うさぎが薬を飲まない、暴れる時の対処法は?うさぎの薬の飲ませ方のコツ

2024.01.02

うさぎが薬を飲まない、暴れる時の対処法は?うさぎの薬の飲ませ方のコツ

うざぎが病院から処方される薬には、シロップ、粉薬、点眼薬などがあります。おとなしく薬を飲んでくれれば問題はないのですが、多くのうさぎは投薬を嫌がるため飼い主さんを悩ませます。この記事ではうさぎにスムーズに投薬するためのコツ、投薬する時の保定の仕方について紹介していきます。いざという時に飼い主さんが困らないよう、薬の飲ませ方をチェックしておきましょう。

うさぎが薬を嫌がってしまう理由

うさぎ

うさぎが病気などで動物病院を受診した際は薬を処方されることが多いです。すんなりと薬を飲んでくれれば問題ありませんが、たいていのうさぎは薬を飲むのを嫌がります。うさぎが暴れたり薬を飲まなかったり、おうちで薬を投与するのはなかなか大変です。

私たち人間ですら薬を飲むのは嫌だ、苦手だと感じることが多いので、動物が薬を飲むのを嫌がるのは仕方のないことかもしれませんね。

うさぎが薬を嫌がる理由を考えてみると、以下の理由が挙げられます。

  • 薬がまずい(味やにおいが嫌い、苦い)
  • 自分の意思に関係なく飲まされる
  • 薬を飲む時に体を拘束される
  • 飼い主さんの雰囲気が怖い

薬によってはかなり苦いものもあり、敏感な子は薬のにおいを嗅いだだけで受け付けないことがあります。

また、無理やり口の中に何かを入れられること、捕まえられ動きを拘束されることも動物にとっては不快な行為といえます。特にうさぎは捕食される側の動物ということもあり、体を拘束される体勢に恐怖をおぼえます。

人間なら薬を飲むのが苦手でも「薬を飲めば病気が治る」ということが理解できているので、我慢して薬を飲むことができます。しかし、動物はそれが分からないので、薬を飲まされることは単に嫌なことをされているだけに感じてしまうのです。

さらに、飼い主さんも「薬を飲ませなければ」という義務感から身構えてしまうことが多いので、繊細なうさぎは雰囲気を察し「飼い主さんがいつもより怖い」と感じてしまうこともあるでしょう。

また、うさぎは記憶力が良く不快な経験はしっかり覚えるので、一度薬を飲まされて嫌な思いをしたら、投薬の時間が近づくたびに隠れようとしたり、投薬の気配を感じただけで怒ったりするようになります。

飼い主さんとしても嫌がるうさぎに投薬することは心が痛み、ジレンマに陥るところですが、うさぎの体のことを思えば処方された通りにしっかり投薬しなければなりません。

うさぎに早く良くなってもらうためには、うさぎが嫌がろうと処方された通りにしっかり投薬することが必要です。そこで、薬の飲ませ方のコツを押さえ、手際よく投薬をすませることが、ストレスを与えず投薬をすませることにつながります。


うさぎの薬の飲ませ方

動物病院で処方され薬には、シロップ、粉薬、点眼薬(点鼻薬、点耳薬)などがあります。薬が出る際には獣医師さんが飲ませ方を分かりやすく説明してくださるので、指示に従って適切に投薬しましょう。

うさぎの投薬の仕方は、伏せの姿勢をとっているうさぎの手前または背後から投薬する方法、あるいはうさぎを仰向けにして薬を飲ませる方法があります。

慣れていない方がうさぎを仰向けにして投薬すると、誤嚥(食道ではなく気管の方に物が入ってしまうこと)が起こることがあるので、家庭で投薬する場合は伏せの姿勢で投薬する方法が無難です。(うさぎの病状にもよります。)慣れると一人でもできるようになりますが、難しい場合は二人で投薬すると良いでしょう。

薬によっては飲みづらく、うさぎが嫌がることがあるので、それぞれの薬のタイプごとに投薬のコツを押さえておきましょう。

◆シロップの飲ませ方

シロップは、薬の成分に甘味を付けて飲みやすくした液状の薬です。うさぎは甘い味が好きなので、シロップなら喜んで飲んでくれることも多いでしょう。

お皿やスプーンに入れたシロップを自分で舐めて飲んでくれるなら問題はありません。

自分で飲まない場合、確実に飲ませたい場合は、スポイトまたはシリンジ(先に針が付いていない注射器)を使って直接口に薬を入れます。

スポイトで薬を飲ませる時は、まず手にスポイトを持ち、もう片方の空いている手でうさぎの顔を固定しながら指先で口角を上に引き上げます。

そうすると歯が見えるので、切歯(前歯)と臼歯(奥歯)の間にあるすき間からスポイトの先を押し込み、舌の奥に向かってシロップを注入します。

シロップは、一気に注入するとあふれることがあるので注意が必要です。2、3度に分けて少しずつ注入した方が飲みこみやすいでしょう。

初めは「口の中に注射器を差し込むのは怖い」と思われるかもしれませんが、うさぎはちょうど切歯と臼歯の間にすき間があるので、少し慣れるとスムーズに投薬ができるようになります。

◆粉薬の飲ませ方

粉薬は一回分ずつ分包にして処方されます。人間なら水でさっと服用すればすむところですが、うさぎに飲ませる場合は、味を嫌がる、薬が散らばって扱いにくいところが厄介です。

うさぎには次の方法で薬を飲ませると良いでしょう。

  • エサに振りかける
  • 少量の食べ物、飲み物に混ぜる
  • 薬の入った袋に水を入れて溶かし、シリンジで飲ませる

一番簡単なのは、小さく切った果物や野菜の表面に粉薬を振りかけて食べてもらう方法です。薬の味が気にならなければ食べ物と一緒に薬も食べてしまうので、飼い主さんも苦労しません。

