栄養たっぷりなキウイ!果肉、皮、種はハムスターも食べられる?

2024.05.11

栄養たっぷりなキウイ!果肉、皮、種はハムスターも食べられる?

近年は、さまざまな品種のキウイフルーツが店頭に並ぶようになりました。朝食やデザートにキウイを召し上がる方も多いことでしょう。ハムスターを飼っていると、人と同じようにハムスターもキウイを食べれるのか気になりますよね。この記事ではハムスターにキウイを与えていいのか、飼い主さんも知っておきたい栄養価、キウイの注意点について説明していきます。


ハムスターにキウイを与えても大丈夫

キウイ

キウイフルーツは美味しくて手軽に食べられて、しかも栄養豊富な素晴らしい果物です。

もちろん、人だけなくハムスターもキウイを食べられます。ごほうび、ハムスターと仲良くなるためのおやつ、食欲が低下している時の栄養補給、水分補給として役立てることができますよ。

ハムスターに野菜や果物を与える場合、有害な成分を含むものや酸味が強すぎるもの、消化が悪いものは避けなければなりません。しかし、キウイはそういった果物に該当しないので、ハムスターにも与えることができます。

ただ、「酸っぱそう、刺激が強そう」「トロピカルフルーツはハムスターの食べ物ではないのでは」と、少し敬遠してしまう方もいるのではないでしょうか。

確かに、ハムスターにキウイを与えることにはメリットだけでなくデメリットもあります。特にハムスターは体が小さく、与えた食べ物の影響を受けやすいので、飼い主さんがキウイのことを正しく知ったうえで適切な与え方をすることが重要になります。

◆キウイフルーツとは

そもそも、キウイフルーツはどんな果物なのでしょうか。キウイの特徴を簡単におさらいしておきましょう。

キウイは、マタタビ科に属する果実「さるなし」を品種改良したものです。りんごやいちごなどの果物と比べるとハムスターにはあまり縁のない果物のように思えますが、キウイの果実は小動物用のおやつ、枝は小動物用のかじり木の原料にも使われているなど、意外に身近な存在でもあります。

キウイはバナナやパイナップルのようにトロピカルフルーツと呼ばれることがありますが、熱帯産の南国フルーツではなく原産地は中国にあります。

そして、スーパーなどで見かけるものはニュージーランド産のグリーンキウイ、イエローキウイがほとんどです。近年は、国産のキウイも目にするようになりました。

果肉が緑色のグリーンキウイは最も一般的な種類で、爽やかな香りと甘酸っぱさが魅力です。果肉が黄色いイエローキウイは、グリーンキウイよりも果肉が柔らかく甘味が強めです。

そのほか、赤い果肉を持つレッドレインボー、小ぶりなベビーキウイ(さるなし)など、さまざまな種類があります。また、国内では日本人の味覚に合う新しい品種のキウイも生産されていて、より身近な果物になっています。

スーパー等で販売されるキウイのほとんどは輸入品で、主に5~11月頃にお店に出回ります。また、国産のキウイは11~4月頃に旬を迎えます。このようにキウイは一年を通して店頭に並ぶので、季節を問わず気軽に入手することができます。

◆好き嫌いは分かれる?

キウイはハムスターが食べてもよい果物ですが、ハムスターによって好き嫌いが分かれやすいようです。

キウイを与えると喜んで食べる子もいますが、酸味や特有の香りを好まない子もいます。また、キウイはたんぱく質を分解する酵素のアクチニジンが含まれ、アクチニジンが粘膜を刺激することがあるので、与えても食が進まないことが起こるようです。

キウイが苦手な場合は無理に食べさせる必要はありません。ハムスターも私たち人間と同様に食べ物の好みがあるので、代わりにほかの果物を与えることをおすすめします。


キウイの栄養素

キウイフルーツは、栄養バランスが良いことで注目されている果物です。キウイにはビタミンCやカリウムをはじめとするビタミン、ミネラル類が豊富に含まれているので、キウイを食べると体調を整える効果が期待できます。

ハムスターに与える場合に注目したい栄養素は、βカロテン、ビタミンB群、ビタミンE、食物繊維などです。ハムスターがこれらの栄養素を摂取することで、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。

◆βカロテン

キウイの果肉には、βカロテンをはじめ、ルテイン、クロロフィルなどの色素成分が含まれています。

これらの色素成分は果肉の黄色や緑色のもとになるほか、抗酸化作用によって病気や老化を予防する効果も期待されています。
βカロテンは、特にグリーンキウイに多く含まれます。βカロテンは体に必要なビタミンAに変換され、ハムスターの皮膚や粘膜を丈夫にしたり、免疫力を高めたりします。

特にβカロテンを補給したい場合は、グリーンキウイを選ぶとよいでしょう。

◆ビタミンB群

キウイにはビタミンB6、葉酸をはじめ、ビタミン群がバランス良く含まれています。

ビタミンB6はたんぱく質を作る時に必要なビタミンで、ハムスターの筋肉や血液を作るために役立ちます。

葉酸はたんぱく質を作り、ハムスターの成長を促進させます。また、血液中の赤血球を作り貧血を予防します。

◆ビタミンE

ビタミンEには血行促進、抗酸化作用があり、ハムスターの体を健康で若々しく保ちます。

また、ビタミンEはビタミンC、βカロテンと一緒に摂取すると相乗効果によって抗酸化作用が高まります。

ハムスターは体内でビタミンCが生成できるので、食品から摂取する必要はありませんが、キウイにはビタミンE、C、βカロテンが含まれているので、強力な抗酸化作用によって若々しい体を維持する効果が期待できます。

