1.キツネをペットとして飼育することはできる?
1-1.キツネをペットにするのは難しい
1-2.キツネは病気を持っている場合がある
1-3.飼うこと自体に制限はない
2.キツネを飼育するには
3.ペットとして飼育されているキツネ「フェネック」
3-1.フェネックはどんな動物?
3-2.フェネックのお迎え方法
3-3.フェネックの飼い方
4.まとめ
キツネをペットとして飼育することはできる?
フサフサの尻尾に可愛らしい顔が人気のキツネ。
そんなキツネをペットとしてお迎えしたい方は多いと思います。
SNSでも庭に現れるキツネとイヌが仲良くしている様子が見ることができるように、海外では身近にキツネがいる環境もあり、イヌやネコのようにペットとして飼育している人も多く見られます。
結論から言うとキツネをペットして飼育することは可能です。
しかし、日本においてエキゾチックアニマルの括りにあるキツネは、ペットショップでも見かけることが少なく、ペットとしてはまだまだ珍しい存在と言えるでしょう。
実際に飼育するためにはどのような環境が必要で餌は何を与えれば良いのか、しつけはできるのか、お迎え方法などについても詳しく解説していきます。
◆キツネをペットにするのは難しい
キツネをペットとして飼育することはできますが、飼育の難易度は高い動物と言えます。理由のひとつとして、キツネはイヌやネコに比べて懐かない傾向があるからです。
キツネはイヌ科の動物ですが群れで行動するイヌと違い、単独行動を好む生き物です。
キツネの特性である、鳴き声の大きさや排泄物のニオイなど集合住宅での飼育には向かないとも言われています。
また、日本ではキツネを扱っているペットショップやブリーダーが少なく、それゆえ高額で販売されることが多いです。
エキゾチックアニマルを専門に扱うペットショップでは90万円~100万円で販売されていることも。キツネをお迎えするにはそれなりの財力もなければ、難しいと言えるでしょう。
◆キツネは病気を持っている場合がある
野生のキツネが持っている病気として有名なもので「エキノコックス症」があります。
「エキノコックス症」とは、サナダムシの一種であるエキノコックスがネズミに感染し、そのネズミを食べたキツネに寄生します。
寄生したキツネのふんと一緒に排出されたあと、沢の水を介してその水を飲んだ人間に感染します。人に感染すると重い肝機能障害を引き起こす恐れがあり、危険な感染症とされています。
しかし、野生のキツネを飼育することがない限り、ペットとして繁殖されたキツネを迎えれば問題ありません。
万が一野生のキツネを飼育するようなことになった場合は、動物病院に診てもらうことが必要不可欠です。
◆飼うこと自体に制限はない
エキゾチックアニマルは種類によって「特定動物」に指定されていることがあり、飼育する場合に特別な許可や届出が必要となることがあります。
「特定動物」とは愛玩目的での飼育が禁止されている、人に危害を加えるおそれのある危険な動物と、その交雑種の動物のことを言います。
トラやクマ、ワニやマムシなどが該当しますが、キツネは「特定動物」に指定されていないため、ペットとして飼育できるのです。
現状、どの種類のキツネも飼育できるため、検疫があるため難しくはなりますが、海外から輸入することも不可能ではありません。
キツネを飼育するには
どの動物でもそうですが、キツネを飼育するには生態や習性をよく理解して、最期まで責任を持って飼育する覚悟が必要です。
キツネにとってどんな飼育環境が良いのか、以下のポイントを抑えておきましょう。
②キツネの餌
③キツネにしつけはできない
キツネの飼育はケージ飼いが基本となります。なるべく大きめなものを用意しましょう。
理由としてはイヌと違い、トイレを覚えさせることが難しいことや、野生の修正で床を掘ったりかじったりしてしまうこともあるからです。
しかし、運動神経も抜群なので活動を開始する夕方ころに、ケージの外でしっかり運動をさせましょう。
もし庭がある家であれば、リードをつけた状態で遊ばせると習性である穴掘りをすることができるので、キツネのストレス軽減にもなります。
イヌのように外を散歩させるのは、個体によっては縄張りの外に連れていかれることでストレスに感じてしまうこともあるため、おすすめはできません。
野生のキツネは雑食で、ネズミや虫、鳥、くだものや野菜などなんでも食べます。
そのため、飼育するキツネにはドッグフードを主に、野菜や果物を与えます。
また、イヌと違って体内でタウリンを生成できないことから少量のキャットフードを与えましょう。煮た野菜やささみ、鳥のレバーなどもおすすめの餌です。
餌として与えてはいけないものはイヌと同様で、チョコレートやネギ類などが挙げられます。
前章でも解説したとおり、キツネは単独行動を好む生き物なので、人に懐きにくくイヌのように指示に従うこともありません。トイレも覚えさせることも難しいとされています。
しかし、子どもの頃から人と接していて懐くようになる個体もいます。
根気よく接すればある程度指示に従うようになる場合もありますが、基本的には「懐かない」「しつけはできない」というスタンスでいれば、キツネにストレスをかけることなく飼育できるはずです。
ペットとして飼育されているキツネ「フェネック」
キツネの飼育について解説してきましたが、ペットとして流通しているキツネの種類として「フェネック」がいます。
「フェネック」は砂漠に住む小型のキツネの仲間で、大きな耳につぶらな瞳を持つその愛らしい姿から人気の高いペットです。
◆フェネックはどんな動物?