ただし、薬が苦い場合はうさぎも嫌がります。その場合は、食べ物や飲み物に粉薬を混ぜて与えると良いでしょう。薬の存在を気にせずに飲んでくれることが多いです。

利用するのは以下の食べ物や飲み物がおすすめです。

  • ふやかしたペレット
  • 果物(バナナ、りんご)
  • ドライフルーツ
  • はちみつ
  • ペースト状のおやつ
  • すりおろした野菜
  • 果汁
  • 動物用のイオン飲料

もし固形物が飲み込みづらいようなら、水か飲み物に粉薬を溶かし、シリンジで口に直接入れるのも良いでしょう。

その際は、薬の入っている袋の上部を開け、袋の中に少量の飲み物を入れて溶かし、シリンジで吸い取ってうさぎに与えるのが便利です。(薬の袋は耐水性があるので濡れても問題ありません。)

うさぎには錠剤が処方されることもあります。その際は粉薬と同じ要領で食べ物に混ぜ込んで飲ませると良いでしょう。

◆点眼のやり方

目の病気にかかった時は、小さな容器に入った点眼薬を処方されます。

動物に目薬を指すのは飼い主さんも緊張しますし、うさぎも動いたりまぶたを閉じたりすることがあるので、慣れるまではさっと点眼できないかもしれません。的確に点眼するためにもコツを押さえておきましょう。

点眼する時は、うさぎを膝の上に抱っこするか「保定」をします。そして、片方の手に目薬を持ち、もう片方の手の二本指で上まぶたと下まぶたをやさしく引っ張って目を大きく見開かせます。

眼球の上側から点眼薬をたらし、薬が眼球になるべく行き渡るよう下まぶたを少し引っ張って薬を受け止め、流れ出てしまうのを防ぎます。これで点眼は完了です。

点眼する時は、うさぎの体と顔をしっかり固定しておくのがポイントです。点眼薬の先が当たったり、薬が目に的中しないといったことを防ぐことができます。

点鼻薬や点耳薬を指す時も点眼と同様にうさぎの体を固定し、上から鼻または耳に薬をたらします。うさぎの鼻の穴は小さくて薬を入れるのが難しいのですが、顔の角度を少し上向きにすると薬がさしやすくなります。


うさぎの保定のコツ

aうさぎの投薬

投薬する際は、うさぎの体が動かないよう「保定」をすると、安全かつスムーズにすませることができます。爪切りや受診、強制給餌など、うさぎが動いてはいけない時にこの保定が役立ちます。

保定は何通りかのやり方があり、膝の上などに抱っこした状態でうさぎの体を人の体に引き寄せ、動かないように手で押さえる形が基本となります。

その際、縦抱き、ひっくり返して仰向けにする場合もありますが、薬を飲ませる時は、うさぎが伏せている体勢で保定するのがのぞましいです。

ただ、普通に保定をしようとすると、うさぎが嫌がって逃げたり暴れてけったりする可能性があるで、投薬をする時は「うさぎをバスタオルでくるんで保定する方法」をとるのがおすすめです。

バスタオルでくるむと足の動きが封じられるので、うさぎは動けなくなります。そうすれば、うさぎが暴れる心配もなくなるので飼い主さんもリラックスして投薬をすることができます。

◆うさぎをバスタオルで保定するには

バスタオルで保定する場合は、一般的な大きさのバスタオル1枚を用意します。毛布やブランケットでもよいでしょう。

次に保定する場所にバスタオルを広げ、薬を脇に用意しておきます。テーブルやいすのように高い場所は万が一転落する心配があるので、床で行うのが安心です。

次にバスタオルの上にうさぎをのせ、顔だけ出して体をバスタオルで包みます。その際は、バスタオルの中央よりやや手前にうさぎをのせ、うさぎの左右と後ろを折ってうさぎの体にかぶせ、手早く体に巻き付けていきます。

そして、最終的に顔だけ出てそれ以外の場所は完全にタオルに包まれた状態になるよう、体をタオルでくるみます。うさぎをくるんだら、胴体の部分を飼い主さんの太ももの間に挟むか両手で挟んで、タオルごとうさぎを保定します。

もしも包み方がゆるいと、うさぎがタオルの中にもぐったりすり抜けたりするので、タオルはしっかり巻きつけることが大切です。また、首の周りにすき間があるとうさぎが動けるようになってしまうので、首の周りは特にしっかりタオルを巻く必要があります。前足も必ずタオルの中にしまって動けないようにしましょう。

うさぎの体をしっかり押さえて保定したら、その姿勢のまま薬を飲ませます。

◆保定と投薬は手早く行う

タオルで体を保定するとうさぎはおとなしくなりますが、動きを束縛されて強制的に薬を飲まされるので、うさぎはストレスを感じます。

ストレスは療養中のうさぎに大きな負担をかけるので、保定と投薬は手早行うことを心がけてくださいね。

日頃からうさぎと触れ合って信頼関係を高め、いざという時の保定がうまくできるようにもしておきたいですね。上手に薬が飲めたらほめてあげると良いでしょう。


まとめ

うさぎが薬を嫌がる理由、薬をスムーズに飲ませるコツについてまとめました。

飼い主さんを悩ませることの多い投薬も、コツを押さえて行うとスムーズに投薬できるようになります。ちゅうちょすると投薬に時間がかかり、かえってうさぎの負担を大きくしてしまうので、手早く行うことが大切です。

なお、投薬が難しい場合、不明な点がある場合は、かかりつけの動物病院に相談されることをおすすめします。



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うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


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