ビタミンEはグリーンキウイよりイエローキウイに多く含まれているので、ビタミンEを意識して与えたい場合はイエローキウイを選ぶとよいでしょう。

◆食物繊維

キウイフルーツは、食物繊維が理想的な状態で含まれている果物です。

食物繊維には水溶性と不溶性があり、それぞれ腸内での働き方が異なります。また、水溶性と不溶性は1:2の比率で摂取するのが良いとされます。

キウイはまさに水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が理想的な比率で含まれています。そのため、便秘がちなハムスターのお通じを良くするために役立ちます。

特にグリーンキウイに食物繊維が多く含まれているので、ハムスターの便秘を予防したい場合はグリーンキウイを与えるとよいでしょう。


ハムスターにキウイを与える際の注意点

ハムスター

ハムスターは体が小さく、食べたものの影響を受けやすくなっています。

キウイフルーツはハムスターが食べて問題ない食べ物ですが、与え方によっては体調に影響が出る可能性もあります。ハムスターにキウイを与える際は、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。

◆与えすぎない

ハムスターにキウイフルーツなどの果物を与える際は、与えすぎないよう十分気を付けましょう。

キウイは水分が多いので、一度にたくさん食べるとハムスターは下痢をしてしまいます。また、糖分を含んでいるので食べ過ぎると肥満や糖尿病のリスクが高まります。

ハムスターの食事はペレットが中心です。必要な栄養素は主食のペレットから補給しているので、果物はあくまでも副食、ちょっとしたごほうびとして、主食に影響しない量だけ与えるようにしましょう。

キウイを与える量は、ゴールデンハムスターなら1cm角、ドワーフハムスターなら5mm角を1日1個が目安です。キウイを与えるのは週1~2回程度にして、副食はほかの野菜や果物を交互に与えるようにしましょう。

キウイは栄養価が高いといっても、普段はひんぱんに与える必要はありません。ごく少量でも栄養が効率よく補給できるので、ハムスターの食欲が低下してペレットがあまり食べられない時、成長期や妊娠中などの栄養が不足しやすい時に活用するのがおすすめです。

◆皮や種は与えない

ハムスターにキウイフルーツの皮や種は与えないようにしましょう。小さく切って、果肉の部分だけをハムスターに食べさせてください。

キウイの皮と種は硬くて消化しにくいので、ハムスターに与えると消化器に負担がかかる可能性があります。

ちなみにキウイの皮や種自体は特に危険なものではないので、人が食べる場合は果肉と種はもちろん、皮も全部食べられます。
むしろ、キウイの皮には抗酸化作用を持つポリフェノールが多く含まれているので、むいた皮を捨ててしまうのも少しもったいないです。ハムスターは果肉だけ、飼い主さんにはキウイをよく洗って皮ごと食べることもおすすめします。

◆完熟したものを与える

完熟していないキウイフルーツを食べると酸味や刺激を感じやすくなります。ハムスターには完熟した甘くて食べやすい状態のキウイを与えるようにしましょう。

また、好みの違いもありますが、グリーンキウイよりもイエローキウイやレインボーレッド、国産のキウイのほうが酸味や刺激が少ないので、ハムスターにはそれらのキウイを与えるのもおすすめです。

◆食べ残しは取り除く

生のキウイフルーツは水分が多くて傷みやすいので、ケージ内の食べ残しは早めに取り除きましょう。

傷んだものをそのまま放置していると、においやカビが生じたり、ハムスターが食べてお腹をこわしたりしてしまいます。


フリーズドライのフルーツもおすすめ

ハムスターに与えるならば、小動物用にフリーズドライされたキウイフルーツもおすすめです。

ドライタイプのキウイなら水分のとり過ぎによる下痢の心配がないので、下痢をしやすい子や体力が落ちている子にも安心して与えられます。

その際は、小動物用のおやつとしてペットショップで販売されているドライフルーツを選びましょう。人間用のドライフルーツは砂糖や油脂、保存料などを使ったものが多いので、ハムスターには適していません。

一方、小動物用に販売されているものは無添加・無加糖・無着色なので、安心してハムスターに与えられます。

ただ、ドライタイプは水分が抜けて小さくなっている分、糖分も凝縮されています。小さなものでも糖分が多く含まれているので、与える際はごく少量にとどめてください。


まとめ

キウイフルーツは手軽に食べられて栄養価が高い、優秀な果物です。適切な方法で食事に取り込めば、ハムスターの健康管理に役立てることができますよ。飼い主さんがキウイフルーツを召し上がる際ハムスターにもたまに少量を与えるとよいでしょう。

ハムスターにも好き嫌いがあるので、キウイがあまり好きでない子には無理に与える必要はありません。また、食べ過ぎると健康に影響することがあるので、ハムスターの好物がキウイでも与えすぎには注意しましょう。



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うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


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