1.アルマジロトカゲとは
1-1.アルマジロトカゲの見た目
1-2.アルマジロトカゲの生態
1-3.アルマジロトカゲの特徴
2.ペットとして飼育する際の注意点
3.アルマジロトカゲを見ることができる場所
4.アルマジロトカゲの飼育方法
4-1.ケージの選び方
4-2.ケージレイアウト
4-3.アルマジロトカゲの餌について
4.まとめ
【掲載:2023.09.27 更新:2024.08.16】
アルマジロトカゲとは
アルをお迎えしてもう少しで
四年だね☺長生きしてね????#アルマジロトカゲ#爬虫類好きさんと繋がりたい pic.twitter.com/Db1e5gJll3— naoki-lance (@levorgnaoki0113) September 18, 2023
しっぽを噛んで、まるでアルマジロのように丸まっている特徴的なポーズと見た目の可愛らしさが注目を集め、度々話題になる『アルマジロトカゲ』。
ガチャガチャのおもちゃとして登場した際には、SNS上でとても人気がありました。
爬虫類好きの中では、全身がウロコに覆われている姿が「鎧をまとっているよう」「恐竜のよう」と、カッコよさが高く評価されているトカゲです。
そんなアルマジロトカゲは、爬虫綱有鱗目ヨロイトカゲ科に属する爬虫類で、南アフリカ共和国の西部に生息する固有種です。
近年、ペットとしての販売を目的としたアルマジロトカゲの密猟が増加し、現在では少種として、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストの「絶滅危惧種(VU)」に指定されています。
◆アルマジロトカゲの見た目
アルマジロトカゲは、鎧をまとうように、頭の先から足の先まで全身がウロコで覆われているのが特徴で、まるで「恐竜」のような見た目をしています。
アルマジロトカゲの体色は黄褐色から薄茶色で、背中には横帯、腹面には不規則斑があります。また、黒色の上あごも特徴のひとつです。
なお、アルマジロトカゲの成体時の体長は12~16 cm。大きくなっても20cmくらいで、トカゲのなかでは小型な種類といえるでしょう。
◆アルマジロトカゲの生態
アルマジロトカゲが生息するのは、やや乾燥した地域の岩場で、身を隠せる岩穴や岩の隙間などが住みかにしながら、10頭前後の群れを形成して生活しています。
群れで生息するという性質からも、アルマジロトカゲは多頭飼い可能なトカゲである反面、性格はおとなしく、臆病。残念ながら、あまり人には懐きません。
とはいえ、アルマジロトカゲは体の温まる日中に活動する「昼行性」で、比較的、人間の生活サイクルに近いといえます。
なお、アルマジロトカゲの食性は、昆虫やクモ、ヤスデなどを好んで食べる「動物食」。
飼育下での平均寿命は約10年ですが、なかには25年生きた子もいるといわれています。
◆アルマジロトカゲの特徴
一般的に、ヨロイトカゲ科に属するトカゲは、天敵から身を守るために全身が尖ったウロコで覆われています。
なかでもアルマジロトカゲには、ヨロイトカゲのもつ尖ったウロコとともに、「危険を感じた時に体を丸めて防御する」という特徴があります。
しかも、しっぽの先をくわえて丸くなるその姿が「アルマジロ」に似ているということから「アルマジロトカゲ」という名がつきました。
また、ヨロイトカゲ科に属するトカゲは、トカゲには珍しく「胎生」で繁殖する種がほとんどです。
アルマジロトカゲも、ヨロイトカゲ科に属するトカゲ「胎生」。夏の終わりごろに1~2頭の子供を出産します。
ペットとして飼育する際の注意点
アルマジロトカゲはとても臆病な性格をしています。お世話の際にも、ストレスを与えないように注意する必要があります。
さらに、アルマジロトカゲをペットとして飼育する場合には、次のようなことにも注意が必要です。
・餌のやりすぎに注意
爬虫類にとって、肥満は健康の大敵です。
主食となる昆虫の与えすぎはもちろんのこと、ミルワームのような比較的カロリーの高い餌の与えすぎにも注意しましょう。
・温度管理はしっかりと
