1.白いハトの正体は「ギンバト」
1-1.分類
1-2.分布
1-3.生態
1-4.人との関わり
2.アルビノのハトも存在する
2-1.ドバトのアルビノ
2-2.キジバトのアルビノ
白いハトの正体は「ギンバト」
マジックに登場する白いハトの正体は、「ギンバト」という種類の鳥です。
ギンバトは、ジュズカケバトの白変種です。
◆分類
ギンバトは、ハト目ハト科の鳥で、日本を含めて世界中で飼われている家禽です。
とても珍しいように感じますが、昔から飼育されているハトなのです。
◆分布
ギンバトは主に、アフリカやスーダンなど、アラビア半島に生息し、砂漠の中や草地、耕地にいます。
ヨーロッパやアメリカでは、野生化して街中によくいる鳥になっており、日本では都会郊外関係なくどこにでも生息しています。
◆生態
ギンバトの全長は25cm前後です。他の鳥よりも体が小さく、大人しい性格が特徴的です。
白変種のため、全身は白い毛で覆われ、くちばしと足は赤色をしています。目は黒色です。
朝早くから鳴くドバトやキジバトと同じように、ギンバトも鳴きます。
ギンバトは日の出と共に行動をし始めます。集団で過ごし、多いときには100羽以上の群れを作って行動することもあり、白いハトの集団となります。
◆人との関わり
白いハトは、オリンピックや式典などに登場しますよね。
ハトは、『平和』『愛』『勝利』『幸運』の象徴といわれています。
また、白いハトの見た目の美しさから、『浄化』『純潔』を連想させ、スピリチュアルの世界でもよく登場します。
旧約聖書や「第一回平和擁護世界大会」のポスターなどいろいろな場面でギンバトは描かれています。
夢診断においても、白いハトが登場すると金運、恋愛、健康運が上がるといわれています。白いハトは吉兆とされているのです。
ギンバトは大人しい性格な上、人懐っこく、体の小ささから、マジシャンにも人気が高く、マジックでよく登場するようになりました。
ギンバトの真っ白な全身の色味は、マジシャンの黒い衣装との相性も良いため、マジックの鳥として抜擢されたと言われています。
さらに、ギンバトが飛び立った際の可憐な姿は、ショーを盛り上げることから、マジックでは白いハトが重宝されるようになりました。
このように、ギンバトと人間は、はるか昔から関わってきたのです。
アルビノのハトも存在する
白いハト=ギンバト、ということは断言できません。
白いハトのなかには、アルビノという先天性の遺伝子異常を持つ個体であることがあります。
アルビノとは、遺伝子の異常で色素成分のメラニンを生まれつき持たない、もしくはほとんどない状態で生まれてくるため、全身のあらゆる部分が白いのです。
アルビノは、鳥だけでなく人間でも誕生します。人間の場合は一万人に一人と言われていますし、蛇やバッタ、カエルでもアルビノの個体は存在します。
アルビノの弱点は、全身の色素がほとんどない状態で生まれていますので、通常の個体よりも光を眩しく感じたり、光に弱い弱点があります。
また、自然界では白色は非常に目立つため、動物の場合は外敵に狙われやすくもなり、なかなか安心して暮らせないのが現実です。
アルビノか、ギンバトかの区別は、目の色で判断が可能です。
アルビノの場合は目の色素が薄いため、目の血管が目立ち、目が赤く見えるのが特徴的です。
ギンバトは、目は黒々しています。
目の色まで確認できなくても、灰色のハトのなかで一匹だけ真っ白なハトがいた場合はアルビノである可能性が非常に高いです。
◆ドバトのアルビノ
先ほども記載したように、街でよく見かける灰色のハトの中に一匹だけ白いコが隠れていることがあります。その場合はドハトのアルビノである可能性が非常に高いです。
生まれる確率は非常に低いですが、ドハトにもアルビノが生まれることはあります。
また、街で見かけるハトはドハトかキジバトがほとんどですが、見た目が非常に良く似ていてぱっと見ではわかりづらいです。
ドハトであると判断するには、くちばしを見ましょう。くちばし付近に白い鼻こぶがあればドハトです。
見極めの参考にしてみてください。
◆キジバトのアルビノ
ドハトによく似たキジバトにもアルビノは誕生することがあります。
またキジバトはくちばしの先に白い鼻こぶはありません。
ドハトと同じようにキジバトも生息域が広いので、よく街中で見かける野鳥の一種です。
キジバトは群れることがほとんど無く、主に1羽や少数で行動します。
元々群れで行動しないキジバトで、さらにアルビノで生まれた場合同種のキジバトとからいじめられたりすることもあり大変な思いをしていることがあります。
見かけたときにはそっと見守ってあげましょう。
白いハトはペットとして飼える?
