エミューはペットとしてなつく?飼育方法や注意点をご紹介

2023.11.17

エミューはペットとしてなつく?飼育方法や注意点をご紹介

エミューという鳥をご存知ですか? ダチョウについで世界で2番目に大きな飛べない鳥で、オーストラリアの国鳥としても有名です。 そんなエミューが、人間にもなつき、ペットとしての飼育が可能なのはご存知だったでしょうか? 今回はそんなエミューについてご紹介します。


 

エミューとは

エミュー
みなさんダチョウのような見た目の大型の鳥類、エミューをご存知ですか?
動物園で見たことがある人もいるかもしれませんが、実は個人でもペットとしても人間になつくうえに、飼育するのも不可能ではない動物です。
そんなエミューはどのような鳥なのかご紹介します。

◆大きさ

エミューは、世界最大の鳥類として知られるダチョウの次、つまり世界で2番目に大きい鳥の仲間です。
ダチョウは体長1.9m〜2.7m程なのに対し、エミューは1.6m〜2.0m程度とダチョウより一回り小さい印象です。
それでも2.0mもあるとても大きい鳥と言えます。
羽毛もあるため、全体的に体の大きさも大きく見えますが、見た目の割には体重は50kg程度と、人間の女性1人分ぐらいの重さです。
エミューをペットとして飼育する場合、少なくともこの大きさをカバーできる飼育環境が必要となってきます。

◆寿命

大型の鳥類は、哺乳類に比べて寿命が長いことが知られています。
エミューもその例に漏れず、20〜30年ほどの寿命と言われています。
さらに飼育下ではそれ以上とも。
ただし、ペットとして飼育数が増えてきているインコなどの鳥を診られる獣医師の数は犬や猫に比べてとても少なく、さらにエミューを診ることができる獣医師はもっと少ないことが予想されます。
エミューをペットとして飼育し、長い間共に生活していくために、エミューを診ることのできる獣医師を探しておくことをおすすめします。

◆鳴き声

エミューはオスとメスで違う鳴き方をします。
オスが「グー」や「ウォー」というような低い声で鳴くのに対し、メスは「ボンボンボン」や「ポンポンポン」というようなドラムや太鼓を叩いたような鳴き声なのが特徴です。
鳥類はオスとメスの判別が難しいとされていますが、エミューの場合は鳴き声でオスとメスの判別が容易です。

◆販売価格と購入方法

エミューをペットとして飼育する場合、まず最初にどのようにお迎えするのかを疑問に思うのではないでしょうか。
エミューは犬や猫のように身近なペットショップでは手に入らないため、エキゾチックアニマルを取り扱っているペットショップに取り扱いがあるか問い合わせたり、エミューを飼育している牧場などから入手することが可能です。
販売価格としては、ヒナで3〜10万円程度、成長で20万〜程度です。
ヒナの時期はとても価格が抑えめな反面、体が弱く飼育に慣れていない場合は落鳥させてしまう場合もあるので、ある程度育ったエミューをお迎えすることも検討しましょう。


エミューはでペットとして飼育が可能

ここまでエミューの大きさや寿命、価格などをご紹介してきました。
エミューペットとして飼育するために特別な許可が必要な特定動物には指定されていないため、誰でも許可や申請などの必要がなく、ペットとして飼育が可能です。
ただ、ペットとしての飼育が可能ではありますが「飼育が容易」なわけではありません。
ここからはさらに、エミューをペットとして飼育する場合の特徴や飼い方、注意点をご紹介していきます。


エミューは人になつく!

意外かもしれませんが、エミューは人間になつくと言われています。
ただし、成鳥になるまで人間と接したことがなく、人間を警戒の対象としていたエミューがいきなり人になつくことはまず難しいです。
大人にまで成長したエミューが人になつくためには、多くの時間と愛情が必要になってきます。
そのため、ヒナやまだ若い時期から飼育すると人になつきやすいエミューに成長していきます。
なついてくれるとより一層可愛さも増してきますね。


エミューの飼い方

人にもなつくエミューですが、いざ飼育のことを考えたとしても、周りにエミューをペットとして飼育している人が少ないのもあり、わからないことも多いのではないでしょうか?
そこでここでは、エミューの飼い方を詳しくご紹介していきます。

◆卵から育てる場合

前述もしましたが、エミューは人になつく動物です。
さらに懐かせたい場合は、卵から育て、孵化の瞬間に立ち会えるといいでしょう。
鳥の仲間は、孵化して一番最初に見たものを親と認識する「刷り込み」があり、エミューもその刷り込みがあると言われています。
そのため、孵化の瞬間に立ち会い飼育できると、さらにエミューがなついてくれるでしょう。
エミューの産卵の時期は一年のうちの冬〜早春と短く、その間にエミューを飼育している牧場などから入手することが可能です。

