1.フェレットを放し飼いにしたいが大丈夫?
1-1.フェレットは放し飼いに向いていない
1-2.基本的にケージ飼育と考えて
2.フェレットを放し飼いにできない理由
2-1.運動能力と好奇心が強い探検家
2-2.学習能力が高い
2-3.細い隙間も通り抜けてしまう
2-4.高所から落ちると危険
2-5.放し飼いを続けてしまうとケージの生活に耐えられなくなる
3.ずっとケージに入れていなければいけないの?
3-1.遊ばせるときはケージの外に出しましょう
4.フェレットをケージの外で遊ばせるときのポイント
4-1.誤飲・誤食の危険性があるものは片付ける
4-2.フェレットが抜けられそうな隙間はふさぐ
4-3.チャイルドロックをかけておく
4-4.時間を決めて遊ばせる
フェレットを放し飼いにしたいが大丈夫?
フェレットを飼う時に自由に暮らしてほしい、放し飼いをしたいと思う飼い主さんは少なくありません。
ペットとして大人気の犬や猫はお家の中で放し飼いにするのが一般的ですが、フェレットの場合はどうなのでしょうか。
◆フェレットは放し飼いに向いていない
結論からお伝えすると、フェレットの放し飼いはおすすめできません。
フェレットには好奇心旺盛で遊び好き、更には狭いところが大好きという性質があります。
そんなフェレットを放し飼いしてしまうと、思わぬところで事故が発生し、最悪の場合、フェレットが命を落としてしまう可能性が非常に高くなります。
絶対に不可能とは言い切れませんが、フェレットは性質上、放し飼いに向いていないペットなのだと認識しましょう。
◆基本的にケージ飼育と考えて
フェレットの飼育に慣れている飼い主さんのなかには、放し飼いしている人がいるのも事実です。
しかし、「フェレットはケージ飼育が基本」ということを忘れないでください。
飼い主さんが常にフェレットの側にいられるなら、放し飼いも上手くいくかもしれません。
しかし、たとえ在宅ワーカーでもトイレやお風呂はもちろん、外出の用事など、フェレットから目を離さざるを得ない時間は発生してしまいます。
フェレットのケージ飼育を基本としていれば、万が一も回避できるはずです。
フェレットを放し飼いにできない理由
フェレットは性質上、放し飼いに向いていないとお伝えしましたね。
ここでは、その性質をより詳しく解説します。
◆運動能力と好奇心が強い探検家
実は、フェレットは高い運動能力も持っています。
家具から家具へと飛び移ったり、50cm程度の障壁を軽々飛び越えたり、爪を引っ掛けてカーテンをよじ登ったり…フェレットはその短い手足からは想像がつかないパワーを秘めた小動物なのです。
そんなフェレットには気になるものを見つけたらとことん調査する探検家気質なところもあります。
飼い主さんがきちんと隠しているつもりでも、お部屋の中を調査するうちに電源コードを見つけて噛み、フェレットが感電してしまう可能性は捨て切れません。
あるいは落ちているビニールを誤飲して腸閉塞などの深刻な事態を招いてしまう恐れもあるでしょう。
フェレットは好奇心が強い分、危険をかえりみない行動が多いので放し飼いには向いていないのです。
◆学習能力が高い
フェレットの学習能力の高さも侮れません。
お部屋を探検している時に引き出しの中や扉の向こうなど、フェレットがどうしても調査できない場所が出てきます。
そんな時も、フェレットは決して諦めません。
何度も調査を繰り返し、いつの間にか扉や蓋の開け方、引っ張り方、すり抜け方を学習してしまうのです。
一度学習されてしまうと、完璧に安全な環境でフェレットを放し飼いすることは難しくなってしまうでしょう。
◆細い隙間も通り抜けてしまう
小動物の巣穴に入り込んでいた野生時代の狩猟本能からか、フェレットは狭いところを見つけると探検したくなるようです。
飼い主さんが気づかないうちに、家具と床のわずかな隙間から手の届かないところまで入り込んでしまうことも珍しくありません。
侵入したはいいものの出てこられなくなったり、圧迫されたことで重大な事故に繋がってしまったりする可能性は否定できません。
個体差はありますが、フェレットはなんと2.5cm以上の隙間なら侵入できると言われています。
部屋中のわずかな隙間を全て埋めるのは相当な重労働であり、非現実的ではないでしょうか。
◆高所から落ちると危険
フェレットは家具から家具へ飛び移ったり、階段を駆け上ったりすることで高い所へも行くことができます。
一方で、フェレットの視力はあまり良くなく、両目であっても見えている範囲が狭いため、高所にいる感覚がよく分からないと言われています。
その結果、転落して骨折してしまう事故が非常に起きやすいです。
放し飼いをするなら、お部屋の家具の配置などが、フェレットが高いところに行きやすい形になっていないか十分に確認しなくてはなりません。
しかし、飼い主さんの想像以上にフェレットの運動能力は高いため、どんなに注意をしていても自信を持って「安心安全な部屋」と言い切るのは難しいのが正直なところでしょう。
◆放し飼いを続けてしまうとケージの生活に耐えられなくなる
これまでのフェレットの性質を踏まえて、「きちんと監視できる在宅の時は放し飼いにして、外出の用事があるときだけケージに入れればいいだろう」と考えた在宅ワーカーさんもいるのではないでしょうか。
しかし、放し飼いの時間が長くなればなる程、狭くて暗いケージの中ではフェレットがストレスを抱えてしまう可能性が高まります。
最悪の場合、体調を崩してしまうかもしれません。
フェレットの放し飼いは事故が起きやすいだけでなく、やむを得ずケージに入れた時のリスクも高いのです。
ずっとケージに入れていなければいけないの?