哺乳綱食肉目イヌ科キツネ属のフェネックは、世界最小のキツネとして有名です。
寿命は10年~12年。体長はおよそ30~40㎝、体重は1~1.5㎏ほどにしかなりません。
野生のフェネックは北アフリカからアラビア半島の砂漠の乾燥地帯に生息し、乾燥の激しい昼夜の寒暖差が大きい厳しい環境の中、暮らしています。そのため少ない水でも生きていける体質になっています。
特徴的な大きな耳は10~15㎝にもなり、この耳でわずかな音にも敏感に反応し、狩りをする時に役立ちます。
また、体温調節機能も兼ね備えています。単独行動をするキツネの仲間の中で、フェネックは異なり、家族単位からなる少数の群れを作って生活します。
性格は臆病で非常に警戒心が強い生き物です。しかし慣れてくるとうれしい時にはイヌのように尻尾を振ってくれたり、ネコのように自由にふるまったりなど魅力的なペットと言えるでしょう。
◆フェネックのお迎え方法
フェネックはエキゾチックアニマルを取り扱うペットショップか、ブリーダーからお迎えするのが一般的です。
お迎え元 | オス | メス | ペットショップ | 55~95万円 | 80~120万円 | ブリーダー | 60~80万円 | 70~100万円 |
ペットショップ・ブリーダー共にメスのほうが高額になる傾向があります。
フェネックは日本国内で繁殖させた個体の販売がメインになりつつありますが、繁殖の難易度が高いことも高額な理由のひとつとなっています。
◆フェネックの飼い方
フェネックを飼う際に必要なものは以下となります。
・エサ皿
・給水ボトル
・ヒーター
・ペットシーツ
・おもちゃ
・巣箱やハンモック
・キャットタワーなど運動できるスペース
また、乾燥地帯に生息するフェネックは日本の夏の湿度が苦手です。温度湿度管理もしっかり行うようにしましょう。
フェネックも雑食性のため、餌はドッグフード・キャットフード・ニンジンやキャベツなどの野菜類・リンゴやバナナなどの果物を与えます。
餌は朝と夜の2回与えます。夜行性のため、夜のほうがよく食べるようです。
砂漠のキツネであるフェネックは、水分をそれほど必要としないとは言え、いつでも水が飲めるように給水ボトルも用意しておきます。
イヌやネコと同じように換毛期があるため、ブラッシングをしてあげましょう。嫌がられない程度に毎日ブラッシングをしてあげることで、スキンシップも図れます。
フェネックの排泄物のニオイは強いため、ケージの中がすぐ排泄物臭くなってしまいます。
ペットシーツをこまめに取り換えたり、1日10分は換気しましょう。家具やカーペットなどに排泄物がついてしまった時は、スプレータイプの消臭剤の使用をおすすめします。
まとめ
その可愛らしさや魅力的な生態から人気が高まりつつあるキツネやフェネックですが、販売価格は高額かつ、イヌやネコなどに比べて飼育の難易度はかなり高いと言えるでしょう。
しかし、キツネやフェネックと生活を共にする喜びは、飼育の難しさを上回るものがあります。生態や習性をよく理解した上で、キツネやフェネックのお迎えを検討してみてはいかがでしょうか?
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