1.フトアゴヒゲトカゲがぐったりしている!
2.考えられる原因①:脱水症状を起こしている
2-1.脱水症状が見られた時の対処法
3.考えられる原因②:保温器具が不調・故障している
3.適切な温度でない時対処法
4.考えられる原因③:病気
4-1.生体の見た目や環境に変化が見られない時の対処法
フトアゴヒゲトカゲがぐったりしている!
普段元気なフトアゴヒゲトカゲが、急にぐったりしていて驚くことがあります。
万が一、フトアゴがぐったりしているように見えたら、どうしたらよいのでしょうか?
もしも、フトアゴヒゲトカゲがぐったりしているように見えたら、まずはかかりつけの病院を受診する、もしくは、電話で相談してみることをおすすめします。
万が一、診察時間外の場合は、夜間診療を受け付けている病院を受診しましょう。
このようなときのためにも「かかりつけ医を見つけておくこと」「夜間診療してもらえる病院を見つけておくこと」は、とても大切です。
併せて、フトアゴヒゲトカゲが調子を崩す可能性があること、その原因を知っておくことも重要ですので、いくつかケースを紹介します。
考えられる原因①:脱水症状を起こしている
フトアゴヒゲトカゲは乾燥気味の森林、低木地、砂漠などに生息する乾燥に強い生き物ですが、過度な乾燥による湿度不足は脱水症状を引きおこします。
飼育下ではケージ内の乾燥が影響する場合と、フトアゴが”流れのある水”しか認識できないことから、ケージ内に置かれた水入れからなかなか水を飲んでくれないという場合も多いようです。
フトアゴヒゲトカゲが健康を維持するために必要な1日の水分の量は、体重1キロあたり10ml〜30mlといわれています。
◆脱水症状が見られた時の対処法
フトアゴヒゲトカゲの皮膚のシワが目立ってきたときは、脱水状態を疑い、ケージ内の湿度を上げるなどの対応をしてください。
さらに、フトアゴヒゲトカゲがぐったりしているところを見つけたら、スポイトなどを使って水を飲ませてあげてみましょう。
なお、フトアゴの口元に水を当ててみても反応がない場合は、速やかに動物病院を受診してください。
多くの生きものは、水場を作れば自然に水を飲んでくれるようになるものです。
しかしながら、フトアゴヒゲトカゲは、「自分で水場を見つけて水を飲む」ということをあまりしません。
それは、前述の通りフトアゴヒゲトカゲの本来の生息地は、オーストラリアの乾燥した内陸部、1ヶ月間に数日しか雨の降らない地域だからです。
野生のフトアゴは、たまに降る雨水で水分補給をしています。さらに、水を飲む量自体も少ないのです。
だからといって水が不要なわけではなく、体内の水分が少なくなれば脱水症状を起こし、ぐったりしたり、ときには命にかかわったりするような状況になることもあります。
フトアゴヒゲトカゲに水を飲ませるには、スポイトで水を直接与える方法が確実です。
スポイトを使い、フトアゴヒゲトカゲの口先に少しずつ水を垂らしていきます。
一度に飲める水の量が少ないフトアゴには、適した飲み方といえるでしょう。
野生のフトアゴヒゲトカゲのように、雨水を飲むのに近い感じですね。
本来、1ヶ月間に数日ほどの雨の日に水分補給をしながら生きているので、毎日飲ませる必要はありませんし、飲まなくても気にする必要はありません。
また、野菜など、水分の多い餌からも水分を摂取しているため、あまり神経質にならなくてもよいでしょう。
考えられる原因②:保温器具が不調・故障している
フトアゴヒゲトカゲは急激な温度変化、特に、寒さが苦手な生きものです。
フトアゴヒゲトカゲがぐったりしている場合、保温器具の不調・故障により保温ができていない、または、急激に温度があがったり下がったりしている可能性が考えられます。
◆適切な温度でない時の対処法
まずは、ケージ内の温度を確認してみましょう。
万が一、ケージ内の温度が低くなっているような場合はケージ内の温度をゆっくりと適温まで上げていきます。
このとき、急激に温度を上げないよう、十分注意しながら作業をおこないましょう。
また、作業が落ち着いたら速やかに保温器具を新しいものに取り換えましょう。
機器は、急に故障することがあります。
そんな保温器具の不調や故障に早く気付くには、常に「壊れる可能性がある」と考えておくこと。
日頃のお世話のなかで、間接的に確認する習慣をつけておくことも大切です。