フェレットはケージ飼育が基本と繰り返しお伝えしてきましたが、「ずっとケージに入れておくの?」と疑問に思った人もいるでしょう。
結論からお伝えすると、ケージに入れっぱなしはフェレットの心身の健康上おすすめできません。
ぜひ、フェレットを外に出す時間も作ってください。
◆遊ばせるときはケージの外に出しましょう
飼い主さんが一緒に遊べる時には、フェレットをケージの外へ出してあげることが大切です。
長い胴体を持つフェレットは、ある程度広さのあるケージでも狭く感じる傾向があります。
また、高い運動能力を発揮して遊ぶにも、やはりケージの中では不十分でしょう。
近年ではペットショップにフェレット用のおもちゃがよく並ぶようになりました。
種類も豊富ですので、ケージの外で遊ぶのにぴったりなおもちゃを見つけてみてはいかがでしょうか。
フェレットをケージの外で遊ばせるときのポイント
前述の通り、フェレットをケージの外に出して一緒に遊ぶことはとても大切ですが、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
ここでは最後に、フェレットと飼い主さんが安心してお部屋で遊べるようになるための基本的な注意点を4つご紹介します。
◆誤飲・誤食の危険性があるものは片付ける
フェレットが誤飲や誤食してしまいそうなものは、とにかく片付けるに限ります。
フェレットの好奇心は相当なものですので、これは食べないだろうと自己判断せず、とにかく片付けておくと安心です。
また、電気コードやゴミ箱を撤去するのはもちろんのこと、テーブルの上のものにも気を配る必要があります。
テーブルまでは届かないだろうとフェレットの身体能力を甘く見てはいけません。
飲み残しや食べ残し、タバコの吸い殻などもフェレットと遊ぶ時には別の部屋に持っていくなどして片付けましょう。
◆フェレットが抜けられそうな隙間はふさぐ
窓や扉の隙間だけでなく、家具と床の隙間にも注意が必要です。
繰り返しになりますが、フェレットは2.5㎝以上の隙間であれば入り込むことができます。
万が一のことがないように、窓や扉にサークルをつけたり、家具の足を取り外して直置きに変更したりといった工夫が必要です。
家具の足を取り外す作業が面倒な時にはスポンジやゴムでできたグッズで隙間を埋めようと考える飼い主さんもいるでしょう。
しかし、それらの素材ではフェレットがかじって誤飲してしまう危険性がありますので、隙間を埋める時には木製グッズの使用をおすすめします。
また、冬の寒い時期にはガスヒーターやストーブの吹き出し口が危険です。
フェレットと遊ぶときは別の部屋に移動させることをおすすめします。
◆チャイルドロックをかけておく
ドアや引き出し、電化製品などにはチャイルドロックをかけましょう。
チャイルドロックは本来、人間の子どものイタズラを防止するものですが、フェレットにも有効活用できます。
予期せぬ事故を防ぐためには、フェレットが引っ張ったり、押したりしても開けられないような工夫が必要です。
チャイルドロックを筆頭に、有効活用できそうなものはどんどん使ってみましょう。
◆時間を決めて遊ばせる
フェレットは1日平均18時間も眠ります。
1度にたくさん寝るのではなく、数時間寝て1時間ほど活動し、また数時間寝るというような生活スタイルです。
そのため、さっきまで元気に遊んでいたのに、いつの間にかぐっすり眠っているなんて事も珍しくないでしょう。
フェレットの生活サイクルを乱さないように、ケージからお部屋の外に出して遊ぶ放牧時間は1時間以内と決めることをお勧めします。
まとめ
いかがでしたか。この記事では、フェレットは放し飼いできるのかについて徹底解説しました。
フェレットは身体能力が高いだけでなく、非常に賢い小動物です。
ケージに入れている時間が長いとなんだかかわいそうに感じてしまう飼い主さんも少なくないですが、フェレットの生活サイクルや安全面を考えると、ケージ飼育を基本とすることはとても大切なのです。
ぜひ、この記事を参考にしてフェレットと正しい放牧生活を送ってみてはいかがでしょうか?
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