考えられます。
水温が高いと酸素は水中に溶けにくくなってしまうため、夏場は特に注意が必要です。
◆水質の悪化
また、水質の悪化も金魚が口をパクパクする原因になることがあります。
水槽の水質が悪化してしまうと、金魚は呼吸が苦しくなり水面で口をパクパクさせます。
毎日の餌の入れすぎや、水換えの頻度が低いと、たとえ水が透明に見えていたとしても金魚にとって有害なアンモニアや亜硝酸の濃度が高くなり、とても危険な水質になっている場合があります。
すぐできる対応として、半分〜1/3程度の水換えをしましょう。
一度に全部の水を換えてしまうと、水質の変化に金魚が対応できず、ショックで体調を崩してしまう場合がありますので、半分以上の水を交換するのは避けるようにしましょう。
また、中長期的な対応として、アンモニアを分解するバクテリアがたくさん定着できるように、濾過フィルターの強化も効果的と言われています。
◆水槽に対して金魚の数が多い
水槽に対してたくさんの金魚を飼育している場合も、水中の酸素が少なくなり、水面で口をパクパクさせる原因となります。
狭い部屋にぎゅうぎゅうに人が入れられ、窓やドアが開かない状況を想像すると、酸欠になってしまうことは容易に想像がつくと思います。
金魚も同じで、水槽に対してあまりにも多い数を入れているとすぐに酸欠になってしまいます。
また、金魚の数が多いとその分エサを入れる量が多くなり、食べ残しも多くなります。
もちろん糞の量も多くなりますので、それが原因で水質悪化にもつながってしまいます。
金魚同士もストレスが溜まってしまいますので、後述する適正な飼育数を守るようにしましょう。
一匹だけがパクパクするときは病気が原因?
酸欠や水質の悪化の場合は、水槽にいるほとんどの金魚が水面で口をパクパクさせますが、一匹だけパクパクしている場合は病気がエラ病という原因の場合もあります。
エラ病とは金魚が呼吸するための鰓に、細菌や寄生虫などが付いてしまい、鰓が機能不全になってしまう病気の総称です。
鰓の機能が著しく低下してしまうため、金魚が呼吸困難に陥り水面でパクパクと口を動かします。
- 片方しか鰓が動いていない
- いつもとは違う鰓の動きをしている
- 鰓の動きが異常に早い
- 鰓が腫れている
- 鰓が赤黒く変色している
- 鰓が溶けたような感じになっている
このような症状が見られたらエラ病を疑いましょう。
また、エラ病の原因のひとつであるカラムナリス菌は、尾ぐされ病や口ぐされ病を併発してしまう恐れもあります。
他の金魚にも病気がうつってしまう可能性もありますので、エラ病が疑われた場合は、他の水槽に病気の金魚を隔離し、塩浴
薬浴などの治療をするようにしましょう。
また、予防法としては水質を悪化させないことになりますので、定期的な水換えと水槽の掃除を怠らないようにしましょう。
正しい金魚の飼い方
金魚は、金魚すくいなどで簡単に手にいれることが可能ですし、ホームセンターやアクアリウムショップなどで安価で購入できる種類も多いため、観賞魚飼育の入門に最適なお魚です。
ですが、飼育方法を間違えてしまうとすぐ弱ってしまう生き物でもあります。
ここからは、正しい金魚の飼い方についてご紹介していきます。
◆金魚の数と水槽の大きさ
金魚が水槽で泳ぎ回っている姿はとても可愛らしく、1匹飼い始めると次々と増やし、水槽内を賑やかにさせる方をよく見かけます。
先ほどもご紹介した通り、水槽の大きさに対して金魚の数が多すぎると、酸欠や水槽悪化の原因となってしまいますので、増やす前に適切な飼育数を知っておく必要があります。
一般的に魚を飼育する場合、体長1cmに対して1リットルの水が必要になると言われています。
体長4〜5cm程度の金魚の場合、約4リットルの水が入る幅20cmほどの水槽で1匹まで。
約12〜25リットルの水が入る幅30〜40cmほどの水槽で4〜5匹までの飼育が可能です。
おそらく、想像するよりかなり少なめの数ではないでしょうか。
上記以上の数で過密飼育してしまうと、水質の悪化やそれに伴う病気のリスクが上がりますので、水槽の大きさと飼育数は意識するようにしましょう。
◆ポンプはあった方がいい
ポンプやエアレーションと呼ばれる水槽でブクブク泡を出す機材はできれば設置しておきましょう。
空気を水槽内にブクブクと送り込むことで水面を揺らし、空気の中の酸素を水に溶け込みやすくしています。
その他にも、水流を発生させ、水槽内の温度や酸素濃度を全体的に均一にする役割も果たしています。
ひと昔前のエアポンプはかなりうるさく感じましたが、最近ではとても音が静かで、振動が抑えられたものもたくさん販売されていますので、金魚のためにも設置してあげることをおすすめします。
◆水が汚れないように注意する
水質の悪化はさまざまな病気の原因になります。
そのため、水槽の水が汚れを抑えるようにしていくことが大切です。
基本は先ほどもご紹介したように、飼育の数を守ることと、定期的な水換えです。
水換えの目安は1週間に1回、水槽全体の半分〜1/3の水を交換します。
一気に全部水を換えてしまうと、水槽内で発生したアンモニアなどを分解してくれるバクテリアがいなくなってしまい、急な水質の変化に金魚が対応できずストレスがかかります。
かといって、交換する水の量が少ない場合は水質を改善することができませんので、半分〜1/3を目安で行うようにしてください。
夏は水質が悪化しやすくなりますので、金魚の様子を見ながらもう少しこまめに水換えをするのもいいでしょう。
水換えの他、普段からできることとして、
- 餌をあげすぎない
- 食べ残しや糞をスポイトやネットなどで取り除き綺麗にする
など日常的に気を付けていくことをおすすめします。
まとめ
金魚が水面で口をパクパクさせている姿は、人に慣れていて餌を欲しがっている場合はとても愛らしい行動に見えるかもしれません。
ですが、水質の悪化や病気によりパクパクさせている場合は適切な対処が必要になってきます。
金魚のためにも、そのサインがどちらなのかを見極め、場合によっては水換えや治療などの対応を行うようにしてください。
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