◆ギンバトは飼育可能
マジックで登場するあの白いハト「ギンバト」は飼育可能なハトです。
ギンバトは主にペットショップで購入可能です。マジックの専門店でもギンバトを取り扱っているところがあります。
気になる値段ですが、1羽3000~5000円程度で販売されています。縁起が良いといわれる白いハトが一万円未満で購入できるのはうれしいですよね。
ギンバトの寿命は一般的なハトと同じく、良い環境で過ごせれば10年前後といわれています。
ギンバトを飼育する際は、一般的な鳥を飼う準備と同じです。
・ケージ
・爪ヤスリ
・お水
・止まり木
が必須アイテムです。
餌は、ハト用の餌で大丈夫です。ミルワームなども与えると良いですよ。
また、狭いケージでは運動不足になり、羽を負傷するリスクが高くなるため、大型の鳥用のケージがおすすめです。
ギンバトは水遊びが好きなコが多いので、ギンバトの体がすっぽり入るサイズの容器を用意し、水遊びをさせてあげましょう。
大人しい性格のギンバトは、初心者にも飼いやすいといわれています。
ギンバトを飼育する際に最も大事なことは、飼育する際には都道府県の許可書が必要であることです。必ず許可を得てから飼育を始めましょう。
ギンバトだからといって飼育が難しいということはありませんが、糞の掃除はこまめにして、衛生面に気をつけながら飼育してあげるとよいですよ。
ハト全般に言えることですが、ハトは朝から鳴きます。近隣の方々の迷惑にならないよう、気をつけましょう。
◆野生のハトを飼ってはいけない
くれぐれも野生のハトを勝手に捕獲して飼育しないようにしましょう。
もしも、白いハトを見かけたとしても捕まえてはいけません。
日本では、ハトの捕獲は「鳥獣保護法」で禁止されており、許可無く野生のハトを捕獲してしまうと罪に問われます。
また、野生のハトには感染症のもとになる菌をたくさん持っていることがあり大変危険です。
むやみやたらに触ると、人間の健康を害す恐れがありますので野生のハトを見かけても近づかないようにしましょう。
ハトの羽毛にはノミやダニがいますし、特にハトの糞の中にはカビの一種である菌が含まれています。
ベランダや車などについたハトの糞を処理するときも、吸い込んだり、素手で直接触れることがないように気をつけて処理をしてください。
大人の場合は糞に含まれる菌が体内に入ったとしても感染リスクは少ないと言われていますが、免疫が落ちている大人や、小さな子どもの場合はリスクが高くなります。
ハトの糞だけで無く、鳥全体の糞には近づかないようにしましょう。
まとめ
マジックで登場する白いハトの正体は品種改良されたギンバトです。
もしも、灰色のハトの中に一匹だけ白いハトがいた場合は生まれつき色素をもたない「アルビノ」です。
アルビノの鳩と出会えるのは本当に希ですが、白く生まれるように品種改良されたギンバトはペットショップ等で出会えます。
ギンバトは、人懐っこく、体が小さいためマジックでの仕込みがしやすいためマジックショーで登場するようになりました。
さらに、白い羽を使って羽ばたく姿がステージ映えすることもマジックで採用される理由です。
鳥の飼育初心者でも飼いやすく、一般的な鳥の飼い方と変わりません。
ハトを飼育する際は必ず住んでいる都道府県に飼育許可申請をしてから飼いましょう。
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