アルマジロトカゲは変温動物であり、南アフリカの高温で乾燥した地域に生息しています。
そのため、アルマジロトカゲは低温や高湿度の環境に強くありません。
特に、冬場の温度管理は極めて重要で、ヒーターや保温球などを上手く活用しながら、常にケージ内が適温に保てるように工夫しましょう。
また、ホットスポットが広くなりすぎてケージ内が暑くなりすぎることがないよう、ケージ内のレイアウトにも注意が必要です。
・脱走に注意
トカゲの仲間は、脱走が得意です。
ケージ内を掃除するときや餌を与えるときなど、蓋や扉を閉め忘れたり、隙間のある状態のまま放置したりすることのないよう、十分に注意しましょう。
アルマジロトカゲを見ることができる場所
アルマジロトカゲを飼う前に実際にどんな動物なのか見てみることをおすすめします。
アルマジロトカゲを見るためには、エキゾチックアニマルを扱うペットショップを探すか、動物園や水族館に足を運ぶのが一番です。
公益社団法人日本動物園水族館協会のWebサイト(https://www.jaza.jp/)では、見てみたい動物が飼育されている動物園・水族館などを検索することができます。
なお、その他にも、静岡県河津町にある動物園「iZoo」では、2023年3月にウクライナの民間動物園から「アルマジロトカゲ」のペアを受け入れ、展示しています。
繁殖により、希少なアルマジロトカゲの個体数が増えてくれると良いですね。
アルマジロトカゲの飼育方法
アルマジロトカゲは、「絶滅危惧種(VU)」に指定されているため、輸入・販売が規制されていますが、エキゾチックアニマルを扱うペットショップなどでは少ないながらも購入は可能です。
では、この希少なトカゲ「アルマジロトカゲ」は、どのような環境で飼育してあげたらよいのでしょうか?
ここでは、アルマジロトカゲの飼育方法と共に、飼育に必要なアイテムや飼育上の注意点などについてご紹介していきます。
◆ケージの選び方
アルマジロトカゲは、大きくなっても20cmくらいという、飼育されるトカゲのなかでも決して大型の種類ではありません。
ですが、アルマジロトカゲが生活するケージ内には、体温調節に必要な「バスキングスポット」を作ってあげる必要があります。
バスキングスポットとは、アルマジロトカゲが行動する昼間の間、決められた位置にライトを当てておき、自由に身体が温められるようにする場所のことです。
そのため、横幅は60~90cm、奥行きは45cm以上ある爬虫類用のケージを選ぶことをお勧めします。
◆ケージレイアウト
アルマジロトカゲが生活するケージのなかは、生態に合った過ごし方ができるよう工夫してあげる必要があります。
では、お迎えするにあたり、どのような環境を整えてあげたらよいのでしょうか。
ここでは、最低限用意してあげるべき6つのアイテムをご紹介します。
–床材–
ガラスやプラスチックなどでできたケージの場合、とても滑りやすく、アルマジロトカゲの足腰に負担をかける原因となります。
そのため、アルマジロトカゲが生活するケージの床には、床材を敷き詰めてあげましょう。
アルマジロトカゲの床材としておすすめなのが、ヤシガラや木材系チップ、デザートサンド、カルシウムサンドなど、乾燥した砂系の床材です。ちなみに、新聞紙やキッチンペーパーなどを代用することもできます。
ペットショップなどで爬虫類用として販売されている床材であれば、万が一、誤飲してしまった場合でも大きなトラブルにならず安心です。
–シェルター–
野生下のアルマジロトカゲは、岩穴や岩の隙間に身を隠しながら生活をしています。
また、性格も臆病なため、好きなときに身を隠すことができるシェルターの設置は必要不可欠です。
シェルターとして市販されているもののなかには、単にドーム状のものから上部に水を入れて湿度が保てるタイプのものなど、さまざまなものがあります。
また、石などを組み合わせて隠れられる場所を作ってあげても良いでしょう。
シェルターを置くことで、アルマジロトカゲが安心して生活できる環境を作ることができます。
–バスキングライト–
バスキングライト(バスキングランプ)とは、ケージの上から照射して、日光浴ができるような環境を作るためのライトです。