◆成鳥を育てる場合

卵やヒナの時期からエミューを飼育したほうが人間になつきやすくなるのは確かですが、ヒナの頃はとても弱く、エミューを専門で診ることのできる獣医師も少ないため、飼育経験のない人は成鳥からお迎えしたほうが落鳥などの危険もなく、元気で健康な個体をお迎えできる可能性が上がります。
もちろん、成鳥から飼育する場合も、人間が飼育に関わってきている個体なら、愛情を持って日々飼育することで飼い主になついてくれるケースもあります。
ただし、成鳥のエミューはかなりの大きさ。その大きいエミューを飼育するために飼育環境を事前に整えておくことが重要です。

◆飼育環境を整える

エミューを飼育するにあたって、その体の大きさも相まって、飼育環境を整えるのはとても重要です。
体の大きさからも、昨今の日本に多い集合住宅での飼育は難しいといっていいでしょう。
大きな庭のある一軒家での屋外の飼育が基本になります。
庭はコンクリートで整備されている庭ではなく、地面が土で、草が生えているような、エミューの足に負担のかからない庭がいいでしょう。
庭で放鳥する場合は、エミューの身長より高いフェンスで四方を囲むようにしましょう。
庭で放鳥ができない場合は、近くでエミューが運動できる場所が必要になってきます。
エミューは臆病な面もあり、夜間に屋外に出しておくと野良猫などに驚いてしまうので、外にエミュー専用の小屋を作り夜はそこで過ごしてもらうか、家の一室をエミュー部屋にするなどがあります。

◆エサの与え方

エミューは雑食性のため、野生では草や果実、昆虫などを食べています。
動物園で飼育しているエミューは白菜や小松菜などの野菜や果物に、固形のペットフードであるペレットを与えているところが多いようです。
成鳥の場合、一日につき6kgものエサが必要ですが、庭の雑草も食べてくれるのが嬉しいポイントです。
エサは手からの給餌も可能で、その場合は、くちばしで怪我をしてしまう場合があるので、軍手を着用し、感染症などの予防のため、触れ合ったあとは必ず手を洗うようにしましょう。


エミューを飼育する際の注意点

エミューをペットとして飼育することは可能ですが、ペットとしては珍しいということもあり、注意しなくてはならないこともあるので、以下でご紹介します。

◆十分な敷地とごはんの量が必要

エミューをペットとして飼育する際の注意点の1つめは「十分な敷地と餌の量の確保」です。
ご紹介した通り、エミューは大きいものでは体長2mにもなる大型の鳥類です。
その大きさのため必要な運動量も多く、飼育スペースも広い敷地が必要になってきます。
また、こちらも前述の通り成鳥のエミューが1日に必要な餌の量は6kgほど。
葉野菜や果物など、買いだめも難しいので、毎日のように大量なごはんを用意しておく必要があります。

◆なんでも食べてしまうので誤飲に注意

エミューをペットとして飼育する際の注意点の2つめは「誤飲に注意」することです。
エミューの習性として砂嚢という体内の部位に小石をためて、その小石で食べたものをすり潰して食べるという習性があります。
そのため、床にあるものを小石と間違って誤飲してしまう場合も。
誤飲をしてしまった際、最悪の場合は切開手術が必要になることもありますので、エミューの鳥小屋はもちろん、運動スペースにも危ないものが落ちてないか確認することが必要です。

◆他の動物と飼わないこと

エミューをペットとして飼育する際の注意点の3つめは「他の動物と一緒に飼育しない」ことです。
エミューは比較的温厚な動物で、愛情をもって育てれば人間にもなつきます。
ですが、時として犬や猫などの他の動物を敵としてみなし、攻撃してしまうことも。
エミューのような大きい鳥の嘴や爪で攻撃されてしまっては、小さい犬や猫はひとたまりもありません。
基本的にエミューと他の動物は一緒に飼えないと思っておきましょう。

◆静かな環境で飼育をする

エミューをペットとして飼育する際の注意点4つめは「静かな環境で飼育する」ことです。
エミューは体こそ大きいですが、とても怖がりな鳥です。
小さな音でも慣れない音には敏感で、パニックになって走り回ってしまうようなことも。
そのようなストレスを感じやすい環境ではエミューにもよくありませんので、飼育する際は静かな環境を用意してあげるようにしましょう。


まとめ

今回は世界で2番目に大きい飛べない鳥、エミューについてご紹介してきました。
エミューは人にもなつく、飼育が可能な動物です。
ですが、飼育スペースの問題や寿命がとても長いことから、ペットとして少々ハードルが高いことがわかったのではないでしょうか。
実際に飼育するとなった場合は、最後までお世話ができるのかどうかを考えてからお迎えするようにしましょう。



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