また、もう一つ忘れてはいけないのがケージ内に温計を設置すること。
季節にかかわらず、朝、昼、夜とケージ内の温度計を確認するようにしましょう。
万が一、ケージ内の温度が適温まで上がっていないような場合は、ケージが置かれている室内の温度を上げるなどの対応も必要です。
保温器具の不調に早く気付くには、ケージ内の温度を温度計で確認するとともに、ケージ内を手で触ってみて暖かくなっているかどうか確認することも大切です。
日頃から、手で温度を確認していると、明らかに壊れてしまう前に、保温器具の不具合に気が付く可能性もあります。
毎日のお世話の際には、ケージ内の温度を確認するようにしてみてください。
考えられる原因③:病気
脱水や寒さが原因ではないにも関わらず、フトアゴヒゲトカゲがぐったりしているという場合は、病気の可能性も考えられます。
フトアゴヒゲトカゲの病気の中でぐったりとする可能性があるのは、腸閉塞やクリプトポリジウム症といった消化器官等の病気と言えるでしょう。
◆生体の見た目や環境に変化が見られない時の対処法対処法
いずれにしても、速やかに動物病院に連れていきましょう。
もしも、フトアゴヒゲトカゲがぐったりしている原因が「病気」だった場合、あまり良い状況とはいえません。
本来、フトアゴなど、まだまだ野生の習性を多く残す爬虫類のような生きものは、簡単に体の不調を訴えたりしません。
フトアゴヒゲトカゲが病気でぐったりしている場合は、辛くてどうしようもなくなっている状況だと考えられます。
このとき、かかりつけ医を見つけておくと安心ですね。
考えられる原因④:年齢を重ね、寿命が近づいている
フトアゴヒゲトカゲが年齢を重ねている場合、ぐったりしている理由が、寿命が近づいているためということも考えられます。フトアゴヒゲトカゲの寿命は、8~11年。
フトアゴも高齢になってくると、1日のほとんどを寝て過ごすことが多くなってきます。
とはいえ、フトアゴヒゲトカゲの様子がいつもと違う、明らかにぐったりしているように見えるときは、速やかに動物病院で診てもらいましょう。
◆加齢に伴い動かない場合の対処法
飼育環境、品種などによって異なるものの、フトアゴヒゲトカゲの平均寿命は8~11年といわれています。
フトアゴヒゲトカゲは、生後2、3ケ月の個体を「ベビー」、以降生後6ヶ月までを「ヤングアダルト」、生後6か月以降の個体を「アダルト」と呼びます。
フトアゴは、見た目で老化を見つけることが難しい生き物ですが、「寝る時間が長くなった」「いつも食べているものを食べなくなった」など、生活習慣に変化が出てくるようになったら老化を意識しましょう。
特に大きな病気をしているわけではなくても、高齢になればフトアゴヒゲトカゲにも「老化」や「衰え」が見られるようになります。
フトアゴヒゲトカゲも老化が進み、寿命が近付いてくると、次第に動きが緩慢になってきます。
あまり動かなくなったり、目を閉じている時間が長くなったりしてきたら、老化の進行を意識し、必要に応じて餌を変えるなどの対策をとってあげましょう。
ぐったりとしているように見えてもただ休んでいる場合もありますので、様子の変化を伺いながら、他の異常が見られた場合には速やかに動物病院を受診しましょう。
まとめ
今回は、フトアゴヒゲトカゲがぐったりしているとき、どのように対応したらよいかについて、解説してきました。
突然、フトアゴがぐったりしている姿を見たら、動揺してしまったり、慌ててしまったりして、適切な対応が取れなくなってしまうかもしれません。
しかしながら、フトアゴヒゲトカゲがぐったりしているときの対処方法や考えられる原因が事前にわかっていれば、落ち着いて対応することができるでしょう。
さらに、お迎えするまえからフトアゴヒゲトカゲを診てもらえる動物病院を見つけておき、「かかりつけ医」として定期的に診てもらっておけば、すぐに相談したり、診てもらったりすることができます。
日頃のお世話のなかで気を付けてあげられることが原因で、フトアゴをぐったりとさせてしまうのは、とてもつらいことです。
適切な環境を整え、1日でも長く、元気で一緒にいられるようにお世話してあげましょう。
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