変温動物のアルマジロトカゲは、体温調節のために日光を浴びて体温を上昇させます。
アルマジロトカゲにとっては、体温を上昇させ、内臓を温めることで、食欲が出たり、消化器官の働きを良くしたりする効果が期待できます。
バスキングライトは、健康維持のためのとても重要なアイテムといえるでしょう。
なお、南アフリカ共和国と同じような環境を作るには、バスキングライトを35~40度くらいの温度設定する必要があります。
–紫外線ライト–
紫外線ライト(UBランプ)とは、紫外線を放出することを目的としたライトです。
アルマジロトカゲのようなトカゲの仲間にとって、カルシウムはとても重要な栄養素。
しかしながら、単にカルシウムを摂取しただけでは、アルマジロトカゲの身体には吸収されません。そこで、ポイントとなるのが「紫外線」です。
カルシウムの吸収に必要なビタミンD3は、紫外線を浴びることによって生成されます。
そのため、十分に紫外線を浴びられる環境を作ってあげる必要があります。
なお、紫外線ライトは、アルマジロトカゲが活動する日中、8~10時間くらいは照射しておきましょう。
–保温グッズ–
アルマジロトカゲが快適に過ごせるケージ内の適温は、昼間25〜30℃、夜間で20℃くらいといわれています。
バスキングライトは、あくまでも体温調節のために使用するライトで、ケージ全体を適温に保つためには、ヒーターなどの保温グッズが必要です。
爬虫類のケージに使えるヒーターとして、ケージの下に敷くタイプのもの、ケージの上部に設置するタイプのもの、また、保温球といったものが市販されています。
ケージの大きさや形状に合わせたものを選んであげましょう。
–水入れ–
アルマジロトカゲが好きなときに給水できるよう、ケージ内には、常時水入れを設置します。
一度にたくさんの水を飲むわけではないので、大きな水入れは不要です。
できるだけ飲み口の広い、浅めの水入れを選んであげることをお勧めします。
また、乗ったり手を掻けたりしたときに倒してしまうことのないよう、重みのあるものにしてあげましょう。
◆アルマジロトカゲの餌について
アルマジロトカゲの餌は、コオロギやレッドローチ、デュビアといった生きた昆虫です。
餌は2日に1回程度。1回に1~2匹の昆虫を与えてあげてください。
ただし、これらの餌をケージ内に放して与えようとすると、昆虫がケージから逃げ出してしまったり、餌を食べようとしたアルマジロトカゲが床材を誤飲してしまったりするなどのトラブルの原因となります。
そのため、アルマジロトカゲに餌を与えるときは、ピンセットなどで直接与えるようにしましょう。
なお、カルシウム不足を防ぐためにも、餌には爬虫類用のカルシウム剤をまぶしてあげることをお勧めします。
また、アルマジロトカゲが環境に慣れてきたら、是非、市販のトカゲ用人工フードにもチャレンジしてみてください。
人工フードが食べられるようになると、体調を崩したときや災害時など、万が一のときも安心です。
まとめ
今回は、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「絶滅危惧種(VU)」に指定されている希少種「アルマジロトカゲ」についてご紹介してきました。
恐竜のような見た目と飼育に丁度良いサイズ感、そして、希少種ということもあり、日本でも近年、ペットとして注目されています。
しかしながら、トカゲのようなエキゾチックアニマルは、診察可能な動物病院も少なく、飼育情報も決して豊富とはいえません。
また、温度管理がとても重要で、飼育には電気代もかかります。
アルマジロトカゲは、散歩もいらず、声を出して鳴くこともありませんが、決して簡単に飼育できるペットではありません。
アルマジロトカゲの生態をしっかりと理解し、10年以上面倒をみることができるか、適切な環境下で飼育できるかなど、十分に検討を重ねたうえで迎えてあげてください!
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